著者
久保田 尚 松本 正生 藤井 聡 羽鳥 剛史 高橋 勝美
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、交通計画に関わるサイレント層に着目し、計画論の分野では、地区レベルの合意形成において社会実験がサイレント層に及ぼす影響を明らかにするとともに、ナラティブアプローチによりアンケートでは把握しきれない物語の抽出を測り、それに基づく政策提言を行った。さらに調査論の面から、複数の調査手法を組合わせることによる交通調査の回収率向上や調査コスト削減、データ信頼性向上が期待される結果を得た。
著者
藤原 美樹 松本 靜夫 フジワラ ミキ マツモト シズオ Miki FUJIWARA Shizuo MATSUMOTO
雑誌
福山大学工学部紀要
巻号頁・発行日
vol.27, pp.111-116, 2003-12

The Chinese classical literature "KIN PEI BAI" is known as one of the four most valuable books in China and it is said to be written in the middle of Banreki years in the Ming period. It is a long novel consisting of 100 stories. In this paper the order maintained by the wealthy feudal family in relation to the room arrangement is examined considering the relationship between the ceremony of marriage, one of the ritual initiations clear that, and women's territory. As a result it becomes women's territory in a house divided in accordance with hierarchy such as a wife, a mistress and a maid and family hierarchy was clearly reflected in the room arrangement. Physically it was divided by a fence, a wall and a door and was secluded from society. It was clear that Confucianism and moral discipline were strict with, especially, women. For a man it was one of the important conditions to get a lawful wife with well-balanced social status Only one woman had the right to become the lawful wife and other women could be nothing but a mistress. A mistress was a kind of goods purchased by money. A marriage was a ceremony to take a wife from the outside to the inside. A bride, when she got married, went to a bridegroom's house on a closed palanquin and entered into a given territory. Women's room was closed and secluded from the outside world.
著者
松本 耿郎 岩見 隆
出版者
英知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は平成5年1月に78歳の生涯を終えた井筒俊彦博士の学問の方法と思想を分析解明することを目的としたものであった。井筒俊彦博士はコーラン研究、イスラーム思想研究、ギリシア思想研究、ロシア文学研究、東洋思想研究などの諸分野にわたって多くの業績を残している。また晩年には独自の言語哲学と存在認識論の総合を目指して、広い意味での東洋哲学に基礎をおいた独自の哲学の確立を構想していた。当初、この研究計画ではその思想と方法の全貌を明らかにすることを目指していたが、井筒博士の該博極まりない知識に基づく学問的営為を見るにつけ、その全貌を解明することは時期尚早であるとの結論に到達した。そこで、この研究においては井筒俊彦博士のこうした学問と思想的営為の基礎となる部分をまず明らかにすることが急務であると考え、同博士が所蔵し、同博士の学的営為の源泉となった1万5千冊の中近東諸語の蔵書の整理を研究の中心的作業とすることにした。中近東語の蔵書の多くはアラビア語、ペルシア語、トルコ語のもので、内容的には主としてイスラーム思想に関係するものである。このため蔵書の整理についてはアラビア語、ペルシア語、トルコ語の文献学に精通している慶応義塾大学非常勤講師岩見隆氏の全面的協力を得ておこなった。この結果、井筒博士の蔵書のなかには極めて資料的価値の高いイランの石版図書が含まれていることが明らかになった。石版図書はその性質上、分析に時間と労力を要するものであるが、本研究計画の最終年度にこれら石版図書のなかから特に資料的価値の高い図書90点をえらび「故井筒俊彦博士旧蔵イラン石版本目録」を作成し、研究課題報告書の一部として印刷した。
著者
金子 睦雄 米山 達哉 山来 貴 磯部 律元 中沢 潔 南家 俊彦 岸 良示 三宅 良彦 桜井 庸晴 松本 直樹 西崎 光弘 岡本 登 渡邉 佳彦
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.59-68, 2009-02-05

開発した合成心電図法を用い,標準12誘導心電図(St-ECG)から高位右側胸部誘導の波形を求め,Brugada型心電図自動検出に有用であるか検討を行った.対象はBrugada症候群と診断された19症例66件のSt-ECG,V<SUB>1</SUB>~V<SUB>3</SUB>誘導の一肋間上心電図(Hi-ECG),合成心電図法より求めた合成心電図(Syn-ECG)である.Hi-ECGとSyn-ECGではQRS-T部分の相関は0.74以上と高かった.循環器専門医がcoved型(A:J≧0.2mV),saddleback型(B),軽度coved型(C:J≧0.1mV)と判読したのはSt-ECGではそれぞれ29件,24件,0件で,Hi-ECGを加えると47件,19件,0件であった.Brugada型と判読された66件をSt-ECGのみで自動解析すると検出感度は68%(A:24件,B:20件,C:1件),Syn-ECGを加えると検出感度は85%(A:44件,B:11件,C:1件)に向上した.一肋間上の心電図と合成心電図は相関も高く,本法が臨床および検診でBrugada型心電図の自動検出に有用であることを確認した.
著者
伊藤 大幸 松本 かおり 髙柳 伸哉 原田 新 大嶽 さと子 望月 直人 中島 俊思 野田 航 田中 善大 辻井 正次
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.304-312, 2014
被引用文献数
13

We examined the psychometric properties of the Japanese version of the Autism Spectrum Screening Questionnaire (ASSQ) and developed a short-form. This study included 157 children with autism spectrum disorders (ASD, ages 7–18, 128 boys) and 4,101 healthy controls (ages 7–15, 3,344 boys) from a general population with a controlled male-female ratio. Four factors (Unusual Interests, Sociality, Peer Relations, and Repetitive Behaviors) were extracted by exploratory factor analysis of control group data. Confirmatory factor analysis revealed that the 4-factor model fit well with data for another sample of the control and ASD groups. Logistic analysis showed that the former 3 factors could significantly predict ASD diagnosis. Thus, a short form of the ASSQ was developed, consisting of 11 items for these 3 factors. This short form showed sufficient internal consistency and high discrimination power for ASD diagnosis that was comparable to that of the 22-item version. Receiver operating characteristic analysis indicated an optimal cut-off of 7 for the 22-item version (sensitivity .949, specificity .801) and 5 for the short-form (sensitivity .936, specificity .818).
著者
松本 康
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.445-447, 1989-03-31 (Released:2009-11-11)
著者
松本 知佳 柳瀬 亮太
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.55, pp.389-392, 2012-07-22

本研究では、長野県栄村の応急仮設住宅を対象とする調査を行い、豪雪地における応急仮設住宅の居缶性に関して検討した。収集したデータを分析した結果、狭小性に関する問題、積雪に関する問題、住性能に関する問題が明らかとなった。さらに、応急仮設住宅の満足度は入居時に大きく上昇し、その後は微増する傾向を示した。今後は、積雪や寒さに対応した、豪雪地における応急仮設住宅を見直す必要がある。
著者
小澤 守 松本 亮介
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

特別の保炎機構を持たない管状火炎燃焼器とその周囲に水管を配置することによって高性能の小型蒸気発生器を構築し,その燃焼特性,伝熱特性,排ガス特性,燃焼の安定性など,装置設計上,必須のパラメータの把握を行った.水管としてはベローズ型フレキシブルチューブをらせん状に巻くことにより,燃焼室外壁を構成し,燃焼室長さを短く抑え,かつ十分な伝熱面積を確保することが燃焼/沸騰伝熱双方の安定性に極めて効果的であることを明らかにした.
著者
松本 和子
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

キプリングを中心に彼とその周辺作家の小説に登場する男性性が弱体化した人物の検証を通じて、当時、時代を支配していた帝国主義の理想とは乖離した人物が描かれる事例が散見することが確認された。そして、多くの場合、そうした登場人物は作者から断罪されるどころか理解をもって描かれており、大英帝国の衰退と、帝国主義の隆盛の狭間を生きることを余儀なくされた作家の内面を探る切り口になり得る可能性が見出せた。
著者
松本 健一 中村 匡秀 水野 修 森崎 修司 大平 雅雄 門田 暁人
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,高い専門性を要するソフトウェア開発作業を,不特定多数の個人にインターネット技術を使って外注する「クラウドソーシング」と,それら個人間での「群集知形成」を支援する超分散開発基盤技術を開発した.具体的には,「多言語対応コミュニケーション・知識形成基盤」と「Lightweight & Massive PDCAサイクル基盤」の2つを開発し,実証実験によってその妥当性,有用性を評価した.個人を単位とした新たな超分散開発形態は,ソフトウェア開発における多重請負構造を解消し,開発リスク低減とソフトウェア品質向上をもたらす.
著者
松本 一郎
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

理科学習の中でも野外学習を伴うものは、その観察学習の実施率が低い。それは、自然自体の多様性により観察対象物が、地域や場所ごとに変化するという本質に由来するものである。また、学校外に観察対象があるため、時間や費用、また観察対象となり得る適当な場所の確保も問題である。本研究では、上記の課題解決のため、学校を支援するための野外学習プログラムの開発・実践を行った。小学6年「土地のつくりと変化」、小学5年の「流れる水のはたらき」の単元において地点の選定、学習の実施などのプログラム化に成功した。本取組期間に延べ、39校園、生徒児童数で1515名にプログラムを提供できた事は、本取組の大きな成果である。
著者
松本 敏郎 高橋 徹 山田 崇恭 山田 崇恭
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

固体中に動吸振構造を有する別の材料定数を持つ固体を埋め込んだ周期構造により有効な振動遮断特性を有する構造を,数値計算の支援により創成するための方法論の開発を目的として,境界要素法による動弾性体の無限周期構造と有限周期構造に対して固有振動数を解析する方法,および動弾性体に対して形状の制御にレベルセット関数を用い,得られた境界を実際に要素分割して境界要素法により最適なトポロジーを得る方法を開発した。
著者
米持 真一 梅沢 夏実 磯部 充久 松本 利恵 深井 順子 城 裕樹 関根 健司 相沢 和哉
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.211-221, 2009-07-10
被引用文献数
3 1

マルチノズルカスケードインパクタ(MCI)サンプラーを用いて,埼玉県内の国道17号線沿道3地点と,対照となる一般環境の3つの組合せからなる計6地点で,微小粒子(PM_<2.5>)と粗大粒子(PM_<2.5-10>)を捕集した。MCIサンプラーを用いて得られたPM_<2.5>質量濃度は,FRMサンプラーを用いて得られたPM_<2.5>質量濃度より5%程度高くなった。道路沿道と一般環境のPM_<2.5>質量濃度間の相関は,PM_<2.5-10>濃度間の相関より高くなった。しかしながら,特に田園に位置する騎西では,冬期に道路沿道よりも高濃度となる現象が見られた。この原因は収穫期以降に見られるバイオマスの燃焼によるものと考えられた。また,東京湾から55kmの距離に位置する騎西でも,夏期の粗大粒子中に海塩粒子が輸送されていた。県内の6地点における硫酸イオンの濃度変動の類似性を変動係数で評価したところ,夏期,冬期ともに変動が極めて類似していた。このことから,少なくとも県内の硫酸イオンは自動車などの局所的な発生源の影響は少なく,長距離輸送などの影響が示唆された。
著者
日置 雅和 河並 崇 松本 洋平 堤 利幸 中川 格 関川 敏弘 小池 帆平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.198, pp.37-42, 2009-09-10
被引用文献数
3

我々の研究グループは,ソフトウェアとハードウェアの観点から,電力を再構成可能なFPGAである"Flex Power FPGA"の予備的評価を行ってきた.今回,我々はFPGAとしての回路再構成機能に加えて,電力再構成機能を有するFlex Power FPGAチップの設計と試作を90nm CMOS技術で行った.また,デバイス設計と同時に,Flex Power FPGAのための専用ソフトウェアを開発した.専用ソフトウェアを用いて16ビットカウンタ回路のビットストリームを生成しチップへ実装した.その結果,設計したチップ上で16ビットカウンタの完全動作を確認した.
著者
山内 知子 阪野 朋子 小出 あつみ 間宮 貴代子 松本 貴志子 勝崎 裕隆 今井 邦雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.15, 2014 (Released:2014-08-29)

【目的】愛知の地元野菜であるアシタバに着目し,生活習慣病予防を目指した機能性パンの開発を試みた。試料のアシタバの構成成分の分析と粉末アシタバ置換量が製パンの機能性亢進に与える効果について,製パン中のポリフェノール量及び抗酸化活性の変化を明らかにした。【方法】】アシタバは,2012年11月に稲沢市の栽培農家から購入し,凍結乾燥(-80℃)し粉末(250μm)にした。強力粉重量400gの内、1%(4g)、3%(12g)、5%(20g)をアシタバ乾燥粉末で置換してパンを作成し、試料とした。対照としてアシタバ無置換パンを作成した。パンの材料配合は置換したアシタバ以外は、使用したホームベーカリーに示される方法で焼成した。アシタバ成分の構造はLC-MSとNMRで分析し,ポリフェノール量はFolin Denis法,抗酸化活性はDPPHラジカル捕捉活性測定法を用いて測定した。データは多重比較法によりTukey-Kramer法で解析し,統計的有意水準は1%とした。【結果】成分分析の結果,今回実験に使用したアシタバの主要成分の一つがChlorogenic acidであることを明らかにでき, Quercetin やkaempferol の配糖体が含まれていることも示唆できた。アシタバ置換パンにおいて,ポリフェノール量・DPPHラジカル捕捉活性能は対照パンと比較して,両者ともにアシタバの置換量増加に伴い有意(p<0.01)に増加する傾向を認めた。日常的に食するパンの強力粉の一部をアシタバに置換することにより、効率的に機能性成分を摂取できる可能性が示唆された。今後,より生理活性の高まるアシタバを用いた調理・加工法について検討していきたい。