著者
石川 敦子 片岡 厚 松永 正弘 小林 正彦 神林 徹 川元 スミレ 木口 実
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.72-80, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

2009年に市販されていた木材保護塗料43種類(水性6種類:各2色,油性15種類:各2色,油性1種類:1色)をスギ(Cryptomeria japonica D. Don)心材に塗装し,屋外暴露試験(つくば市,南面45度傾斜)を4年間実施して,各塗料の耐候性能を比較した。その結果,撥水度については,暴露12ヶ月目までは全ての塗料が塗替え目安の80%を上回っていたが,24ヶ月目までに全43種類中19の塗料が80%を下回ること,また,含浸形と半造膜形塗料は撥水度の低下傾向や劣化の形態が比較的似ていることが明らかになった。屋外暴露期間中の変色について統計的に解析したところ,明色系(ライトカラー)の塗料の方が濃色系(ダークカラー)の塗料よりも変色が大きい傾向が示された。さらに,今回測定した2009年市販塗料は,2004年に購入した市販塗料よりも,屋外暴露による変色と撥水度の低下が少ない傾向があること等が明らかになった。
著者
宗 祐人 小山 洋一 中林 正一 八尾 恒良 佐々木 悠 池田 稔 二宮 健
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1083-1084, 1990-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
3

多くの内分泌疾患が受容体異常症の概念で捉えられ注目されている.症例は20才男子.著明な女性化乳房,尿道下裂手術既往,染色体46XY,血中テストステロン, 5αジヒドロテストステロン,エストラジオール高値, LH・RH負荷正常,睾丸生検組織像などよりアンドロゲン不応症のReifenstein症候群と考えられた1例を報告した.本症の本邦報告例は十数例を認めるに過ぎない.
著者
竹林 正樹 藤田 誠一 吉池 信男
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.28-37, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
25

目的:小児肥満が深刻な青森県下北地域において,下北ブランド研究所では,母親と子が健康意識を大きく変えなくても小児肥満を予防できる食環境の整備を目的とした健康中食のマーケティングを実施した.本稿ではPDCAサイクルを用いた評価内容を示した.事業/活動内容(PLAN・DO):保育園保護者へのインタビュー(n=11)や質問紙調査(n=441)等から,当地域では親子向け健康中食の市場創出機会ありと判断した(推定市場規模6,200万円).ターゲットを「中食の摂取頻度が高く,子にヘルシー中食を食べさせたいと考える母親」,ポジショニングを「親しみ」と「手軽さ」と設定した.保育園給食メニューを中心に5品を発売した.事業/活動評価(CHECK):業者は健康中食を安定的に製造せず,ターゲット層の利用は推定市場規模の0.1%で,当地域での小児肥満予防に与える影響は極めて限定的であったと推測された.消費者ニーズがあったにもかかわらず業者を製造へと動かせなかった原因を「業者の心理を十分考慮しないまま戦略設計し,業者に事業の魅力が伝わらなかったため」と分析した.今後の課題(ACT):改善策として,業者と消費者が直接対話できる場を設定した.この策はナッジ(強制を伴わずに行動を促す仕組みやシグナル)によるものであり,業者は健康中食への愛着が高まり,製造へと一歩踏み出すことが期待される.
著者
藤目 文子 尾形 明子 在原 理沙 宮河 真一郎 神野 和彦 小林 正夫 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.167-175, 2009-05-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究の目的は、1型糖尿病患児を対象としたキャンプが、病気の自己管理行動に及ぼす影響を検討することであった。キャンプの前後に1型糖尿病患児28名に対して、自己管理行動に対するセルフエフィカシー、糖尿病に関する知識、ストレス反応、HbAlcを測定した。キャンプにおいて、ストレス反応が減少し、自己の症状把握に対するセルフエフィカシーの上昇が認められた。さらに自己注射や、糖分摂取、インスリン調節に対するセルフエフィカシーがストレス反応やHbAlc値を改善させる要因として示唆された。1型糖尿病患児を対象としたキャンプは、症状コントロールのための自己管理行動へのセルフエフィカシーや知識の向上に効果的であることが示唆された。
著者
山極 哲也 松屋 美幸 伊藤 怜子 大西 直世 来住 知美 小林 正行
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.49-54, 2023 (Released:2023-02-13)
参考文献数
14

日本バプテスト病院では,ホスピスを中心に,約70名のボランティアが活動している.2020年2月,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により,多くのホスピス緩和ケア病棟でボランティア活動が休止される中,チームの一員であるボランティアの活動を継続するための方法を模索してきた.直接患者と交流する代わりに,作品や植物を通して季節や社会の風を届ける工夫や,オンラインによるスタッフ会議や遺族会の開催など,新たなボランティア活動の方法を見出すことができた.また,院内COVID-19対策会議にホスピス担当者も参加し,最善のケアのためにはボランティアの存在が重要であることを病院全体で共有した.そのうえで,「COVID-19流行状況に応じたボランティア活動指針」を感染対策チームと共同して作成し,感染対策に配慮したうえでボランティア活動を継続することが可能となった.
著者
上田 康夫 丸尾 原義 足高 善彦 深山 知子 本田 由佳 中林 正雄
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.275-286, 2004 (Released:2004-09-30)
参考文献数
27
被引用文献数
1

【目的】正常および妊娠中毒症母体の妊娠経過に伴う体脂肪(Fat Mass:FM),体水分(Total Body Water:TBW)の動態を生体インピーダンス法(bioelectrical impedance analysis:BIA)に胎児部分重量補正を加えた妊婦体成分測定系によって明らかにしようとした. 【方法】兵庫県立柏原病院で管理した妊婦358例を対象とし,1)妊娠6週から16週までの正常妊婦66例,2)妊娠末期から産褥期の正常妊婦44例,3)非妊時体型(やせ:BMI<18,標準:18~24,肥満:>24)と妊娠期間中の全体重増加量によって区分された正常および妊娠中毒症関連疾患妊婦290例である.これらの妊婦は健診時に体脂肪計(タニタTBF-410)による両足間インピーダンス測定を行い,FM,TBWを算出した. 【成績】妊娠6週から16週までの体重変化はFMおよびTBWと有意な正相関を示し,FM,TBWの体重に対する比率は前者が57%,後者が29%を示した.正常妊婦での母体体重およびTBW増加が妊娠期間を通じてほぼ一定であったのに反し,そのFMの増加勾配は妊娠前半期に著明で後半期には明らかに抑制された.とくに肥満体重増加不良群でのFMは非妊時レベル以下に下降した(肥満<7kg:1.0±2.1kg).妊娠中の体重増加はTBWよりFMとの相関性が高かったが,産褥1ヵ月間の体重減少は逆にTBWの減少に起因するものであった.一方,中毒症関連疾患のうち中毒症重症(高血圧主徴,純粋型)におけるFMは初期より明らかに減少し36週には-2.6±3.2kgと対照2.8±1.8kgに比べて有意に低値であり,中毒症軽症や妊娠浮腫と対照的であった.他方, TBWは4群とも36週には対照より高値であり,とくに妊娠浮腫重症では6.6±2.4kgと明らかな高値を示し,とくに妊娠浮腫群では体重との相関が高かった.一方,二次元座標系による分析では妊娠浮腫,中毒症軽症が第1象限内を推移し末期には正常>10kg群にオーバーラップしたのに反し,妊娠浮腫重症は後期にTBWが急増し第1象限をY軸方向へ推移した.他方中毒症重症は初期より第4象限を左上方に偏倚した.また,妊娠36週でのFM,TBW増加量による分類によると妊娠浮腫軽症はFM過少-TBW過剰群を除いた8群間に広く分布したのに反し,妊娠浮腫重症はFM過少/正常-TBW過剰群に,中毒症軽症はFM過剰-TBW正常/過剰群に分布した.他方中毒症重症はFM過少-TBW正常/過剰群に局在した.他方,妊娠浮腫軽症と診断した例のうち実際にTBW過剰であったものは37%であった. 【結論】本測定系の応用によって母体体重変化をFMとTBWの2つに分けて把握することが日常診療の場で可能になり,妊娠浮腫軽症という診断自体の不確実性が明らかになった.一方,中毒症重症ではFMの著明な減少とTBWの相反的な増加が特徴的であり,これには同症で観察されるインスリン抵抗性の高まりが関与する可能性が考えられた.さらに,本症ではFM,TBW両者の相反的な変化が相殺されるために母体体重に明らかな変化の現れないことが推測され,従来の体重のみを指標とした妊婦管理の限界がうかがわれた.いずれにしても臨床的にもっとも問題となる中毒症重症の体成分変化が,この妊婦体成分診断法によって妊娠の比較的早期から他の中毒症群と区別しうるという事実は,本法が中毒症の予知,病態診断を考えるうえできわめて重要なものになる可能性を示唆するものと考えられた.〔産婦の進歩56(3):275-286,2004(平成16年8月)〕
著者
小林 正樹 星野 駿介 樋上 賀一
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.61-66, 2018 (Released:2019-09-02)
参考文献数
50

長期の摂取カロリーの制限(caloric restriction; CR)は,加齢に伴う生理的変化や老化関連疾患の発症を抑制もしくは発症時期を遅延し,平均及び最大寿命を延伸する唯一の簡便で再現性の高い方法として,老化・寿命研究に広く応用されている。CRのメカニズムとして,成長ホルモン/インシュリン様成長因子1シグナルの抑制,mechanistic target of rapamycin complex 1の抑制,サーチュインの活性化,ミトコンドリア/レドックス制御の亢進などの関与が示唆されているが,その詳細は未だ充分に解明されていない。本総説では,最近の分子遺伝学的技術の進歩により得られた遺伝子改変動物を用いたCR研究の知見をベースに,我々が最近報告した白色脂肪組織リモデリングに関する新規知見を含めて,CRのメカニズムを考察する。
著者
林 正雄 Masao Hayashi
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育工学センター紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-60, 1988-02-29

According to the increasing interrelations between Japan and the other countries, it has become urgent necessity for the promising youth to acquire the ability to use English as acommunication means. Even in this Educational Faculty, most students expect to have language training for communication as well as lectures of the English literature or the English language. The present writer has introduced into classes the hearing lessons using English programs by shortwave broadcasting, such as Voice of America, or Radio Japan, etc.Through broadcasting, we can get large amount of various information in a short period of time. Students are compelled to concentrate their energies to listening to the English programs.As teaching material, English news has a merit to attract the student's attention easily, because it is closely connected with their general concerns. This paper states the significance of the training method of this hearing lesson and the way how to introduce it to the university students.
著者
後藤 理絵 竹林 正樹 関根 千佳 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.294-301, 2022-11-30 (Released:2022-12-26)
参考文献数
24

目的:20~40歳代の労働者向け口腔健康行動促進冊子作成のプロセス評価を行うこと.事業内容:20~40歳代労働者を対象に,ナッジを設計した口腔健康行動促進の漫画冊子を作成した.プロセス評価として作成担当者の意識の変化と作成コスト,読者の満足度等を調べた.作成担当者の意識はインタビュー,作成コストは実績から把握し,満足度等はナッジ群(ナッジ型漫画冊子を配布)と対照群(情報提供型冊子を配布)に無作為に割り付けた上でウェブ調査を行った.事業評価:作成後に担当者の意識向上が見られ,作成コストは約88万円だった.読者による冊子の印象(解析対象:ナッジ群119人,対照群120人)は,表紙は「面白そう」(ナッジ群,対照群の順に48.7%, 25.8%),「読みやすそう」(79.0%, 48.3%),「イラストが良い」(57.1%, 28.3%),「情報量が多い」(26.9%, 59.2%),「読むのが不快」(7.6%, 18.3%)で,いずれもナッジ群は有意に評価が高かった.表紙と本編の印象が一致する傾向の項目も見られた.歯周病の知識は,ナッジ群のみ有意に増加した.以上から,ナッジ型漫画冊子は読者の評価が高く,知識向上に役立ち,特に表紙のナッジが重要と示唆された.結論:ナッジ型冊子は,総じて好印象であり,有意な知識向上につながった.ただし,回答に応じて付与された経済的インセンティブが結果に影響した可能性がある.今後は経済的インセンティブのない条件で調査を行う必要がある.
著者
小林 正史 柳瀬 昭彦
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.9, no.13, pp.19-47, 2002-05-20 (Released:2009-02-16)
参考文献数
38

弥生時代の米の調理方法を明らかにすることを目的に,上東遺跡P-ト資料の炭化物を分析した。上東資料が選ばれたのは,甕の大半に炭化穀粒が付き,米の調理に使われたことが明らかなためである。炊飯方法を復元する前段階として,おおまかな使用回数と土器の置き方を検討した。暫定的使用回数は,吹きこぼれの頻度と胴上半部のススの有無を基準にして推定した。この暫定的使用回数は「累積的受熱量」を反映するといえるが,累積受熱量が最も少ない甕は「1回のみ使用」と認定できた。次に,甕の設置方法を明らかにするために胴下部~底面のコゲとスス酸化の位置を検討した結果,環状コゲは直置き状態での側面からの炎による加熱を,「環状コゲ+円形コゲ」と「円形コゲのみ」は直置き状態での「側面からの炎の加熱と底面からのオキ火の加熱の組み合わせ」を示すことが明らかにされた。このように,上東資料は全て炉に直置きされていた。米の調理方法を推定するために,稲作農耕民の各種の伝統的米調理方法について,期待される炭化物パターンのモデルを提示した。この民族誌モデルでは,吹きこぼれ程度,コゲの種類と頻度,喫水線の高さ,加熱過程などの属性が米の調理方法を推定する際に重要だった。上東資料の加熱過程については,1回のみ米調理に使われた甕の検討から,吹きこぼれをシグナルに強火加熱から弱火加熱に移行することが明らかにされた。さらに,(1)吹きこぼれや喫水線下のコゲ付きが高い頻度でみられる,(2)喫水線が比較的高めである,などの特徴も,民族誌モデルにおける「炊き干し法」や「炊きあげる湯取り法」の特徴と一致した。中在家南資料の分析でも,東北地方の弥生時代前半の日常調理において炊きあげる炊飯が普及していたことが示されていることから,(2)の炊飯方法は弥生時代にかなり普及していたと考えられる。一方,「弥生時代の米の調理は粥・雑炊状が中心だった」という仮説も一般に受け入れられている。この仮説は,具体的根拠が示されていないが,「弥生時代の米は単位あたり収量が低かったため,農民の多くは米をあまり食べられず,増量できる粥・雑炊にした」と想定していると思われる。これに対し,本稿の分析の結果,(1)弥生時代には炊きあげる炊飯方法が普及していた,(2)弥生時代になると炊飯専用の甕が作り分けられていたなどの点から,弥生時代の米食程度は現在の主流仮説よりは高かったと考えられる。
著者
小林 正人 佐藤 啓太 佐藤 和紀
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.87, no.802, pp.1123-1132, 2022-12-01 (Released:2022-12-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

In 2016, a countermeasure against the Nankai trough long-period and long-duration ground motions (LPGMs) was announced. However, the response spectrum method (RSM), indicated by the Ministry of Construction notification Vol. 2009 (MCN), is out of the countermeasure. An RSM that considers characteristic changes due to repeated deformation has also been proposed, but since the damping correction formula of MCN is used, its applicability to LPMGs has not been sufficiently investigated. In this paper, we proposed a method for evaluating the influence of characteristic changes due to repeated deformation using RSM for LPGMs and seismically isolated buildings using LRB.
著者
金子 洋子 楊川 堯基 林 苑子 張 紅 塚原 知樹 松永 恒明 多留 賀功 石津 隆 小林 正貴 野口 雅之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.999-1006, 2019-05-10 (Released:2020-05-10)
参考文献数
6

53歳,男性.浮腫にて受診.蛋白尿,心肥大,四肢疼痛ならびに腎不全を認め,αガラクトシダーゼA(α-galactosidase A:GLA)酵素活性の低下,腎生検にて糸球体上皮細胞内に高電子密度物質の沈着,責任遺伝子変異を認め,Fabry病と診断した.末期腎不全のため透析導入し,酵素補充療法(enzyme replacement therapy:ERT)を開始したが,心肥大は進行し,心不全のため死亡した.病理解剖にて多臓器に高電子密度沈着物を認めた.近親者3症例にERTを継続している.本疾患は,早期に診断し加療介入することが重要である.
著者
朝岡 誠 林 正治 藤原 一毅 岩井 紀子 船守 美穂 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.168-175, 2020-05-23 (Released:2020-06-26)
参考文献数
18

研究データの再利用を促進するためには,単純な公開だけではなく,条件付き公開(制限公開)に対するニーズを満たしたシステム基盤の整備が不可欠である.本研究では,制限公開データを提供している機関のワークフローを調査し,研究データを提供するフローの類型化を行った.さらに,汎用的なリポジトリシステムWEKO にその機能を実装し,JGSS 研究センターの制限公開ワークフローをシミュレートすることでその運用を検討した.