著者
林田 愛
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. フランス語フランス文学 (ISSN:09117199)
巻号頁・発行日
no.49/50, pp.131-153, 2009 (Released:2009-00-00)

Mélanges dédiés à la mémoire du professeur OGATA Akio = 小潟昭夫教授追悼論文集 序I: 精神病治療と外科手術II: パターナリズムの文学的表象 : 戦略としての「情報の操作」III: 疾患ではなく患者をIV. 慈父と医師むすび
著者
南條 博 小林実 貴夫 高橋 正人 増田 弘毅 川村 公一 高橋 正人
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

骨髄より動員された内皮幹細胞と樹状突起細胞が、全身諸臓器の血管の活性化に直接関与することを成体で明らかにする目的で、本研究を遂行した。骨髄キメラマウス4ヶ月のトレッドミル負荷1週-4週後の全身諸臓器を詳細に観察した。得られた主な知見は以下の通りである。1)骨髄由来樹状突起細胞が多く出現している部位とまったく見られない部位に分かれているのが特徴で、一様の分布ではない。2)骨髄由来樹状細胞は肋間動脈開口部で多く見られる。3)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニングマウスとトレーニングしないマウスで有意な差はみられない。4)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニング1~4週で差はみられない。5)骨髄由来内皮細胞は上行大動脈起始部にみられる。6)心臓毛細血管では多数の骨髄由来内皮細胞がみられる。7)全身諸臓器の動脈、静脈、リンパ管に骨髄由来内皮細胞がみられる。さらに、週齢による骨髄由来内皮幹細胞と樹状突起細胞の動態を検討し、以下のことが判明した。8)骨髄由来樹状細胞は週齢とともに増加し、大動脈弓から下行胸部大動脈、72週では腹部大動脈に至る大動脈ほぼ全体に分布する。最終的に動脈硬化のない老齢マウスにおいて、骨髄由来樹状細胞が大動脈内膜全体に分布するという世界で初の知見を病理形態学的に証明した。
著者
若林 俊彦 吉田 純
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究のテーマである脳腫瘍に対する樹状細胞療法は、平成18年度で基礎研究、前臨床研究が終了し、平成19年度はトランスレーショナルリサーチとして臨床研究へと移行出来た。すなわち、脳腫瘍(グリオーマ)の特異的分子標的としてIL13受容体alpha2鎖由来ペプチドをGMPグレードで製造することが可能なため、樹状細胞療法の工程がすべて閉鎖回路系にて準備可能となり、厳重なクリーンルームでの管理下においての臨床応用への道が開けた。さらに、人工合成ペプチドであるために、その標的が明確であり、目標としての脳腫瘍へのT細胞の特異的攻撃性を高める可能性も示唆されている。この閉鎖回路系にて作製された樹状細胞は、臨床応用に際しての滅菌管理方法・保存方法・保存期間・パイロジェンテスト・含有提示抗原の定性・定量等も比較的簡便であり、臨床応用への可能性は極めて高いと言える。今回の、IL13受容体alpha2鎖由来ペプチドによる抗原提示効果が樹状細胞による免疫機能の増強に結びつけば、悪性脳腫瘍、特に難治性のグリオーマに対する特異的分子標的細胞療法の免疫誘導の有効性が示唆され、治療面での貢献度は極めて大きく、既存の治療方法に細胞療法分野が一翼を担い、治療選択に幅ができる事は必至である。本研究期間中に、IL13受容体alpha2鎖由来ペプチドを用いて、国際標準化機構ISO9001:2000及びISO13485:2003の管理体制下にある細胞調製施設を使用して、臨床使用用の樹状細胞を作製した。この細胞を用いて、合計4症例に対して実際の樹状細胞療法が実施され、合計16回に及ぶ樹状細胞投与が施行された。その結果、本治療法の安全性が確認され、また画像診断上の有効性や組織診断による有効性が一部の症例に確認でき、今後の治療法の展開に重要な情報が獲得され、臨床応用への大きな福音となった。他の分野から研究面で遅れていた脳腫瘍の樹状細胞療法が、殺細胞効果と静細胞効果を併せ持つ新たな治療法として今後更なる展開が期待される。
著者
林 薫 三舟 求真人 田口 厚
出版者
長崎大学風土病研究所
雑誌
長崎大学風土病紀要 (ISSN:00413267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.87-95, 1962-06

1961年6月採用した長崎及び佐世保市内の幼稚園児及び小学児童791名の血清についてpolio中和抗体の分布を調査し,長崎市では地区によって各型抗体の獲得状態に著明な差が認められたが,佐世保市ではこのような地域差を認めなかった.長崎市でpolio中和抗体獲得の最も低い幼稚園児60名,小学児童60名,合計120名についてSabin型弱毒polio生ワクチンの服用前及び50日後の中和抗体を同一人について比較し,I型及びIII型抗体獲得よりII型抗体のそれが優勢であることが判かった. Polio中和抗体を証明しなかった生後2乃至7ケ月の乳幼児18名に弱毒生ワクチンを服用せしめ,35日後に中和抗体を測定したところ,なお18名中11名は抗体を保有していなかったが,6ケ月後の検査では殆んどすべての幼児が2種以上の抗体を保有していて,僅かに2名が抗体を有していなかった.そして抗体獲得は幼稚園児及び小学児童の場合と同じくII型が優勢であった.1961年7月以前まで長崎県下でpolio患児が散発し,そのうち教室へ送付をうけた検体からI型virus 5株,III型virus4株を分離したが,後者は離島に発生した患者から分離されたものであった.また,1961年8月6日発熟し,一時的下肢脱力症を伴なった1熱性疾患児の糞便から一定のMS細胞変性virusを分離し,未だ確実な同定には至っていないが,この種のvirusの侵淫を調査し,病原的意義の検討が必要と思われた.擱筆に当り恩師登倉教授の御鞭達と御校閲に深謝し,また実験に協力した山口泰世嬢に謝意を表します。Neutralizing antibodies against polioviruses of 471 sera collected from children from 5 to 8 years of age, were examined in Nagasaki city in June 1961, and incidence was found at 71.5% in type I, at 55.7% and 64.4% in type II and III on the average, showi
著者
守嶋 圭 小野 高幸 林 幹治
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.205-230, 1993-11

1990年第31次南極地域観測隊により昭和基地において観測された多波長フォトメータデータより, 844.6nm (OI)光, 並びに670.5nm (N_21PG)光強度を用いて推定された降下電子のエネルギーパラメータの関係を, タイプAオーロラ, パルセーティングオーロラ, ブレイクアップ時のオーロラについて調べた。解析の結果, オーロラのタイプ別に, エネルギーパラメータは異なる関係を示すことがわかった。特にディスクリートオーロラでは, 降下電子の全エネルギーフラックス(E_<tot>)は平均エネルギー(E_<av>)の二乗に比例する関係(E_<tot>=K′・E^2_<av>)が多く見られた。この関係はディスクリートオーロラを励起する降下電子が沿磁力線電位差で加速されるという理論的予測と一致する。実際の観測例の中には上記の比例関係が見られないディスクリートオーロラも存在するが, その原因として, (1)通過するオーロラがフォトメータの視野範囲を十分覆っていない場合, 及び(2)磁気圏側の電子密度, 温度が時間的に変動している場合があることが示された。
著者
山田 悠 鈴木 英之進 横井 英人 高林 克日己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.30, pp.141-146, 2003-03-13

本論では,時系列属性を含むデータから決定木を学習する新しい方式を提案する.時系列属性は,値と時刻のペアについてのシーケンスとして表される時系列データを値にとる属性であり,種々の実応用問題に頻出するために重要であると考えられる.われわれが提案する時系列決定木は,内部ノードに時系列データを持ち,時系列データに関する距離に基づいて例集合を分割する.最初に動的時間伸縮法に基づく基準例分割テストを定義し,次にこれを用いた決定木学習法を示す.実験の結果,提案手法は他の手法に比較して理解しやすく正確な決定木を学習でき,ることが分かった.さらに医療問題への適用の結果,時系列決定僕は知識発見に有望であることが分かった.This paper proposes a novel approach for learning a decision tree from a data set with time-series attributes. A time^series attribute takes, as its value, a sequence of values each of which is associated with a time atamp, and can be considered as important since it fruquantly in real-world applications. Our time-series tree has a time sequence in its internal node, and splits examples based on similarities between a pair of time sequences. We first define our standard example split test based on dynamic time warping, then propose a decision tree induction procedure for the split test. Experimental results confirm that our induction method, unlike other methods, constructs comprehensive and accurate trees. Moreover, a medical application shows that our time-series tree is promising in knowledge discovery.
著者
奥 俊夫 千葉 武勝 土岐 昭男 小林 尚
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.206-210, 1976-10-25
被引用文献数
1

東北地方における1971年初夏のアワヨトウの多発が,外部からの成虫群の侵入に起因することはすでに推測されているが,飛来期について再検討の余地があった。奥山・富岡の飼育実験値に基く蛹化期からの逆算,風向風速の観測値による南西風が優勢な日の検出,天気図による広域の気流条件の検討及び東北地方における成虫誘殺結果から判断して,中国大陸の河南省方面に起源する成虫群が低気圧の移動に伴う連続風によって6月4日夜に東北地方に飛来した可能性が大きいと考えられた。また,奥羽山脈の東側への侵入絡路についても若干の考察を行った。
著者
小林 孝 小林 繁夫 紀平 正知
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.46, no.402, pp.197-204, 1980-02-25

頭がい骨を円筒形容器として中にほとんど非圧縮の柔らかい弾性体を詰めた頭がい模型を用いて, 有限要素法により頭がい衝撃問題の基礎的研究を行った. 脳はせん断弾性係数が体積弾性係数にくらべて非常に小さく従ってポアソン比が0. 5に近い材料なので, 普通の変位法では誤った結果を与える. この困難を克服するため Herrmann の変分原理を用いた. 内部弾性体の圧力応答に対してその体積弾性率と端板の変形の影響が大きいことを明らかにした.
著者
中林 信康 谷口 和也
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.659-665, 2002-09-15
被引用文献数
6 4

1993年8月から1994年8月まで,男鹿半島沿岸水深1〜3mにおけるスギモク群落の季節変化と生産力を調べた。スギモクは9月に越年する付着器から細い糸状の葉が発芽し,冬季には緩やかに,春季には急速に生長して翌年6月に全長が52cm,現存量が5,974g湿重/m^2と当歳期での極大に達する。当歳の葉は9月にかけて著しく枯れ,換わって密な鱗片状の葉をもつ枝を12月まで形成する。1月には全長が53cm,現存量が6,503g湿重/m^2と満1歳期での極大に達するとともに,枝の先端に生殖器床を形成する。卵の放出は4月に水温が8℃以上になって行われる。卵放出後,鱗片状の葉をもつ枝は徐々に枯れて,約2年を経た11月にすべて枯死脱落する。スギモク群落の年間純生産量は層別刈り取り法によって10,478.8g湿重/m^2と計算された。
著者
林 昌樹 小林 功英
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.413-414, 2001

現代の先進的な科学・技術社会においても非科学,オカルトが生まれる土壌がある。その背景には現代の科学・技術に対する根強い不信感がある。さらに我が国特有の科学(理科)教育が抱える問題がある。また専門の世界では社会性が欠如し視野狭窄に陥っている研究者の世界が抱える問題もある。本稿では我が国において非科学,オカルトが生まれる土壌の原因をつくり出していると思われるこうした問題点について考える。
著者
井出 保行 林 治雄 下田 勝久 坂上 清一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.163-169, 1999-07-31
被引用文献数
4

ケンタッキーブルーグラスが優占する放牧草地(草地試験場山地支場)において,ケンタッキーブルーグラスの開花,結実および糞中種子の季節的な動態を調査した。また,菅平牧場では,ケンタッキーブルーグラスの糞中種子による既存群落(ササ型草地)内への侵入実態を調査した。草地試験場山地支場内の調査放牧草地では,ケンタッキーブルーグラスの開花は6月の中旬に始まり,6月下旬にはその大半が結実した。糞中種子は,7月上旬から8月中旬にかけて検出され,7月中句にはその数および発芽率がピークに達した。これらの結果より,牛糞による種子散布が可能な期間は,開花から4週目以降の約1ヶ月間と推察された。菅平牧場における調査牧区では糞塊中にシバ種子が最も多く含まれていたが,糞中種子によってササ型草地内に侵入した植物の中ではケンタッキ-ブルーグラスの平均被度および出現頻度が最も高かった。また,シバを除く侵入植物の被度と糞塊の被度との間には有意な正の相関関係が認められた。これらの結果より,糞中種子による植物の侵入および定着には,糞の分布や糞中種子数だけではなく,侵入後に起こる既存植生や他の侵入草種との競合過程が問題になると考えられた。
著者
岡田 由香 大林 陽子 緒方 京 神谷 摂子 志村 千鶴子 高橋 弘子
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

看護系大学を拠点に地域と連携し、未就園児とその養護者を対象とした子育て支援事業を通して、子育て支援ネットワークを確立し、継続的な子育て支援活動を定着させるシステムの構築に取り組んだ。結果、大学-行政-地域という子育て支援ネットワークによる子育て家族への支援、学生への生きた教育現場の提供について成果を確認することができ、看護系大学の特色を活かした子育て支援活動のシステムを機能させる事業へと継続された。
著者
田中 龍彦 林 裕也 小宮 佳和 奈部川 英則 林 英男
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.327-332, 2007 (Released:2007-06-20)
参考文献数
13
被引用文献数
5 8

酸性溶液中,ヨウ素酸カリウムとヨウ化カリウムとの反応で生成したヨウ素に一定過剰量のチオ硫酸ナトリウムを加え,未反応のチオ硫酸イオンを電量ヨウ素滴定する方法により,ヨウ素酸カリウムの絶対純度を測定した.本研究では逆滴定の手法を採用しているので,濃度が精確に分かったチオ硫酸ナトリウム溶液を必要とすることから,まずチオ硫酸ナトリウム溶液の調製方法と安定性について検討した.使用直前に煮沸して冷却した高純度水に市販特級のチオ硫酸ナトリウム5水和物を溶解することにより,酸素,二酸化炭素及び硫黄バクテリアに起因するチオ硫酸イオンの分解は起こらなかった.また,テフロン細口試薬瓶に保存した約0.5 mol kg−1チオ硫酸ナトリウム溶液は調製直後でも非常に安定であり,安定剤の添加なしに約1か月間濃度変化はほとんど認められなかった.保存容器の材質としてはプラスチックが適していた.この溶液をヨウ素酸カリウム標準物質純度の電量測定に使用した結果,満足できる精確さが得られた.
著者
若林 邦彦
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

ペンスリット爆薬の衝撃起爆機構を明らかにするために、レーザー誘起衝撃波によって衝撃圧縮されたペンスリット単結晶の時間分解ラマン分光実験を実施した。その結果、衝撃圧縮誘起の振動数シフトは振動モードに依存することが示された。ペンスリットのニトロ基が関わる振動が衝撃起爆に影響する可能性があることが分かった。
著者
塚脇 真二 古内 正美 高原 利幸 平吹 喜彦 竹林 洋史 石川 俊之 奥村 康昭 本村 浩之 富田 瑞樹 荒木 祐二 大八木 英夫 ハン プゥ
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

観光産業の爆発的な発展とともに大気や水の汚染、森林の破壊といった環境汚染・環境破壊が顕在化し、遺跡への影響や住民の健康被害が懸念されるカンボジアのアンコール遺跡区域を対象に、大気、水、森林の3分野から総合的な環境調査を2年間にわたって実施した。その結果、同区域の環境汚染や破壊が危機的状況になりつつあることや観光産業との密接な関連があることを確認し、成果をとりまとめ国際シンポジウムとして同国で公表した。
著者
本仲 純子 村上 理一 金崎 英二 森賀 俊広 藪谷 智規 村井 啓一郎 中林 一朗
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本年度はルーマニア(ブカレスト市)と日本(徳島市)で大気から採取された採取された粉じん試料の分析を行った。その結果、大気粉じんに含まれる重金属の組成に明瞭な地域差が確認された。特徴は鉛の濃度がブカレストで高く、日本で低いものであった。本試料採取時には、ルーマニアは欧州で残された数少ない有鉛ガソリン消費国の一つであったため(2005年1月より全面使用禁止)高くなったものと思われる。また、日本では貴金属元素が相対的に高い結果が得られている。これは、ガソリンの無鉛化とともに、排ガス浄化用の貴金属触媒起因と考えられる。また、得られた大気環境のデータの解析に利用するためルーマニアにおける環境調査および行政の対応等の精密な調査を行った。とくに化石燃料を大量に消費し、温暖化ガスを排出する産業であるセメント産業の環境改善に関する取り組みに対して調査を実施した。これに加え、環境試料からの金属抽出に関する論文を提出した。これは、低揮発性かつ高イオン伝導性を有するイオン性液体を金属抽出用溶媒として利用するものである。さらに、窒素酸化物および大気富裕粒子状物質の削減を指向した貴金属触媒を開発した。以上の成果は、複数の国際学会(内一つはルーマニアで開催された国際会議の基調講演に選出)および国際誌への掲載がなされた。
著者
古矢 旬 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹 酒井 啓子 中山 俊宏 西崎 文子 林 忠行 遠藤 泰生 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

現代アメリカの国民意識、国家意識はいかなる要素、要因によって構成され、どのような理由でどのような過程を経て変容してゆくのか、本研究はこの問に対し、歴史、政治、政治思想、外交・国際関係、経済、文化、文学、宗教などの多元的な専門領域を通して接近を図った。それにより、建国期に形成された啓蒙主義的政治理念を主柱として成立したアメリカのナショナリズムが、その後の移民の波によってもたらされた様々なエスニック文化、宗教的観念を取り込みながら、国際秩序の内で次第に重きをなしてゆくプロセスに新しい光を当てることができた。
著者
定金 晃三 横尾 武夫 福江 純 松本 桂 有本 淳一 小林 英之 本田 敏志
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第III部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.55-65, 1995-09
被引用文献数
1

大阪教育大学に設置された口径50cm の反射望遠鏡には,観測装置として液体窒素冷却の高性能CCDカメラが備えられている。さまざまな種類の天体観測を行いながら,このCCDカメラそのものの性能の評価と柏原キャンパスにおける天体観測性能の評価を行った。結果として,CCDカメラの冷却性能,読み出しノイズのレベル,直線性などはいずれも良好であることがわかった。空の明るさの計測を行った結果,柏原の空は市街光の影響を著しく受けており,しかも,方向によって影響の大きさが異なることが分かった。多数のイメージを計測した結果,星像の大きさの平均は現状ではおよそ4秒角である。点光源(星)を対象とした場合,120秒間の露出を4ないし5回行うことで14等台の明るさの天体の相対測光観測が0.02等の精度で行えることがわかった。We have conducted an extensive series of tests of the CCD camera which is used at the Cassegrain focus of the 50 cm telescope of Osaka Kyoiku University. Measurements of bias and dark counts, the read-out-noise, and of the linearlity show excellent performances of the camera. We also measured sky counts over the observatory, apparent stellar radius, and the statistical photometric precision of the observing system. The sky brightness is seriouly affected by the city light. The FWHM of the stellar image is, on the average, around 4 arc sec. Photometric precision of +/— 0.02 mag is achieved by the present system in measurements of 14-th magnitude stars.