著者
羽田 貴史 戸村 理 廣内 大輔 井上 美香子 田中 智子 蝶 慎一 福石 賢一 小宮山 道夫 荒井 克弘 渡邊 かよ子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

60-70年代における社会運動としての大学紛争研究と、大衆化段階における大学改革の研究を統合し、政府・学術団体・経済団体・大学・教授団・教職員組合・学生集団の織りなす複雑な政治過程として大学紛争を捉え、紛争を経た大学改革像を解明する。さらに、このことを通じて、大学の自主改革案の全体像と大学政策への反映を明らかにし、70 年代の大学改革を、単純な政府主導ではない新たな歴史像を提起する。また、経済社会の変容と大学の大衆化、青年の叛乱という同じ課題を抱えたアメリカ・イギリス・ドイツとの国際比較を行い、日本の紛争=改革の特殊性を明らかにする。
著者
廣中 直行 高野 裕治 髙橋 伸彰 田中 智子 板坂 典郎 小泉 美和子
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.96-102, 2011 (Released:2017-04-12)

ヒト以外の動物を用いて快情動を研究することは難しく、客観的に計測可能な行動を対象にする必要がある。このような観点から、我々は報酬探索の神経機構について検討した。一連の実験によって、1)内因性のノシセプチンが高脂肪食に対する選好を調節していること、2)海馬のシータ波が報酬の予期に関係しているらしいこと、3)報酬記憶の形成に伴って海馬のドパミン受容体が増加すること、4)扁桃体のドパミン受容体が選好行動の発現に重要な役割を果たしていることなどが示された。これらの結果は報酬探索における学習や記憶の重要性を示すものであった。報酬探索は生存に必須な生理機能であるが、嗜癖や依存といった病態につながるおそれもある。今後の研究では、正常な報酬探索とその病態を統合的にとらえる視点が必要である。そのような研究の中から快情動の構造と機能について新たな洞察が得られることが期待される。
著者
田中 智哉 三木 貴弘 樋口 大輔
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.87-94, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
52

【目的】近年,筋骨格系疼痛のマネジメントにおいて,心理社会的要因に対する痛みの神経生理学的教育(以下,PNE)の有効性が示されている。今回,両側膝タナ障害と診断された対象者に対して,PNE を中心とした介入を行い,良好な経過が得られたため報告する。【方法】対象者は誘因なく両膝痛が出現した,ランニングを趣味とする20 代男性であった。生物心理社会モデルに沿った評価を行い,痛みの破局的思考,運動恐怖,身体知覚異常,疼痛に対する誤った信念の影響が示されたため,標準的理学療法に加えてPNE を行った。【結果】痛みの破局的思考,運動恐怖,身体知覚異常は軽減し,誤った信念は修正された。両膝痛は改善し,ランニングは満足いくまで実施可能となった。【結論】標準的理学療法に加えてPNE を行うことは,両側膝タナ障害と診断された膝痛に対して有効である可能性が示された。また,それらは身体知覚異常に対しても有効な可能性がある。

4 0 0 0 師子王全集

著者
田中智学 著
出版者
師子王文庫
巻号頁・発行日
vol.第2輯 わが經しあと 〔第4〕, 1940
著者
山本 敦也 菅野 貴久 町田 善康 中束 明佳 鈴木 雅也 田中 智一朗 金岩 稔
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.125-131, 2020-03-28 (Released:2020-04-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1

北海道美幌町内の小河川において越冬中の外来種ウチダザリガニ抱卵個体を選択的に捕獲することにより,より高い駆除効果を得ることを目的とし,ウチダザリガニの抱卵個体に電波発信器を装着して放流し,越冬中に再捕獲することによって越冬環境について調査を行った.同時に,ドローンに電波受信器を搭載して河道上空を飛行させることにより電波発信源をある程度特定し,その後指向性アンテナを用いて詳細な電波発信位置を特定する方法の開発も行った.2017 年 10 月に 3 個体に電波発信器を装着して放流し,同年 12 月にドローンと八木式アンテナを用いて 3 個体全ての越冬場所を特定,回収した.抱卵個体は河岸より 1-2 m,表土から 60-90 cm の地点の蛇行区間の内側の土中で発見され,越冬環境は蛇行区間の内側といった高水敷全体に広がるものと思われた.そのため,越冬中の抱卵個体の選択的な捕獲は現実的に不可能と思われた.一方で,ドローンと八木式アンテナを用いた電波発信源の特定方法は土中かつ水中でも有効であることが示され,今後の応用が期待される.
著者
田中 智久 田上 銀平 山崎 真大 高島 郁夫 迫田 義博 落合 謙爾 梅村 孝司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.607-610, 2008-06-25
被引用文献数
1 2

2005年度冬季に北海道で大量死した野鳥のうちの13羽について,病理検査とインフルエンザ,ウエストナイル両ウイルスの検出を行った.病理検査では全身性の急性循環障害が共通して認められ,ウイルス検出は陰性であった.これら検査結果,冬季限定の発生状況および文献検索から,融雪剤中毒の可能性が高いと考えられた.また,融雪剤を投与した鶏雛は急性経過で死亡し,野鳥と類似の病変を示した.鶏雛で血漿Na濃度の上昇があったことから,野鳥の死因の確定には罹患症例の電解質検査が必要と考えられた.
著者
田中 智大 山崎 大 吉岡 秀和 木村 匡臣
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
pp.37.1817, (Released:2023-08-31)
参考文献数
21

局所慣性方程式は,効率よく洪水氾濫解析を実行できる基礎方程式として2010年頃に提案されて以来,数多くの数値モデルに使われている.著者らは,局所慣性方程式がなぜ高い数値安定性を有するのか,また,その安定性条件はどのように決定されるのかについて,数学的解析とモデル実装の両面から研究に取り組んできた.本稿は,約10年間に渡り取り組んできた一連の研究をレビューし,拡散波方程式との比較,摩擦項の離散化手法による安定性への影響,安定性と精度を両立する離散化手法の提案,という3つの視点で成果を整理する.数理解析の概要を説明するとともに,局所慣性方程式をモデルに実装するユーザー視点での要点をまとめることを目的とする.さらに,水文・水資源学会の研究グループ発足といった原著論文では記すことが難しい共同研究進展の契機についても,時系列で振り返って研究ノートの形で記録する.
著者
田中 智貴 三浦 史郎 呉林 英悟 山下 武廣
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.561-567, 2022-05-15 (Released:2023-05-20)
参考文献数
15

背景:生理食塩水負荷Pd/Pa(saline induced Pd/Pa ratio;SPR)は冠血流予備量比(fractional flow reserve;FFR)計測の際に行う薬剤負荷を必要としない虚血診断検査である.SPRはResting Pd/Paと同様にニコランジルを用いたFFR(N-FFR)計測と比較しても副作用が少なく,患者にとって負担の少ない方法であるが,N-FFRとSPRの相関や診断精度に関する報告はいまだ十分に行われていない. 目的:SPRとN-FFRを同時施行し,両者の相関を調べ,FFR<0.80となるSPRのカットオフ値を決定する. 方法:2012年4月から2021年1月の間に当院に安定狭心症の診断で入院した898名の患者のうち,侵襲的冠動脈造影後に同一の中等度冠動脈狭窄(目視30-90%狭窄)に対してSPRとN-FFRを同時施行した448症例520病変を本研究の解析対象とした.これらの患者に対してSPRとN-FFRの関係を解析し,さらにN-FFRのカットオフ値0.80を基準としたSPRのカットオフ値をROC曲線(receiver operating characteristic curve)にて算出した. 結果:両者の中央値はSPR 0.92(IQR 0.87-0.96),N-FFR 0.85(IQR 0.78-0.90),SPRとN-FFRは強い正の相関(r=0.89:p<0.01)を認めた.N-FFR≦0.8に対する予測解析では,ROC曲線から算出したSPRのカットオフ値は0.89(感度85%,特異度87%),曲線下面積(area under the curve;AUC)は94%であり,カットオフ値0.89を用いた際の診断精度は87%であった. 結論:SPRはN-FFRと強い正の相関を示し,高い診断精度を認めた.SPRは薬剤負荷を必要としないため,より侵襲性の低い機能的虚血評価が可能なことから有用な検査方法の1つとなりうる.
著者
田中 智夫 村山 有美 江口 祐輔 吉本 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.260-266, 1998-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
24
被引用文献数
2 4

本研究は,ブタの視力について,ヒトにおける視力検査の基準を用いて検討した.6頭の育成豚(雌4頭,去勢2頭)を供試し,試視力用のランドルト環と,その切れ目をなくした円図形とを用い,それぞれ負および正刺激として飼料と連合学習させた.二者択一式のY字型迷路を自作し,図形の大きさまたは図形までの距離を変化させ,両図形の識別の可否から視力を判定した.左右の図形の交換は,ゲラーマン系列の乱数表に従って行った.その結果,去勢豚2頭は学習が成立せず,視力測定ができなかったが,雌豚4頭の視力値は,0.017~0.07の範囲にあった.