著者
谷本 道哉 下代 昇平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.132_2, 2017

<p>背景・目的:スポーツチャンバラはレクリエーション性の高いスポーツであり、少年から高齢者まで楽しみながら実施することが可能である。乱取り形式で行えば、ゲーム感覚で楽しみながら、心肺持久負荷および下肢筋群の筋力負荷を相応に与えることが期待できる。本研究では、継続的なスポーツチャンバラの実施が中年男女のメタボ・ロコモリスク指標に与える影響を明確にすることを目的とする。</p><p>方法:平均年齢の中年男女11名を被験者とし、A群6名は週3回11週間の乱取り形式のスポーツチャンバラを実践し、B群5名は運動非介入対照群とした。乱取りは1分×10ラウンドとし、ラウンド間インターバルは30秒とした。12週間のウォッシュアウト期間をおき、A群とB群の介入内容をクロスオーバーさせた。各介入期間前後に左右上下肢筋力、最大酸素摂取量、血液性状の測定を行った。</p><p>結果:スポチャン介入により、上肢および下肢伸展筋力はともに利き腕利き脚側でのみ有意に増大した。最大酸素摂取量は平均で約15%増大した。また血液性状においてはHDLで有意な増大がみられた。</p>
著者
谷本 晃久
出版者
北海道大学文学研究科北方研究教育センター
雑誌
知里真志保 人と学問 : 生誕百周年記念シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
pp.17-26, 2009-02-22

知里・小田『ユーカラ鑑賞』(昭和31年)に関する思い出(石森延男/藤女子大学)同書所収「松前の若殿が所作しながら歌った神謡」の最近の評価(佐藤2007)・「知里は、この神謡が歴史的事実を反映して語られていると考えている」「知里は、アイヌの口頭伝承からアイヌの歴史を読み解くということを、説いたのである」「『松前の若殿が所作しながら歌った神謡』は、和人の侵略が始まって以降の神謡であることは明確であるし、その物語の具体性から、この神謡が実際に起こったことをモデルにしていると考えることは不自然なことではない」・「松前の若殿が所作しながら歌った神謡」は「ホロベツに伝承された神謡」(『ユーカラ鑑賞』)。知里氏の幌別をフィールドにした研究は、『アイヌ民譚集』などの口承文芸のみではなく、佐藤三次郎との協業を含む民族(民俗)誌研究や山田秀三との協業を含む地名(地誌)研究にそのウイングが広がっている。・報告者は、口承文芸研究の歴史性に関する見識を持つものではないため、文献史学の側から直接参考とした知里氏の民族誌研究、とりわけ漁場儀礼に関するそれを取り上げ、お話し申し上げたい。
著者
谷本 能文 泉 俊輔 古田 耕一 鈴木 友恵 藤原 好恒 平田 敏文 山田 外史 伊藤 喜久男
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.61-67, 2000-02-29 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19

ミドリムシに対する強磁場の影響について研究した。生きているミドリムシは,水平方向の勾配強磁場(380T2m-1)中では,高磁場方向に移動する(正の走磁性)。一方,EDTAで殺したミドリムシは,低磁場側に集まった。8Tの均一磁場では走磁性は見られなかった。強磁場中のミドリムシの顕微鏡観察の結果,ミドリムシは磁場とほぼ垂直方向に配向して泳ぎ,また殺したミドリムシも磁場配向していた。ミドリムシの正の走磁性は,ミドリムシの磁場配向とミドリムシにかかる不均一な磁気力の2つを考慮することにより説明された。
著者
木村 和子 奥村 順子 本間 隆之 大澤 隆志 荒木 理沙 谷本 剛
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.459-472, 2008 (Released:2010-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2 5

目的:インターネット上の輸入代行業者を介して個人輸入した医薬品の保健衛生上の問題を明らかにする。方法:輸入代行業者のウェブサイトで頻出する未承認医薬品を個人輸入し,製品外観,真正性,合法性,有効成分含量,サイト,取引実態を調査・分析した。結果:PROZAC®とその後発品,POSTINOR®並びにNootropil®/Nootropyl®とその後発品計166サンプルを入手した。同じ商品名でも製造販売国,包装単位,製剤,流通経路は多様であった。「PROZAC」4サンプルが無許可製造品,Piracetam1サンプルが製造販売国で不許可品だった。含有量は表示量の85-118%。製造販売国で処方せん医薬品であっても,処方せん要求はなかった。添付文書は主に先発品119サンプル(72%)に同封され,英語,フランス語,スペイン語,中国語,タイ語だった。先発品の33%に記載者不明の日本語説明書があった。サイトには未承認薬の商品名や効能効果が記載され,国内発送もあり触法性が疑われた。代行業者によって価格に10倍開きがあり,配送に10日以上かかるものや不着もあった。考察:未承認薬は日本人の使用について未評価の上,処方せん薬を素人判断で使用するのは危険を伴う。流通は不透明で無許可製造品,不許可品も混在した。医薬品の発送者の国際的監視が必要である。消費者は安全性の観点から個人輸入を差控えるべきである。
著者
吉川 聡 渡辺 晃宏 綾村 宏 永村 眞 遠藤 基郎 山本 崇 馬場 基 光谷 拓実 島田 敏男 坂東 俊彦 浅野 啓介 石田 俊 宇佐美 倫太郎 海原 靖子 大田 壮一郎 葛本 隆将 黒岩 康博 桑田 訓也 古藤 真平 小原 嘉記 坂本 亮太 島津 良子 高田 祐一 高橋 大樹 竹貫 友佳子 谷本 啓 徳永 誓子 富田 正弘 中町 美香子 長村 祥知 根ヶ 山 泰史 林 晃弘 藤本 仁文 水谷 友紀 山田 淳平 山田 徹 山本 倫弘 横内 裕人 栗山 雅夫 佃 幹雄
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東大寺図書館が所蔵する未整理文書のうち、中村純一寄贈文書と、新修東大寺文書聖教第46函~第77函を調査検討し、それぞれについて報告書を公刊した。中村文書は内容的には興福寺の承仕のもとに集積された資料群であり、その中には明治維新期の詳細な日記があったので、その一部を翻刻・公表した。また中村文書以外の新修東大寺文書からは、年預所など複数の寺内組織の近世資料群が、元来の整理形態を保って保存されている様相がうかがえた。また、新出の中世東大寺文書を把握することができた。
著者
保谷 徹 松井 洋子 柴山 守 谷本 晃久 岡 美穂子 五百籏頭 薫 原 正一郎 原山 浩介 須田 牧子 小野 将 山田 太造 横山 伊徳 佐藤 雄介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

本研究では、東京大学史料編纂所の海外史料マイクロフィルム約150万コマ等をデジタルアーカイヴ化し、国内採訪史料とともに学術資源として閲覧公開をはかる。また、在外日本関係史料の調査・収集を進め、マルチリンガル、マルチアーカイヴァルなプロジェクト研究を推進する。①デジタルアーカイヴ構築の面ではマイクロフィルム全2739本からのデジタル画像データのサーバ登録を完了し、このうち約85%については簡易目録ベースでの公開を開始している。今年度は新規収集分を含めて約38万コマを公開データに追加し、累計185万コマとなった。②社会連携・地域連携の試みとして、英国外務省文書FO46(TNA原蔵)に続き、横浜開港資料館所蔵FO262(英国外務省駐日公館文書)マイクロフィルム(約20万コマ)をデジタル化した。史料編纂所と開港資料館でのFO262全体(28万コマ)の検索・閲覧を実現する。③ロシア国立歴史文書館長らを招聘した「日露関係史料をめぐる国際研究集会」をした(5月、東京本郷、日本学士院・東京大学史料編纂所で共催)をはじめ、計3回の国際研究集会を実施して研究成果を発表・発信した。④『ロシア国立海軍文書館所蔵日本関係史料解説目録2』を刊行し、ロシア国立歴史文書館所蔵東アジア三国関係史料解説目録の作成・提供を受けた。⑤各重点プロジェクトで日本関係史料調査と目録研究を実施し、とくに、ロシア両文書館での継続的な史料収集やロシア国立サンクトペテルブルク図書館での史料画像データ収集、ハワイ州立文書館での新規撮影約3500コマなど、さらに古写真史料集『高精細画像で甦る幕末・明治初期日本―ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション―』(洋泉社)の刊行などの成果があった。⑥前項の海外史料調査・収集の成果に対する社会的反響は大きく、今年度も毎日新聞・読売新聞・朝日新聞・NHK報道などで大きく取り上げられた。
著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
石田 憲治 嶺田 拓也 粟生田 忠雄 田村 孝浩 日鷹 一雅 谷本 岳 小出水 規行 若杉 晃介 栗田 英治 芦田 敏文
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

水田における魚類や水生昆虫などの生物の行動特性と水田及び周辺の植生や土壌、水利条件などの環境特性、さらには水田の水環境にかかわる社会条件から生物多様性向上要因を分析した。その結果、(1)生物多様性向上に有効な湿地環境復元に水田冬期湛水が有効であること、(2)初期湛水深、湛水田の配置、湛水期間の工夫で現行の利水条件下でも湛水可能面積の拡大が可能であること、(3)一部の水生昆虫では冬期湛水より通年湛水場所を確保する水管理が重要であること、などを明らかにした。
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
関西大学視聴覚教育 (ISSN:13431099)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.63-64, 2005-03-31
著者
柿原 利政 溝口 敦士 櫻井 快勢 瀬井 大志 谷本 隼飛 宮田 一乘
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.34-42, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

本論文では,7基の噴水を団扇型のコントローラで操るインタラクティブな噴水システムを提案する.1基の噴水は1つのポンプと,9個のフルカラーLEDで構成され,室内で使用するためにアクリルパイプで覆う.PCは噴水のポンプとLEDをコントロールし,団扇型コントローラの動きにともない水の噴射量と光の色を変化させる.団扇の形状が持つアフォーダンスを活用した,インタラクティブな噴水システムを実現した.
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-59, 2012-09-20

本論文は,美容整形や美容医療(プチ整形)が普及する現代社会において,それらの施術を受けたいと思う人々の①属性,②身体意識を明らかにする.また,以前行った調査で,美容整形を希望する理由に「自己満足のため」が最も多かったという結果をうけ,③美容実践が,身体を自分の所有物と感じてアイデンティティを再定義するような主体的な経験なのかも明らかにする.25~65 歳の男女800 人に調査票調査を行い,分析した結果は次の通り.①美容施術を望むのは男性よりも女性である.性別以外の,年代,世帯年収,学歴,既婚・未婚といった属性では有意差が見られなかった.②美容実践はあくまでも第一義的に「自分の心地よさ」(=自己満足)のために行われる.自分の心地よさという理由は,美容実践でない行為においても,美容実践を望む人が,望まない人より使用している.ただし,美容実践を望む人ほど「他者」の評価も求める傾向ももつ.③美容実践は,性別と世帯年収に規定される.また自己アイデンティティの再構築を目指すような主体的な行為というより,むしろ「外見の老化を感じる」こと,「身体に関する社会の常識を守るべきという考えを持たない」ことに規定される行為でもある.したがって,美容実践は,第一に「自分」という位相で語られる行為である.ただし,自分の心地よさの背後には「他者」の評価期待が含まれる.そして身体に関わる常識という意味での「社会」的影響は後景に退いている行為である.\nThis paper analyses people intending to undergo cosmetic surgery or cosmetic medical care in contemporary Japan. It aim to explore (1) their attributes, and (2) their body consciousness. The study found that the most popular motivation for cosmetic surgery was “self-satisfaction”. ーFollowing this, the study investigated (3) whether cosmetic practices can be regarded as subjective experiences, which promote the re-definition of identities. The results of this later survey (involving 800 informants) as follows.First, more women want to have cosmetic interventions than men. Other attributes, including age, academic background, income, and marital-status, did not show any significant influence on motivations. Second, some people want to have cosmetic interventions because of a sense of self-satisfaction, however, they tend to want positive evaluations from “others” too. Third, “awareness of aging” and “lack of a conviction to maintain common sense in relation to one’s body” are more likely to inderpin a desire to undergo cosmetic intervention than “the intention to reform self-identity.”Therefore, cosmetic interventions should be understood in terms of “the self,” positive evaluations by “the other,” and “self-comfort.” Although cosmetic practices are social practices, they are not significantly influenced by “the social.”
著者
谷本 博一 木村 健二 木村 暁
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.271-274, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

The various molecules and organelles in a eukaryotic cell are suitably positioned within the cell to carry out their functions at the appropriate time. This intracellular positioning is accomplished through interplay among the active transport mechanisms, intracellular fluctuations, and physical properties of the components inside the cell. Here, we review the recent advances in research on how the nucleus moves toward, and maintains its position at, the geometrical center of the cell. This question has attracted researchers from various fields, and is a good subject for interdisciplinary collaboration.