著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
鈴木 隆文
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.15-20, 2004-01-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
33
被引用文献数
1
著者
鈴木 隆弘
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.29-59, 2021-09-16

The propaganda bureau of the Chinese Nationalist Party (KMT) has the role of “induction of the public opinion,” “regulation of the public opinion,” outside the party, and “opinion agreement” to unify the opinion within the party. This paper demonstrates that the propaganda bureau of the KMT strengthened control by unifying the opinion within the party in the early days of the tutelage period. Two methods of unifying the opinion were employed. First, the KMT created a vertical leadership system for the local party propaganda bureau by the central party, and second, the party members were instructed by the content of the propaganda to homogenize political ideas. After the reorganization of the KMT in January 1924, the necessity of both methods was recognized; however, the system was not sufficiently established, and the opinion was not unified. Therefore, it was extremely vulnerable as an organization. Hence, the KMT proceeded with developing the propaganda organization in 1928. First, the organizational rules of the central-local propaganda bureau were formulated, and the hierarchical relationship between the propaganda bureau of local propaganda organization was established with the central propaganda bureau at the top. An “propaganda system” based on orders and obedience was institutionalized. In addition, in the “propaganda strategy” established by the central propaganda bureau, the propaganda was divided into “inside the party” and “outside the party.” The “inside of the party” propaganda refers to unifying the intentions of the party members. After establishing such an institutional framework, the central propaganda bureau increased its effectiveness in various ways. First, it thoroughly carried out a “propaganda work report” to the upper party bureau from the lower party bureau. The central propaganda bureau gave instructions based on these reports, rigorously assessing and evaluating the reports to control the lower party. Furthermore, to promote the unification of the content of propaganda, a national propaganda conference was held to unify the content of propaganda and to exchange people. By supplying a large amount of propaganda items throughout the region, they tried to unify the propaganda and promote the unification of the party members’ opinions.

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著者
鈴木 隆
出版者
岩手医科大学歯学会
雑誌
岩手医科大学歯学雑誌 (ISSN:03851311)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-10, 1995-04-30 (Released:2017-06-06)
参考文献数
20
被引用文献数
2
著者
鈴木 隆芳
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.44, pp.9-28, 2010-03

「言葉とは何か」と問われて、返答に窮して黙りこくってしまう人はそういない。この種の問題については、だれもが自分流の切り口を持っているものだ。だがそんな時、突然、「あなたが今話しているのは、それは言葉そのもののことではありませんね。」と言われたらどうだろう。はっとして振り返ると、自分の言っていたことがなにも言葉に限った話しではないことに気づく。言葉と同じ用途、性質、役割をもったものなど他にいくらでもあるものだと思い至る。\n 言語学が得意としてきたのは実はこうした譬え話である。「言葉のように見えて、ほんとうは言葉でないもの」は「言葉そのもの」よりもよっぽど扱うに易しいからである。\n ここでは、こうした「言葉のように見えるもの」が、言語学にもたらした功罪を考える。なぜなら、それは言語学にとって毒にも薬にもなってきたからである。
著者
鈴木 隆雄 百々 幸雄 西本 豊弘 三橋 公平
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.455-463, 1983 (Released:2008-02-26)
参考文献数
21

北海道縄文時代後期末葉に属すると考えられる三ツ谷貝塚出土人骨において,成人および小児の上顎洞内に極めて特徴ある骨増殖像が認められた。この所見は,臨床耳鼻咽喉科学上,いわゆる"遊離骨片"と診断されるものであるが,本症例のように巨大な骨塊を呈するものは臨床的にも,また古病理学的にも比較的稀なものである。今論文はこの"遊離骨片"について,その形態,古病理学的診断等について述べるとともに本症の病因や遺伝的素因についても若干の考察をおこなった。
著者
牧迫 飛雄馬 島田 裕之 吉田 大輔 阿南 祐也 伊藤 忠 土井 剛彦 堤本 広大 上村 一貴 Jennifer S. BRACH 鈴木 隆雄
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.87-95, 2013-04-20 (Released:2018-04-12)
参考文献数
41

【目的】日本語版-改訂Gait Efficacy Scale(mGES)の信頼性と妥当性を検証することを目的とした。【方法】地域在住高齢者240名を対象とした。そのうちの31名については,自記式による日本語版mGESの評価を2回実施した(評価間隔14〜20日間)。日本語版mGESの妥当性を検証するために,運動機能(chair-stand test,片脚立位時間,通常歩行速度,6分間歩行距離),生活空間,転倒恐怖感との関連を調べた。【結果】日本語版mGESは高い再検査信頼性を示し(級内相関係数[2,1]=0.945,95%信頼区間0.891〜0.973),すべての運動機能および生活空間と有意な相関関係を認めた。従属変数を転倒恐怖感の有無,独立変数を性別,各運動機能,生活空間,日本語版mGES得点としたロジスティック回帰分析の結果,転倒恐怖感と有意な関連を認めた項目は,性別(女性),通常歩行速度,日本語版mGES得点であった。【結論】高齢者における歩行状態の自信の程度を把握する指標として,日本語版mGESは良好な信頼性および妥当性を有する評価であることが確認された。
著者
荒井 康之 鈴木 隆雄 長島 晃司 福地 将彦 小坂 由道 太田 秀樹
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.150-157, 2019-09-20 (Released:2019-09-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的:在宅ケアを受けたがん患者において,患者・家族が希望する最期の場所は在宅ケアを受ける中で変化するのか,実際に希望の場所で患者が最期を迎えるのかを検討する.方法:A診療所が在宅ケアを提供したがん患者111人の診療録調査.在宅ケアの開始当初と最終段階での患者・家族が希望する最期の場所,患者が最期を迎えた場所を検討した.結果:当初の希望が自宅である患者の95.6%・家族の96.8%が最期まで自宅を希望し,当初の希望が自宅でない患者の87.9%・家族の84.8%が最期に自宅を希望した.患者の97.4%・家族の97.2%で,最終段階の希望と最期を迎えた場所が一致した.結論:一診療所の調査ではあるが,自宅での最期を希望した患者・家族は最期までそれを希望し続け,当初はそれを希望しなかった患者・家族も最期には自宅を希望しやすいことが示唆された.また患者の多くが希望の場所で最期を迎えることが示唆された.
著者
高橋 大輔 鈴木 隆 加藤 良一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-20, 2010-02-15

要旨 : 植物性食品の抗菌性を簡便に調べることができる実験教材として、(A)YEB寒天培地又はPYG寒天培地の中央に直径10mmの穴を開け、腐葉土からの2倍希釈の上澄み液を培地表面に0.5ml塗布し、その中央の穴に抗菌性食品を約0.3g入れ、それらをシャーレで24時間培養する方法、(B)YEB寒天培地又はPYG寒天培地の中央に直径10mmの穴を開け、納豆からの5倍希釈の上澄み液を培地表面に0.5ml塗布し、その中央の穴に抗菌性食品を約0.3g入れ、それらをシャーレで24時間培養する方法、及び(C)6枚切り又は8枚切りの食パンの耳の部分を切り落とし、さらに1枚の食パンをほぼ均等に4つの四角形の切片にし、その切片の片面のみ腐葉土からの5倍希釈の濾液に浸し、その切片の中央に約0.3gの抗菌性食品を置き、それらを密封容器で5日間培養する方法の3つが簡便で分かりやすいものとして示された。
著者
菊地 和則 伊集院 睦雄 粟田 主一 鈴木 隆雄
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.363-373, 2016-10-25 (Released:2016-11-24)
参考文献数
29
被引用文献数
2

目的:認知症の徘徊による行方不明死亡者の死因の違いによる,行方不明から死亡に至るまでの過程の違いを明らかにし,捜索の効率化と死亡の予防に資することを目的としている.方法:2013年中に警察に行方不明者届が出された人の中で,認知症(疑いを含む)により行方不明になった10,322名の中から,死亡者全数である388名の家族を対象として,厚生労働省が警察庁の協力を得て自記式調査票による郵送調査を行った.郵送調査は2015年1月5日から2月2日に実施された.個人情報を除いたデータが厚生労働省から研究班に提供され,死亡者の中で死因が記載されていた61名を分析対象とし,χ2検定(Fisherの直接法)と残差分析により,死因の違いに関連する要因を検討した.なお,死因は先行研究を参考に「溺死」,「低体温症」,「その他」の3つに分けた.結果:分析の結果,死因が「低体温症」では死亡推定時期が行方不明から「3~4日目」,死因が「その他」では「当日」が有意に多くなっていた.また有意差は無かったが溺死の場合,4割以上が「当日」に死亡していた.結論:徘徊による行方不明死亡者には,死亡に至るパターンが少なくとも3つある可能性が示された.即ち,①行方不明後すぐに自動車事故などによる外傷や溺死,病状悪化などによって死亡するパターン,②数日間徘徊して徐々に体力を奪われた末に低体温症などで死亡するパターン,およびこれら2つに当てはまらない,③その他のパターン,である.
著者
小林 千余子 蛭田 千鶴江 鈴木 隆仁
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

刺胞動物門ヒドロ虫綱に属するマミズクラゲは、淡水棲でありながらクラゲを放出する生物である。日本全国で夏場にマミズクラゲ成熟個体の発生が報道されるが、一つの池で一性別だけしか確認されないことが多く、その生物伝播や性決定に関して謎多き生物である。申請者は 7年前にマミズクラゲポリプを入手し、1個体から個体数を増やすことに成功し、さらに温度変化によるクラゲ芽形成の条件を確立した。そこで本研究では、実験室内で有性生殖世代を再現し(性成熟を引き起こし)、さらに核型解析による染色体情報やゲノム情報を得ることで、マミズクラゲにおける性決定が、遺伝的要因なのか環境的要因なのかの決着を付けることを目的として研究している。H28年度はワムシを餌に用いた幼クラゲからの性成熟に挑戦した。その結果、ワムシを与える頻度や飼育の水深等を工夫することで、初めてメス池から採集したポリプから分化した幼クラゲの生殖腺が発達し、卵を持つ卵巣へと成熟した。H29年度は オス池から採集したポリプから分化した幼クラゲをワムシを用いて飼育することにより、精子を持つ精巣が発生してくることを確認した。また、メス池から採集したポリプから分化した幼クラゲと、オス池から採集したポリプから分化した幼クラゲを、同じ飼育水槽で、ワムシという同一の餌の条件下で飼育しても雌雄異なる性が発達したことから、マミズクラゲの性はポリプの世代で決まっている、つまり遺伝的要因である可能性が大きく示唆された。
著者
鈴木 隆生 葉石 光一
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 = Journal of Saitama University. Faculty of Education (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.305-318, 2017

The purpose of the current study was to discuss the methodological issues of team teaching to boost autonomous learning among students with intellectual disabilities. We observed classroom practices in a special school and then divided team teachings as to function into 7 types based on Ibaraki Teacher Training Center (2000). From the viewpoint of the self-determination theory, the interactions between teachers and students were analyzed. It was ascertained that 3 basic psychological needs of self-determined theory (competence, relatedness and autonomy) were satisfied in the classroom practices regardless of the type of team teaching. Suggestions for future research include the need to study how 3 basic psychological needs were connected with each other and how students’ motivation varies in the activity of peer groups.
著者
土井 俊祐 井出 博生 井上 崇 北山 裕子 西出 朱美 中村 利仁 藤田 伸輔 鈴木 隆弘 高林 克日己
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.157-166, 2015 (Released:2016-10-21)
参考文献数
8

急速に高齢化が進む首都圏においては,医療機関が充実しているにもかかわらず,今後近隣の病院を受診できない事態が想定される.そこで本研究では,交通解析に基づく患者受療圏モデルにより,患者が通院できる範囲を考慮した上で将来の医療の需給バランスを推計する手法を検討した.方法として,1都3県の500 mメッシュごとに,国勢調査人口と各政府統計から2040年までの病院への入院患者数を推計した.病院までの移動時間は車で60分以内としてシミュレートし,患者数と各病院の病床数と比較した.結果として,2020年以降病床数の不足するメッシュが発生し,東京を中心に広がっていくことが示された.また,平均在院日数等のパラメータを変化させ需要超過の推移を見たところ,需要超過量の減少傾向を地理的・経時的に見ることができたことから,本研究により医療需要の急増に備える対策を検討する上で,具体的な目標値を提供することに期待できる.
著者
堤本 広大 牧迫 飛雄馬 土井 剛彦 中窪 翔 牧野 圭太郎 島田 裕之 鈴木 隆雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1499, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】認知症の前駆症状とされる軽度認知障害(mild cognitive impairment;MCI)では,客観的な認知機能が低下していることが定義とされ,灰白質容量が低下していることが報告されている。認知機能検査の中でも,遂行機能と灰白質容量との関係は多数報告されており,遂行機能が低下している高齢者ほど灰白質容量が低下していることが明らかとなってきている。しかし,MCI高齢者における遂行機能と灰白質容量との関連については議論の余地があり,遂行機能については下位機能が存在するため,灰白質容量低下に関連する下位機能を明らかにすることで,MCI高齢者の早期発見の一助となると考えられる。そこで,本研究では,MCI高齢者における灰白質容量と遂行機能の下位機能検査との関連を横断的に検討する。【方法】対象は,MCIに該当した高齢者83名(平均75.4±6.8歳)とした。遂行機能の下位機能検査として,注意の切り替え機能(Trail Making Test(TMT)),ワーキングメモリ(Digit Span(DS)),および選択的注意・抑制機能(Stroop test(ST))を実施した。灰白質容量の計測については,MRI装置(Magnetom Avanto,Siemens社製)を用いて撮像を行い,FSL(FMRIB's Software Library,Version 5.0)を用いて全脳における灰白質容量を算出した。統計解析では,灰白質容量と各遂行機能との相関関係を調べるためにPearsonの相関係数を算出した。その後,有意な相関関係が認められた遂行機能検査を独立変数とし,従属変数に灰白質容量,共変量に年齢,性別,body mass index,教育歴,mini-mental status examinationスコアを投入した重回帰分析を実施した。なお,統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】遂行機能の中で,灰白質容量との有意な相関関係が認められたのはTMTのみで,TMTと灰白質容量との間には負の相関関係が認められた(r=-0.414,p<0.001)。その後,有意な相関が認められたTMTを独立変数とした重回帰分析を実施した結果,共変量で調整してもTMTと灰白質容量との関連性は有意であった(β=-0.376,p=0.001,R2=0.26)。【結論】本研究では,MCI高齢者における灰白質容量と遂行機能の下位機能検査との関連について検討し,注意の切り替え機能が低下しているMCI高齢者ほど灰白質容量が低下していることが示唆された。今後は,注意の切り替え機能が低下している健常高齢者がより早期にMCIへと移行するかどうかを検討する必要性があると考えらえる。また,本研究結果は,MCIのスクリーニングツールの中でもTMTが有用である可能性を示した。
著者
鈴木 隆泰
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.1143-1150, 2013-03-25

筆者はこれまで,『金光明経(Suvarna[-pra-]bhasottamasutrendraraja)』の制作意図に関して以下の<仮説>を提示してきた.・大乗仏教出家者の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教出家者の生き残り策のあらわれである.・一貫した編集意図,方針:『金光明経』の制作意図の一つが上記の「試み」にあるとするならば,多段階に渡る発展を通して『金光明経』制作者の意図は一貫していた.・蒐集の理由,意味:『金光明経』は様々な教義や儀礼の雑多な寄せ集めなどではなく,『金光明経』では様々な教義や儀礼に関する記述・情報を蒐集すること自体に意味があった.本稿では第4章「蓮華喩讃品(Kamalakara-parivarta)」に焦点を当て,<仮説>の検証を続けた.その結果,「仏教がかつての勢いを失いつつある中,仏教の存続に危機感を抱いた一部の出家者たちは,在家者から経済的支援を得てインド宗教界に踏みとどまり,仏教の伝承と実践という義務を果たすため,『金光明経』を制作した.『金光明経』の功徳や価値や有用性や完備性をアピールするため,適宜『金光明経』を増広発展させていったが,「蓮華喩讃品」においては他の多くの諸品とは異なり,世間的利益を説かず出世間的利益のみが求められている.これは,「蓮華喩讃品」に表れる祈願・誓願が,聞く側(在家者)ではなく説く側(出家者)のもののみであることに基づいていると考えられる.この「出家者の祈願・誓願は全て出世間的利益を求めるもの」ということに,『金光明経』が全篇に渡ってどれほど世間的利益を説こうとも,『金光明経』制作者の出家者としての「本義」「面目」があったものと判断される.同時に,『金光明経』が世間的利益を強調したのは,そこに魅力を感じる在家者を惹きつけ彼らから財政支援を受けることを目的としたからであって,出家者自身が出世間的利益を放棄したのではないことも確認される.」という結論を得たことで,所期の目的を達成した.『金光明経』から見る限りにおいても,インド仏教は第一義的には出家者のための宗教であったといえる.