著者
鈴木 彰 Duc Hoang Pham Nguyen 中村 公亮 穐山 浩 笠原 義正
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.18-24, 2011

2004年に、木材腐朽性の担子菌スギヒラタケを摂食した人、とりわけ慢性腎臓病患者に深刻な急性脳症が大発生した。急性脳症を引き起こす要因の主体は依然未解明である。これは、同菌の生長が極度に遅いことに一部起因している。このため、様々な分野の研究の進展に資する同菌の栄養生長に適する培地の探索を試みた。日本各地の地理的に異なる地点のスギとアカマツの枯木から分離した同菌の15菌株をポテトデキストロース寒天培地(PDA)で培養したところ、生長速度のみならずコロニー形態にも著しい変異が存在することが明らかになった。生長の速い5菌株を選抜し、5種類の液体培地[ポテトデキストロース培地(PD培地)、麦芽エキス・酵母エキス培地(MY培地)、ジャガイモ抽出液・ニンジン抽出液培地(PC培地)、甘酒培地、太田氏培地]で20℃、暗黒下で8週間、静置培養したのち、各菌株の乾燥重を量った。同菌の乾燥生物量を指標とした生長は、PD培地で最大値が得られ、次いで太田氏培地、MY培地、甘酒培地、PC培地の順となった。同一培地での液体培養において、いずれの供試菌株ともに生物量に顕著な変異がみられ、栄養菌糸体には発育不全の分枝が高頻度に発生しており、栄養生長が極めて遅い一因となっていると推察される。これらの結果から、日本産のスギヒラタケの個体群には顕著な生長変異が存在することが判明した。以上から、今後、栄養生長能の高いスギヒラタケ菌株を選び、PD培地や太田氏培地を用いて培養実験を行なえば、同菌の菌体化学成分と急性脳症の発症との関係の解明に寄与すると期待される。
著者
鈴木 誠 長山 智則 大原 壮太郎 森川 博之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.952-960, 2017-12-01

実用化に向け行き詰まりを見せていたマルチホップ無線センサネットワークが,同時送信フラッディング(CTF)のもたらした強烈なインパクトにより,全く新たな技術に生まれ変わろうとしている.筆者らは,CTFが提案された当初からその重要性を認識し,全ての通信をCTFで行うセンシング基盤Chocoの開発を進めてきた.また,実フィールドにおけるCTFの有用性を明らかにするため,社会的要請の強い橋梁モニタリングシステムをChocoを利用して開発し,実橋梁において10台〜70台といった規模で実証をも進めてきた.本論文では,CTFが無線センサネットワークにもたらした変化について論じるとともに,CTF利用型センシング基盤Choco,及びChocoを用いた構造モニタリングシステムの開発について述べる.また,実証実験から得られた「シンクノードも含めノードの移動に頑健なため設置が簡易である」「中継ノードを増やせば繋がるため無線に対する深い知識がなくても構築できる」といったCTFの運用時における特性についても示す.
著者
佐藤 慎一郎 稲葉 宏次 小穴 修平 三浦 雅憲 近藤 公亮 滝川 康裕 鈴木 一幸 上杉 憲幸 増田 友之 久喜 寛之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.595-599, 2005 (Released:2005-06-14)
参考文献数
15

症例は68歳男性.1996年より無症候性原発性胆汁性肝硬変の診断で通院中であった.2002年10月麻痺性腸閉塞の診断で入院,内科的治療で改善したが同時に四肢,体幹の筋萎縮と四肢の筋力低下を認めたため精査を行った.筋生検でragged-red fiberを認め,ミトコンドリア脳筋症の診断となった.原発性胆汁性肝硬変とミトコンドリア脳筋症の合併は過去に報告はなく極めてまれである.両者の合併に関連性があるかは不明であるが,抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody;AMA)がミトコンドリア脳筋症の発症やその後の経過に影響を与えた可能性は否定できず,AMAの病因論的意義を考える上で興味深い症例と思われた.
著者
川上 ちひろ 西城 卓也 藤崎 和彦 鈴木 康之
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.365-371, 2015-09-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
38
被引用文献数
1

背景 : 問題をもつ学習者の問題は体系的に示されてない. 教育者が, その問題を適切に理解するため, 問題をもつ学習者を表現する英語用語と定義を集約し, その問題を因子ごとに分類する.方法 : 系統的文献検索結果 : 用語にはdisability, learning disorders, at-risk, difficult, problem, struggle, underperform, unprofessional unsafe, gifted, outstandingが同定された. 問題因子は, 学習者の特性, 認知, 態度, 技術に大別された.考察 : この分類は教育者が問題を的確に理解する一助となる.
著者
鈴木 智子 得丸 定子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.17, 2006

<br><b>【目的】</b><br> 近年のインスタント食品、加工食品の増加、外食産業の普及等の食生活環境は、現在の中学生の食生活や味覚に影響を及ぼしている。昨年度の第48回本大会では、食行動と味覚の識別能の関連について、味覚の識別能が高い生徒は「栄養バランス性」が高く、味覚の識別能が低い生徒は「ファスト・濃厚味志向性」が高い食行動であること、生徒の食行動には本人の食への関心と共に食事担当者の意識との関係があることを報告した。今回は昨年の調査を基に、食生活や食体験および食への関心について聞き取り調査を行い、生徒の食意識や食行動に影響を及ぼす要因を探り、今後の食教育の在り方について示唆を得ることを目的とした。<BR><b>【方法】</b><br> 新潟県上越市内の大学法人中学校1年生12名(味覚の識別能高群生徒6名、識別能低群生徒6名)を対象に、1,主食・主菜・副菜の摂取について、2,インスタント食品・ファスト食品・惣菜・スナック菓子等の摂取について、3,味について、4,団らんや食を通したコミュニケーションについて、5,食生活への関心について、等の内容について、半構成面接法による調査を実施した。調査は2004年9月におこなった。<BR><b>【結果と考察】</b><br> 生徒の食生活は、母親の手作り中心の食生活を送る生徒と、インスタント食品などを利用する食生活を送る生徒に二分された。味覚の識別能が高い生徒の家庭では手作り中心の食生活を送っている生徒が多く、識別能が低い生徒の食生活は様々であった。また、手作り中心の食生活を送る生徒は、ファスト化された食品よりも手作り料理の味を美味しいと述べているが、インスタント食品などの利用が多い家庭の生徒は、インスタント食品やコンビニ食品の味が美味しいとの回答が多かった。ファスト化された食品の頻繁な利用により、それらの味への好み形成と味覚識別低下をきたしていると推測された。<br> 「天然だしと合成だしの味の違い」や「旬の野菜とそうでない野菜の味の違い」といった食品の味の識別については、味覚の識別能の高低にかかわらず、実際の食体験の有無に左右されていた。意識的な味覚経験の積み重ねが食品の微妙な味の識別力を育てることが示唆され、素材本来の味や多様な味に触れることの重要性が示された。<br> 味覚の識別能が高い生徒は食への関心が高く家庭の食事の手伝いに関わる生徒と、食への関心が低く親任せの食生活を送る生徒に二分された。一方、味覚の識別能が低い生徒は、家庭の食事の手伝いへの関わりが少なく、食への関心が薄かったり、偏ったりといった傾向にあった。このことにより、味覚の識別能の高低には保護者の食意識と生徒自身の食意識・食行動が関連していることが示された。<BR><b>【今後の課題】</b><br> 生活の根幹である食教育は、本来家庭が中心になり行われることが望ましい。しかし、生活状況の多様化は食生活にも影響を及ぼし、保護者が子どもに豊かな食教育を施すことが難しい家庭があることも現実である。したがって学校教育、とりわけ義務教育における食教育の役割は大きいと考える。今後の課題としては、五感を通した食体験学習と、自立的・自覚的食生活を送るために必要な関心を育て、食に対する基礎的な知識、技術、食事観を教育していくための教材開発が挙げられる。
著者
田宮 基裕 松井 薫 河原 邦光 楠 洋子 笹田 真滋 小林 政司 松浦 由佳 森下 直子 上原 暢子 鈴木 秀和 岡本 紀雄 平島 智徳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.257-261, 2010
参考文献数
11
被引用文献数
1

背景.肺放線菌症は時に肺癌との鑑別が困難な場合があり,診断に苦慮する疾患である.症例.症例は65歳,男性.血痰を主訴に近医受診,胸部X線にて左上葉の腫瘤陰影を指摘され当院へ紹介.腫瘤陰影はFDG-PETでも強い集積を認め,肺癌が疑われた.気管支鏡検査を施行し,autofluorescence imaging(AFI)でマゼンダの色調を呈する慢性肉芽と思われる気道病変を左B^3bに認めた.同部位の擦過細胞診にて放線菌が検出され肺放線菌症と診断し,クラリスロマイシン,アンピシリンを投与し腫瘤陰影は縮小した.約4ヵ月後,再度気管支鏡検査を施行したところ,同部位の気道病変は消失し,AFIでも粘膜所見は正常であった.結論.AFIにて肺放線菌症の慢性肉芽を観察した報告はなく,治療効果判定に有用である可能性がある.
著者
浜松日体高等学校科学研究部 高橋 徹 村松 拓実 鈴木 那加
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.650-652, 2013-09-01

本研究は,日本農芸化学会2013年度仙台大会において開催された「ジュニア農芸化学会」で発表され,和文誌編集委員会から高い評価を受けたものである.2012年6月19日,本州を横断した台風4号 Guchol (T1204) は,広範囲にわたり植物に塩害をもたらした.本研究は,海岸から15 km離れた地点における塩害の発生メカニズムについて,実態調査から仮説を導き,過去の台風の記録との比較やモデル実験から解明を試みたものである.
著者
梅崎 修 田口 和雄 青木 宏之 島西 智輝 南雲 智映 鈴木 誠 谷合 佳代子 金子 良事 間宮 悠紀雄
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、労働史オーラルヒストリーの未調査の確認と新調査、方法の開発、史料館との連携を行った。第一に、過去の労働史オーラルヒストリーをリスト化した。また、新しい調査を実施し、そのすべてを冊子化した。第二に、米国で7か所、英国で数カ所のオーラルヒストリー拠点を訪問・交流し、その視察報告を作成した。また、学会にてオーラルヒストリーの方法論や教育に関する報告を行った。特にオーラルヒストリーの映像の扱い方について議論を深めた。第三に、大阪エルライブラリーにて労働史オーラルヒストリー・アーカイブというWEBサイトを作成した。現在著作権の許諾中であるが、2015年度中に公開予定である。
著者
鈴木 洋一郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.203-207, 2005

2004年のスーパーカミオカンデのハイライトは, 大気ニュートリノ振動の振動パターンの確認である.また, 大気, 太陽ニュートリノともに, SK-I(96年4月から2001年7月)の最終結果のまとめを行った.以下では主にニュートリノ振動に関連する最近の結果, SK-II(2002年10月から)の現状, そしてSK-III(2005年に予定されている全面復旧後の測定器)の準備状況を報告する.
著者
鈴木隆著
出版者
タングラム
巻号頁・発行日
2008
著者
鈴木 智大 小川 哲弘 阿部 暢男 赤地 拓澄 増田 貴久子 小山 智之 矢澤 一良 河岸 洋和
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.383-388, 2007

Osteoporosis is caused by an imbalance between bone resorption and bone formation, which results in bone loss and fractures after mineral flux. Osteoclast-like multinucleated cells can be differentiated in vitro from co-cultures of mouse bone marrow cells and osteoblastic cells by treatment with osteotropic factors, 1α,25-dihydroxyvitamin D3 (1α,25(OH)_2D_3) and prostaglandin E2 (PGE2). During screening for osteoclast-formation suppressing effects of the extracts of various mushrooms by using the assay, we found very strong activity in the extract of the mushroom Agrocybe chaxingu. Therefore, an attempt was made to isolate the active principles from mushroom and to determine their structures. Powder of the dried fruiting bodies of Agrocybe chaxingu was extracted with CH_2Cl_2, EtOAc and then EtOH. The CH_2Cl_2-soluble fraction only showed the suppressing activity. After repeated chromatography of the fraction, compounds 1 and 2 were purified as the active principles. Osteoclast differentiation was estimated by TRAP-(+) multinucleated cell formation. The addition of compound 1and 2 (3.1μg/ml, 6.8mM) reduced the number of TRAP-(+) multinucleated cells to 66% and 0%, respectively.
著者
鈴木 恭平 我妻 浩二 有馬 慶美 長谷川 俊哉
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.240, 2011 (Released:2011-08-03)

【はじめに】 踵骨脂肪体萎縮は,踵骨周囲の痛みを主症状とし床面の変化により疼痛が増減するのが特徴である.この疾患に対する理学療法介入例の報告は少なく,今回,歩行時の荷重痛緩和を目的とした理学療法を経験したので報告する. 【現病歴・既往歴】 症例は,45歳男性のダンス講師で,診断名は右アキレス腱炎・足底腱膜炎であった.昨秋,長距離歩行にて疼痛が出現し,他院で加療するも疼痛増強のため当院受診となった.既往歴としては,20年前,右アキレス腱断裂し再建術を行った. 【理学および検査所見】 右アキレス腱停止部から踵骨隆起にかけて荷重痛および圧痛を認め,踵骨下面は弾力性に乏しかった.歩行はInitial contact~Loading responseにかけての踵骨への荷重時間が左と比較して短縮し,その際,荷重痛を訴えた.また,荷重痛は床面によって異なり,硬い路面では痛みが増強した.超音波所見(エコー)として,踵骨脂肪体厚に左右差(右<左)が認められた. 【分析】 本症例は,荷重痛のため踵への荷重を避けて歩行しており,その結果,踵への荷重刺激が減少し,脂肪体萎縮を招き荷重痛が生じるといった悪循環を来たしていると推論した.この病態に対し,踵骨脂肪体へ荷重刺激を与え,脂肪厚増加を図り,荷重痛軽減を理学療法の治療方針とした. 【PT経過】 踵骨脂肪体に対し漸増的荷重練習を行った.踵への荷重痛に応じて,軟らかい路面(クッション使用)から硬い路面へと移行し,漸増的に荷重量を増した.靴にも荷重量制御のためにインソールを作成した.また同時に歩容改善のための運動学習を行った.開始後3ヶ月で,エコーによる踵骨脂肪体厚の左右差は解消し,日常生活でも無痛歩行となったためPTを終了した. 【考察】 本症例の荷重痛は,疼痛回避動作の誘因であると推測される.この動作は踵部への適刺激を減少させ,右踵骨脂肪体萎縮を招き,更なる荷重痛を誘発していたと考える.今回の治療帰結については,漸増的に踵への荷重を促したことにより,脂肪体厚が増加した結果,荷重痛が減少したと推測される.今回の経験から,踵骨脂肪体が衝撃緩衝の役割を果たしており,荷重時に踵骨部の疼痛を訴える場合,脂肪体萎縮の病態を有する症例がそこに含まれる可能性が示唆された.
著者
渡部 喬之 鈴木 久義 小貫 祐介 長島 潤 迫 力太郎 川手 信行
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.17027, (Released:2018-09-28)
参考文献数
21

目的:脳卒中患者におけるやむを得ない転倒判定チェックシート(以下,判定シート)の,信頼性と予測的妥当性を検討した.方法:検者5名で脳卒中転倒者20例に対し判定シートを評価,また2名は同様の対象に再評価を行い,検者間でのFleissのκ係数,検者内でのCohenのκ係数を算出した.予測的妥当性の検討は,対象の脳卒中転倒者123名の中から判定シートを用いてやむを得ない転倒者を抽出し,その他の転倒者との間で,再転倒割合,運動FIMを比較した.結果:判定結果のFleissのκ係数は0.838,Cohenのκ係数は1.000であり,高い検者間・検者内信頼性を認めた.やむを得ない転倒者の再転倒割合は,その他の転倒者に比べ有意に低かった.運動FIMは有意に高く,やむを得ない転倒者は一定以上の能力回復を認める傾向にあった.考察:判定シートの信頼性と予測的妥当性が高いことが示された.判定シートで転倒の質を評価することは,転倒後の患者指導などに使用できると考える.
著者
鈴木 勇祐 桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.43, pp.81-90, 2010-03-01

In this study we investigated ground beetles living in the Nara Campus of Kinki University, central Japan. In threeenvironments (pound edge, grassland, forest), ground beetles were collected using pitfall traps. A total of 1641 beetleswere collected, representing 18 families and 74 species. Of these, 298 beetles, representing, 11 families and, 39species, werecollected at the pound edge. The dominant species at this site were Onthophagus nitidus, Eusilpha japonica, Carabusyaconinus yaconinus, Amara chalcites, Pheropsophus jessoensis and Platydracus inornatus. A total of 248 beetles, including 12 families and 47species, were collected in the grassland. The dominant species of this site were Synuchus congruous, Pheropsophus jessoensis, Harpalus niigatanus, nisodactylus punctatipennis, Agrypnus scrofa and Bradycellus subditus. A total of 1097 beetles, representing 13 families and 42species, were collected in the forest. The dominant species of this site were Onthophagus nitidus, Synuchus congruous, Nebria chinensis and Nebria chinensis. The Shannon-Weaver diversity index (H') was 5.23 at the pound edge, 4.85 in the grassland and 3.55 in the forest. The Simpson diversity index (SID) was 11.14 at the pound edge, 18.28 in the grassland and 7.87 in the forest. The Kimoto similarity index (Cπ) was 0.654between the pound edge and the grassland, 0.495 between the forest and the grassland and 0.455 between the pound edge and forest. Ochiai similarity(OI) was 0.375 between the pound edge and the forest, 0.349 between the pound edge and the grassland and 0.236 between the grassland and the forest. The disturbance degree index( ID) was 1.81 at the pound edge, 1.42 in the grassland and 1.28 in the orest. These plots are subject to disturbance; that at the pound edge and in the grassland is similar to that reported for riversides, and that in the forest is similar to that reported for mountain forests.
著者
鈴木 善充
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 = Ikoma Journal of Economics (ISSN:24333085)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.21-35, 2018-07-31

[要旨]本稿では,所得税における扶養控除の見直しの1つである配偶者控除を取り上げて現行制度の課題について検討をおこなった。第1に,これまでの政府税制調査会での議論からは,過去では配偶者の就労への中立性や家事労働への経済的価値などが議論されていたが,最近では,配偶者控除廃止による財源での子育て支援や新たな夫婦控除の創設が議論されていることがわかった。また配偶者控除を所得控除方式から税額控除方式へ転換させるべきとの議論が存在している。第2に,過去の研究によると,配偶者控除の存在が配偶者の労働供給に負の影響を及ぼしているかどうかについては,廃止による既婚女性の労働供給への影響はわずかに増加する程度であり,過去の配偶者控除が拡大された税制改革によって有配偶の女性への有業率にわずかな正の影響があるという結果がえられていることがわかった。第3に,同水準の世帯所得の共働き世帯と片働き世帯を取り上げて担税力の比較をおこなったところ,片働き世帯は家事労働による帰属所得を得ているとみなすことができるので,片働き世帯が多くの負担をすべきであるが,現行制度では帰属所得に課税することができないので,片働き世帯に有利な税制になっていることがわかった。[Abstract]This paper examined the spousal deduction that is one of the reviews of the credit for dependents in the income tax and examined the problem of the current system. First, the Tax Commission has discussed neutrality of spousal’s employment and economical value of domestic labor in the past. Recently, however, the commission considered child care support and introduction of the“new married couple deduction”based on the revenue from abolishing the spousal deduction. This discussion also contains the conversion of the spousal deduction system into tax deduction from income deduction. Second, previous studies have focused on whether the spousal deduction has a negative effect on the labor supply of spouses. These studies clarified that the labor supply of married spousal women decreased slightly, white the expansion of the spousal deduction had a slight positive effect that increased the employment rate of women with spouses. Third, comparison of the tax capacity between the married couple with dual-income and a single income at the same income level showed that the married couple with a single income has an advantage in tax system. This is because the married couple with a single income has imputed income in domestic chores, so that the couple needs to pay more taxes. However the tax system cannot levy imputed income.
著者
鈴木 淑剛 長南 孝司 桝井 嘉子 原 忠行 吉永 冬子 土居 丈志 川本 優姫 戸塚 裕久
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.85-88, 2004

2ヶ月前からの跛行で上診した2歳齢メスのグレートピレニーズに左上腕骨近位の腫脹を認めた。病理組織学検査において, 低分化型の骨肉腫と診断された。肩甲骨を含む前肢の断脚とシスプラチン (総投与量420 mg/m<sup>2</sup>) を用いた化学療法を併用したところ, 転移も起こらず7年4ヶ月の長期寛解が得られた。
著者
古川 敬之 圓尾 拓也 杉浦 久裕 信田 卓男 塚田 祐介 鈴木 学 穴澤 哲也 吉原 啓太 前田 菜穂子 林 計道 福田 真平 細川 昭雄
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.121-125, 2012

グレート・ピレニーズ,去勢雄,6歳齢が左側鼻腔内からの出血を主訴に来院した。頭部単純X線検査にて左側鼻腔内の不透過性亢進を認めたことから,第1病日に頭部CT 検査および生検を行った。病理組織学的検査結果は骨肉腫であった。 進行度はWHO のTNM分類に基づき,T1N0M0と診断した。第24 病日に鼻腔内骨肉腫の減量手術を行った後,第29病日より高エネルギー放射線治療装置による放射線療法を36Gy/6 回/3週にて行った。第416病日,腐骨となった鼻骨片除去を行い,同時に鼻腔内粘膜の生検を行ったところ,骨肉腫の再発が認められた。第969病日,肺腫瘤および脾臓腫瘤を認め,第1012病日自宅にて死亡した。鼻腔内骨肉腫の犬に対して,減量手術および術後小分割放射線療法を行い,死亡までの2年9カ月良好な経過を得ることができた。