著者
松本 真理子 森田 美弥子 栗本 英和 青木 紀久代 松本 英夫 灰田 宗孝 坪井 裕子 鈴木 伸子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

子どものロールシャッハ法に関する多角的視点からの研究を包括することによって、現代に生きる日本人一般児童のパーソナリティの特徴が解明され、また日本における被虐待児の心理的特徴も明らかにされた。さらに脳画像と眼球運動という生理学的視点からも子どものロールシャッハ反応の意味するものについてアプローチした結果、国内外において初の知見が得られ、さらに発達障害児との比較などについて、現在、研究を継続中である(平成21年度~25年度科学研究費基盤研究(B)(課題番号21330159)にて継続)。これまでに得た知見は国内外の学会および論文として既に発表している。平成21年度中には図書として成果の一部を刊行する予定である(2009年9月刊行予定)。
著者
川越 栄子 ステイーブン ライアン 笠井 隆一 鈴木 隆夫
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

医療系学部のためのeラーニング英語教材を研究開発した。(1)世界の医療事情(2)速読(3)医療英単語を各ユニットに入れ、50 ユニット作成した。阪大・神戸大・大阪市大の各医学科、神戸市看護大で使用した。その結果医学科で、wpm(一分間に読める語彙数)は、半期で30~40%伸び、医療英単語は1年間で約1200 語習得した。また世界で活躍中のトップレベルの医学者からのメッセージも組み入れ英語学習へのモチベーションを高める事が出来た。
著者
鈴木 宏尚
出版者
一般財団法人平和・安全保障研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本、米国、英国、カナダ、経済協力開発機構(OECD)の外交文書を収集し、マルチアーカイバル・アプローチによって、日本のOECD加盟を国際関係史の視点から検討した。そしてOECDが「冷戦」と「経済」が交錯した場であり、日本のOECD加盟外交においても「冷戦の論理」が用いられていたという知見を得た。
著者
鈴木 紀明 三宅 正武 西尾 昌治 下村 勝孝 石毛 和弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では互いに関連する3つの課題を取り扱った.(1)熱方程式の平均値の性質,(2)放物型ベルグマン空間の構造,(3)熱方程式の多項式解,である.(1)熱方程式の平均値の性質については,有界な密度関数の存在,ディリクレ正則性との関連などについて考察した.それらの結果はN.A.Watsonとの共著でColloq.Math.98(2003),87-98に発表した.(2)上半空間上の放物型作用素に関するベルグマン空間を定義し,Huygens property,基本解の評価,双対空間の特徴付け,再生核の具体的表示などの基本的結果をまとめた(Osaka Mathematical Journal,42(2005),106-133).また,空間次元が2以上という技術的な条件を調和測度の回転普遍性に注目して取り除くことに成功し,帯状領域におけるベルグマン核の評価を行った.それらの結果は2004年8月に島根大学で開かれたIWPT in Matueで講演発表するとともに,2006年に発行予定のASPMに寄稿した.最終年度は放物型ベルグマン空間におけるGleason問題およびCarleson測度とToeplitz作用素の有界性などについての結果を整理した.(3)熱方程式の境界値問題では多項式の解が常に存在する領域についての考察を進めた.2次元で境界が多項式によって定められている場合に,その多項式の次数が3以下の場合を解決し,次数が4以上の場合に,エルミート多項式の零点の分布との関係を調べた.この結果は2005年8月の第2回International Conference of Applied Mathematics (Plovdiv, Bulgaria)で講演発表し,講義録として出版もした.
著者
西尾 昌治 小松 孝 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司 山田 雅博 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

熱方程式などの放物型方程式に対し,その解空間の構造および,底空間の幾何学的状況などとの関係を解の積分表示などポテンシャル論的手法を用いた詳細な解析を行った.方程式としては,ラプラシアンの分数ベキを含んだ微分積分方程式などを取り扱い,放物型ベルグマン空間の研究では,時間変数に関する分数ベキ微分を用いる新しい手法によって,トエプリッツ作用素や調和双対に関する結果が得られた.
著者
鈴木 紀明 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

Laplace作用素と熱作用素を統一的に取り扱う目的で,上半空間に放物型作用素を導入し,その作用素が作るBergman空間を定義した.この空間に作用する様々な線形作用素を解析し,特に,Carleson埋め込みとToeplitz作用素の有界性とコンパクト性を示した.
著者
小松 武志 山本 欣郎 坪田 敏男 阿閉 泰郎 鈴木 義孝
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.329-335, 1996-04-25
被引用文献数
7

野生個体1頭と飼育個体3頭から採取した精巣組織材料を用いて, ニホンツキノワグマ(Selenarctos thibetanus japonicus)における精子形成サイクルについて, 光学顕微鏡および電子顕微鏡による観察を行った. 光顕による観察から, 精子細胞の核およびアクロソームの形態学的変化に基づいて, 精子細胞を11ステップに分類した. さらに, この精子細胞の形態学的変化, 減数分裂像および精子細胞の管腔への遊離時期を指標にして, 精上皮サイクルを8ステージに区分した. 一つの精細管横断面は, 大抵単一のステージによって占められていた. ステップ1-2の精子細胞は, よく発達したゴルジ装置を持ち, ステップ3-5では核膜表面を被うアクロソームに沿って, 三日月状に観察された. ステップ6の精子細胞は先端を基底膜方向に向け, 精子細胞の細胞膜とアクロソーム外膜とが接着した. ステップ9においては, アクロソームがセルトリ細胞の細胞質ヘ突出している像が観察され, ステップ11になると, 精子細胞の細胞質のほとんどがセルトリ細胞に取り込まれ, 精子細胞そのものは精子として管腔へ遊離した.
著者
鈴木 博 府川 和彦 須山 聡
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

将来のマルチメディア通信に向けて,高速・高信頼移動パケット無線の研究を理論と実験の両面から行った.MIMO-OFDM伝送システムを中心に検討した.送受信側で複数アンテナを用いるMIMO技術と,広い帯域幅を直交分割するOFDM技術により通信路容量の最大化を図る.統計的ディジタル信号処理の導入による高性能化,位相雑音等による劣化の低減化,広帯域ミリ波帯の開拓を行った.当初の研究目標はほぼ達成された.
著者
鈴木 豊 杉山 学 斎藤 真哉 會田 一雄 隅田 一豊 筆谷 勇
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

国・地方自治体及び国・公営機関に対するアカウンタビリティの履行要求がわが国においても急速に高まっている。その理由は、税金の使途に対する国民、納税者の不満である。国・地方自治体は、租税収入及び公金収入そしてこれらの支出及び使途について法規準拠性のみならず近年では行政成果又は政策評価についてそのアカウンタビリティの履行を積極的に諸外国では開示し、監査を受けている。開示の基準が公会計基準であり、監査の基準が公監査基準である。公監査の内政府、自治体に対するものが政府監査基準である。本研究は、政府監査の構造とあるべき政府監査基準についてわが国及び諸外国の制度を研究し、わが国で今後設定されるべき基準を構築すべく検討したものである。第一年度は、各委員が分担して諸外国の制度と基準を研究した。第二年度は、これらをもとに総合的に論点をまとめわが国には存在しない、一般に認められた政府監査基準を構築するための研究を行った。これらにより下記の知見が得られこれを第一部「政府監査基準の構造と体系」にまとめ、第二部「政府・自治体外部監査の諸制度と基準」にまとめ最終報告とし、平成17年5月に書物として公刊した。第一部では、政府監査の基礎構造として特に、パブリックアカウンタビリティ、政府監査目的の類型化、政府監査人の独立性、政府監査公準、情報の保障、法律的、会計的、社会科学的、経営的アプローチを明らかにした。ついでこれら基礎概念をもとに政府監査の(1)一般基準、(2)財務監査基準、ここではリスクアプローチ、内部統制、(3)準拠性監査基準、ここでは、合規性、合法性の監査基準、(4)業績監査基準では、3E監査、VFM監査、業績(行政監査)について検討し、最後にあるべき政府監査基準の体系を提示した。第二部は、諸外国の制度と基準について、その特徴とわが国への導入の論点を包括的に研究したものである。
著者
伊藤 鉄也 伊井 春樹 鈴木 淳 入口 敦志 荒木 浩 海野 圭介 スティーヴン・G ネルソン 伊藤 鉄也
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本課題は、日本文学に関する情報を所有する海外の機関や研究者を確認し、どのような情報が収集・利用されているか、またはどのようなテーマで研究がなされているかを解明することにある。そのために、日本文学や文化に特化したものを集積・分析し、諸外国の研究者相互の連携を推進し、情報網を広げ、質の高い研究情報を蓄積し、国内外の研究者へ提供してきた。国際集会の開催、刊行物「日本文学研究ジャーナル」第1~4号の作成はその成果の具体的な証である。
著者
大野 茂男 平井 秀一 鈴木 厚 秋本 和憲 山下 暁朗 廣瀬 智威 中谷 雅明 佐々木 和教
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

上皮細胞を初めとする様々な細胞の極性制御の要として働いている普遍的な細胞極性シグナル経路、PAR-aPKC 系の新規構成員として ASPP2 を発見し、細胞極性の制御と細胞死の制御の間の関係を示唆した。PAR-aPKC 系の新たな制御機構として、aPKC 結合タンパク質 KIBRA が aPKCのキナーゼ活性を基質と競合的に抑制し Lgl とは異なる機構で aPKC を通じたアピカル膜ドメイン形成のプロセスを特異的に抑制することを見いだした。
著者
鈴木 健士
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究は、軌道自由度を有する遷移金属酸化物における磁性-誘電性-結晶構造の相関現象の観測及び解明を目的としている。特に本年度は、光学測定を通じ、スピン・軌道の秩序化に伴う電子状態の変化を明らかにする事を主な目的とした。まず、スピン-軌道が同時に秩序化するMnV_2O_4の光学反射率測定を行った。その結果、スピン-軌道が秩序化する温度以下で光学伝導度の顕著な変化が観測された。これは、隣接V間のMottギャップ励起がスピン・軌道整列に伴い変化するためであると解釈した。また、ラマン散乱測定においてもスピン・軌道整列に伴い、ピークの出現及び強度の増大が観測された。特に、低エネルギー領域(170cm^<-1>及びその倍の波数)に観測されたピークの出現については、非弾性中性子散乱の結果及びラマン散乱で観測された対称性から、磁気励起(1マグノン及び2マグノン励起)によるものと解釈した。本研究で得られた軌道・スピン結合系の励起状態に対する知見は、軌道-スピンの物理を解明する上で重要な成果となると期待できる。更に、Vが形式的に非整数価数をとるBaV_<10>O_<15>も研究対象として選んだ。この物質では、構造相転移を起こす温度において、電気抵抗率に3桁に及ぶトビを示す異常が観測されており、この転移に伴う電子構造の変化を明らかにする事は、電荷の自由度と軌道の自由度との結合を解明する上で重要な知見となる。この目的の為に、赤外領域の光学反射率測定系を立ち上げ、赤外領域から可視領域までの光学反射率測定を行った。その結果、構造相転移温度においてギャップが開き、電気抵抗率の変化が金属絶縁体転移による事が明らかになった。また、光学伝導度は異方的である事も明らかになった。更に、放射光X線回折実験によりVが三量体を形成している事を示唆する結果が得られており、これが金属絶縁体転移の起源であると考えられる。
著者
田中 喜代次 奥野 純子 重松 良祐 大藏 倫博 鈴木 隆雄 金 憲経 鈴木 隆雄 金 憲経
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

要介護化予防を目的とした包括的指針作成において,1)下肢および上肢筋力,平衡性体力,歩行能力,移乗能力および日常生活動作の遂行度に基づく身体機能評価が望ましいこと,2)運動プログラムは体力差や年齢などを考慮し,教室において集団指導,小集団指導または個別指導を適宜選択し,さらに運動習慣化のために在宅運動プログラムの提供が必要であること,3)運動指導ボランティアとその活動を取り巻く自治体や関連団体との連携を強め,長期的活動形態を構築することが必要となることの3点が重要であると考えられた.今後はこれらの研究結果を踏まえ,要介護化予防事業をさらに発展させるために,実践的な検証を推し進めていきたい.
著者
永広 昌之 鈴木 紀毅 山北 聡
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

北部北上帯は,タウハ帯や渡島帯と南部秩父帯をリンクする重要な位置にある.本研究では,葛巻地域から安家地域にいたる北部北上帯の北部地域の東西地殻断面を作成し,この地域の付加体の構造層序と付加年代を明らかにするために,詳細な野外調査と化石層序学的検討を行った.その結果,葛巻地域に後期石炭紀の海山玄武岩-石灰岩複合体由来の異地性岩体があること,安家地域の大鳥層が後期石炭紀チャートを含むことを明らかにし,北部北上帯付加体を構成する海洋地殻の年代が後期石炭紀に遡ることを確認した.また,大鳥層中に,東北日本では初めて,深海域ペルム紀-三畳紀境界に見られる黒色有機質泥岩層を発見し,初期三畳紀を示すコノドントHindeodus parvusの初産出層準直下の黒色炭質泥岩最下部で炭素同位体組成の急激なマイナスシフトを認めた.付加年代に関しては,大鳥層のそれが中期ジュラ紀Bajocian後期〜Bathonianであること,高屋敷層のそれが後期ジュラ紀Oxfordianであることを明らかにし,安家地域の付加体の地質構造が整然相を主体とするユニットの大規模褶曲構造で特徴づけられ,構造的下位が大局的には若い付加年代を示すことを確認した.これらのデータにもとづき,異地性岩体の年代構成にもとづく,北部北上帯の葛巻-釜石亜帯(西側)と安家-田野畑亜帯(東側)への細区分が北海道渡島帯にも延長できること,岩相や海洋プレート層序の類似から,大鳥層を中心とする安家地域西部の付加体が西南日本の柏木ユニットや大平山ユニットに対比されることを推論した.
著者
岡田 禎人 鈴木 勝一 中山 隆 渡辺 治
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1930-1933, 2004-12-01
被引用文献数
3

症例は54歳の女性で,下腹部痛を主訴に来院した.下腹部に腫瘤を認め皮膚が一部自壊し便汁が流出していた.また尿中にも便が混じっていた.腹部CTでは骨盤内の腫瘤と前腹壁に膿瘍腔を認めた.注腸ではS状結腸からガストログラフィンが腹腔内に流出していた.また膀胱鏡では膀院内に便汁を認めた.患者は20年以上子宮内避妊具(intrauterine contraceotivedevice;以下,IUD)を装着していた.IUDを除去する際に行った子宮内スメアでは放線菌塊を認めたため,IUDの長期装着に伴い子宮骨盤放線菌症を来たし,これがS状結腸,膀胱,腹壁に進展し瘻孔を形成したものと診断した.絶食,抗生剤投与を行ったが改善が見られなかったため,手術により痩孔の切除と膿瘍のドレナージを行った.術後経過は良好で,腹壁の膿瘍は消失した.術後7か月の現在再発を認めていない.