著者
高橋 丈博 渋谷 昇 伊藤 健一 濱田 倫一 浅田 和秀
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.115, no.10, pp.1181-1188, 1995-09-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
6

Noise reduction effect using decoupling capacitor with series resistor was studied. It is well known that the decoupling capacitor is a familiar noise reduction technique on a printed circuit, and its effect is limited at high frequency by some parasitic inductances such as lead, trace and so on. Some capacitors are often connected in parallel for widening its band, but its impedance grows up highly at parallel resonance frequency. In this paper, the effect of the suppression of parallel resonance by decoupling capacitor with resistor is described and the relation between band width and device parameters is shown. The reducion effect is measured and simulated about transmission characteristic and near magnetic field.
著者
高橋 正身 宮岡 等 板倉 誠 東 貞宏 山森 早織 片岡 正和
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

SNAP-25はシナプス前部に発現するタンパク質で、神経伝達物質の放出に必須な役割を果たしている。SNAP-25のSer^<187>はプロテインキナーゼCによってリン酸化を受けるが、その機能的な役割については明らかではなかった。今回SNAP-25のリン酸化がPP2Aによっても制御され、モノアミン放出の制御や発達期にけるてんかん発症抑制などに重要な役割を果たしていることを明らかにした。
著者
田村 宏直 秋山 一宜 高橋 和秀 神宮司 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.327, pp.7-12, 2004-09-24
参考文献数
5
被引用文献数
12

地理的に分散配置された多種多様で非常に多くのネットワークエレメント(NE:Network Element)により、移動体通信ネットワークは構成されている。ネットワークにおいて発生する故障を検出するために、NEからのメッセージ(警報を含む)を監視し、コマンドによりNEを制御するシステムをEMS(NE Management System)と呼んでいる。我々は、EMSのTCO(TCO: Total Costs of ownership)を大幅に削減し、外部仕様変更に柔軟且つ迅速に対応することが可能な分散データ駆動型アーキテクチャ(D3A: Distributed Data Driven Architecture)[5]に基づいて、これを実用化した。しかし、本アーキテクチャに基づいて、プラグイン業務等のネットワーク管理業務を自動化するWMS(Work Management System)を実現する場合、その業務実行時間の増大が懸念される。本稿では、分散データ駆動型アーキテクチャに次元構造の概念を導入し、本アーキテクチャを拡恨する。拡張したアーキテクチャを2次元分散データ駆動型アーキテクチャ巾4A: 2-Dimendional Distributed Data Driven Architecture)と呼ぶことにする。また、拡張したアーキテクチャに基づいて実用化したWMSの実装構造について説明し、その性能評価結果を示す。
著者
吉田 修一郎 高橋 智紀 西田 和弘 中野 恵子 鈴木 克拓 小田原 孝治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

有機物連用、酸化還元処理による水田土壌の膨潤収縮量や間隙構造の変動レンジについて不攪乱土壌および調整土壌の分析に基づき解析した。有機物連用により稲麦輪作に伴う酸化還元の変動レンジは拡大するが、高水分領域での膨潤収縮特性への影響は風乾調整試料でのみ認めた。また、湛水等の還元環境のもとでは、水ポテンシャル一定条件下であっても、時間の経過とともに体積比および含水比が増加する粘弾性的な挙動が認めた。還元処理は、間隙径分布を全体的に増加させ、練り返しは、狭い範囲に間隙径分布を収斂させる働きがあることを認めた。酸化還元の影響下にある水田土壌の膨潤収縮特性の解析における粘弾性モデルの有効性を提示した。
著者
川井 蔦栄 高橋 美知子 古橋 エツ子
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.83-96, 2008-03
被引用文献数
3

近年の日本ではTVゲームなどの発達により子どもの本離れが社会的問題になっている。とりわけ幼児期における親子のコミュニケーションの欠落にもつながる最も重要な要因の一つと考えられるため親が子どもに絵本を読み聞かせることの効用(効果)に注目した。本研究では子どもが通う幼稚園で「絵本の読み聞かせボランティア活動」を実施している保護者(親たち)へのインタビューをし、その結果と過去の保育所の結果を比較して、相互作用解析を行った。その結果、本の読み聞かせを行った親子ではそうでない親子と比べ親子間の話題、コミュニケーション(身体的接触を含む)の増加が顕著に見られた。本の読み聞かせは読書離れだけでなく幼児期の親子のコミュニケーションの改善にも有益と期待できる。
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
高橋 公明 Takahashi Kimiaki
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集史学 (ISSN:04694716)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.239-251, 1992-03-31 (Released:2008-04-30)
著者
山本 恭弘 中尾 恵 黒田 知宏 小山 博史 小森 優 松田 哲也 坂口 元一 米田 正始 高橋 隆
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. E, センサ・マイクロマシン準部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A publication of Sensors and Micromachines Society (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.123, no.3, pp.85-91, 2003-03-01
参考文献数
11
被引用文献数
9 4

In field of cardiovascular surgeries, palpation of aorta plays important roles in decision of surgical site.This paper develops palpation simulator of aorta based on a finite element based physical model.The proposed model calculates soft tissue deformation according to the affection of inner pressure and the operation of a surgeon.The proposed method is implemented on a prototype with dual PHANToM device.Experimental results confirmed our model achieves real time simulation of the surgical palpation.
著者
松本 昇 小倉 いずみ 高橋 勤 君塚 淳一
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ジョン・ブラウンは過激な奴隷解放論者で、1859年10月、ヴァージニア州にあった連邦政府の兵器庫ハーパーズ・フェリーを襲撃した人物として知られている。襲撃の意図は、南部の黒人奴隷や北部の奴隷解放論者を巻き込んでの暴動を起こすというよりはむしろ、奴隷を解放するための戦争のきっかけを作ることにあったように思われる。ブラウンはハーパーズ・フェリー襲撃後のおよそ二ヶ月後、国歌に対するは逆の罪で公開処刑された。「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌は、北軍の第二歩兵大隊(別名、タイガー連隊)が1861年にフォート・ウォーレンに来たことと関係がある。その大隊の中に、ヴァージニア州チャールズタウンで処刑された奴隷解放論者と同じ名前を持つジョン・ブラウン軍曹がいた。何かにつけて兵士たちはこの軍曹を、処刑されたジョン・ブラウンと関連づけてからかっていた。そのうちに「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌ができあがったのである。やがてこの歌は、南北戦争のきっかけをつくったジョン・ブラウンをたたえる歌へと変化していった。この歌が」南北戦争で歌われたのは、ヘンリー・ソローやラルフやラルフ・ワルド・エマソンのような超絶主義者や北部の奴隷解放支持者による一貫したブラウン支持だけによるものではない。戦場でたたかう兵士たちの事情によるところが大きい。つまり、彼らは戦地で無意味に死ぬのではなく、ジョン・ブラウンのように自らの死に意味を持たせるためにこの歌を歌ったのである。ジョン・ブラウンの精神は、合衆国で後世の人々に歌い継がれている。日本でも、「ジョン・ブラウンの赤ちゃん」のメロディが導入され、現在でも「ヨドバシ・カメラ」のCMソングとして歌われている。
著者
森口 喜成 後藤 晋 高橋 誠
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.161-169, 2005-04-01
参考文献数
99
被引用文献数
2

採種園研究に分子マーカーが利用されることにより, 従来技術では制限のあった採種園における構成クローンの同定, 園外からの花粉混入率, 自殖率, 次代に対する各構成クローンの花粉親としての寄与率に関する知見が急速に蓄積されつつある。これらの研究から, 数%程度の誤植, 30%以上の花粉混入率, 5%以下の自殖率が多くの採種園で一般的であることが示された。また, 報告された構成クローンの花粉親としての寄与率は, いずれも均等交配から著しく偏っていた。これらの知見から, 1)採種園構成クローン以外の混入個体を除去するために, 分子マーカーを用いてクローンの配置確認を行う, 2)花粉混入率を低下させるために, 同樹種の少ない場所に採種園を造成する, 着花促進, SMP処理などによって空中花粉中の園内花粉の割合を大きくする, 3)自殖率を低下させるために, クローンあたりのラメート数を少なくする, 4)均等交配を実現するために, 各クローンの雄花着花量を均等化する, 開花期の著しく異なるクローンを除去する, といった遺伝的管理が重要だと考えられた。
著者
末田 敬一 辻岡 康則 高橋 大和 川戸 栄 小林 喬郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.59, pp.17-20, 2003-05-09
参考文献数
8

準4準位系材料であるYb:YAGは、高い原子量子効率、長い蛍光寿命等の特性を有し、高効率、高出力のレーザ結晶として適しており、小型のLD励起高出力超短パルスレーザの実現が期待されている。結晶内の温度上昇を抑制し、かつ励起強度を高めることを目的として、スラブ状結晶を用いた新しいLD端面励起Yb:YAG薄型スラブレーザの発振実験を行った。結晶は寸法0.3mm×4mm×50mmで、両面からサファイアのディフィージョンボンディングを行う。出力特性として344WのCW励起で出力128W、光-光変換効率37%、スロープ効率47%のマルチモート゛発振出力が得られた。
著者
中嶋 秀治 水野 秀之 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.365, pp.173-178, 2011-12-12

表現豊かな音声において多様性を示す句末音調ラベルをテキストから予測する方法について述べる.本方法では,これまでの読み上げ口調の音声合成の言語解析の出力結果である単語の情報と,アクセント句およびイントネーション句の境界情報を用いる.そして,表現豊かな音声が発せられる場面,および,話者に依存したモデルを構築する.商品宣伝,電話応対の各場面のデータを用いて,句末音調ラベル予測評価実験を行なったところ,数個の特徴量を用いる提案法が,多量の特徴量に基づく従来法に比べて同等以上の一致率(Cohen's kappa)を得ることを確認した.
著者
風早 康平 安原 正也 高橋 浩 森川 徳敏 大和田 道子 戸崎 裕貴 浅井 和由
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.221-252, 2007-11-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
210
被引用文献数
8 9

近年, 地下水研究においては, 流動プロセス, 水収支, 起源, 化学反応, 年代などの解明の目的で, トレーサーとしての環境同位体の利用が進み, 多くの手法提案もなされている。環境トレーサーのうちよく利用される1) 酸素・水素同位体, 2) 炭素同位体, 3) 希ガス, 4) 塩素同位体, 5) クロロフルオロカーボン類などについて, その利用手法および有効性についてレビューを行った。 用いる環境トレーサーが, 反応性のないものであれば, それは地下水が涵養されるときの情報を保持しうる。酸素・水素同位体やd値などは, 涵養の場の特徴応じてそれぞれ固有の値を持つ (標高効果, 内陸効果など) ことが知られているため, 地下水の涵養場の情報を得る上で強力なツールである。含炭素成分は反応性が高いが, 炭素同位体の利用により, その起源を知ることができ, それにより地下水系の中で生じる各種化学反応やガス付加のプロセスについての情報を得ることができる。放射性炭素については, 以前より地下水の年代測定に用いられてきたが, DICの起源について吟味した上で年代結果を論じなければならない。トレーサーとしての希ガスの利用は, その溶解度が温度に依存することから, 涵養時の温度の推定に用いることができる。放射壊変起源の4Heは, 地殻内部で生産され深層地下水系内に蓄積されてゆく。したがって, 4Heの蓄積率がわかれば, 非常に長い滞留時間の推定することができる。放射性塩素は~100万年といった非常に古い地下水の年代測定に用いられる。また, 1950年代に行われた核実験により生成されているため, それをトレーサーにして若い地下水年代にも応用可能である。クロロフルオロカーボン類は, 近年の工業利用により大気中に存在するようになったため, 地下水はその涵養時に溶解する。これらの成分は非常に高感度に濃度の測定ができるため, 若い地下水年代測定や深層地下水系への若い浅層地下水の混入・汚染などに応用される。 個々のトレーサーを用いた手法は, 非常に簡単な地下水系にのみ適用可能であるため, より複雑な地下水流動系の解明のためには, 複合トレーサーとして各種の成分を扱い, 年代や起源の異なる地下水の混合などのプロセスを明らかにしてゆく必要がある。複合トレーサー利用をした複雑系のシミュレーションによる地下水系の研究は現在, 非常に進展している分野のひとつである。