著者
五島 政一 小林 辰至 熊野 善介 下野 洋 品川 明 平田 大二 岡本 弥彦 三宅 征夫 鳩貝 太郎 立田 慶裕 田代 直幸 笹尾 幸夫 清原 清一 日置 光久 加納 誠 藤岡 達也 田口 公則 小川 義和 市川 智史
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもが主体的に学び、科学を好きになる教育実践プログラムを多数開発した。そして、その教育システムを開発するために、指導者である教の資質・能力を育成する生涯学習プログラムのモデルを開発した。
著者
秋山 泰 瀬々 潤 関嶋 政和
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、無限次数多重検定法(LAMP)を開発し、ヒト乳がん細胞等における制御因子の同定に適用した。形状相補性に基づくドッキング手法MEGADOCKを発展させ、キナーゼ等の標的タンパク質の網羅的解析を実施し、結果をデータベース化した。また化合物プレ・スクリーニングを行うSpressoシステムを開発した。分子動力学計算により熱揺らぎに基づく結合ポケットの変形を評価することにより、バーチャルスクリーニングの性能が向上することも見出した。
著者
古賀 俊策 福場 良之 福岡 義之 近藤 徳彦 西保 岳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

人類が直立二足歩行によって獲得した身体活動能力、とりわけ全身持久的運動能力は他の動物よりも優れた生理機能(循環調節や発汗など)によって支えられる。実際の持久的身体活動時には、活動強度や温度などの環境刺激が時間と共に変化する非定常状態が多くみられる。この状態では潜在的な統合生理機能(全身的協関)が顕著に抽出されるので、ヒトが進化過程で獲得した持久的運動能力の特性がより明らかになる。しかし、各々の生理機能(呼吸、循環、筋肉、体温など)が統合的に調節される仕組みについては不明な点が多い。今回は全身的協関がより顕在化する非定常状態に着目して、生理人類学的視点からヒトの持久的運動能力を総合的に検討した。
著者
田中 秀数 小野 俊雄 加倉井 和久
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

スピンダイマー系の混晶Tl_<1-x>K_xCuCl_3において,磁場中比熱測定と電子スピン共鳴(ESR)によって,3重項励起トリプロンの局在による新しいボースグラス相の存在とボースグラス-ボース凝縮転移に特徴的な臨界現象を観測した.外部磁場を加えると量子sine-Gordon模型で記述される1次元反強磁性体KCuGaF_6の素励起をESRで観測し,それが量子sine-Gordon場理論で定量的に理解できる事を示した.スピンの大きさが1/2の籠目格子反強磁性体Rb_2Cu_3SnF_<12>とCs_2Cu_3SnF_<12>を開拓した.また,基底状態が非磁性のRb_2Cu_3SnF_<12>ついて中性子非弾性散乱を行いシングレットが風車のように配置した構造を明らかにした.
著者
千葉 明 杉元 紘也 朝間 淳一 竹本 真紹 土方 規実雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

埋込型補助人工心臓、半導体製造装置、薬液搬送などの分野で、ベアリングレスモータのニーズが高まっている。ベアリングレスモータはモータと非接触磁気力支持を一体化した電磁機械である。ポンプとして応用する用途では、ワイドギャップを隔てて回転子と固定子が対向する必要がある。しかし、ギャップ長を大きくすると、モータ出力は低下し、磁気支持に必要な電磁力も低下してしまう。そこで、本研究では、従来のベアリングレスモータを超える新しい構造を考案した。回転子半径Rとギャップ長gの比g/Rをモータギャップ長評価指標とし、従来モータの10倍程度大きい0.1以上を実現するベアリングレスモータの研究開発を行った。
著者
小松 和彦 徳田 和夫 ADAM Kabat 佐々木 高弘 横山 泰子 安井 眞奈美 常光 徹 山田 奨治
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

四年計画の研究は、以下のテーマにしたがって展開され、成果がまとめられた。1.「怪異・妖怪伝承データベース」を活用した怪異関係記録の数量的分析手法の開発:すでに公開されている民俗学雑誌記事をもとにしたデータベースを利用し、信仰や心意現象に関するデータの計量分析手法の開発と研究をおこなった。四年間の調査・研究実績は、研究代表者・研究分担者がそれぞれ論文を執筆し、報告書(冊子体)にまとめた。2.怪異関係記録の収集および分類・整理:『日本伝説体系』全17巻(みずうみ書房1982-90)、および日本全国の都道府県史(民俗編に該当するもの)などを対象に、各地域に根付いた持続性のある「伝説」を中心とした怪異・妖怪伝承についてのデータを集積した。集積方法については、すでに公開されている「怪異・妖怪伝承データベース」作成時のマニュアルを参考にして都道府県史専用マニュアルを作成、それに従って作業を進めた。なお、都道府県史(民俗編)については合計6625件の事例を収集し、カードを作成した。3.妖怪・怪異関係典籍の収集:各地域・各時代の妖怪・怪異関係典籍を中心に発掘及び収集を行った。絵画資料については、二次資料(妖怪展などの図録資料)、一次資料(絵巻物・浮世絵・黄表紙などの現物)を対象として収集を行った。4.絵画資料データベースの試作版作成:日文研所蔵の妖怪・怪異に関する絵画資料をデジタルデータとして保存し、その画像についての書誌情報のデータベース構築をめざし、研究・開発を行った。
著者
八島 正知 石原 達己 藤井 孝太郎
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

我々の研究プロジェクト「d10金属酸化物新イオン伝導体の構造デザイン」の概要を記す。Pr2(Ni,Cu,Ga)O4イオン伝導性材料ではNi2.5+に比べて高い価数を持つGa3+を添加することで格子間酸素量(キャリア濃度)が増加して酸素透過率が向上すること見いだされた。新物質探索の結果、新しい構造ファミリーNdBaInO4を発見した。SrをNdBaInO4に添加すると酸化物イオン伝導度が向上することも見出した。Pr2(Ni,Cu,Ga)O4, PrBaCo2O5.5+delta, Ce0.5Zr0.5O2の酸化物イオンの拡散経路を研究した。K2NiF4型A2BO4酸化物の異方性熱膨張を研究した。
著者
庄垣内 正弘 熊本 裕 梅村 担 西田 龍雄 藤代 節 吉田 豊
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、ロシア科学アカデミー東方学研究所サンクトペテルブルグ支所に保管されている古語文献を調査・整理してカタログを作成することと、主要文献を文献学的・言語学的に研究することであった。対象とした言語はウイグル語、コータン語、ソグド語、西夏語、蒙古語である。研究成果の主なもの掲げる:1.カタログ作成:(1)Kаmало〓 Tан〓уmскux Бу〓〓u〓скuх Памяmнuкоб Инсмuмума Восмокобе〓енця Pоссu〓ско〓 Ака〓емuu Наук(ロシア科学アカデミー東方学研究所所蔵西夏語仏教文献カタログ)京都大学 1999年792p..(2)『サンクトペテルブルグ所蔵ウイグル語文献カタログ』京都大学2001年(印刷中)2.文献研究:(1)『ウイグル文Dasakarmapathavadanamalaの研究』松香堂1998年xii+377p.(2)Contribution to the Studies of Eurasian Languages:Issues in the Asian Manuscripts at the Archive of the St.Petersburg Branch of Oriental Studies,Russian Academy of Sciences,Kyoto University,Kyoto(in print).3.シンポジウム:「中央アジア古代語とチュルク系極小言語-死語と危機言語の研究-」京大会館・京都大学文学部羽田記念館1997年10月24日〜25日.以上のほか、文献研究においては研究代表者・分担者の提出した論文が総計約20点に及ぶ。また、日本とロシアで10回を越える研究討議もおこなった。
著者
平井 啓久 古賀 章彦 岡本 宗裕 安波 道朗 早川 敏之 宮部 貴子 MACINTOSH Andrew カレトン リチャード 松井 淳 中村 昇太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

病原体が通常宿主特異性を持つために、宿主と病原体は頑健な宿主寄生体関係を示す。これを病態生理的発現型と見なすことができる。その特性を基盤にして、アジアの霊長類(特に多様性の高いテナガザル類ならびにマカク類)に焦点をあて、これらに感染する病原体(ウイルス(サルレトロウイルス)、細菌(ヘリコバクター)、寄生虫(マラリア原虫))との共進化を以下の項目からひもとく。(1)双方の遺伝子の分化機構を明確にする。(2)霊長類の生物地理学的分化との総合的見知から、病原体と宿主霊長類の双方の進化史を描く。(3)宿主応答機構ならびにゲノム内分化機構から宿主寄生体関係史を遺伝生理学的に明らかにする。
著者
加藤 茂明 高田 伊知郎 山本 陽子 大竹 史明
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本年度、研究実施計画にある2. 細胞及び軟骨細胞での各種核内受容体群の機能については、各種骨細胞種特異的受容体遺伝子欠損動物を作製、その骨変異を引き続き解析した。昨年度、骨芽細胞特異的なエストロゲン受容体欠損マウスの解析と骨細胞特異的な核内受容体欠損マウスを作出したが、骨芽細胞特異的なエストロゲン受容体欠損マウスに関しては、雄が骨形成と骨吸収が低下することによる低回転型の骨量減少を示し、この表現型についてさらなる詳細な解析を引き続き行なった。具体的には、昨年度骨芽細胞におけるエストロゲン受容体の骨量維持機構の分子メカニズムを明らかにする目的で、骨芽細胞特異的エストロゲン受容体ノックアウトマウスと対照群でマイクロアレイ解析を行ない、その結果発現変動を示した遺伝子がいくつか得られので、これら候補の遺伝子群の発現を定量的PCRなどにより確認し、有意に変動する遺伝子を同定した。また新たな骨細胞特異的なCreトランスジェニックマウス作出に関して昨年度は、Dmplプロモーターを用いたCreトランスジェニックマウスのキメラマウスの作出に成功し、1個体のキメラマウスを取得した。現在得られたキメラマウスと野生型マウスの交配を行い、染色体レベルでの相同組換えを確認している。さらに研究実施計画にある1. 破骨細胞内のゲノムネットワークの解析と3. 細胞及び軟骨細胞特異的な核内受容体転写共役因子群の生化学的同定については、成熟破骨細胞の機能においては性ホルモン受容体が極めて重要な役割を果たすことが分かりつつあるので、性ホルモン受容体群に結合する複合体群を生化学的に同定しその分子機構をさらに解析するために、タグ付きの性ホルモン受容体の発現ベクターを作製し、安定細胞発現株の作製を行っている。
著者
加藤 茂明 武山 健一 北川 浩史 高田 伊知郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

染色体構造調節複合体について、新規核内複合体群の検索及び機能解析を目的として、本年度は下記の3点に焦点をあて、研究を進めた。1.細胞種特異的複合体構成因子の同定:核内複合体の機能は細胞種特異的と考えられる。そこで既知複合体の既知構成因子を各種組織株に高発現させ、複合体を再精製することで細胞種特異的構成因子の同定を試みた結果、組織特異的な発現因子を含む複合体の存在が明らかになった。2.染色体構造調節複合体を共役する因子の分子遺伝子学的検索:染色体構造調節複合体と転写共役因子複合体の協調作用により、ヒストンタンパクの修飾やヌクレオソーム配列の再整備が行われ、その結果としてより転写制御反応を潤滑化もしくは難化すると予想されている。機能未知因子を検索・同定することを目的とし、ショウジョウバエに男性ホルモン受容体を発現するハエラインを確立している。そこで、特定染色体領域欠失、あるいは遺伝子が機能的に欠損したハエラインと掛け合わせることで、受容体機能に必須な共役因子を分子遺伝子的に検索・同定し、いくつかの候補因子を同定した。今後このようなアプローチによって同定された修補因子については、前述した生化学的アプローチにより、その核内複合体の同定、機能解析を行う予定である。3.染色体構造調節複合体構成因子群の生体内機能の解明:染色体構造調節複合体は、同様の活性を有するものが複数見出されており、in vitro系での解析では、その機能的生理的な差異は見出されないでいる。一方、多くの転写共役因子複合体構成因子群のノックアウトについては、胎生致死となるか、もしくは全く異変が見出されない例が多い。従って、これら複合体種特異的な機能を評価する強力なアプローチの一つとして、構成因子遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)の作出が挙げられる。本年度は、染色体構造調節複合体種特異的構成因子に焦点を合わせ、Cre-loxP系を用いた時期・組織特異的遺伝子破壊法により胎生致死を回避し、当該因子の生体内高次機能を評価した。特に、前年度で同定された有力候補因子を同様な手法により、骨を中心に解析した。
著者
門 勇一 島崎 仁司 品川 満
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

人体近傍微弱電界通信の応用分野の拡大を狙って、カード型の装着型トランシーバと環境埋め込み型トランシーバを試作した。ユースケースに即して、両トランシーバ間の通信品質を評価するシステムを構築して、パケット誤り率を評価した。また、EO-OEプローブを開発して、実人体上や人体等価ファントム上での信号伝搬損失を正確に測定すると共に、電磁界シミュレーションによりその妥当性を確認した。ユニバーサルインターフェイスとして社会実装するための課題に対して、電界通信システムの等価回路モデル化に取り組み、通信品質改善や信号干渉抑制に対する指針を明らかにした。
著者
小林 哲生 笈田 武範 伊藤 陽介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では,神経・精神疾患などの診断支援や治療効果を定量的に評価できる新規医用イメージングシステムの開発を目的として,超高感度な光ポンピング原子磁気センサ(OPAM)の深化とモジュール化,ならびにこのセンサによるMRI撮像を超低磁場で実現し他の様々な計測手法とのマルチモダリティ計測を可能とするシステムに関する研究を行った. OPAMについてはK原子とRb原子のハイブリッド型により高い空間的均一性を実現できることを示し,さらに新たな多点同時計測法を開発した.また,モジュール型OPAMによるMR信号の直接計測手法の提案を行い数値実験によりその妥当性を示すなど多くの成果を挙げる事ができた
著者
萩原 理加 野平 俊之 後藤 琢也 後藤 琢哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

高い導電率、優れた電気化学的安定性を有するイオン液体を開発し、それを電解質として用いた中温度無加湿作動型燃料電池、電気化学キャパシタ、中温度作動型リチウム二次電池、ナトリウム二次電池を開発した。
著者
木島 隆康 桐野 文良 山梨 絵美子 林 洋子 上野 勝久 佐藤 一郎
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

迎賓館赤坂離宮(平成21年、国宝に指定される)は明治42年に建設され、わが国最大の面積を誇る天井画を持つ(15部屋)。天井画はカンバスに描かれた油彩画である。過去に大修復が行われているが、その後も劣化が進行し著しく損傷している。本研究プロジェクトは、天井画に生じた損傷と劣化原因を調査し、その損傷原因が過去の粗悪な設置環境と過去の不適切な修復処置、さらにカンバスが貼られた木摺に主な原因があることがわかった。さらに、天井画の由来はフランスで制作され輸入されたものであることを突きとめた。
著者
熊谷 圭知 石塚 道子 大城 直樹 福田 珠己 森本 泉 森 正人 寄藤 晶子 倉光 ミナ子 関村 オリエ
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、欧米中心に展開してきたジェンダー地理学を再構築し、日本からの発信とグローバルなネットワーク構築をめざした。具体的には、1)2013年8月の京都国際地理学会において、「ジェンダーと地理学」研究委員会と共同し、プレ会議(奈良)を開催。2)海外の主導的なフェミニスト地理学者(2012年年1月にDivya Tolia-Kelly氏、2013年3月にDoreen Massey氏)を招聘。学会での議論の場を創出した。研究成果は、2014年,英文報告書(Building Global Networks through Local Sensitivities )に刊行し、内外に発信した。
著者
今内 覚 大橋 和彦 村田 史郎 田島 誉士
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

増加する牛白血病ウイルス(BLV)による地方病牛白血病は、現在、日本の畜産生産上深刻な問題となっている。本研究ではBLVに新規感染した牛の感染源と媒介昆虫対策による感染阻止効果について検討した。新規感染した牛のBLV遺伝子(env遺伝子)を解析した結果、BLV陽性牛群内でリンパ球増多症を呈するウイルス量が多い牛の遺伝子と一致し、BLVの感染伝播においてハイリスク要因であることが示唆された。一方、吸血昆虫対策を実施した結果、新規感染は認められなかった。このことから、高ウイルス保有牛は感染源になりやすいこと、および昆虫対策は感染伝播阻止に有効であることが示された。
著者
古市 剛史 黒田 末寿 伊谷 原一 橋本 千絵 田代 靖子 坂巻 哲也 辻 大和
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ボノボ3集団と、チンパンジー2集団を主な対象として、集団間・集団内の敵対的・融和的交渉について研究した。ボノボでは、集団の遭遇時に融和的交渉が見られるが、その頻度やタイプは集団の組み合わせによって異なり、地域コミュニティ内に一様でない構造が見られた。チンパンジーでは、集団間の遭遇は例外なく敵対的であり、オスたちが単独で行動するメスを拉致しようとするような行動も見られた。両種でこれまでに報告された152例の集団間・集団内の殺しを分析したところ、意図的な殺しはチンパンジーでしか確認されていないこと、両種間の違いは、環境要因や人為的影響によるものではなく生得的なものであることが明らかになった。
著者
高橋 政代 谷原 秀信 GAGE Fred H 本田 孔士 FRED H. Gage GAGE Fred H. 竹市 雅俊 高橋 政代
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

成体ラットの網膜を機械的に損傷し、直後にLacZでラベルされた成体ラット海馬由来神経系幹細胞の懸濁液を硝子体中に注入した。1,2,4週後に4%paraformaldehydeにて灌流固定し、凍結切片を作製、ニューロン・グリア系の各種マーカーおよび抗β-galactosidase抗体を用いて蛍光抗体法による光学顕微鏡的観察および金粒子銀増感法による電子顕微鏡的観察を行った。移植された神経系幹細胞は損傷部周囲のホスト網膜の表層から内顆粒層に多く分布していた。移植細胞は移植後1週で神経前駆細胞のマーカーであるnestinを多く発現していた。移植後4週では、移植細胞におけるnestinの発現は減少し、神経細胞のマーカーであるMAP2abやMAP5、グリア細抱のマーカーであるGFAPを発現するものがみられた。網膜神経細胞のマーカーであるHPC-1,calbindin,rhodopsinの発現はほとんどみられなかった。電子顕微鏡的には、移植細胞の一部は仮足または細胞突起により移植細胞同士、あるいは移植細胞とホスト細胞間で接触していることが観察された.内網状層のレベルにおいては、移植細胞とホスト細胞との間でシナプス様構造を形成していることが観察された。損傷網膜に移植された神経系幹細胞は、ニューロンおよびグリアに分化することが示されたが、網膜特異的な神経細胞への分化はみられなかった。しかし電子顕微鏡的には、移植細胞はホスト網膜への親和性を持つ細胞に分化することが示され、またホスト網膜とのシナプス様構造の形成は、物理的接触のみならず機能的にも連絡している可能性があると考えられた。
著者
塩見 美喜子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

20-30塩基長の小分子RNAによる遺伝子発現抑制機構をRNAサイレンシングと呼ぶ。正しい遺伝情報を次世代へと受継ぐ使命を担う生殖細胞では、PIWI-interacting RNA(piRNA)がDNA損傷を引き起こす転移性因子トランスポゾンからRNAサイレンシング機構を介して生殖細胞のゲノムをまもると同時に、生殖組織の分化を正常に導く。しかし、その動作原理は未だ不明である。piRNAによるトランスポゾンのサイレンシング機構はpiRNA生合成機構とpiRNAによるトランスポゾン発現抑制機構の二つに分けられるが、本研究では、特にpiRNA生合成機構に焦点を絞り、その仕組みを包括的に理解することを目指す。これまでのpiRNA研究を通して培った研究基盤や成果を活かしつつ本研究を進展させる。本年度は、特に人工的piRNA系を確立することを目的として研究をすすめた。我々はこれまでにtraffic jam mRNA 3’UTRを由来とするジェニックpiRNAの発現に必須なシス配列(100塩基長)を決定したが、この配列に相同性が高い配列を、ジェニックpiRNAを発現する他のmRNAに見出す事はできなかった。つまり、ジェニックpiRNAの生合成機構は、核酸の一次配列ではなく、他の要因をもとに、前駆体を選別している可能性が見出された。そこで、その様な要因を探りあてるため、ジェニックpiRNAを発現する他のmRNAにおいてシス配列として機能する断片を決定することにした。現在、コンストラクトを作成中である。コンストラクトの作成後は、OSCにそれらを発現させることによって、またnorthern解析をすすめることによって、ジェニックpiRNA産生に必要な部分配列を同定する。traffic jam mRNA 3’UTRを由来とするジェニックpiRNAの発現に必須なシス配列との相同性を探る。