著者
森 健策 藤原 道隆 末永 康仁 末永 康仁 北坂 孝幸 目加田 慶人 三澤 一成
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では大規模仮想化人体データベースを構築し、それを基に医用画像の認識理解を行うことで、診断や治療を融合的に支援する手法を検討する。特に、大規模仮想化人体データベースに基づいた新しい医用画像認識理解手法について取り組む。本研究では、600例程度の仮想化人体データベースを構築した。また、仮想化人体データベースを利用して、臓器形状の差異を画像クラスタリングを利用して分類し、その結果を用いて腹部CT像から主要臓器を認識理解する手法を実現した。さらに、その結果を内視鏡手術の診断治療支援に利用する方法を検討した。
著者
矢田部 龍一 岡村 未対 ネトラ バンダリー 長谷川 修一 森脇 亮 鳥居 謙一
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究より得られた主な成果として, 1)ネパール国カトマンズ盆地における微動観測による地震時地盤の応答解析と2)中央ネパール低ヒマラヤ地域における地すべりマッピングとハザード解析が挙げられる。また,研究期間中に3回のセミナーを通してヒマラヤン地域を代表するネパール国の小中学校における防災教育の展開について様々な議論を行い,昨年5月にネパール政府文部省と教育局との会談を実施し,今後ネパールの小中学校における防災教育のカリキュラム化と学校を中心とした地域社会における防災教育の展開について十分に認識されてきました。防災教育と地域協力に関しても,ヒマラヤ地域を代表する南アジア地域協力連合(SAARC)を通して活動展開する目的で,各国の防災研究者や関係機関,特にSAARC防災センター(SDMC)との連携も進めており,近い将来豪雨や地震等による自然災害に対する共同研究活動や防災教育の実施が期待できる。
著者
小玉 徹
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

工業化からポスト工業化時代への移行は、中心市街地のアメニティ向上にむけた都市再生を促すとともに、空間的な社会的排除という問題を生起させる。本研究は、労働市場政策と住宅政策について、アメリカ、イギリス、ドイツ、オランダの比較検討から、都市における社会的排除への対応を類型化した。これにより日本の置かれている問題状況を明らかにし、社会的包摂を組み込んだあるべき都市再生のあり方を提示した。
著者
真下 節 柴田 政彦 井上 隆弥 阪上 学 中江 文 松田 陽一 住谷 昌彦 喜多 伸一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

神経障害性疼痛モデルマウスでは疼痛出現後しばらくしてうつなどの情動異常が発症するが、うつ行動の発現にはα2Aアドレノ受容体が深く関与していることを明らかにした。さらに、モルヒネ耐性マウスではデクスメデトミジンの鎮痛効果が増強し、後根神経節のα2A、α2Cアドレノ受容体mRNAの発現増加がみられた。また、神経障害性疼痛モデルラットでは、セロトニン2C受容体のRNA編集が起こり、受容体作動薬の疼痛軽減効果が増強された
著者
笹原 克夫 田村 圭司 恩田 裕一 土屋 智 小山内 信智 石塚 忠範
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

2004年3月26日にインドネシア共和国南スラウエシ州ジェネベラン川源流部のバワカラエン山で巨大崩壊が発生し,ジェネベラン川源流部に堆積した.本研究では衛星画像と現地調査により堆積土砂の地形変化を追跡し,流出土砂量の経年変化と侵食ガリーの発達状況を把握した.また流出土砂の放射性同位体分析により土砂の流出源を探り,洪水時の土砂と平常時の土砂は異なる土層から流出したことを把握した.
著者
鉾井 修一 朽津 信明 宇野 朋子 小椋 大輔
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

東南アジアでは、多くの石造・レンガ造文化遺産が植物および微生物による被害を受けている。本研究では、遺物に及ぼす藻類の影響を検討し、藻類の成長予測モデルの提案を目的とした。具体的には、スコータイ(タイ国)の大仏を対象として、藻類の成長に及ぼす環境の影響について検討を行った。藻類の成長予測には藻自身の含水率を予測することが重要であることを明らかにするとともに、環境条件を考慮した藻類の成長モデルを提案し、その妥当性を検証した。
著者
渡邉 彰 筒木 潔 真家 永光 RUDOLF Jaffe LULIE Melling
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

熱帯(マレーシア)、亜熱帯(米国フロリダ)、冷温帯(北海道)に属する湿地河川水中の溶存有機物(DOM)の構造特性の異同を各種分光化学分析および分解分析法を用いて明らかにした。また、DOMの微生物分解性は低く、主に非腐植物質が分解を受ける一方、腐植物質は速やかに光分解を受けることを見出した。地域間で各成分の分解速度に違いはなく、腐植物質・非腐植物質の割合に加え、炭素組成、三次元蛍光特性を用いて、各地域の湿地起源DOMの動態を一元的に評価することが可能であることを示した。
著者
九郎丸 正道 金井 克晃 大迫 誠一郎 前田 誠司 恒川 直樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プラスティック製品の可塑剤として広く使用され、精巣毒性が知られているフタル酸エステル類に属するDi(n-butyl) phthalate(DBP)及びDi-iso-butyl phthalate(DiBP)について、その作用機序を種々の実験系を用いて検討した。その結果、DBPはエストロゲン様作用を示し、DBP投与により誘起される精細胞アポトーシスは精巣におけるエストロゲン受容体の活性化によりもたらされると考えられた。一方、DiBPによるアポトーシスはエストロゲンのそれと異なる作用経路によることが示唆された。
著者
高後 裕 蘆田 知史 藤谷 幹浩 大竹 孝明 前本 篤男 上野 伸展
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ヒトおよびマウス腸管を用いた腸内細菌叢の解析から、腸管内とバイオフィルム内の細菌ポピュレーションが異なること、健常人と炎症性腸疾患患者におけるバイオフィルム内の細菌ポピュレーションが異なることが示唆された。宿主由来および腸内細菌由来活性物質の作用解析から、プロバイオティクス由来の腸管保護活性物質が、腸炎による腸管障害を改善することが明らかになった。また、この作用は上皮細胞膜トランスポーターによる細胞内への取り込みや上皮細胞接着分子との結合により仲介されることが明らかになった。以上の研究結果から、プロバイオティクス由来の活性物質を用いた新規腸炎治療開発の基盤的成果が得られた。
著者
中島 求 高木 英樹
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究ではまず,スイマーマネキンと水中物体3自由度駆動装置からなる,スイマーマネキンロボットを開発した.次に本ロボットに実際のスイマーの泳動作を入力し,非定常流体力の測定実験を行った.そしてスイマーマネキンを表現するシミュレーションモデルを作成し,実験再現シミュレーションを行い,シミュレーションモデル中のパラメータを調整することにより,高精度で実験を再現することができる,流体力モデルを実現した.
著者
田中 宏明 山下 尚之 吉谷 純一 中田 典秀 八十島 誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

遊離体と抱合体のエストロゲンの前処理を簡易化し、回収率を大幅に改善させる分析法を開発した。2008年1月と9月の降雨時期に 英国テムズ川流域で調査を行った結果、E2 やグルンクロン酸抱合体のエストロゲンが放流水や河川水で検出され、合流式下水道越流水の影響が無視できないことが明らかとなった。また我国で検出されないEE2 が流入下水や下水処理水で検出された。グルクロン酸抱合体よりも硫酸抱合体が、またE2 やE1 よりもEE2 は分解が遅いことが実験で明らかとなった。
著者
塚脇 真二 古内 正美 高原 利幸 平吹 喜彦 竹林 洋史 石川 俊之 奥村 康昭 本村 浩之 富田 瑞樹 荒木 祐二 大八木 英夫 ハン プゥ
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

観光産業の爆発的な発展とともに大気や水の汚染、森林の破壊といった環境汚染・環境破壊が顕在化し、遺跡への影響や住民の健康被害が懸念されるカンボジアのアンコール遺跡区域を対象に、大気、水、森林の3分野から総合的な環境調査を2年間にわたって実施した。その結果、同区域の環境汚染や破壊が危機的状況になりつつあることや観光産業との密接な関連があることを確認し、成果をとりまとめ国際シンポジウムとして同国で公表した。
著者
熊谷 朝臣 大槻 恭一 溝上 展也 市栄 智明
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

カンボジア熱帯季節林において、外来樹種は郷土樹種より光合成能力が高いが、乾季に気孔を閉じ気味になること、一方、郷土樹種は乾季も地中深くまで伸ばした根のおかげで雨季に貯えられた地下水を利用して気孔を開け気味にできること、が分かった。東南アジア熱帯雨林の主要樹種であるリュウノウジュを対象として降水遮断実験を行った。樹体内の通水分布を考慮した精密な樹液流計測により単木~個葉スケールの蒸散速度を算定することができ、蒸散と環境因子との対応関係から、乾燥条件の気孔開閉に及ぼす影響を考察した結果、リュウノウジュは乾燥に対して極端に気孔開閉による水利用の節約を行わないということがわかった。
著者
本仲 純子 村上 理一 金崎 英二 森賀 俊広 藪谷 智規 村井 啓一郎 中林 一朗
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本年度はルーマニア(ブカレスト市)と日本(徳島市)で大気から採取された採取された粉じん試料の分析を行った。その結果、大気粉じんに含まれる重金属の組成に明瞭な地域差が確認された。特徴は鉛の濃度がブカレストで高く、日本で低いものであった。本試料採取時には、ルーマニアは欧州で残された数少ない有鉛ガソリン消費国の一つであったため(2005年1月より全面使用禁止)高くなったものと思われる。また、日本では貴金属元素が相対的に高い結果が得られている。これは、ガソリンの無鉛化とともに、排ガス浄化用の貴金属触媒起因と考えられる。また、得られた大気環境のデータの解析に利用するためルーマニアにおける環境調査および行政の対応等の精密な調査を行った。とくに化石燃料を大量に消費し、温暖化ガスを排出する産業であるセメント産業の環境改善に関する取り組みに対して調査を実施した。これに加え、環境試料からの金属抽出に関する論文を提出した。これは、低揮発性かつ高イオン伝導性を有するイオン性液体を金属抽出用溶媒として利用するものである。さらに、窒素酸化物および大気富裕粒子状物質の削減を指向した貴金属触媒を開発した。以上の成果は、複数の国際学会(内一つはルーマニアで開催された国際会議の基調講演に選出)および国際誌への掲載がなされた。
著者
土井 まつ子 八島 妙子 中川 善之 脇本 寛子 篠田 かおる 高橋 知子 近藤 陽子 三善 郁代 三鴨 廣繁 仲井 美由紀 山岸 由佳 根子 亜弓
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究で作成した感染対策支援プログラムを使用して、中小規模の病院5施設と老人保健施設2施設及び軽費老人ホーム1施設の計8施設に対して、感染対策の向上を目指し、1年間の支援を実施した。支援終了後に、支援中の記録、視察、質問紙調査、環境調査の結果を分析し、支援の効果を検討した。その結果、感染対策チームや感染対策マニュアルが整備され、全ての施設において組織横断的な感染対策活動が進展した。
著者
小野 尚之 堀江 薫 上原 聡 ハイコ ナロック 中本 武志
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、語彙意味論モデルと構文研究を基に語彙情報と事象構造の融合に関する日英語の比較対照研究を行うものである。中心課題は次の3つに集約される。(1)生成語彙意味論によるレキシコン研究の推進。生成語彙意味論モデルのクオリア(語彙情報)が事象構造の解釈をどのように決定するかという問題の解決を目指す。(2)言語における主観性(subjectivity)問題の解明。主観性が事象構造の解釈(例えば、心理状態述語など)にどのように影響するか。そして、構文選択にどのように影響するか。(3)語彙化・文法化における語彙情報と構文の融合についての新たな提案。語彙情報が構文に融合しさらに文法化していく過程には、類型論的に捉えるべき普遍性があることを示す。
著者
岩崎 倫政 笠原 靖彦 船越 忠直 金城 政孝 藤崎 和弘 三浪 明男
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

Stromalcell-derivedfactor-1(SDF-1)を高純度硬化性ゲルに添加し、ウサギ膝軟骨損傷部に移植することで良好な軟骨組織再生が獲得された。本研究成果より、軟骨損傷に対する無細胞移植治療の可能性が示唆された。
著者
永井 敏雄 小室 一成
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

心血管再生治療、なかでも細胞移植治療は新しい心不全治療法として脚光を浴びているが、その効果の詳細な機序は不明である。我々は、自己組織化ナノペプチドPuraMatrixTMを用いたマウス心筋前駆細胞移植モデルを用いて、抗炎症作用を有する心筋前駆細胞分泌因子soluble junctional adhesion molecule-A (JAM-A)が、心筋梗塞後のリモデリング抑制効果の一部を担うことを解明した。また、新生心筋を評価するための遺伝子改変マウスを用いて、leukemia inhibitory factorおよび心筋前駆細胞移植のそれぞれが心筋再生効果を有することを明らかにした。
著者
澁澤 栄 荻原 勲 千葉 一裕 南石 晃明 小島 寛明
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

土壌情報及び農作業の記録データに基づき,農家の判断プロセスを模倣した農業AIシステムと知農ロボットスキームを提案した。農産物流通プロセスの記録技術を基礎にして,情報付き農産物の新流通スキームとアグロメディカルフーズの生産構想を提案した。本庄PF研究会が生産出荷する「本庄のトキメキ野菜」のブランド化に成功した。生産者と仲買・卸および小売の役割や利害関係の裏付けを入手するのが困難であった。
著者
有森 直子 堀内 成子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人工妊娠中絶につながる出生前検査や母乳を介して病気が感染する可能性のあるヒトT細胞白血病ウィルスI型(以後HTLV-1)の栄養方法選択は、当事者にとって苦渋の選択となる。本研究は、患者やその家族がよりよい決定ができるように支援する看護職のための教育プログラムを検証した。本プログラムは情報提供のみではなく、患者の価値観を考慮した支援のあり方を重視している。受講した看護職は支援について理解が深まり、今後このプログラムがより広く活用されるための示唆が得られた。