著者
多屋 淑子 成田 千恵
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、重症心身障害児(者)の日常生活のアメニテイ向上を衣服により支援し、障害者と介護者のQOL向上を最終目的としている。複数名の重症児(者)と健常者を対象に、非侵襲にて長時間の生体情報モニタリングを行った結果、本研究で対象とした最重度の複合障害を有する重症児においても、サーカディアンリズムや体温調節機能が観察され、刺激による精神性発汗活動を有すること、また低体温の場合にも日常的に発汗活動の可能性が示唆された。本研究による生体モニタリングは、衣服の温熱的快適性の評価、衣服の肌触りや衣服の身体への圧迫感などから生じる不快感を客観的に評価することを目的として行ったが、着心地の評価に加え、日常生活上の種々のストレスの有無を客観的に判定する手段としても有効であることがわかった。また、本研究における長時間の生体情報モニタリングから、重症児(者)では手足末梢部の皮膚温低下が顕著である場合が観察され、温熱的に快適な状況を提供するための手段として、靴下の効果的な着装方法を提案した。重症児(者)の衣服の留め具である面ファスナの接着強さを実現するための方法について検討した。さらに、介護現場の看護師との意見交換を行いながら、寝たきりの重症児(者)に望ましい衣服の試作を行った。以上から、重症児(者)に望ましいデザイン、素材、個人の嗜好等を考慮した衣服を、製作し、重症児(者)をモデルとしてファッションショー形式で提案した。
著者
入澤 崇 宮治 昭 吉田 豊 山田 明爾 井上 陽 山田 明爾 井上 陽
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アフガニスタン中央部バーミヤーンを中心としたハザラジャート地域において仏教がどの程度広がりをもっていたか、またバーミヤーン以西へどれほど仏教が及んでいたかについて現地調査を行った結果、8世紀前半にバンデ・アミール川流域に仏教が及んでいたことが判明した。
著者
森 ます美 浅倉 むつ子 遠藤 公嗣 木下 武男 大槻 奈巳 山田 和代 浅倉 むつ子 遠藤 公嗣 木下 武男 大槻 奈巳 山田 和代 禿 あや美 小倉 祥子
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

近年のイギリス賃金平等法の発展、同一価値労働同一賃金原則に関する職務評価制度・紛争解決システムの現状を把握した。その成果を反映させ、日本のスーパーマーケット販売・加工職および医療・介護サービス職をモデルに職務評価調査を実施した。これら一連の研究から日本における同一価値労働同一賃金原則の実施システムとして、(1)関連する法制度の改正と労働審判制度を活用した紛争解決システムの提案、(2)日本の職務実態・職場慣行等を考慮した職務評価制度の構築を行った。
著者
笠井 裕之 田中 淳一 朝吹 亮二 朝木 由香
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

瀧口修造は1960年代前半から他の芸術家との共同制作、いわゆる「コラボレーション」を活動の主軸とし、とりわけマルセル・デュシャンとの交流を通じてオブジェと言語をめぐる考察を深めていった。本研究は遺された草稿、メモ、書簡等の資料を読み解くことによって「後期瀧口」の歩みに光をあてる試みである。晩年の瀧口の創造的実践が、戦前のシュルレアリスム運動を「集団的想像力」の角度から捉えなおし、シュルレアリスムの新たな展開を導く試みであることを提示した。
著者
高樋 さち子 首藤 登志夫 下渡 敏治 小川 克郎 福岡 克也 成田 堅悦
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,環境負荷を低減するパーム油の利用促進とパーム油生産の大規模プランテーション開発に伴う環境破壊の修復との両側面から進められた。パーム油などから作られるバイオディーゼル燃料にバイオエタノールを混合し,環境負荷の減少を試みるとともに,今後持続的水質修復効果を進めるため,現地生産品の"炭"の有効利用を研究することに発展した。
著者
松原 孝俊 有馬 学 松野 陽一 中野 三敏 入口 敦志
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

2年間にわたる台湾大学総図書館所蔵日本語古典籍に対する書誌的調査を終えたが、同館所蔵・旧台北帝国大学所蔵本の総数は、約2万2百冊であると判明した。但し台湾大学の諸事情から、残念ながら漢籍の和刻本は未調査である。この漢籍和刻本も含めると、推計2万2千冊の所蔵量であるまいか。本研究プロジェクトは約2万2百冊の書誌的データの収納に努め、その棒目録を作成した。もっともこれら2万2百冊の残置本は、高温多湿な機構の中で放置されたので、破損や劣化が進み、早急な保存策を講ずる必要がある。本研究プロジェクトの進展の中で、台湾所存の日本語資料を研究調査対象としてきた各研究プロジェクトとの橋渡し役を果たし、各プロジェクト間のネットワークが構築できた。日本史・台湾史・日本文学・琉球史・東アジア文化交流史などの専門家による総合データベース作成の機運も生じ、実現の一歩を進めた。
著者
大江 靖雄 栗原 伸一 霜浦 森平 宮崎 猛 廣政 幸生
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究課題では、都市農村交流時代における新たな農業と農村の役割として近年注目を集めている農業の教育機能について、理論的な整理と実証的な評価を加えて、今後の増進の方向性についての展望を得ることを目的に研究を実施してきた。主要な分析結果については以下のとおりである。1)農業の教育機能は、正の外部性を有する農業の多面的機能の一つの機能で、その外部性が環境ではなく人間を対象としている点に、特徴がある。2)定年帰農者の事例分析から、農業の教育機能は、近代的な最先端技術よりも、伝統的な技術の方が、教育的な機能が大きいことを明らかにした。この点で、高齢者や退職者帰農者などの活躍の場を農業の教育機能の提供者として創出できる余地がある。3)その経済性について実証的な評価を行った結果、正の外部性については、十分な回収がされておらず農家の経営活動として内部化は十分されておらず、農業の教育サービスの自律的な市場としてはまだ十分成長してないことを、計量的に明らかたした。4)酪農教育ファームについての分析結果から、多角化の程度と体験サービスの提供とはU字型の関係を有していることを、実証的に明らかにした。その理由として、技術的結合性、制度的結合性が作用していること、特に制度的な結合性の役割が大きいことを明らかにした。5)農業の教育機能については、今後とも社会的なニーズが高まることが予想されるので、農業経営の新たな一部門として位置づけて、有効な育成支援策を講じることが重要である。
著者
西村 欣也
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、上位捕食者(ヤゴ)、下位捕食者(エゾサンショウウオ)の幼生、餌となる生物(エゾアカガエル)のオタマジャクシの3種からなる単純な食物網における、オタマジャクシのエゾサンショウウオ幼生に対する誘導防御形態、エゾサンショウウオ幼生のオタマジャクシを捕食?攻撃するための誘導攻撃形態の発現を調べた。両者の対抗的形態発現の程度はヤゴの存在によって緩和された。互いの対抗的な可塑性は、第三者の介入によって調整される必要があり、そのような調整がなされていることが明らかとなった。
著者
高瀬 圭 太田 信 森本 玲 清治 和将 佐藤 文俊 芳賀 洋一 山内 清 佐藤 美帆
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

3DCTデータを基に、実際のカテーテル手技訓練の実用に耐える副腎内静脈分枝を含んだ実物大副腎静脈血管モデルが作成された。バイポーラーラジオ波焼灼針では、10-25mmの副腎腺腫は、3通りの穿刺パターンにて完全焼灼可能であることと、脂肪組織介在下での周辺臓器安全性が示された。IVR臨床治療を施行し、主要評価項目である血中および蓄尿中アルドステロンを正常化が得られ、研究当初の臨床応用目標が達成された。モデル解析にて医療経済的にも有利であるとの結果を得た。
著者
飯島 尋子 西口 修平 有井 滋樹 市野瀬 志津子 田中 博 佐藤 哲二 西上 隆之
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

慢性肝炎および非アルコール性脂肪性肝炎の超音波機能診断法として、非造影、造影による診断法を検討した。VTTQによる慢性肝炎の診断法を確立した。Sonazoidを用いた造影法によるNASH診断法を検討した。またNASHラットモデルを用いSonazoidを投与し生体顕微鏡による検討では、Kupffer細胞へのSonazoidの貪食は経時変化によっても増加せず、貪食能力の低下が原因と考えられた。VTTQによるNASH診断については早期ステージでの診断に問題が残り今後の検討課題となった。
著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 加藤 聖子 重松 美加 山崎 浩 FAN Chia-kwung CHANG Nen-chung Chang LEE Yunarn-jang CHANG Yu-sai TSAI Ming-dar JI Dar-der SUKATI Hosea Mlotshwa TU Anthony T.
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

台湾、日本、サントペ・プリンシペでの調査の結果、台湾と日本では医学生であっても感染経路や被害の状況を正確に把握していない、治療に関し最新の正しい情報がないため恐怖心がある、台湾の調査では「対策」の講義の機会のある公衆衛生学科の学生のほうが医学科の学生よりも正確に理解していること等がわかった。HIV/AIDSが日本国内に入って来て約20年が経過したが、新規感染者数は増加傾向にあり低年齢化してきている。日和見感染症や喫煙との関係が深いことは後述する調査で明らかとなった。HIV/AIDSの感染経路となるDrugや喫煙と併せて、正しい基礎知識と予防策を学校教育の中で教えていくことが重要である。
著者
田中 享二 田村 哲郎 宮内 博之
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

金属・メンブレン防水層の性能のひとつとして耐風性は重要である。この中で近年普及の著しい金属・メンブレン機械的固定工法では、防水層が部分的にしか下地に固定されていないため、台風時に破損する事故が多発している。この問題解決のために、強風時における防水層の挙動を、実大試験体を用いた風洞実験、台風時の屋外観測により調べ、鉛直吸い上げ力に加えて、大きな横力も発生していることを見出した。この知見をもとに防水層の耐風性評価試験装置を開発し、これら工法の耐風性評価を可能とした。
著者
貞許 礼子 福原 法夫 幸田 敏明 超田 周平 幸田 敏明
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、人間にとって有効な機能を有する生きたバクテリアの細胞表層を修飾し、新しい癌ワクチンなどの開発に役立てること目的としている。これまでに貞許らが開発た手法では、合成が容易ではなく大量合成が不可能な化合物を使っていた。本研究により、これに替わり簡単に大量合成できるグルコサミン誘導体を用いることができるようなった。今後は経口ワクチンへの応用などを目指した機能評価への展開が期待。
著者
山田 陽一 諏訪 淳一郎
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、ヴァヌアツ共和国とソロモン諸島を主たる調査地として、現地におけるエスノ・ポップ(民族性を表象する大衆音楽)の形成過程の解明を試みた。その結果、ヴァヌアツ共和国では、1930 年代末期から現在に至るストリングバンド音楽の活発な展開が明らかにされ、他方ソロモン諸島では、かつて主流であったストリングバンド音楽とバンブーバンド音楽が衰退し、音楽の中心が電気・電子楽器を用いたレゲエバンドに移行した状況が明らかとなった。
著者
梅村 孝司 朴 天鎬 喜田 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

鞘内免疫(脳脊髄液に抗原を接種し、脳脊髄液に特異抗体を誘導する免疫法)によって脳脊髄液に誘導された特異抗体は脳で産生されていること、鞘内免疫は狂犬病およびオーエスキー病に対し完全なワクチン効果を発揮すること、鞘内免疫は狂犬病の治療にも応用可能であることを示した。また、インフルエンザ脳症の原因はIFV感染が引き金となって起こった高サイトカイン血症/IFV感染と菌体内毒素血症の重複である可能性を示した。
著者
神成 文彦 山口 滋
出版者
慶応義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

1.有機薄膜の結晶性の改善に関する実験レーザーアブレーションによる有機薄膜形成時には,わずかな温度上昇によって著しいマイグレーションの改善が見られ,結晶性が改善される。銅フタロシアニン(CuPc)は,可視域に吸収を有するののでHeNeレーザーをわずか1mW/cm^2程度薄膜堆積時に照射することで基板上での薄膜形成過程に寄与し,結晶性が改善される。温度上昇効果は、結晶場による相互作用の強い場合には、その相互作用を増加する方向に働くので,配向性に優れた薄膜が形成される。有機分子のなかでも電気分極率の高い結晶は,基板上での薄膜形成時に電界方向に分極を揃えるように分子が動くために,配向を電界で変化できる。Si基板上に堆積したCuPcでは,電界極性に依存しない著しい結晶性の改善が観測された。しかし,基板の結晶場力が強く,分子配列に影響するような強い相互作用のある条件では、電界による配向の変化は少ない。2.薄膜の電気特性配向性の異なるCuPc薄膜の電気電気伝導率を測定したところ,アモルファス状の薄膜に対して,配向性の改善された薄膜は,面方向の伝導性に上昇が見られた。また,厚さ方向についてはアモルファス性の膜の方が数倍高い伝導性を示し,電界発光素子には適していることが判明した。そこで,アモルファス薄膜の中に部分的に結晶性の高い部分を作製し,電界発光パターンの近視野を観測したところ,まだこの程度の差異では輝度に変化をもたらすほど大きな電流分布にはなっていないことが判明した。
著者
松枝 睦美 岸田 佐智 益守 かづき 山本 あい子 新道 幸恵 嶋岡 暢希 増井 耐子
出版者
高知女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、妊婦が体験しているマイナートラブル(以下MTとする)に対する看護援助を開発することを目的として、平成11年度および12年度は文献検討を、また平成12年度から13年を中心に妊婦や助産師へのインタビューを、14年度はオーストリア・ウィーンでのマイナートラブルに関すると助産師へのインタビュー、さらにそれらの結果を基にして、作成した質問紙により、妊婦と助産師にアンケート調査をした。以上より、妊婦は当初考えていたより多くのMTの症状を抱えており、それに対する適切な対応方法も見つけられていなかった。そして、助産師に対して少しでもいいからMTに関する自分たちの訴えに耳を傾けてほしいという希望を持っていた。一方、助産師のMTに対する看護援助活動の問題として、MTを抱えている妊婦との関わりが短いためにその問題を充分に引き出せていないこと、たとえ援助が実施できても継続して関われず、自分のケアを振り返ることができないため、ケアの効果が充分に確認できていないこと、対処法が確立できていないMTが多いこと、症状のアセスメントが適切でない場合は異常を引き起こすことなど、が挙げられた。従って、妊婦に対するMTの看護援助として、傾聴し共感する姿勢をもつこと、妊娠によって生じる生理的現象の説明を行うこと、抱えている症状アセスメントを適切に行うこと、個別性(文化や時代背景も含めた)の違いを理解し尊重すること、妊娠週数による今後起こりうる問題の予測を行うこと、他職種との連携を密にすること、外来でのMTに対応できるためのシステム、例えばMTに関するパンフレットの作成や、仲間同士の交流の場の設定、助産師外来の常設等、を作ることが考えられた。今後は、各々の症状に対する原因の究明、およびそれへの具体的援助活動の開発が求められ、妊婦にとってより快適な妊娠期間となるような援助がさらに必要である。
著者
笹倉 一広 近衞 典子 近衞 典子 福田 安典 大塚 秀高 金 文京 笹倉 一広 木越 治 福田 安典 大塚 秀高 岡崎 由美 金 文京 鈴木 陽一 上田 望 木越 治 田中 則雄 入口 敦志 川上 陽介 木越 秀子
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

・各地の図書館などを調査し、関連資料を収集した。そのなかで、岡島冠山『太平記演義』の 善本を発見し、影印した。・白話小説と並んで、善書の影響にも着目し、善書を収集・考察し、新発見と覚しき善書を影印した。・「三言二拍」訳注の基礎資料の収集・電子化をし、訳注の基盤を整備し、国文学・中国文学双方の研究に共有されるテキストのプロトタイプを作成した。・シンポジウム「日本近世文藝と中国白話の世界」を開催した。
著者
堤 純一郎 安藤 徹哉
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

研究期間の3年間に6つのテーマで研究を行った。まず、亜熱帯島嶼地域の沖縄における伝統的な木造住宅から最近のパッシブクーリング住宅まで、歴史的な変遷を考慮した6棟の戸建住宅における熱環境の実測調査または既存データの解析を行い、住宅の熱環境に関する変化について考察した。次に、低緯度における最大熱負荷要因となる屋上面の遮熱、断熱に対する対策として、RCスラブと亜鉛鉄板屋根を対象に、屋上植栽、セラミックタイル、ペイントなどの6種類の屋上被覆材料の熱的効果に関する屋外実験を行った。屋上植栽の熱的効果が最も高く、セラミックタイルはそれに準じる。市販の断熱ペイントの遮熱性能も確認できた。さらに、沖縄県産の素材を用いた3種類の外装仕上げ材料を実験用の小型RC住宅の西壁と北壁に塗り、これらの遮熱及び断熱性能の評価を行った。単純な塗り壁仕様の仕上げ材料であるが、これがある程度外断熱的な働きをすることが明らかになった。以降は建物を取り巻く屋外環境に関する研究である。まず、伝統的な町並みの代表として首里金城町の石畳の道とアスファルト舗装の熱環境を比較測定した。日中ばかりでなく夜間も石畳の表面温度は常にアスファルトよりも低いことが明らかになった。また、沖縄の伝統的屋敷囲いであるフクギの防風林に関する、詳細な調査を本部町において行った。現存するフクギ林だけでなく、歴史的な変遷に関する調査も行った結果、フクギ林の生活環境に与える効果を肯定する住民の意見と、RC造住宅に替わってから徐々にフクギ林が減っている現実を明らかにした。次に、都市の熱環境を調整要素としての重要な働きが期待される樹木そのものの熱環境に関する実測調査を行った。琉球大学構内において8種類の樹木の熱環境測定を行い、樹種による熱的効果の違いを明らかにした。さらに、天空における樹冠の形態係数を用いて、街路樹が日陰を作る効果を定量化した。
著者
村井 祐一 田坂 裕司 北川 石英 石川 正明 武田 靖 武田 靖
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

マイクロバブル混合液体の層流域から乱流域までのレオロジー特性を実験的に研究したものである.層流域では,非定常なせん断応力場において気泡形状と応力の関係に非平衡性が表れる場合,平衡を仮定した実効粘度よりも10倍以上大きな運動量伝達特性をもつことがわかった.遷移域では周波数の変調による乱流への初期遷移が抑制されることがわかった.また乱流域では乱流渦干渉による乱流エネルギー低下,気泡クラスタリングによる新しい境界層構造の出現や伝熱促進が観測された.