著者
井上 寛司 山岸 常人 小林 准士 平 雅行 久留島 典子 関根 俊一 淺湫 毅 松浦 清 大橋 泰夫 小椋 純一 和田 嘉宥 的野 克之 田中 哲雄 松本 岩雄 鳥谷 芳雄 花谷 浩 山内 靖喜 野坂 俊之 石原 聡
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

天台宗の古刹である浮浪山鰐淵寺は、中世出雲国一宮出雲大社の本寺として創建され、極めて重要な役割を果たした。本研究は、鰐淵寺に対する初めての本格的な総合学術調査であり、鰐淵寺の基本骨格や特徴、あるいは歴史的性格などについて、多面的な考察を加え、その全容解明を進めた。
著者
足立 浩平
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

入力×出力×個体の三相データ配列を分析して,入力と出力に介在するコンポーネントを摘出する複数の主成分分析法に関する研究を行った.この研究によって,複数の主成分分析法の中から最適な分析法を選択する手法を完成して,選択されたモデルの解を有意味な単純解に変換する方法を開発した.
著者
坪井 孝夫 小川 輝繁 宇高 義郎 三宅 淳巳 石井 一洋
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

炉心溶融時に生ずる水素に起因するデトネーションに関して、3年間に以下の研究成果を得た。(1)炉心溶融時の雰囲気中に存在する水蒸気がデトネーションへの遷移(DDT)に及ぼす影響を実験的に調査するために、水蒸気濃度を0%から4-5%へと変化させた結果、全長13mのデトネーション管では3-8%の水蒸気を含む混合気ではDDTが生じなかった。実験条件によりこの限界は変化した。衝撃波管を用いた実験では、DDTが生ずるまでの誘導時間は、水蒸気濃度と初期温度に強く依存した。(2)局部的に混合気濃度が異なる場合、すす膜観測より、通常のすす膜構造と異なる規則的模様が観測され、複数の燃焼形態か混在することが観察された。(3)生じたデトネーションが構造物間の狭い空間を伝播する際の挙動については、間隙長一定の場合に、デトネーションのセルサイズが同一であっても混合気の組成によって伝播形態が大きく異なった。さらに混合気の組成(当量比、窒素およびアルゴン希釈割合)を大きく変化させた場合は、同一のセルサイズに対しては水素過剰混合気の方が速度欠損が大きかった。同一希釈量では、窒素希釈の方がアルゴン希釈よりも間隙内速度欠損が大きかった。(4)デトネーション管端にステンレスチューブを複数本最密になるよう挿入し、チューブ内径および長さがDDT過程に及ぼす影響について調べた結果、チューブの挿入によりDDT距離が大幅に短縮された。本研究の遂行にあたり、石井一洋、三宅淳巳、坪井孝夫と同行の大学院生がアーヘン工科大学を訪れ、アーヘン大学のオリビエ教授、シュミット助手、ビークリング助手、グレーニッヒ教授を招聘し、研究打ち合わせ並びに共同実験を行った。
著者
山本 芳久
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

西洋中世哲学とイスラーム哲学は、通常、別々の研究者によって研究されることが多い。本研究の独自性は、これら二つを同じ土俵に乗せて比較哲学的に考察していることのうちに見出される。具体的には、トマスの自然法概念とアヴェロエスの法思想を比較考察することによって、キリスト教世界とイスラーム世界の思想構造の連続性と非連続性の双方を明らかにした。現代の世界情勢の中において、文明間対話ということが焦眉の課題となっているが、或る意味では共通の地平の中で文明を形成していたとも言える「中世哲学」の時代に着目することによって、対話の新たな可能性が浮き彫りになった。
著者
岸井 隆幸 木下 瑞夫 大沢 昌玄 木下 瑞夫 大沢 昌玄 日野 祐滋
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

わが国が誇る都市開発手法である「土地区画整理」の技術がタイ国へ技術移転された過程を実証的に評価分析し、今後とも必要とされている他の国々に対する土地区画整理技術移転のあり方を理論的に考察した。また、タイ国への技術移転事例分析を通じて、今後より一層の普及を図るために「土地区画整理事業に関する技術の国際移転」に必要な技術開発の具体的課題を明らかにした。
著者
北郷 悟 木戸 修 橋本 明夫
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究目的芸術分野における立体表現の研究として、アナログ的な造形表現とデジタル造形表現の違いについて。またその両面における可能性について探り、教育研究としての新しい芸術表現の獲得を目的とした基礎研究を行う。研究方法15年度研究 仮想空間による立体造形表現と教育研究のためのデータ収集と考察。(1)レンジファインダー型立体スキャナーによるデータ収集として、人間の頭部及び人体のデータ収集。・JAXA宇宙航空研究開発機構との大学共同研究に研究参加した際の航空機無重力実験において本研究を実施。人間頭部の立体フォルムデータ取得、また地上データとしての頭部フォルム・人体フォルムデータを比較検討することにより形状変化について研究をした。・人の歩く姿を立体データとして取得。人体のバランスとフォルムの美についての彫刻における研究題材とした。(2)コンピュータ造形システムを使用した立体造形の研究・東京大学情報工学部の協力により出力造型機を使用し、(1)における収集データを立体に置き換え20cmサイズのワックスの彫刻としての可能性を研究した。16年度研究 コンピュータ造形システムを使用した立体造形の研究(1)立体スキャナーの実写データとコンピュータ造形によるフォルムを組み合わせた研究。造形制作の比較による新しい制作方法と表現関係を見出し、彫刻におけるデジタル表現の可能性を研究。また古美術品のデジタルデータ化における応用研究も行った。(2)セラミック鋳造研究としてデジタルデータからブロンズ彫刻として新しい鋳造法の研究を行った。研究成果としての仮想空間環境のデジタル制作と実素材によるアナログ的制作の比較による新しい制作方法と表現関係は、彫刻表現におけるデータとしての記録の有効性と生産性、表現性に多岐に可能性が拡散し今後の研究重要性を認識した。
著者
塩浜 敬之
出版者
一橋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

1,セミパラメトリックGARCHモデルにおける構造変化点推定量の漸近理論の研究セミパラメトリックGARCHモデルにおけるボラティリティ変動の構造変化点の漸近推定理論を研究した。変化点を含む未知パラメータの最尤推定量とベイズ推定量を考え、その漸近的特性を調べた。これらの推定量の漸近一致性、分布収束また推定量の高次モーメントの収束を示した。ベイズ推定量が漸近有効であるのに対し、最尤推定量がそうでないことを示した。これらの理論的な結果をシミュレーションによって検証した。2,日本の株式収益率に対する構造変化を伴うボラティリティ変動モデルによる分析TOPIXと日経225株価指数を用いて、日本の株式市場における収益率のボラティリティ変動の構造変化点推定について研究した。ボラティリティ変動にはGARCHモデルとGJRモデルを用いた。日本の株式市場におけるボラティリティ変動の主要な構造変化点として、いわゆるITバブルの時期である1999年3月5日から2000年4月14日にかけては、ボラティリティの持続性が低かったこと、2004年5月6日以降、期待収益率の無条件分散が大きく低下したこと、2000年4月の日経225の銘柄入れ替えの影響は期待収益率の自己相関構造の変化に表れた等の結果を得た。3,構造変化を伴うセミパラメトリック共和分回帰モデルの研究日本の年齢別人口構成の分布の変化が所得と消費間の長期均衡関係に与える影響を調べるために、セミパラメトリック共和分回帰モデルの研究をした。日本の所得や消費水準には構造変化があることが知られているため、モデルに未知時点の構造変化があるときの共和分検定の漸近理論を調べた。帰無仮説が、共和分なしの検定統計量は人口構成分布とそれが消費に与える反応関数の基底の取り方によって大きく影響を受けることを示した。また、年齢分布構成の変化が消費に与える影響を明らかにした。
著者
松田 知成
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2003

飲酒による発がんメカニズムとしてアルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドがDNA損傷を介して、がん遺伝子や癌抑制遺伝子に突然変異を誘発すると考えられている。この説の根拠は、1)アセトアルデヒドはin vitroでDNA損傷を誘発したり、細胞に突然変異を誘発する、2)アセトアルデヒドの主要な代謝酵素であるALDH2の遺伝子多型が食道がんの発生リスクに大きく影響する、の2点である。この仮説を検証するため、アセトアルデヒドがひきおこすDNA付加体、N2-ethyl-2'-deoxyguanosine (N2-Et-dG)、α-S- and α-R-methyl-γ-hydroxy-1,N2-propano-2'-deoxyguanosine (α-S-Me-γ-OH-PdG and α-R-Me-γ-OH-PdG)、N2-(2,6-Dimethyl-1,3-dioxan-4-y1)-deoxyguanosine (N2-Dio-dG)を高感度に測定する手法を開発した。付加体の検出には高速液体クロマトグラフタンデム質量分析器を用いた。この手法で、約20μgのDNAサンプルからこれらの付加体を10の8乗塩基に数個の感度で測定できるようになった。アルコール依存症患者のアセトアルデヒド誘発DNA付加体を測定した結果、N2-Et-dGおよびα-Me-γ-OH-PdGのレベルは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)欠損型において、正常型よりも有意に高いことがあきらかとなった。この結果は、アセトアルデヒドが飲酒による発がんのイニシエーターとして働くという説明に良く合う。さらに、α-Me-γ-OH-PdGのDNA修復機構について検討した結果、この付加体はメチルアデニンDNAグリコシラーゼによって修復されることを示唆するデータが得られた。
著者
佐藤 忠彦
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成19年度の研究は,動学的統計モデルによるID付きPOSデータを用いた計量分析として行った.ID付きPOSデータとは,総合スーパーやスーパーマーケットで日々蓄積されている番号化された形で個人が特定できる時系列購買データであり,最も集計されていないデータである.その意味で,平成19年度の研究は18年度の研究を発展させた研究となる.研究は,前年度同様マイクロ・マーケティングの現象に関連した消費者来店行動の解析をテーマにし研究した.これらの課題は,消費者行動研究の主たる研究分野に位置づけられるものであるが,動学的な統計モデルを用いた形式で研究はなされていない.今後益々発展を望まれている研究課題であるといえる.具体的には,(1)消費者の小売店舗への来店行動および(2)カテゴリー購買積行動を解析するための動的個人モデルの提案及び解析事例の提示を行った.通常マーケティング分野では、(1)や(2)の解析を行う場合、個人毎のデータを全て用いてモデルの推定を行う.しかし、one to oneマーケティングやCustomer Relationship Management(CRM)といった当該分野における今日的課題の解決には、そのアプローチでは不十分である.その問題点を克服し、個々人の動的行動を表現するために、本研究では個人毎モデルの提案、検証を行っている.モデル化は一般状態空間モデルの枠組みで行い,その状態推定には粒子フィルタ/平滑化のアルゴリズムを用いた.モデルは実際のID付POSデータへ適用し,その有効性の検証を行った.その結果,本稿で提案するモデルが個人の来店行動及び購買生起行動の解析に適用できることが示された.(1)及び(2)の課題は,現在学術雑誌に投稿し,審査中である.
著者
出口 剛司
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

エーリッヒ・フロム(Erich Fromm, 1900-1980)の分析的社会心理学(Socialpsychology)は、おもにファシズム、大衆社会批判を目的とした権威主義研究、「父親なき社会」(ミッチャーリッヒ)、「ナルシシズムの時代」(ラッシュ)という言葉とともに、社会的権威の崩壊が指摘された1960年代後半以降に展開された破壊性・ナルシシズム研究に大別することができる。本研究の課題は、とくに後期の破壊性・ナルシシズム研究に照準を定め、思想史的、社会史的位置を確定しつつ、その現代的意義を探ることにあった。後期フロムにおける破壊性・ナルシシズム研究は、社会現象としてのニヒリズム及び思想運動としてのニヒリズム双方を射程におさめつつ、それらに対して提出された社会心理学的応答と位置づけることができる。思想的に見れば、人間学的観点から定義された人間的本質(human essence)としての実存的二分性(existential dichotomy)の概念は、ハイデガーによるヒューマニズム批判に対する彼独自の回答として位置づけられ、ポジティヴな「生の技法(art of living)」を構想する準拠点ともなっている。またフロムは、ニヒリズム的状況が生み出す病理現象をネクロフィリア、ナルシシズム、サディズム等の一連の社会心理学的概念を用いることによって、その生成メカニズムを理論的、経験的に把握することができたといえる。フロムがこのように思想的、現実的にニヒリズムと積極的に対決した時期は、まさに現代におけるポストモダン的状況が広まり始めた60年代後半から70年代にかけてのことであり、フロム社会心理学は、その意味で現代社会に噴出するさまざまな暴力現象を解明するための社会学的理論枠組みをわれわれに提供とするものと結論づけることができる。
著者
宗宮 弘明 山本 直之 後藤 麻木 吉野 哲夫
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって、新たに23種の発音魚が記載された。マツカサウオ(キンメダイ目マツカサウオ科1種)、カマキリ(カサゴ目カジカ科1種)キントキダイ科魚類(7種)、キンチャクダイ科魚類(11種)、コトヒキ(スズキ目シマイサキ科1種)、イシダイとイシガキダイ(スズキ目イシダイ科2種)などが発音器を持つことが正確に記載された。マツカサウオ、カマキリ、コトヒキ、イシダイとイシガキダイは後頭神経を使って鳴き、キントキダイ科魚類とキンチャクダイ科魚類は脊髄神経を使って鳴くことがわかった。とくに、キンチャクダイ科魚類では、7属26種のうちサザナミヤッコ属(6種)とアブラヤッコ属(5種)だけが発音することもわかった。いずれの発音魚類も後頭神経か脊髄神経のどちらか一方だけを使って鳴き、両方の神経を使って鳴く魚種は観察されなかった。
著者
鈴木 光太郎
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

月の錯視とは、地平線方向の月が真上方向の月よりも大きく見える現象である。実験1では、ほぼ完全暗黒にしたホール内で月の錯視をシミュレートした状況を作り、月が下方向に見える場合について検討した。その結果、下方向の月も水平方向の月に比べ過小視されるという結果が得られた。実験2では、野外で鏡に月を映し出して、単眼視観察と両眼視観察の比較検討を行なった。その結果、両眼で観察することが月の錯視の生起には決定的に重要であることが示唆された。
著者
田中 共子
出版者
岡山大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

従来の異文化適応のための心理学的介入は、「医学モデル」的な対症療法が主であったが、本研究では「心理教育モデル」に基づいて、異文化適応能力を向上させる介入方略を開発することを試みた。具体的には、在日外国人にとって、異文化環境下において必要になるソーシャル・スキルを明らかにしたうえで、その学習プログラムを構成し、実験的に試行し、ソーシャル・スキル学習プログラムの開発を試みた。セッション形式の介入実験を企画し、教材を作成して、実験協力者の参加を得てプログラムを試行した。そしてセッションの効果と構成について検討した。さらに、ソーシャル・スキル獲得の異文化適応促進仮説について検討するため、異文化滞在者を対象とした面接調査を実施した。協力者は、在日外国人であるATL、すなわち外国語学習のための外国人補助教員、および在日留学生であった。彼らに自分自身の異文化適応過程について振り返ってもらい、特にソーシャル・スキルの向上とその実施との関わりについて振り返ってもらった。次いで在米日本人留学生及び、在米日本人入居住者を対象として面接を実施した。上記と同様に、ソーシャル・スキルと異文化適応を中心に体験を振り返ってもらった。その結果、海外から日本への異文化移動と、日本から海外への移動との異文化移動にみられる共通点と相違点が明らかにされた。これはソーシャル・スキル学習のプログラム構成に反映すべき知見である。
著者
津野 柳一
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

ローマ法源のなかでも最も重要な史料であるローマ法大全、なかんずく学説彙纂(Digesta)の文言を手がかりにして、今日の法学者にとってますます理解が困難なラテン法文の解釈のためのコンピュータを使用した支援システムを構築するための基礎的知見をえることが目的であった。そのために、リンツの機械可読形式のデータをさまざまに処理して、分析のためのToolを作成した。本年度は、研究代表者のもうひとつの課題である17、18世紀法学大学文献(いわゆる学位論文)研究と連繋させて、内容分析という方法を見い出した。それも、コンピュータ利用の統計を応用したデータ解析としてである。意味論的質的分析にはあえてふみこまず、形式的計量的分析に力点をおいた。この方法は判例分析や司法試験への応用が期待される。
著者
橋本 康弘
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,ソーシャルネットワーキングサービスや電子掲示板といった時刻情報を持つソーシャルコミュニケーションの履歴データに対して,ネットワーク時系列分析,コミュニティ時系列分析,可視化分析を統合的に行うための基盤を与えることを目的とし,これまでにない自由度を持ったネットワーク分析ツールとして「s.o.c.i.a.r.i.u.m」を開発するとともに,それを用いた実証分析を行った.
著者
都留 民子 高林 秀明
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

就労・家族生活における変動(events)に向き合う主たる姿勢・行動は、「自己防衛」「個別的奮闘」あるいは「個別的抵抗」であり、状況・問題の「社会化」がまれなことが、住民たちの言説において明らかになった。個人的対応こそが、スパイラルに貧困(化)をすすめ(健康悪化を含む)、そこでは家族はしばしば重い「拘束」「負担」となり、貧困の防波堤にはなっていない。他方、安定的な、かつポジティブなアイデンティティの形成は、労働ではなく、包括的な社会制度(失業対策事業・生活保護など)によって可能となっている。
著者
枝川 明敬 山本 眞一 小林 信一 加藤 毅 吉川 裕美子 柿沼 澄男
出版者
学術情報センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

学術研究の総合的推進のための重要な柱の1つである若手研究者の養成に関しては平成8年7月の科学技術基本計画における「ポストドクター等一万人支援計画」の閣議決定以降、着実に各省庁で施策の充実が図られており、平成11年度には1万人に達した。このため、この計画による若手研究者の養成の実績やその後の活動状況を検証し、大学院の拡充計画をも視野に入れた今後の長期的展望に立った量的・質的側面の両面を考慮した新たな若手研究者の育成・確保の在り方について研究を行った。本年度においては、昨年度に引き続き、以下の項目について調査・分析を行った。1)日本学術振興会特別研究員制度等の実態と効果に関する調査・分析2)将来の研究者需要に関する調査・分析3)全国の大学研究者に対するポスドクの研究評価及びポスドクの研究環境に関する調査・分析より具体的には、1)については対象者数5,500余社の特別研究員に対し、現在の研究環境を始め、当該人の処遇や勤務先・職場・キャリアパスについてはアンケート調査を行った結果をもとに、その更なる分析を行った結果現在の研究者としてのキャリアパスに少なからず特別研究員の経歴が役立っていることが知れた。一方、2)については、博士課程修了者等を雇用することが予想される企業に2,500余社に対しアンケート調査を行った結果を元にその更なる分析を行った。その結果、以前行った調査(「大学院の量的整備に関する調査研究」1,998)において予想された研究者需給見込みを大幅に変更する必要はなく、その後の経済状況を勘案しても一部に需給バランスが崩れることがあるもののおおよそ釣り合っていることが知れた。また、3)については、今年度初めて調査を行い、大学研究者から5,000名を抽出し、ポスドクへの評価やポスドクを巡る研究環境を聞いた結果、研究環境はかなり恵まれているものの、本人が評価している程には、指導研究者のポスドクへの評価は高くなかったが、概ね、助手クラスの研究活動の同等との評価が大勢であった。
著者
木村 影方 佐々木 正夫 馬場 正三 宇都宮 譲二 有吉 寛 笹月 健彦
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

わが国における高発がん家系の実態調査を行い、大腸がん、乳がんそれぞれで、全がんの約1〜2%が高発がん家系に由来することを見出した。また、これらの家系では、同一部位がんのみならず、他臓器がんや重複がんの発生頻度が高かった。ことに大腸がん多発家系由来の大腸がんでは、これまでの報告と異なり、わが国では低分化腺がんが比較的多いことが初めて示された。一方小児がん登録調査により、2次がん発生には遺伝的要因が深く関与すること、また親の放射被爆歴の多いことが明らかになった。ついで、このような高発がん家系由来試料を用いることにより、複数の家系で、hMSH2およびhMLH1(大腸がん)、BRCA1(乳がん)遺伝子継世代変異を同定した。また大腸がん抑制遺伝子のひとつが既知のDCC遺伝子よりセントロメア側に存在することを見出した。一方大腸がん多発家系の大腸がんでは約半数にマイクロサテライト不安定性が認められるが、APCおよびDCC変異が低率であることから、その発がん機構は一般大腸がんとは異なることが強く示唆された。さらにマイクロサテライト不安定性を伴う大腸がんではTGFBRII、POLB、B2M、WAF1変異が特異的に生じていることを明らかにした。また肺がんの発生にはマイクロサテライト不安定性は関与していないが、単塩基リピート部の欠失は肺がんハイリスクグループである中国人女性に高頻度に生じていることを見出した。さらに乳がんおよびその前がん病変は全て単クローン性であることを証明した。一方白血病発症ハイリスクグループであるファンコニ貧血の実態を調査し、発症年令や白血病危険率は米国と同様であるが、わが国では約180人に1人がファンコニ貧血遺伝子の保因者であると推定された。
著者
上谷 芳昭 外山 義 三浦 研 外山 義
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、新設および既存のユニット改修の事例を取り上げ、以下を明らかにした。入居者、職員、敷地が同一のまま、六床室を主体とする従来型の特別養護老人ホームから、全室個室のユニットケアへ建替えられた特別養護老人ホームJ苑の建替え事例を取り上げ、全室個室ユニットケアを導入した場合、入居者のQOLがどのように変化するのか、また職員の介護負荷が増加するのか、時系列的な非参与行動観察調査を行い、1)全室個室としても入居者のリビング滞在率が向上することで、個室化が直接引きこもりに結びつかないこと、2)トイレが分散配置された結果、排泄の自立度が向上するケースが見られるなど、ADLの改善に寄与すること、3)職員の介護時における身体活動量を時系列的に調べた結果、ユニット化により一時的に介護職員の身体活動量は大幅に増加するが、建て替え後5ヶ月で建て替え前に近い水準に近づくこと、4)重度の高齢者を想定したユニットの空間構成を検討する際には、いたずらに多様なセミプライベートおよびセミパブリックな空間を設けず、むしろコンパクトな移動動線計画を念頭に置くことの重要性、また、5)既存の特別養護老人ホームにユニットケアを取り入れた施設を対象とした調査からは、ユニットケアに伴う事務およびミーティング方式の見直しが介護職員のユニット滞在時間を増やし、その結果、入居者と関わる時間が増加することが示された。
著者
前田 隆浩 中島 憲一郎 高村 昇 山崎 浩則 草野 洋介
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

特定健診受診者1,295人を対象として、動脈硬化に関連することが報告されている遺伝子MTHFR(rs1801133)、HDAC4(rs3791398)、CARKL(rs465563)、Adiponectin(rs1501299)について多型解析を行い、頸動脈内中膜複合体厚(CIMT)と心臓足首血管指数(CAVI)との関連について検討した。いずれの遺伝子においてもCIMTとCAV Iとの間に有意な関連を認めず、ハイリスクアリルの保有数をもとに分類した5群における解析でも有意な関連は認めなかった。しかし、保有数が多いほどC AVI値が上昇する傾向があり、遺伝子多型と動脈硬化との関連が示唆された。