著者
宮嵜 麻子 Asako Miyazaki
出版者
国際コミュニケーション学会
雑誌
国際経営・文化研究 = Cross-cultural business and cultural studies (ISSN:13431412)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.79-92, 2014-03

Although there are no testimonies which present piracy as crucial menace for Romans, they had increasingly carried out the military actions against pirates by the end of the 2nd. Century B.C. That appears to be explained by two factors:1. An imperialistic tactics: Rome would have presented themselves as a protector of the mediterranean world by the suppression of pirates.2 A measure in the Roman political life: The military success gave Roman elites some political advantages.It would seem that piracy was a political issue for Romans in these two meanings. However, evidences of Roman attack against Cilician pirates in 102-100 B.C. show us that the pirates would have brought Romans into certain critical conditions. The judgment on this supposition requires us an inquiry into the situation in the following century.
著者
チョウ ゲンブン
出版者
北九州市立大学
巻号頁・発行日
2015-03-26

本論文は、高齢化が顕著な北九州市において、北九州都市モノレール各駅の中心から500m圏を対象エリアとした沿線の人口動態推移予測とその分析及び利用者に対する利用状況アンケート(6850件)からモノレールの利用実態を明らかにし、駅ごとの将来の年齢別人口予測と合わせ駅ごとの特徴を明らかにし、都市工学の見地から今後の公共交通としてのモノレールの地域における役割とあり方を考察している。
著者
山田 研太郎 村尾 茂雄 吉田 秀雄 中島 敏夫 吉井 町子 木村 正治 吉岡 寛康
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.1007-1011, 1981
被引用文献数
3 10

非寄生虫性脾嚢腫は希な疾患であるが,今回我々は副脾から発生したepidermoid cystの1例を経験した.症例は51才,男性.下腹部痛のため来院し腹部単純撮影で左下腹部に環状の石灰化像を認めた.疼痛は速やかに軽快したが精査のため入院.下腹部に軽度の圧痛を認めるも腫瘤は触知せず.臨床一般検査ではγ-GTPの軽度上昇以外著変なし.経静脈性腎盂造影法(IVP)で腎孟腎杯の変形なし.上部消化管透視では腫瘤は胃体部の後方に位置した. CT-scan,超音波断層で膵尾部に嚢腫を認め,血管造影で伸展した大膵動脈分枝が見られた.膵嚢腫の診断で開腹.膵尾部から突出した直径約6cmの嚢腫を認め,膵尾部・脾臓とともに切除.内容は乳白色の液体で,寄生虫,毛髪,細菌を認めず.アミラーゼ・リパーゼは低値であつた.病理所見では嚢腫壁内に脾組織の薄い層が存在し内腔を重層扁平上皮様細胞がおおつており副脾のepidermoid cystと診断した.脾epidermoid cystの成因は明らかでないが,本例では重大な外傷の既往はなく迷入組織から発生したと考えられる.脾epidermoid cystは若年者に多く石灰化は希とされている.本例の石灰化は比較的高年令であることによるものであろう.副脾は10%以上の人に存在するが検索しえた範囲では嚢腫発生の記載はなく,本例が第1例と考える.
著者
加藤 千枝
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.109-121, 2012

本研究では青少年女子のメールボックス利用実態を明らかにすることを目的として,女予中高生9名に対し,半構造化面接を実施した。その結果,青少年女子は主に「同集団他者」や「他集団他者」との関係形成の為にメールボックスを利用していることが明らかとなった。また,「他集団他者」の「異性の者」からメールボックスを介して連絡を受ける者も複数おり,「異性の者」と実際に会った結果,「サイバーストーカー」等の被害に遭った青少年女子もいた。一方で,メールボックスを介して知り合った「異性の者」と交際した経験を持つ者もおり,メールボックスは携帯電話のメールとは異なる使い方をされているメディアであることが明らかとなった。
著者
齋藤 寿広 壽 和夫 澤村 豊 阿部 和幸 寺井 理治 正田 守幸 高田 教臣 佐藤 義彦 平林 利郎 佐藤 明彦 西端 豊英 樫村 芳記 小園 照雄 福田 博之 木原 武士 鈴木 勝征 内田 誠
出版者
農業技術研究機構果樹研究所
巻号頁・発行日
pp.1-9, 2009 (Released:2011-05-24)

1. ‘ぽろたん’は、1991年に農林水産省果樹試験場(現農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において‘550-40’に‘丹沢’を交雑し、育成した実生から選抜した渋皮剥皮性が優れる早生のニホングリ品種である。1999年に一次選抜し、2000年からクリ第6回系統適応性検定試験に供試した。その結果2006年10月4日付で‘ぽろたん’と命名され、‘くり農林8号’として登録、公表された。2007年10月22日付けで種苗法に基づき第15658号として品種登録された。2. 樹勢はやや強く、樹姿はやや直立である。枝梢は密に発生し、太く、長い。雌花の着生は多く、結果性はやや多い。果実の成熟期は育成地では9月上~中旬で‘国見’と同時期である。3. きゅう果は扁球形で‘国見’と同程度の大きさで、果実の側果側面の形は帯円三角形、横面は尖円形である。平均果重は30g程度で‘国見’より若干小さいが、‘丹沢’よりやや大きく、揃いは中程度である。双子果の発生はやや多く、裂果の発生は少ない。果実の比重は‘丹沢’や‘国見’より高く、肉質はやや粉質である。果肉は黄色で甘味、香気ともに‘丹沢’や‘国見’より多く、食味は良好である。環境条件により、虫害果が多発する場合がある。蒸しグリでの渋皮剥皮性は易であり、焼きグリにした場合、チュウゴクグリ程度に容易に剥皮出来る。4. 試作を検討した関東地方以西の産地で特性を発揮できるが、東北地方での適応性は不明である。ニホングリで唯一渋皮剥皮性が優れる品種であり、家庭での消費増大はもとよりニホングリの新規加工需要の創出等多方面での利用が期待される。
著者
白土 秀樹
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.96-100, 2012 (Released:2013-01-18)
参考文献数
6
被引用文献数
2

- 副耳下腺腫瘍について -
著者
阿川 慶子 原 祥子 小野 光美 沖中 由美
出版者
日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 : 日本老年看護学会誌 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.46-54, 2012-11-30

本研究は,高齢慢性心不全患者が日常生活において心不全に伴う身体変化をどのように自覚しているのかを明らかにすることを目的とした.対象は,慢性心不全と診断され入院または外来通院している高齢者11人として半構成的面接を行いデータ収集し,質的記述的に分析した.高齢患者は,【変化速度の緩急】【体の制御感の喪失】【自己調整できる苦しさ】【自分のありたい姿との調和】【忘れられない極限の体験からの予見】【独特な身体感覚】【客観視された情報による気づき】によって自己の身体変化を自覚していた.患者は,自分の身体を知ろうと模索し感じとった身体変化を特有な表現で他者に伝えることや,自己調整できる苦しさであるという自覚によって対処が遅れる可能性を抱えていた.患者の感じている身体変化を看護師が理解するためには,患者が感じたままに表現できる場を設け,患者の身体に対する期待や理想,日常生活のなかで感じる不都合さ,忘れられない極限の体験を手がかりとして思いを聞くことが有効である.
著者
宮永 孝
出版者
法政大学
雑誌
社會勞働研究 (ISSN:02874210)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.165-189, 1996-02

Nawadays Macau (澳門), a Portuguese colony, attracts many visitors from all over the world.This city was once called "the City of Death" in the last century, but it is going to be recreated a new, modern city, sprouting dozens of new buildings here and there.I visited Macau once and enjoyed staying there.What attracted my attention and impressed me deeply was the old remains of the façade of St.Paul's church located almost in the middle of the city, where quite a few Japanese Christians were buried; reportedly they helped to build it many centuries ago.The façade maintains the solemnity and beauty as well.During my brief stay in Macau, I was happy to make the acquaintance of Fr.Manuel Teixeira, an eminent orientalist and priest, who not only showed me round the historic spots but enlightened me greatly as to the history of the city.I well remember I was lost in admiration of two oil-paingtings, one of which shows the crucification of the Japanese Christians at Nagasaki and other of St.Michael, the Archangel in Seminário S.José (聖若瑟修院).As regards the latter, the name of the painter remains unknown.However, according to Fr.M.Teixeira, one of the four Japanese Christians, all of whom were the disciples of Giovanni Nicolo (1560~1626), a famous Italian priest and master in the art of sacred paingtings, painted it. Supposedly the painters are: (1) Mancio Taichiku (?~1615), born in Udo (宇土), in the province of Higo (肥後国), died in Macau.(2) Peter Chikuam alias Pedro Joãn (?~1622), died in Macau.(3) Todeu (?~1638), died in Macau.(4) Yacob Niva (丹羽?) alias Yacobo Niva (?~1638), died in Macau.It is said Yacob Niva towered above others as a painter.This article deals with the Japanese Christians in Macau and with the painting of the Archangel.The identity of the artist, however, still remains unknown.In conclusion, I'd like to express my deep indebtedness to Fr.M.Texiera and some of the university libraries in Tokyo for providing assistance during my research.
著者
チョウ イ 峯松 信明 齋藤 大輔
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2015-SLP-109, no.19, pp.1-6, 2015-11-25

論文では,データが限られた話者に対する音声合成の質の向上を目的とした,多層双方向 LSTM リカレントニューラルネットワークに基づく複数話者音声合成モデルを提案する.提案モデルは,話者非依存のネットワーク (SIN) と話者依存のネットワーク (SDN) で構成されており,SIN は複数話者のデータで学習され,SDN はターゲット話者のデータで学習される.さらに,性別コードと話者コード,i-vector を導入することで,SIN 内部において,話者の識別性をより高めることが期待される.データ数が限られたデータベースを用いた音声合成実験により,提案法は,多層ニューラルネットワークと多層双方向 LSTM リカレントニューラルネットワークに基づく複数話者音声合成と比較して,合成音声の品質の向上を確認することができた.さらに,提案した複数話者モデルに話者適応を導入可能であり,実験的に新話者に対する音声合成の自然性と話者性を向上することができた.
著者
滝沢馬琴 著
出版者
健捷堂[ほか]
巻号頁・発行日
1911

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1933年05月11日, 1933-05-11
著者
近藤 寿郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.591-599, 1992-08-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
12
被引用文献数
1

IFN療法を行ったC型慢性肝炎例より,血清ALTが1年以上持続的に正常化した症例と正常化しなかった症例を各々14例ずつ無作為に選び,血清中のHCV-RNAの推移ならに,C100-3抗体,KCL-163抗体,CP-9抗体およびCP-10抗体を定量的に測定し,その推移を検討した.HCV-RNAが投与終了12ヵ月後以降陰性であったのは有効例の8例のみであった.有効例では投与終了12から18ヵ月後に,C100-3抗体価は投与前陽性の11例中10例で,KCL-163抗体価は13例中12例で投与前値の25%以下に低下した.さらに,HCV-RNA陰性化例では8例中7例でCP-9抗体価とCP-10抗体価がともに投与前値の25%以下に低下したが,HCV-RNA非陰性化例のcore抗体の推移には有意な変化は認めなかった.一方,無効例の各抗体価には有意な変化は認めなかった.この成績はcore抗体の推移がHCV-RNAの消長を密接に反映することを示しており,IFNの抗ウイルス効果の指標として有用と考えられた.
著者
谷内 透 立川 浩之
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.57-60, 1991-03-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13

原記載の比較に基づいて, 台湾産のシロカグラHexanchus nakamuraiはバハマ諸島産のH.vitulusの上位同物異名であることを検証した.本種は近縁種のカグラザメH.griseusとは下顎に櫛状の大きな歯が1列に5個並ぶこと (カグラザメでは6個), 胸鰭後縁が凹むこと, 尾柄が長く臀鰭基底の少なくとも1.5倍はあること, 背鰭は尾鰭から少なくともその基底長の2倍離れていることで区別される.本種が小笠原諸島周辺, 高知沖に分布することを明らかにした.本報が本種の日本初記録である.
著者
武長 孝 橋本 政雄 津賀 幸之介 梶山 道雄 橋本 佳文
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.169-177, 1978

この研究は諸外国でも開発が進められている農薬の微量, 少量散布機について, 昭和41年から始まり昭和52年の乗用トラクタマウント少量散布機の実用化, および低毒性の少量散布用農薬の登録受付けに至る間の基礎および開発研究を記述したものである。研究の内容は放射化分析を利用した農薬付着と漂流飛散の追跡, 有気噴頭の性能研究, 粒径の表現方法, 少量散布用落下調査指標の設定, 並びに8機種の微量, 少量散布機の開発研究からなっている。
著者
山下 雄也 石井 義郎
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.9, no.87, pp.205-210, 1952

塩化ビニール樹脂の可塑剤を得る目的でDOPとは逆の分子構造を有するエステル即ち芳香族二価アルコールと脂肪族一塩基酸とのエステルを合成しその可塑剤としての性質を検討した。このためにベンゼントルエン, キシレンをホルマリンと塩酸によりジクロロメチレン化し, これを加水分解してグリコールにしてカルボン酸とエステル化させるか, あるいはジクロロメチレン化物のままでカルボン酸ナトリウム塩と反応させてエステルを得る条件につき報告した。用いたカルボン酸は酪酸, カプロン酸, カプリル酸, カプリン酸及びレビユリン酸である。得られたエステルは一般に無色透明の液体でカプリル酸以上の高級酸エステルの場合を除き比重は1以上である。沸点は同一分子量のフタル酸エステルに比較して幾分低い。これらのエステルの可塑剤としての性能は第2報において報告する。
著者
藤井 恵介 川本 重雄 平山 育男 溝口 正人 後藤 治 大野 敏 藤川 昌樹 光井 渉 大橋 竜太 清水 重敦 藤原 重雄 加藤 耕一 角田 真弓 野村 俊一 上野 勝久
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、日本の建築と都市にかかわって、<天災・人災→被害→修理・再建・再生>というプロセスについて、日本の7世紀から20世紀まで、実例を調査、収集する。そして特にその際に起きた技術革新と建築様式の変化を明らかにすることが目的である。主要な成果は以下の通り。①安元3年(1177)に起きた京都大火と治承4年(1180)の南都焼討は、大仏様を誘発する契機となり、和様を中心様式から引きずり下ろした。②明治24年の濃尾地震(1891)は、その後の近代建築の耐震性上昇などの大きな誘因となった。しかし、被害が過剰に報告されるなど、情報が操作された点も多い。