著者
田村 滋夫 葛声 成二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.337-344, 1984 (Released:2007-03-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

抗炎症剤の薬効が容易に判定でき,同時に薬効メカニズムを生化学的に分析できる炎症モデルとして,ラヅトにおけるカラゲニソ膿瘍をとりあげ再評価を加えた.2%カラゲニン0.5mlをラットの背部皮下に注射することによって生じる浮腫は炎症部位の血管透過性亢進を反映して,惹起後15時間のピーク時までは二相性変化を示した.初期の血管透過性充進は滲出液中のprostaglandin(PG)E含量と良く相関したが,PGEは15時間以後浮腫が消退する過程でピークに達し,15~24時間はこれらのパラメーターの間には良好な相関々係は認められなかった.炎症部位への細胞浸潤の指標とした滲出液中DNA含量は数時間の潜伏期の後,二相目の浮腫反応と対応して急激に増加した.この炎症反応はindomethacin(2mg/kg)又はdexamethasone(0.1mg/kg)を起炎処置と同時に1回経口投与することにより修飾を受け,前者は投与15時間後,後者は9時間後にそれぞれ最大の抑制効果を示した.indomethacinはカラゲニン注射と同時に投与した時には滲出液重量ならびにPGE濃度を有意に抑制したが,炎症発症後に投与した場合にはPGE濃度を有意に抑制したにも拘らず,重量に対しては無効であった.dexamethasoneは同様な投与方法のいずれによっても著明な抗炎症効果を示したが,PGE濃度には有意な影響を及ぼさなかった.本法は起炎処置後の早期より貯留する滲出液,後期に形成する膿瘍,更には肉芽を容易に単離でき,これらに対する抗炎症剤の感受性もよい.同時に多種の炎症パラメーターを生化学的に追求することができるので,簡便な抗炎症剤スクリーニングのモデルとして有用であると思われた.
著者
大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.49-54, 2012-05-29

本稿では,まず,東京の寿司屋に対するオンラインレビュー情報について,専門家による評価情報とどの程度異なるかを明らかにする.さらに,オンラインレビュー情報で提供されている情報を用いて専門家による評価情報と似たような寿司屋のランキングを行う手法について,HITSアルゴリズムを基にした手法を提案する.提案手法について評価実験を行い,その有効性を明らかにする.
著者
松隈詩織 福地健太郎 城一裕
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.14, pp.1-7, 2013-03-06

飾り巻き寿司とはその断面に意匠を凝らしたもので,海苔の上に寿司飯や具材を適切に配置した後に巻いて調理する.独自の意匠の巻き寿司を作成しようとするとき,巻きあがりの形から具材の適切な配置を考えるのは簡単ではない.また,配置図面があったとしてもその通りに具材を正確に置くことは調理の作業過程においては簡単ではない場合も多い.そこで,ユーザが断面の意匠をコンピュータ上でデザインすると,そのデザインに応じた具材の配置図を計算し,その配置図を海苔にレーザーを用いて直接印刷する手法を提案する.今回はデザインの自由度を強く制約した試作システムを構築し,実際に巻き寿司を作成してその有効性を検証した.
著者
吉田 啓子
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.79-87, 2007-03-31

寿司製品は持ち帰り商品として人気があるが、品質および安全性の確保が難しい食品である。一方、それら寿司製品の消費期限は、経験に基づき設定している場合が多く、実態に合わせた科学的根拠のある期限設定が望まれる。そこで、データの蓄積を目的に、29種の寿司製品を対象にして異なる保存温度における微生物学的動態を調査した。その結果、微生物学的品質は、原材料の取り扱いと購入後の保存温度に影響を受け、製品個々の実態に合わせた期限設定が必要であることが認められた。
著者
神庭 重信 平野 雅己 大野 裕
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.481-489, 2000-05-15

はじめに—気分障害の生物学的構造 気分障害の脆弱性は遺伝子と環境により構築される‘脳構造’に内在化されるものである。この比較的永続的な成分(static成分)は,神経回路網,脳細胞とその構成物質の階層に局在すると考えられる15,16,18)。遺伝子の問題は後で扱うことにして,ここでは“環境”について若干の考察を加えておく。static成分にかかわる環境としては,主として脳の発達時期の環境(すなわち養育環境)が重要であると考えられることが多い。しかし脳の可塑性が作動し続けるかぎりにおいて,過度の心理社会的侵襲が度重なるならば,なんらかの病的な可塑性31)が発達後に生じても不思議はない。また,心理社会的侵襲が,液性因子などを介して,神経細胞を傷害することは事実であろうし,特定の神経細胞の死と再生にすら影響を及ぼす可能性も認められつつある。むろんこれらの環境因子が脳に与える影響の種類と程度は,ゲノム上の数多くの遺伝子との相互作用のもとに決定されるのであろう。さらにつけ加えるならば,老年期に初発する気分障害では,老化が招く多種類の異質な脆弱性も当然予想される。私たちは,このような複雑で異種なstatic成分を気分障害に認めないわけにはいかない。 一方,病相は,このstatic成分の上に,発症の引き金をひく因子により引き起こされる‘脳機能’の,一般的に,短期的・可逆的な変化(dynamic成分)が加わって生まれるものである。ここでいう発症の引き金をひく因子は,心理社会的環境因をはじめとして,内分泌障害,薬物やアルコールなどの物質,季節変動など多彩である。したがってその作用点は脳構造のあるゆる階層にわたりうる。
著者
西村 多久磨 村上 達也 櫻井 茂男
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.86.14326, (Released:2015-07-10)
参考文献数
21
被引用文献数
8

The purpose of the present study was to develop a simplified scale to assess loneliness in children. Participants were 646 elementary school students (335 boys and 311 girls) from 4th to 6th grade and 24 homeroom teachers who identified lonely children within the participants of their classes. The student participants completed the Five-item Loneliness Scale for Children (Five-LSC) and other scales measuring social skills, social competence, and withdrawal to confirm the validity of the Five-LSC. The results showed that the Five-LSC was both reliable and valid. In addition, there were no grade or sex differences in loneliness. Future research using the Five-LSC was discussed.
著者
山根 隆宏
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.86.14035, (Released:2015-07-10)
参考文献数
46
被引用文献数
3

This study examined the stress-buffering effects of sense making among parents of children with developmental disorders. A model assuming that social support is related to sense making and that coping strategy mediates sense making and stress response was examined via a questionnaire survey of mothers of children with developmental disorders (N = 245). The results of structural equation modeling analysis suggested the following: (a) the stress-buffering effects of sense making were mediated through an emotional approach coping strategy and sense making was positively related to stress response mediated through an active coping strategy; (b) seeking a meaning directly increased one’s stress response, which was indirectly mediated by an avoidant coping strategy; and (c) the effects of social support on sense making and coping strategy, as well as stress response, varied with the kind of social resources from whom mothers anticipated support. These results suggest that sense making affects stress response in mothers of children with developmental disorders through the social support they anticipate and the coping strategies they adopt.
著者
落合 尚良 池田 崇博 野村 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.243-244, 1997-03-12
被引用文献数
1

GUI上でワープロ、メール執筆等の本業を行っている時に、バックグラウンドで関連文書を自動的に検索して提示する、オフィス文書自動検索の一実現方法を提案する。近年のオフィス環境では、1人l台のPCが普及し、ウィンドウシステム上で、ユーザーが手動で気軽にマルチタスクを扱えるようになっている。そのおかげで、本業に関連する、検索などの別作業を割り込ませながら仕事を進める様態が一般的となっている。この従来無かった環境では、マルチタスクのおかげで業務の効率が上がる一方、本業への集中度が落ちて、次のような問題点が現れるようになった。<問題点1)>___-割り込み作業の内容により気が散る、本業から脱線、何をしようとしていたか忘れ、重要でない作業に走る。<問題点2)>___-割込みか作業の遂行のための手順の想起、関連情報の所在の想起、手榎順の実行、結果の確認方法の想起などに思考のコストおよび時間のコストがかかる。これらの新たな問題点の解決につながる技術の中で、ユーザによる曖昧な指示を解釈し、必要に応じて時間/空間の制約を越えて「良きにはからって」くれるソフトウェアはエージェントと呼ばれる。本稿では、エージェントによる代行に問題をシフトさせず、解決の対象を上記の<問題点2)>___-に絞って、「自動検索」の新しいユーザインタフェースを提案する。従来の関連研究では、検索の条件指定を自動化する試み、すなわち、明示的にキーワードを指定せずに類似文書を検索する文書アクセスを行うための手法として、たとえば文献[1]がある。但し、主眼は文字列成分分布の類似度比較という要素技術の側にあり、具体的にどのような状況でユーザの検索行為を省力化できるかが明示されてはいない。
著者
岡村 忠生
出版者
日本税務研究センタ-
雑誌
税研 (ISSN:09119078)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.15-24, 2009-07
著者
西本 利一 寺山 正一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1504, pp.78-80, 2009-08-24

問 本社のオフィスは賃貸ビルのワンフロアで、人影もまばら。社名を飾る立派な看板もない。失礼ながら、電炉業界最大手の本社には、とても見えません。 答 そうかもしれませんね(笑)。本社にいる社員は40人ほどです。昼間はほとんどが外出していますから、来社したお客様が、社員の少なさにびっくりされることもありますね。
著者
中野 嘉邦 鴻巣 健治 加藤 秀雄 末田 章
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.361-366, 1980-03-05
被引用文献数
3

本報では任意の輪郭をもつねじ面を加工するためのフライスの切れ刃の輪郭を求めるための新しい数値計算法を提案している。この方法では従来のように超越方程式を解く必要がない。ねじ面をフライス加工する場合、加工後の工作物の軸直角断面輪郭は、フライスの切れ刃がさまざまな位置で削り出した曲線群をねじ運動によって基準断面まで移動させた時、それらの曲線群の包絡線として与えられることは明らかである。また、与えられた工作物を加工するためのフライスの輪郭は、工作物によってフライスが削られると考えれば、同様にして求められることも明らかである。本報の方法は、この原理に基づくもので、包絡線が所定の精度に収束するまで逐次近似計算を繰返すことによってフライスの輪郭を求める。さらに、設計したフライスによって創成される工作物の輪郭を検証する方法を示している。この方法によればフライスの設計は容易になり、加工時の干渉状態も容易に吟味できる
著者
中山 浩太郎
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究課題では,最新の脳科学の知見を活かしてスケーラビリティの高いDeep Learning手法を開発し,柔軟な知識処理機構を実現することを目指している.本機構が目指す目標は,多様なタスク(アプリケーション)へ適用可能な汎用性の高い知識処理のモデルおよび,大規模なデータをリアルタイムに処理可能な並列処理に最適化された計算モデルの2点である.特に重要なのは,一般的な計算環境(PC等)でも実行可能な並列計算のためのモデルであり,GPU(OpenCL等)を利用した多コア環境で実行可能なモデルを構築する.さらに,本手法の有効性を実証するために,プロジェクトの前半ではスパムフィルタなどの比較的シンプルなタスクやデータに適用するが,プロジェクト後半では連想検索とオープンQAの二つのアプリケーションを期間内に構築することを目指して研究活動を推進してきた。以上の予定と活動に基づき、2016年度は予定どおり基礎研究に軸足を置きつつ、アプリケーションへの適用を試験的に進めてきた。特にスパース性の高いWebデータへの適用を積極的に進め、研究開発を推進してきた。さらに、当初の研究計画に基づき、研究成果の対外発信を強化してきた。論文誌で研究成果が掲載された他、情報処理学会論文誌を始めとする国内論文誌へ論文を投稿中である。また、Deep Learning系のトップカンファレンスにも積極的に論文を投稿中である。
著者
Manalo Emmanuel 鈴木 雅之 田中 瑛津子 横山 悟 篠ヶ谷 圭太 Sheppard Chris 植阪 友理 子安 増生 市川 伸一 楠見 孝 深谷 達史 瀬尾 美紀子 小山 義徳 溝川 藍
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

3年目である本年は、21世紀型スキルの促進ということに焦点を当てて研究を行った。この結果、様々なワークショップや授業を開発した。具体的には、大学教員の質問スキルの向上を目指すワークショップの開発、小学校教員による効果的な学習法指導の開発、高校生の批判的思考と探究学習を促進する実践の提案などを含む。さらに、教育委員会と連携した実践なども行った。こうした研究の結果、研究代表者であるEmmanuel Manaloと分担研究者である植阪友理を編者に含む、英語の書籍を刊行した。この書籍は、自発的な方略を促進するためのあり方を具体的に提案するものであった。この本の論文はいずれも、査読付きであり、このうち9本は本プロジェクトに関わるメンバーが執筆している。のこり10本は海外の研究者が執筆している。海外の著者にはアメリカのUCLA (University of California Los Angeles) やPurdue University、スイスの ETH Zurich、ドイツの University of Munster (Germany) 、University of Hong Kongなどといった一流大学の研究者が含まれており、国際的な影響力も大きなものとなったと考えられる。さらに、日本心理学会、教育工学会などといった国内学会において発表を行った。さらに、EARLI (European Association for Research in Learning and Instruction) やSARMAC (Society for Applied Research in Memory and Cognition) といった国際学会においても発表した。
著者
桂又三郎著
出版者
合同新聞社出版部
巻号頁・発行日
1944