著者
金寺 登 荒井 隆行 岡田 賢治 浅井 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.155, pp.67-72, 2003-06-20

音声特微量の時間軌跡をフーリェ変換したものは変調スペクトルと呼ばれ,音声の認識には特定の変調スペクトルが重要であることが知られている.本報告ではよ音声認識にとって変調スペクトルの各成分がどの程度重要であるかを示す貢献度に応じて変調スペクトルを強調した音声認識特微量を提案する.自動音声認識実験の結果,提案した特微量は,雑音環境下において音声認識性能が約5%改善されることを確認した.
著者
金寺 登 Hynek Hermansky 荒井 隆行 船田 哲男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.120, pp.15-22, 1997-12-11

CMS法や動的特徴は変調周波数特性を操作することにより音声認識性能が向上することが知られているが、どの変調周波数がどの程度重要であるのかという定量的な検討は行われていない。そこで本研究では、様々な変調周波数特性を持った入力に対し、音声認識性能の違いを種々の雑音環境、認識方式、特徴量のもとで調べた。その結果、以下のことが分かった: ) 言語情報のほとんどが1?16 Hzの変調周波数帯域に存在し、その中でも4 Hz付近が最も重要である。) 変調スペクトルにおいては位相情報も重要である。) 4 Hz付近の変調周波数を含む特徴量を用いることで動的特徴量と同等以上の結果が得られる。) 適切な中心周波数と帝域幅をもつ複数のサブバンドを変調周波数上で用いることにより、認識性能がさらに向上する。We report on the effect of band-pass filtering of the time trajectories of spectral envelopes on speech recognition. Several types of recognizers, several types of features, and several types of filters are studied. Results indicate the relative importance of different components of the modulation spectrum of speech for ASR. General conclusions are: (1) most of the useful linguistic information is in modulation frequency components from the range between 1 and 16 Hz, with the dominant component at around 4 Hz, (2) it is important to preserve the phase information in modulation frequency domain, (3) The features which include components at around 4 Hz in modulation spectrum outperform the conventional delta features, (4) The features which represent the several modulation frequency bands with appropriate center frequency and band width increase recognition performance.
著者
中川 俊明 林 佳典 畑中 裕司 青山 陽 水草 豊 藤田 明宏 加古川 正勝 原 武史 藤田 広志 山本 哲也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J89-D, no.11, pp.2491-2501, 2006-11-01

我々は,眼底画像の異常を自動検出することによって眼科医の診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発を行っている.本研究では,眼底画像の視神経乳頭を認識するために,血管の抽出及び消去を行う手法を提案する.また,血管消去画像の応用例として,患者説明に利用する擬似立体視画像の作成を行った.血管はカラー眼底画像の緑成分画像に対して,モフォロジー演算の一種であるBlack-top-hat変換を行い抽出した.抽出した血管領域に対して周囲の画素のRGB値を利用した補間を行い血管消去画像を作成した.このように作成した血管消去画像を視神経乳頭の認識に適用した.視神経乳頭は,血管消去画像を用いたP-タイル法によって認識した.78枚の画像を用いて評価実験を行った結果,認識率は94%(73/78)であった.更に,抽出した血管像及び血管消去画像を利用して,擬似立体視画像の作成を試みた.その結果,血管が網膜の硝子体側を走行している様子を表現できた.本手法が眼底CADシステムの精度向上に寄与することを示唆した.
著者
長平 彰夫
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1_12-1_20, 2010 (Released:2011-02-04)
参考文献数
81

本研究は,ここ20年間の産学連携に関する国内外の代表的な先行研究をレビューし,今後の研究に関しての示唆を行うことを目的とした.その結果,先行研究は,大きく3つのジャンルに分類できた.第1は,産学連携をイノベーションとの関係性から共同研究などを通じた知識や技術の移転活動のドライビングフォースとしてとらえるものであり,第2は,産学連携が企業や大学等の研究活動へ与える影響に関するものである.第3は,産学連携を新たな知識を創造する活動と捉え,研究生産性に関する科学社会学からのアプローチである.わが国の産学連携に関する論文投稿活動はここ10年,他国と比べて低調であり,異分野の研究者たちが産学連携学という横断的学術領域において結集し,学術活動としての産学連携を発展させていくことが必要である.
著者
北村 寿宏
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1_39-1_46, 2011 (Released:2012-01-12)
参考文献数
13

国立大学における産学連携の実状を明確にするために,共同研究件数の推移について調査した. 共同研究件数で比較すると東京大学や京都大学のような大規模大学が上位に位置することが多いが,理系教員一人当たりの共同研究件数で比較すると,岩手大学,茨城大学,横浜国立大学,静岡大学,三重大学などの大学や理系単科大学の多くが高い値を示し,共同研究が活発に行われていることが明らかになった. 近年における中小企業を相手先とする共同研究の件数を調査した結果,一部の大学を除いたほとんどの大学で,横ばい,ないしは,減少傾向にあり,特に,東北北部,山陰,四国,九州に位置する大学の多くで低い傾向が見られた.この結果は,大学が位置する地元の中小企業との共同研究が進んでいないことを示唆しており,地域イノベーションの創出の推進役が大学とその近隣の企業であることを考えると,今後の改善に向けての取り組みが必要であると考えられる.
著者
遠藤 邦彦 宮地 直道 高橋 正樹 山川 修治 中山 裕則 大野 希一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

火山防災上,防災担当者や住民にとって真に役立つ活動的火山の次世代型ハザードマップの構築を目指し,7項目の目標に対してそれぞれ以下の成果を得た.主に富士山,比較で浅間山,箱根山を対象とした.1.漏れのない噴火履歴の解明:重点的な現地調査により,データの充実化を進めた.2.噴火発生確率のより正確な見積りとデータベース:噴火発生娘串の重要判断材料である富士山の階段ダイアグラムを新しいデータに基づいて改定した.また,データベースを充実させた.3.噴火のさまざまな癖:火口の位置やタイプ,火砕流の発生など,新資料を得た.4.発生確率は低いが影響の大きなイベント:富士山の代表事例として御殿場岩屑なだれ,滝沢火砕流を詳細に解明した.5.多様な噴火シナリオから災害リスクの検討へ:爆発的噴火のタイプ,溶岩流出のタイプの典型として宝永噴火,貞観噴火の詳細な検討を行い,前者について災害リスタの検討を進めた.6.大気や地表の熱情報から:富士山監視カメラシステムを継続的に運用し,雲や降雪状況の変化をホームページに公開した.地表面温度分布の分析成果を公表した.以上のa-fについてその成果を単行本「富士山のなぞを探る」として公表した.7.役に立つハザードマップヘ:噴火が近づき,あるいは始まった時に機器観測,監視カメラ,目視情報をはじめ,大気情報や地表の熱などを含め,多様な情報がリアルタイムに捉えられ,またハザードマップ上に迅速に示されるGISを利用したシステムを,防災担当者および研究者間で運用するDGI-RTSシステムとして構築し,一部を「富士山観測プロジェクト」としてウエブページに公開した[http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/quart/fuji-p/].これは公開済みの「富士山監視ネットワーク」と,さまざまな災害情報に関する「自然災害と環境間題」のページにリンクしている,
著者
堀田 結孝 山岸 俊男
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.114-122, 2010 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24
被引用文献数
3 2

A one-shot sequential prisoner's dilemma game with an in-group and an out-group member was conducted to test the group heuristic hypothesis for the in-group bias in minimal groups. Eighty-nine participants played the role of a second player and faced a fully cooperative first player. The results showed that in-group bias occurred only in the common knowledge condition in which the first player and the second player mutually knew each other's group membership, but not in the private knowledge condition in which the first player did not know the second player's group membership. These results provide support for the group heuristic hypothesis that in-group bias is an adaptive strategy in an assumed generalized exchange system to avoid a bad reputation as a defector.
著者
勅使河原 可海 望月 雅光 高木 正則 南 紀子 関田 一彦 安野 舞子 川崎 高志
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、問題を作成することによって学習する学習手法において、教科書等から問題にできる箇所を探す作業や、作成した問題を見直す作業が、学生自身が感じる主観的な学習の役立ち度合いの向上に寄与できることが示唆された。また、学生による作問が可能な学習支援システム「CollabTest」の効果的な活用方法として、(1)授業内で作問と相互評価を実施する方法、(2)複数の科目を連動させた方法、(3)システム上の演習と教室の演習を融合させた方法、等が明らかになった。
著者
時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.238-244, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

日米の公共図書館における電子書籍の利用状況について図書館訪問による実地調査をおこなった. 米国においてはオーディオ書籍提供の長い歴史があり, このルートの上に電子書籍が急速に普及した。2010 年には中都市以上の図書館ではほぼ100% の導入率である. 日本では東京の千代田図書館が2007 年末に先鞭をつけて以来停滞していたが, 2011 年に入り堺市図書館, 萩図書館が相次いで導入し, また鎌倉中央図書館でモニター実験がおこなわれるなど動きが出た. 米国ではOverDrive が主導し, iPad, Kindle などへの対応も始まっている. 日本ではもっぱらWBook システムが用いられている. 今後の課題について議論した.
著者
秦 邦生
出版者
津田塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、<情動>についての近年の批評的関心の台頭を踏まえて理論的枠組みを構築しつつ、英国モダニズム文学が同時代の「公共性」の変容過程に積極的に参入するさまを検証した。<情動>を個別作品の内面性や自律性を掘り崩す要素と見なすことで、シンクレア、ワイルド、ウルフなど、さまざまな作家の作品が同時代社会に批評的に介入し、それらが共同体の再編に向けたユートピア的衝動に駆動されているさまを浮き彫りにした。
著者
飯田 辰美 佐久間 正幸 芹沢 淳 福地 貴彦 雑賀 俊夫 松原 長樹
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.1924-1927, 1990-07-01
被引用文献数
12

症例は56歳男性.右下腹部痛,同部の腫瘤を主訴として来院された.右下腹部に硬い鶏卵大腫瘤が触れ,超音波検査,注腸造影,大腸ファイバースコープ,computed tomographyなどの検査により原発性虫垂癌が最も疑われた.開腹,切除標本所見より,この虫垂腫瘤は虫垂で穿孔した魚骨をとりまくように存在する炎症性肉芽腫であり,悪性像は認められなかった.このような腫瘤はきわめてまれで,検索しえた範囲では,本邦第1例目と考えられる.
著者
菊野 亨 水野 修 水野 修
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ソフトウェア開発のプロジェクトにおける混乱状態回避を目的として,プロジェクトに関するメトリクスから混乱するかどうかの診断手法を開発した.実際のソフトウェア開発プロジェクトにおいて収集されたメトリクスデータを利用して,その有効性を示した.
著者
佐藤 真実 江口 雅美 丸山 悦子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-32, 2007-02-20

若年層が白飯のおいしさを評価するために重視している要素として,白飯自体がもつ要素と評価する側がもつ心理的,社会的影響をうけたおいしい白飯に関するイメージについて調査を試みた。白飯自体がもつおいしさの要素は,15項目の項目をあげ,それぞれの項目の必要度の高さをSheffeの1対比較法を用いて解析を行った。評価する側がもつおいしい白飯に抱いているイメージの調査は,20項目の項目をあげ,SD法を,さらに因子分析を行い,イメージ因子の抽出をおこなった。自飯自体がもつおいしさの要素はうま味,甘味,飯粒がやわらかいが必要度が高くなった。とくに女子は噛んだときの粘り,つや,透明感などの味以外の食感や外観の必要度も高くなる傾向がみられた。おいしい白飯に必要な要素を化学的,物理的要素に分類したところ,化学的要素は39.6%,物理的要素は60.4%となった。おいしい白飯のイメージ因子は4つ抽出された。第1因子は健康,第2因子は親近感,第3因子は郷愁感,第4因子は環境が抽出された。
著者
守本 晃 芦野 隆一 萬代 武史
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

パーティ会場のような,複数の音声やノイズの混じった喧噪な環境でも,我々は会話を楽しめる.つまり,入り混じった音声信号から特定の話者の会話を分離できる.この聴覚の能力をカクテルパーティ効果という.カクテルパーティ効果を工学的に解釈すると,複数個のセンサーで捉えた複数の観測信号から信号源の個数と位置を決定し信号源を再構成する逆問題になる.この逆問題をブラインド信号源分離と呼ぶ.これは自動受け答えロボットなどを開発する際には,「だれがどんな質問をしているのか」を特定するために必要な技術である.従来の研究は,独立成分分析という手法を用いて信号源分離を行ってきた.ブラインド信号源分離問題は,信号源と観測信号の間の数理モデルに対して,空間的混合問題,時間的混合問題,時空間的混合問題の3種類に分類される.本研究課題では,ウェーブレット解析という信号を時間と周波数の情報に分離する方法論を用いて信号源分離問題を取り扱った.空間的混合問題と一番簡単な時空間混合問題に対しては,数値シミュレーションを行い,我々の提案した方法の利点が1.信号源の数が最初に推定できること2.推定した信号源の数を用いて,他のパラメータも高精度に推定できること3.再構成した信号源の誤差が小さいことであることを確認したさらに空間的混合問題の場合に,複数種類のウェーブレット関数を用いることでノイズに対して精度良く分離できることも示した.時空間分離問題の場合には,信号の到着時間の時間差から信号源の位置を推定する方法について考察した.また,解析信号とウェーブレット解析・短時間フーリエ変換の関係についても調査した.
著者
水上 英夫 林 宏太郎 沼田 光裕 山中 章裕
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.97, no.9, pp.457-466, 2011-09-01 (Released:2011-09-06)
参考文献数
50
被引用文献数
1 8

Solid–liquid interfacial energy of steel during solidification was measured predicted from the both experimental techniques of unidirectional solidification and thermal analysis applying the dendrite growth model and heterogeneous nucleation model. Solid–liquid interfacial energy changed depending on primary phase during solidification, i.e., that of primary δ phase was larger than that of γ phase. When the primary phase was the same, solid–liquid interfacial energy increased with increasing carbon content. Primary dendrite arm spacing changed depending on solid–liquid interfacial energy. A trace amount of bismuth which had the effect of a decrease in the solid–liquid interfacial energy of steel during solidification decreased primary and secondary dendrite arm spacing, significantly.