著者
脇田 修 田中 清美 趙 哲済 南 秀雄 平田 洋司 市川 創 小倉 徹也 高橋 工 杉本 厚典 京嶋 覚 積山 洋 松本 百合子 黒田 慶一 寺井 誠 松尾 信裕 大澤 研一 豆谷 浩之 村元 健一 古市 晃 佐藤 隆 松田 順一郎 辻本 裕也 嶋谷 和彦
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

大阪上町台地とその周辺を対象に、古環境復元と関連させ、誕生・成長・再生をくりかえす大阪の、各時代の都市形成と都市計画の実態を探求した。古環境復元では、膨大な発掘資料・文献史料などを地理情報システムに取りこんで活用し、従来にない実証的な古地理図などを作成した。その結果、自然環境が、都市計画やインフラの整備と強い関連があること、難波京をはじめ、前代の都市計画が後代に利用され重畳していくようすなどが明らかになった。本共同研究により、より実証的な大阪の都市史を描く基盤ができたと考える。
著者
桐浴 邦夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.512, pp.253-258, 1998
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

The purpose of this study is to grasp the situation of Hoshigaoka-Charyo in the early days. Then I consider the character, the circumstances and the meaning of this house. Especially, I take notice of several changes of the plan for this project. In conclusion, it found two sides to its character, intention of artistic accomplishments and spiritual. Then one may say that there were two situations, a sign of revival of Cha-no-Yu in the modern era and the Sens' scheme. It follows from what was been said that this house was placed the dawn of modern sukiya-style.
著者
Ujita Hiroshi Ikeda Takashi Naitoh Masanori
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
JSME international journal. Ser. B, Fluids and thermal engineering (ISSN:13408054)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.607-614, 2002-08-15
参考文献数
14
被引用文献数
5

SAMPSON is the integral code for severe accident analysis in detail with modular structure, developed in the IMPACT project. Each module can run independently and communication with multiple analysis modules supervised by the analysis control module makes an integral analysis possible. At the end of Phase 1 (1994 - 1997), demonstration simulations by combinations of up to 11 analysis modules had been performed and physical models in the code had been verified by separate-effect tests and validated by inegral tests. Multi-dimensional mechanistic models and theoretical-based conservation equations have been applied, during Phase 2 (1998 - 2000). New models for Accident Management evaluation have been also developed. Verificaton and validation have been performed by analysing separate-effect tests and inegral tests, while actual plant analyses are also being in progress.
著者
手越 達也
出版者
京都府立医科大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1998

接着分子の発現(1)カドヘリン骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)、腹腔マスト細胞(PMC)、メチルセルロースコロニー培養小腸上皮(M-IE)、腸管膜リンパ節細胞由来(M-MLN)マスト細胞をRT-PCR、FACS、免疫染色、ウエスタンブロット法で解析した結果すべてのマスト細胞においてE-カドヘリンの発現を確認した。しかしながらN-カドヘリンの発現は腹腔マスト細胞には認められなかった。また、P-カドヘリンの発現はすべてのマスト細胞において認められなかった。(2)CD103(αIEL)/β7インテグリンE-カドヘリンのリガンドの一つであるCD103(αIEL)/β7インテグリンのβ7発現はBMMC,PMC,M-IE,M-MLN由来マスト細胞すべてにおいて発現を確認した。CD103は通常のBMMCにおいて発現が認められないが、TGF-β1,PMA刺激により発現する。我々はこれらの刺激の他にIgE刺激によっても発現することを見出した。E-カドヘリンの機能(3)分化・増殖マスト細胞前駆細胞からマスト細胞に分化・増殖する過程でE-カドヘリンの関与を明らかにするため、小腸上皮単核球をメチルセルロースコロニー培養法で、形成するマスト細胞コロニーの数を解析した。E-カドヘリン抗体・ペプチドを添加した群では形成するコロニー数がコントロール抗体・ペプチド群と比較し有意に減少した。マスト細胞に分化した後の増殖にE-カドヘリンが関与しているかBMMCを用い、抗体・ペプチドをメチルセルロース培養に添加し、形成するマスト細胞コロニー数を解析した。E-カドヘリン抗体・ペプチドを添加した群はコントロール抗体・ペプチド群と比較し有意にコロニー数が減少した。(4)細胞接着E-カドヘリンを発現する上皮細胞株F-9とBMMCの細胞間接着をbinding assayで調べた結果、E-カドヘリンを介した細胞間接着を確認した。TGF-β1刺激によりCD103を発現させたBMMCではインテグリンの活性化(マンガンの添加)によりF-9細胞とBMMCの接着割合が増加した。
著者
田中 幹大
出版者
摂南大学
雑誌
摂南経済研究 (ISSN:21857423)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-78, 2011-03

本論文は、戦後復興期大阪で敗戦とともに崩壊した中小機械金属工業集積がどのようにして再度形成されていったのかについて、生産復興の特徴、地域的な集積の動向などを分析している。大阪の中小機械金属工業は、闇経済が広がるなかで問屋・ブローカーと結びつきながらさまざまな消費財生産をする形で生産復興を遂げ、また軽機械製品の生産を軸として、それに関わる機械・金属製造業、加工業が展開することで再集積を果たしたことを明らかにした。
著者
佐藤 鑑
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.61, no.720, pp.5-12, 1946-05-20
著者
渡部 亮 坂田 祥子 丸山 敦史 菊池 眞夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.51-58, 2004-03-31

横浜市の三つ池公園の利用者から得られた支払意志額(WTP)を用いて都市公園の選好構造を検討した.公園が現状のままで有料化された場合入場料として幾ら払うかという質問に対して得られたWTPの平均値は138円であった.これに対して公園のサービスとインフラストラクチュアを改善した上で有料化するとした場合のWTPは平均180円であった.WTP関数の計測により,所得,年齢,公園訪問の目的が複数ある場合にWTPが統計的に有意に高められることが明らかにされた.公園の機能と快適さを高く評価する訪問者も高いWTP水準を示した.また計測された年齢とWTPの関係から,公園の入園料を平均WTPより低い100円に設定するとしても,35歳以下の若い世代の来園者を失う可能性が高いことが明らかになった.
著者
碓井 健寛 諏訪 竜夫
出版者
創価大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

家庭ごみ有料化は,導入後に減量効果が失われるというリバウンドが問題だと指摘されているが,実際には明らかでない.本稿は家庭ごみ有料化の減量効果,および資源ごみの代替促進効果の長期での持続性を明らかにするために,計量経済学のパネルデータ分析を用いて検証した.その際にデータ選択の恣意性を可能な限り排除し,推定結果の頑健性を保証するために複数のモデルによって確認した.その結果,ごみ排出量のリバウンドはわずかながら存在するものの,長期の減量効果はほとんど失われないことが明らかになった.また,資源ごみの長期の分別促進効果は,有料化導入後の経過年数が経つにしたがって逆に強まることがわかった.
著者
佐直 信彦 中村 隆一
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.399-403, 1993-06-18
被引用文献数
18

歩行可能な脳卒中片麻痺患者50症例を対象として,10m距離の最大歩行速度,立位時の両足圧中心累積移動距離(SP),両膝伸展・屈曲の等速性筋力を測定し,年齢や性などの個人情報および神経学的所見との関連を検討した.重回帰分析の結果では,最大歩行速度の決定因は患側膝伸展カとSPであり,筋力が低く,SPが大きいほど歩行速度は遅かった.SPの決定因は開眼時では患側膝伸展力,発症からの期間,体重,門限時では患側膝伸展力,感覚障害,年齢であった.脳卒中後,立位バランス保持の感覚運動機能は視覚系への依存が高まり,その再統合にはかなりの時間を要する.
著者
杉山 和明
出版者
大阪市立大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、公共空間における若者の行動に対する社会からまなざしに着目し、青少年を取り巻く社会環境の変容がもたらす諸問題への行政と地域社会の対応を明らかにすることである。前半期には、まず、事例研究として、1990年代後半以降の青少年の時間・空間行動規制、ならびに地域における犯罪対策と法整備の展開を考慮しつつ、大阪府、愛知県、東京都における諸集団による都市空間への監視活動の展開とその問題点を検討し、なかでも大阪府の事例について4月にサンフランシスコで開かれた国際学会(AAG)において発表を行った。また、浜松圏の当該高校に通う生徒たちに対して以前行ったインタビューをもとに、かれらにとって相反する多義的な意味をもつ農村の場所感覚について検討し、大型小売店が相次いで進出し郊外化とスプロール化が進展する都市近郊農村の問題点について考察した。その成果を学術誌(地理科学学会『地理科学』)へ投稿し、現在、二度の査読を経て掲載に近づいている状況である。後半期には、前半期に行った国際学会における発表をもとに、事例として、近年改正された大阪府青少年健全育成条例において強化された青少年による夜間外出禁止条項について検討し、ローカルな青少年の社会環境に影響を与える条例の改正が、防犯政策と緊密な関係にあり、新自由主義下のガバナンスの変容に連動していることを明らかにした。その成果は学術誌(大阪市立大学都市文化研究センター『都市文化研究』)に掲載された。認識論、方法論の観点から、近年、日本の地理学関係の主要学会誌に様々な言語資料を中心的な分析対象とする研究が増加していることに鑑み、日本の地理学者による研究を学説史的な手法で詳細に吟味し、言説を対象とした研究の問題点を指摘するとともに今後の可能性を提示した論文が学術誌(日本地理学会『地理学評論』)に掲載された。
著者
青山 千春 松本 良
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.156-174, 2009-03-25
参考文献数
28
被引用文献数
6 16

During methane hydrate exploration and research, remote and on-board acoustic surveying and monitoring of methane hydrate can be easily and economically conducted using a quantitative echo sounder. Simultaneously, the structure and the floating-up speed of methane plumes can be obtained from an analysis of acoustic data.<br> We conducted a survey of methane plumes from 2004 through 2008 at a spur situated southwest off the coast of Sado Island (tentatively called Umitaka Spur) and at the Joetsu Knoll. In 2007 and 2008, we performed experiments by releasing methane hydrate bubbles and methane hydrate, and letting them float upward. Consequently, we demonstrated that acoustical reflection from the methane plumes correlates with water temperature and depth, that the floating-up speed is constant but depends on the conditions of methane hydrate, that the discharge of methane hydrate bubbles changes, and that there is a wide scattering of materials below the seafloor where methane plumes are located. Furthermore, the amount of methane hydrate bubbles seeping was estimated by a preliminary calculation.<br> The method will be applied not only to basic research on methane hydrate but also to assessments of the environmental impact of methane hydrate exploitation.
著者
片岡 有
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

in vitroの実験からインプラントの表面性状が細胞の分化に影響することを明らかにした.ワイヤ放電加工を用いナノ修飾した表面が機械研磨面よりも早期に細胞接着が生じ,骨芽細胞や骨髄間葉系細胞の分化に影響することを明らかにした.また,分化誘導培地で骨芽細胞様細胞を培養し,EDSurfaceの細胞分化に与える影響について検討できた.さらに,生体内でインプラント表面から骨形成が生じるContact osteogenesisが期待されているが,in vivoにおいてその可能性を示唆できた.
著者
武岡 英隆 村尾 肇
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.183-190, 1997-02-28
被引用文献数
5

陸域からの窒素や燐の流入負荷量を削減しても海域でのそれらの濃度は必ずしも削減率どおりには減少しない.この理由として,それらのbackground濃度,物質輸送の非線形性,負荷量変動の履歴,の3つの要因を考え,これらがどのように働くかを分析した.
著者
稲垣 良介
出版者
岐阜県多治見市立脇之島小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

1.研究目的水難事故を概観すると、プールでの事故発生率に比べ、河川など自然環境下での発生率が圧倒的に高い。「着衣でのカエル足」は、水難事故に遭遇した際に立ち泳ぎによる呼吸確保、移動手段としてのエレメンタリーバックストロークをする上で極めて重要な要素であり、これらは学校のプールで指導可能である。本研究目的は、身近な河川でより安全で豊かな親水活動が展開されるよう汎用性に優れた学習プログラムを作成し指導効果を検証しようとすることにある。2.研究方法カエル足による呼吸確保と水中での移動に学習のねらいをおいた全9時間による指導計画を作成した。指導計画は、我が国に伝わる「遊泳童諭」などの文献に見られる「水との共生」を理念とした学習内容とし「水の克服=競泳」を指向する従来の水泳指導と一線を画す内容である。具体的には、「浮く」「進む」「潜る」など泳ぎを要素で捉えた学習計画を作成した。対象は小学5年生55名である。分析は、(1)水着泳での泳ぎ、(2)着衣泳での泳ぎの客観的評価を事前に調査し、指導後の(3)水着泳での泳ぎ、(4)着衣泳での泳ぎと比較する事で学習効果を検証した。また、自由記述(内省)による分析を行い、データによる質的分析を試み、指導内容・指導方法の妥当性について考究した。3.研究成果泳速度は、水着泳、着衣泳ともに事後の泳速度が有意に速くなった。特に、カエル足の定着が成されていなかった児童が事後の記録を大きく向上させた。また、内省の分析より、カエル足の定着が、着衣での泳ぎにおける心的不安を軽減させる傾向が見られた。これらより、一定のプログラム指導効果が期待できるとの結論を得た。
著者
西田 雅嗣
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

1.実測データの図面化と調査データ整理:補足調査の結果も含めて概ね手許にある実測データの図化は完了した。完成した実測平面図の総覧の結果、多くのものが従来流布している図面に見られる以上の歪みを示し、本研究における図化の意義が認められた。実測数値データについても整理を行い、数値データの比較検討が行えるようになった。2.調査データのデータベース化:完全なデータベース化には至らなかったが利用可能な整理は行った。35mmポジスライドの大量の画像データは、順次デジタル化した。作成済み実測平面図のデジタル化は終了した。3.現地補足踏査:平成13年度はスペイン、ポルトガル、イタリアの初期ロマネスク、末期ロマネスクの、平成14年度は、ル・トロネとセナンクのシトー会修道院について実測を含む補足的な現地調査を行った。正確な実測平面図、数値データが得られ、設計法と霊性表現の両義的プロポーションのあり方の仮説が確認された。4.プロポーション分析:ロマネスクの設計法としての幾何図形の使用の検証は、遺構から確実に言うのは難しいことが判ったが、蓋然性としては否定できないことも判明した。寸法を通じて表れる数、尺数が、当時の尺度単位の扱い方さえ間違えなければ、当時の心性として極めて重要な数象徴を介して、ロマネスク建築の多くを語ることが判った。設計法としての技術的意味の数と、数象徴を伴った霊性の表象との両義的プロポーションであり、寸法を様々なレベルでの建築的表象として捕らえ、当時の建築の意味を理解すると言う、今後の研究の新たな展望につながる視座を得た。5.フランスの大学でのセミナーに於ける口頭発表も含め、比較的多くの研究成果の公表の機会を活用できたが、発表論稿の大半は、寸法を通じて表れるプロポーションの両義的姿の重要性を明らかにすることに関係する論稿となった。
著者
上田 明良 小林 正秀
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.77-83, 2001-05-16
参考文献数
22
被引用文献数
3

生立木へのカシノナガキクイムシの飛来消長を樹幹に巻き付けた粘着紙による捕獲で調べたところ, 最初の穿孔が観察された直後に雌雄の飛来数がピークに達し, その後急速に減少した。衰弱または枯死した木に対してはこれ以後の飛来はほとんどなかったが, 健全木では飛来が継続し, 8月中・下旬から9月中旬にかけて再び増加した。飛来数の合計はコナラ健全木で多かった。しかし, 最初のピークにおける飛来数は, 同所で同時に穿孔を受け始め, その後生残したコナラと枯死したミズナラでは, 枯死したミズナラの方が多かった。飛来数は1.6m高よりも0.5m高の方がいずれの調査木でも多かった。ヨシブエナガキクイムシはカシノナガキクイムシよりも飛来が1〜2週間遅れた。捕獲数は全ての枯死木で多かったが, 健全木の中にも多いものがあった。捕獲された高さについては傾向がなかった。