著者
城之内 忠正
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学論集 (ISSN:13405543)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-5, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
2

In this article, I consider mechanism of the free choice in the deterministic model.
著者
纐纈 佑衣
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
pp.230110a, (Released:2023-04-13)

Spectroscopy has been widely used in geology since the 1990s because it is non-destructive and easy to analyze. Raman spectroscopy has generally been used to identify mineral phases in geology, but recent studies have proposed new methods to quantitatively estimate the metamorphic pressure (quartz Raman barometry) and peak temperature (Raman carbonaceous material geothermometry). Studies using infrared spectroscopy are also underway to advance our understanding of hydration processes in subduction zones and mantle through the analysis of water in rocks. In addition to the development of new methods using spectroscopy, new tools are also being developed to analyze huge amounts of data through iterative processing, which will enable the extraction of more informative and quantitative results in a shorter time. This paper introduces examples of spectroscopy applications in geology and examines future developments.
著者
吉田 晃章 Esparza Rodrigo Retiz Mario Rodriguez Francisco
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

中米と南米の文明間の交流について研究するにあたり、まず両文明に共通する文化要素として、紀元前300年から後600年に現れる特殊な形状の墓に関する調査をメキシコ西部地域で実施した。研究の結果、ブーツ型の墓の一部が遺構と関連していることに注目し、同地域で埋葬文化の伝統が地域間交流により、時代を追って西部地域から少なくとも東へ拡大することを確認し、拡大プロセスのモデル化に成功した。また、メキシコ西部ロス・アルトス地方の考古調査のパイオニアとしてロス・アガベス遺跡を発掘し、同地域で先例のない大型祭壇とピラミッドを発見した。調査資料は、地域間の交流が文明形成と発展の主な要因の一つであることを示している。
著者
黒田 武文
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.790-799, 1984-09-20 (Released:2010-06-28)

The city gas calorie conversion from conventional city gas (5, 000 kcal/Nm3) to natural gas (11, 000kcal/Nm3) of which dominant source is LNG has been progressing since 1972 by Tokyo Gas Company in order to keep stable gas distribution. It has already completed to 80% and is scheduled at last around Tsurumi factory in which COG is produced. Although the COG occupied only 2% of company's total gas sales, it was to be converted to SNG from the viewpoint of keeping variety for raw material and distribution base.COG-SNG plant, the first commercial scale plant in the world, consists of purifi-cation process in which oxygen, diolefin and organic sulphur compounds in the feed-stock COG are eliminated and low temperature steam reforming process in which purified COG, LPG and/or off-gas are methanised upon Ni based catalyst. The char-acteristic of this plant is in purification process developed by Hitachi Co. together with Tokyo Gas Company.
著者
水田 秀子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.160-169, 2007 (Released:2008-07-01)
参考文献数
26
被引用文献数
3 2

“非流暢な”発話を呈する後方病変例を報告した。90 歳,右利き,男性,側頭葉外側部から頭頂葉にかけて散在性の病変を有した。理解は良好。発話量は多くはないが,統辞形態は変化に富み,音韻性の誤りが多くみられた。特徴的だったのは,言い直し,引き伸ばしながら話し,ピッチも異常となりがちで,歪みも認められた。復唱も同様だった。また復唱では,音韻性錯語のほかに,無関連な実在語へと誤り,深層失語の様相を呈した。非語の音読は保たれた。  呼称の精査では,語彙そのものは良好に回収されていた。音韻弁別検査はやや低下,聴覚語彙判断はきわめて不良。押韻判断,同音異義語の判断,音韻削除などの音韻意識の検査も不良であった。  本例は語形聾(word form deafness)に該当した。語の輪郭(超分節的特徴)としては捉えられるが,分析的には正確に捕捉できないと考えられた。発話の諸特徴は Levelt による言語モデルでは,音韻符号化のレベルのセグメントや韻律的枠組みがスペルアウトされる過程での障害である可能性を指摘した。本例の基底にある障害は,音構造を分節する能力の障害により説明可能であると推察された。  音韻の障害は,広く失語症全般に認められるものであり,今後検討すべき点について言及した。
著者
久保 のぞみ 最上 晴太 万代 昌紀 近藤 英治
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.243-250, 2021 (Released:2021-09-06)
参考文献数
43

出生児の細菌叢形成は,母体細菌叢,胎生期の環境,分娩方法などに影響される.さらに抗生剤の使用,食事,母乳栄養,環境など出生後の因子が児の細菌叢をかたち作る.児の細菌叢は免疫系の形成に深くかかわり,正常な細菌叢が形成されない場合,喘息,炎症性腸疾患,自己免疫疾患などの発症リスクを増加させる.近年,新生児の正常な細菌叢の形成を目的とした,母体の腟分泌物の新生児への移植などが試みられ,アレルギー疾患などの新たな予防法として期待されている.
著者
大谷英雄・堀口貞茲・浦野洋吉・徳橋和明・岩阪雅二・近藤重雄
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.96-98, 1988-04-15 (Released:2017-10-31)

内径100mm,高さ100mmの円筒型容器を用いてホスフィンの爆発限界を測定した.点火にはニクロ ム線に直流電流を流して溶断する方法を使用した. 酸素濃度を約21.5vol%に固定してホスフィン濃度を大きくすると,1.61vo1%から圧力が発生するようになった.約1.71vol%までは発生圧力は徐々に上昇し,その後急激に上昇,約1.9vol%を超えると再び濃度による圧力の変化は少なくなった。発生圧力の小さいところでは容器内の混合気の一部しか反応していない、ただし,1.61vo1%以下でもニクロム線近傍では反応が起こったものと考えられるが,圧力上昇は観察されなかったことから,1.61vol%以上ではある程度火炎が伝播し・たものと考えられる。窒素濃度を変化させた実験などから,空気中の爆発下限界は1.6vol%である.
著者
金 剛元 三上 浩司 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.11-20, 2011 (Released:2017-08-01)
参考文献数
15

韓国や日本ではマンガの特性を活かした創作手法の提案や制作工程の効率化が強く望まれている.特にマンガのストーリー構成とネーム制作手法の提案がマンガの質の向上と制作の効率化のために重要である.この課題を解決するために,本研究ではストーリーマンガ制作のための段階的なネーム構成支援手法を提案することを目的とする.このために,まず,ストーリー制作の初期段階からネーム制作段階までを分析し,その制作手順を明らかにする.そして,ストーリーとネームの構成要素を用いて,段階的なストーリー構成とネーム構成手法を提案する.さらにこの提案手法で用いる効率的な制作情報管理のためのシーン設定テンプレートとページ設定支援テンプレートを考案する.最後に,本研究の提案手法とテンプレートを用い,マンガ制作実験を行った.その結果,本手法の有効性が確認できた.
著者
福本 塁
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.122, 2021 (Released:2022-02-23)

筆者は防災トランプWEB版を開発し、感染症予防に配慮した防災教育実践の実施方式についてInstructional Designの視点から考察した。結果、「実践の楽しさ」「ルールの理解」「学びの獲得」の各項目は、対面・オンラインに関わらず肯定的な評価結果が得られた。また、ARCSモデルに基づいて感染症リスクのないオンライン実施方式においても、世代をこえて防災について楽しく話し合う場づくりは学習意欲が高まる効果が見込めることが示唆された。
著者
大庭 丈幸 西松 能子 大平 英樹
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-18, 2013 (Released:2013-06-29)
参考文献数
30

One of the features in psychopathy is a deficit of empathy. Without empathy, psychopathy can not inhibit to harm others. However, previous studies revealed that offenders had more empathic traits than non-offenders. Empathy is defined as multidimensional components (e.g.; cognitive empathy and emotional empathy), but not as a unitary. Generally, psychopathy is consisted of two subcomponents: Primary Psychopathy (PP; features of callousness and lack of empathy) and Secondary Psychopathy (SP; features of impulsiveness and uncontrollability to own behaviours). Here, we hypothesized that psychopaths, particularly who are dominant in PP, have less empathic traits both in cognitive and emotional domains, on the other hand, SP is more linked with emotional empathic trait, but less linked with cognitive one. Furthermore, we investigated not only to relate psychopathic traits and multidimensional empathy, but also to validate a Japanese version of the Primary and Secondary Psychopathy Scales (PSPS), using both Machiavellianism (MACH) scale and Buss-Perry Aggression Questionnaire (BAQ). Results indicated that correlations between PP and MACH and between PP and BAQ subscales of physical aggression and verbal aggression were higher than correlations between SP and MACH and BAQ, while correlations between SP and BAQ subscales of anger and hostility were higher than correlations between PP and the BAQ subscales. About empathy, consistent with our hypothesis, PP was linked with less empathy both in cognitive and emotional domains, whereas SP was linked with more emotional empathy, but was linked with less cognitive empathy. This reveals that PSPS dissociated PP and SP well. Although there remain some problems, PSPS is a useful scale for measurement of psychopathic traits.
著者
福江 良純
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement1, pp.145-150, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4

彫刻の古典的模刻技法に「星取り法」と呼ばれる方法がある。古代ギリシャに原理的な起源を持ち、複雑な人物像を、大理石から写実的に彫り出すために発達した、機械的転写の技法である。だが、彫刻家の創意はこの技法を用いながらも、複製だけでなく同形のオリジナル作品を作り出すことが出来る。そこには形と質という二つの形態の現れ方への重心の移動が働く。したがって、この技法が模刻技法である所以の解明は、芸術作品の複製とオリジナルという造形的な問題の構造を明らかにする手掛かりとなる。その際有効なのが、一切の機械的手法に依らない「直彫り法」との対比であり、感覚と形態の間に介在するラインの感覚の考察である。「星取り法」による形状の固定作用を図の固定的性格から説明し、作品のオリジナル性については、「直彫り法」に見られるライン感覚のダイナミズムに根拠を求めてみた。
著者
原田 晋 吉崎 仁胤 夏秋 優 清水 秀樹 福田 均 永井 宏 池田 哲哉
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1279-1284, 2005-11-30 (Released:2017-02-10)

【目的】ムカデ刺傷後に全身性の蕁麻疹およびアナフィラキシー症状を呈し, かつムカデ毒のプリックテストが有意な陽性を示した事より, ムカデアレルギーと診断した3症例を経験した.さらに, 過去にムカデアレルギーとハチアレルギーとの関連性について論じた報告が認められたため, これらの症例に対してハチアレルギーに関する検討も加えた.【方法】3症例に対してハチ毒特異的IgEの測定を行い, うち1例ではハチ毒の皮内テストも施行した.またハチアレルギーと診断された別の3症例に対して, ムカデ毒のプリックテストを行った.【結果】ムカデアレルギーの3症例共にハチ毒の特異的IgEが陽性であり, 施行した1例ではハチ毒皮内テストも同様に陽性であった.しかし, ハチアレルギーの3症例ではムカデ毒のプリックテストは全例において陰性であった.【結語】以上より, ハチアレルギー患者のうちのごく一部でムカデアレルギーを包括するといった両者間の関係を疑った.ムカデアレルギーの報告は過去にはきわめて稀であるが, 現実的にはしばしば生じうる現象であると考えられる.また, ムカデアレルギー症例に対しては, 今後ハチアレルギーに関する検討をも加えていく事が必要であると考えた.
著者
今井 聖
出版者
日本社会病理学会
雑誌
現代の社会病理 (ISSN:1342470X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.81-96, 2020 (Released:2021-11-01)
参考文献数
13

本稿では、(1)「大津 いじめ事件」の報道を分析し、個別の事件の展開過程においても〈新たな概念〉の下での過去の再構成が起こり得ることを示し、(2) そのような事態がいじめの事実認定の実践にいかに影響するのかを、同級生の証言に基づいて明らかにする。「大津いじめ事件」に関する先行研究では、伝聞情報として確認されていたはずの「自殺の練習」がいかにして「問題」とされ、その「自殺の練習」の事実認定がいかに帰結したのかが十分に検証されていなかった。本稿では、テレビニュース場面の理解可能性に基づき、「重要な証言」としての「自殺の練習」情報の使用が「隠蔽」問題の構築につながったことを示す。その上で、Ian Hacking の議論を参照しながら、「自殺の練習」報道が、同級生たちにとって〈新たな概念〉の下での過去の再構成が可能な状況をもたらすものであったことを述べ、メディア報道と事実認定の実践との関係を捉えるための新たな視点を提示する。
著者
竹内 陽子 長谷川 雅美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_13-4_24, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
25

本研究は,前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:以下,FTDとする)の視覚空間認知機能が保たれている点を重視して,自閉症患者用のTEACCHプログラムの活用に着目した。本研究の目的は,FTD患者の特徴を活かしてTEACCHプログラムの一部にある「構造化」による介入を行うことで,その有用性を検証することである。対象者は,認知症専門病院でFTDと診断された10名のうち,同意が得られた4名であった。対象者には,視覚的な構造化,時間の構造化,空間の構造化,作業の構造化の4つの構造化プログラムで約3か月間介入した。分析は,FTD患者の反応や変化から構造化プログラムのどの要素に有用性があるかを検証した。その結果,視覚的な構造化,時間の構造化,作業の構造化で有用性が認められたが,空間の構造化に対しては,有用性は判定できなかった。本研究から,FTD患者の日常生活援助として構造化プログラムを活用することの有用性が示唆された。
著者
合田 文則
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.235-241, 2008 (Released:2008-11-26)
参考文献数
11
被引用文献数
7

胃瘻からの半固形化栄養材短時間摂取法(以下、半固形化法と略)は、健常人が1回で食べる量を、健常人が口の中で噛み砕いてできる半固形状の食塊にして、健常人が食べる短時間で胃瘻から摂取する方法であり、消化管機能の保たれた胃瘻患者にとって最も生理的な消化管運動や消化管ホルモン分泌、消化吸収が得られる胃瘻からの栄養摂取法である。重要なポイントは、胃内でスベリを起こさず胃を十分に伸展させる適切な粘度(20,000cP程度)のある半固形化栄養材を、適切な量(400~600mL)だけ短時間(15分程度)で注入することである。この生理的な摂取法により従来の液体栄養剤による緩徐な注入法と比べ、(1)胃食道逆流や瘻孔からの逆流が防止により誤嚥性肺炎やスキントラブルを防止、(2)注入の短時間化により臥床の時間が短縮され褥瘡の予防、リハビリテーションやADLの時間確保でき患者のQOLの改善、家族や介護者の労働力の軽減、(3)ダンピング症状や下痢の解消、などの多くのメリットがあり急速に普及してきた。反面、半固形化栄養材に関する研究や開発はまだまだ途上であり安易な半固形化法の導入には多くの問題点も存在する。本稿では現状での半固形化法の問題点とその解決法について概説した。