著者
佐藤 努 藤橋 雅宏 品田 哲郎
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ゲノムマイニングおよび基質許容性解析・多機能性解析から新規テルペンの発見や非天然型テルペンの創出を達成することができた。特に、オノセロイド(スクアレンの両末端環化によって生合成されるトリテルペン)合成酵素を初めて見いだすことができた。加えて、香料や媚薬として利用される龍涎香の主成分アンブレインの酵素合成に成功した。マイコバクテリア由来の新型酵素の発掘や新規酵素の触媒機構解析も順調に進んだ。
著者
浦野 聡 師尾 晶子 太記 祐一 草生 久嗣 中谷 功治 小笠原 弘幸 深津 行徳 益田 朋幸 村田 光司 田中 咲子 松崎 哲也 奈良澤 由美 KORKUT Taner
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

古代から中世にかけての地中海世界における聖域空間と社会の関係の変動を具体的に調査するため、リキア地方(トルコ南西部)のトロス遺跡の司教座聖堂に焦点を定め、発掘調査を行った。この聖堂は、古代の都市の主聖域に建造されており、それ以前の神殿や聖域との関係で重要な知見を得られることが期待されたが、キリスト教の国教化から50年ほど経った五世紀の半ばには完成し、その後、11世紀に至るまで、隣接する旧都市の主神殿クロノス神殿までの空間に教会付属の工房区域が形成され、都市の手工業の中心となったことが明らかにされた。
著者
瀧本 彩加
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、モラルの基盤となる高次感情の制御の柔軟性と、協力行動の発達レベルや家畜化との関連に着目し、モラルの系統発生的起源を解明することである。前年度までに実施した研究では、ウマが他個体よりも不利に扱われる状況に対して不公平感を示すことが明らかになった。具体的には、ウマはそのような状況では課題に取り組むモチベーションを低下させ、課題達成までに有意に長く時間をかけるようになった。しかし、そうした不公平感が他個体との何の違いによって生じているのかを究明するには至らなかった。そこで、本年度では、新たに実験条件を1つ追加し、その不公平感が他個体との何の違いに起因して生じているのかを区別することを目的とした検討をおこなった。参加個体は、ヒト実験者が手にもつ標的物体を鼻でつつき餌を得るという課題を訓練された。本実験では、並んだウマ2個体のうち、実験個体は課題をおこなって常に価値の低い餌を得た。他方、相手個体は条件によって、課題をおこなって価値の低い報酬を得たり(公平条件)、課題をおこなって価値の高い報酬を得たり(報酬不公平条件)、課題を行わずに価値の低い報酬を得たり(労力不公平条件)、課題を行わずにただで価値の高い報酬を得たりした(両方不公平条件)。また統制条件(相手なし条件)では、相手個体がその場におらず、価値の高い報酬を実験個体に見せるだけ見せ、実験個体に課題を課し、価値の低い報酬を与えた。10頭(5ペア)のデータ収集・分析したところ、実験個体の課題遂行にかかる反応時間は両方不公平条件と労力不公平条件において最も長くなり、それらの反応時間は公平条件や相手なし条件よりも有意に長い傾向を示した。この結果は、ウマは他個体との報酬の質よりも労力の量における不公平に敏感であることを示唆している。しかし、まだサンプルサイズが小さいので、今後、参加個体数を増やしていく必要がある。
著者
佐藤 伊佐務 李 徳新 山村 朝雄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、風力発電の出力平滑化を用途としたウラン電池の実用化に向けた基礎研究として、ウランのV価とIII価のβージケトン錯体、テトラアミド錯体の合成と物性化学の検討、小型レドックスフロー電池方式の電解試験によるこれら錯体調製時のイオン交換膜の検討を目的とする。活物質候補として種々の安定なウランV価、III価錯体の調製法を確立し、配位子と物性の関係を検討した。
著者
森山 園子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

線形計画問題(LP)を解くアプローチの1つに,単体法[Dantzig(1947)]に始まるピボットアルゴリズムがある。多項式時間ピボットアルゴリズムの存在の解明はLPにおける重要な未解決問題である。本研究では,多項式時間達成の可能性があるピボット規則として近年注目を集めている最小訪問規則[Zadeh(1980)]に着目し,以下目標を通じてこの未解決問題の解決に挑んだ。(1) ピボットアルゴリズムの振る舞いを記述するLPグラフの列挙法を構築;(2) 最小訪問規則から着想した履歴依存型ピボット規則の振る舞いをLPグラフ上で解析;(3) ピボット規則の適用回数に関する予想の成立・不成立を検証
著者
橋彌 和秀
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の主要な成果はふたつある。(1)30種の霊長類について、目の形態・大脳新皮質率・群れサイズの要因の相関関係を解析し、ヒトを含む霊長類の目の外部形態の進化に社会的な要因が関与していた可能性をあきらかにした。(2)そのような形態的特徴を持つヒトは、発達初期から、「他者に注目される」ことを強化子として新たな行動を学習可能であることを、生後6か月の乳児を対象とした行動実験から実証的に示した。視線を介した我々のコミュニケーションは、生物学的基盤に立ちつつ、ヒトがヒトたる所以のひとつである学習にも大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。
著者
中込 四郎 村松 和則
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究では、スポーツ選手の競技引退後の適応過程について、スポーツ心理学ならびにスポーツ社会学の両面から検討を行った。以下に主な結果を記す。1)スポーツ心理学領域の先行研究を概観し、競技引退を理解していく上でアイデンティティ再体制化といった視点が有効となることを明らかにした。2)スポーツ社会学領域からの研究概観では、引退競技者を取り巻いてきた社会構造的な要因についてライフヒストリーの中から詳細に検討すべきであることを主張した。3)わが国のプロサッカー選手のキャリア移行について調査が行われ、種々の側面からの実態を明らかにした。4)中年期危機を体験した2人の元オリンピック選手の競技引退後のアイデンティティ再体制化について面接調査を行った。「社会化予期」「時問的展望」といった2つの要因が引退後の適応過程を強く規定していることが考えられた。5)5名の元韓国代表選手への面接調査を行い、彼らのライフヒストリーを検討した。引退後の初期は、周囲からそれまでの競技キャリアを高く評価されても、時間とともに評価が低下していくことが一様に認められた。6)現役時代から引退後の再適応を果たすまでの間心理サポートを行った1人の元オリンピック選手の200セッションに及ぶ相談記録を分析した。再適応あるいはアイデンティティの再体制化に向けて積極的に歩みだすためには、引退に伴う内的作業の持つ重要性(喪の仕事、生き直す)が指摘された。今後の課題として、国際比較研究そして両領域からの研究成果の統合などが考えられた。
著者
櫻井 成一朗
出版者
明治学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

法的アブダクションでは、仮説選択による説明だけでは結論の正当化には不十分であり、当該仮説をなぜ選択するのかという説明が重要であり、その仮説選択を正当化してはじめて結論が正当化できる。仮説選択の正当化のためには、さらにアブダクションを行う必要がるので、教師が適切にガイドしなければならない。すなわち、IRACにおけるA(あてはめ)の場面において、更にアブダクションが必要になるので、選択仮説を正当化するように学生の思考を導く必要がある。その結果、学生の条文や判決文の理解が深められることが確かめられた。
著者
森永 千佳子 平見 恭彦 浦尾 充子 日高 庸晴 高橋 政代
出版者
公益財団法人先端医療振興財団
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、現在のところ治療法が確立されておらず、治療研究の進歩の過渡期にある網膜色素変性(RP)の患者の状況に即した支援の検討を目的としている。①RPの患者対象の個別半構造化面接と②RPの医療や患者支援に関わる専門家・医療者へのヒアリングを実施した。①②で得られた情報を元に、③より広くRPの患者の実態を知るために質問調査項目の設定とWEB調査実施のための検討を重ね、WEB調査システムを構築し、④RPの患者対象にWEBによる質問調査を行った。患者の視点に配慮した支援体制と情報提供のあり方の検討の土台となるデータが得られたことは、RPを取り巻く医療の発展において、患者‐医療者双方に有用である。
著者
山里 勝己 石原 昌英 豊見山 和行 宮里 厚子 山城 新 浜川 仁 ベイヴェール パトリック ジェンキンズ A・P スチュアート フランク
出版者
名桜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、近代初頭の琉球・沖縄をめぐる欧米のトラベルライティングを広範に検証した。合衆国探検遠征隊の研究を通し、ペリー提督の対琉球・日本外交を、太平洋諸島における米国の国家戦略上に位置づける可能性が拓かれた。また、琉球と日本においてカトリック教の再布教を担ったフランス人宣教師たちの足跡に、史料紹介や翻訳等を通し光を当てた。さらに、クリフォードとマクスウェルの残した二つの新資料の紹介を行い、沖縄近代史の画期・一八一六年の英艦隊来琉の実像を浮き彫りにした。薩摩の支配による琉球海域秩序の変化の考察は、西洋との言語的接触が不可能となった状況についての今後の研究に、貴重な材料を提供している。
著者
遠藤 康夫 加倉井 和久 山田 和芳 笠谷 光男 神木 正史 小松原 武美 鈴木 孝 高木 滋
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

高温超伝導を示す銅酸化物及びこれらの物質と同じ結晶構造を示す同型異物質の主として磁性を中心に物性と結晶構造の相関を研究した。1.銅酸化物では超伝導発現と銅イオンの持つスピンの二次元的な反強磁性磁気相関との因果関係を徹底して調らべた。最も大事な收穫はキャリアーが正孔である場合は酸素サイドに広がったキャリアーのスピンの影響で磁気相関が滋常に大きく変化し、反強磁性的な磁気相関も壊されるのに対し、電子的キャリアーの場合では反強磁気性相関が残ることが実験的に証明された。これは電子相関と磁性との密接な関係を論ずる基礎となる。2.キャリアーの濃度が増えると、磁気相関距離が短くなり、電子相関の強さとキャリアー濃度及び反強磁性相互作用の間の対応がついた。3.超伝導発現と磁気相関の関係については、全く同じ結晶を使って、酸化の度合いを制御して超伝導転移を変化させることに成功し、その結果として反強磁性相関及びスピンの揺らぎが超伝導の発現と密接にからんでいることを見つけた。4.同形のNi酸化物で、酸化度の違いによって微妙に反強磁性構造が変化することを見つけた。この時は結晶構造も微妙に変化することも見つけている。その他にもUを含むアクチナイド化合物の電子相関の強い物質について、超伝導反強磁性電子相関の3つの因果関係を含む関係を含む研究に着手した。この研究には、1K以下の極低温で中性子散乱が必要なために希釈冷凍機の調整を行なって、測定実験が可能なところにこぎつけた。
著者
上野 将敬
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

葛藤解決行動は、動物が社会的文脈において発揮する認知能力(社会的知性)を明らかにする上で、非常に興味深い研究対象である。対立する2者間で、目的を調和させ、争いをうまく調整する行動は、ヒトを含む社会的動物において、普遍的に存在し、多くの類似性を持つ。そこで本研究では、ニホンザルを対象として、協力的関係を築くための、葛藤解決メカニズムを明らかにすることを目指す。ニホンザルは、気温が低くなると2個体以上の個体がお互いの胴体を接触させてハドルを形成して暖を取る(Hanya et al. 2007)。一方の個体がハドル形成を望んでいるときに、もう一方の個体も同じくハドル形成を望んでいるとは限らない。そこで本研究では、昨年度勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)を観察して得られたデータを分析して、ニホンザルが、成体メスに毛づくろいを行うことによって、個体間の葛藤を少なくしてハドル形成という利益を得ているのかどうかを検討した。成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろい交渉後にハドルを形成することが多かった。そして、成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろいを行い、そして相手からお返しの毛づくろいを受けていない時に、ハドルを形成することが多くなっていた。以上の結果から、ニホンザルがけつくろいによって葛藤を解決し、ハドル形成という利益を得ていたことが示された。この研究成果は、ハドル形成に伴う葛藤をどのように解決しているのかを示した初めての研究である。
著者
藤谷 かおる
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、(1)「地域」「企業」及び「学校」運動会の成果とサービス評価をアンケート調査で比較し、(2)学校運動会の実践カリキュラムの課題を検討することである。(1)運動会では、学校の成果(協力意識、役割や責任、まとまり感)が最も高く、なかでも小学校が他校種に比べ、「周りや皆との協力」意識などが高い結果を示した。また、サービス評価の結果から、参加者は意見や要望を聞き改善すること、安全を求めていることが明らかとなった。(2)学校運動会では、事後の「運動会サービス評価アンケート(16項目)」を活動の内容に加え、カリキュラムを組み立てることを提案した。
著者
小林 敏生 影山 隆之 久保 陽子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

定年退職時期にある男性労働者への健康支援策を構築するために,メンタルヘルスへの影響要因を明らかにすることを目的として,健康感,生活満足度,ストレス関連項目,抑うつ度,および Social Capital(SC)について,インタビュー調査と質問紙調査を行った.その結果,メンタルヘルスは退職に向って改善を示し,その改善には,ストレスの低下,適切なコーピング特性,高い SC が関与していた.退職期の労働者のメンタルヘルスの保持には,職場のストレス対策に加えて,労働者個人の SC を高めることが重要と考えられた.
著者
竹澤 みどり
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はインターネット調査を用いて,情報通信技術(ICT)を用いた交際相手への暴力(IPV)の日本における実態および対面でのIPVとの関連を検討することが目的であった。結果,ICTを用いたIPV行為のうち言動監視が最も行われやすいこと,その影響や対処の仕方は人によって大きく異なることが明らかとなった。また,ICTを用いたIPV,対面でのIPVともに被害経験のある人が交際相手との関係においてより被統制感を感じていること,自己愛が関係不安や被害的な思い込みが高まることによってICTを用いたIPV加害行為の一部を高めることが明らかとなった。
著者
吉田 ゆか子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

モノをめぐるバリの信仰や禁忌、モノの物質的特徴、そしてバリから持ち込まれたという履歴が、バリを離れた土地においても、芸能実践に影響を与える。すべてのグループが、楽器や仮面へ供物を捧げる。人々の楽器、仮面、冠に対する愛着や敬意や神聖視するような態度は、モノの取り扱い方法を規定するだけでなく、彼らの活動を精神的に支えたり、バリ文化を味わう契機となったりしている。またバリから運ばれた楽器や仮面や衣装は、上演に真正性を付与する。他方、それらのモノは当該地で変化もこうむる。例えば現地の宗教的文脈のなかで、新たに意味づけられたりする。新たな技術や伝統的な工芸技術を取り入れた創作の試みも行われている。
著者
村田 成範 木下 健司 増見 恭子 林田 真梨子
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究における教育活動として、当初の高等学校での出前講義・実験および大学での初年次教育に加え、小学生とその保護者、飲料関連企業、薬局などで、遺伝子検査を含むゲノム科学リテラシーセミナーを実施し、遺伝子に関する教育方法および解析技術を改良した。アルコール遺伝子検査を行った大学では3年次以降での追跡調査も開始した。教育方法の改善に加えて、高校での遺伝子実験法の改良により、生徒自身が実験を主導できる実験系プロトコールを開発し、個人情報取り扱いを含めた高校生主体プロジェクトの開始に向けた検討を行った。また大学でのアドバンス科目用として遺伝子情報取り扱いのための基礎技術も開発した。
著者
岡田 智秀 横内 憲久 川田 佳子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究目的は海岸構造物に依存しない新たな海岸まちづくり方策を導くため、その先進事例である米国ハワイ州の「海岸線セットバックルール」の運用実態や、日本国内の伝統的海岸防災施設の成立要件・土地制度等の分析を通じて、日本型セットバックルールのあり方を導く。本成果としてハワイ主要4島の「海岸線セットバックルール」の制度的特徴,成功・失敗例の要因,促進方策,ハワイ島津波セットバック(KAIKO Project)の実態を明らかにし,当制度のわが国への導入可能性を考究するため,東北被災地の復興まちづくりにおける「海岸線セットバックルール」の適用可能性や,当制度非導入地域における海岸まちづくり方策を導出した.
著者
金田 幸恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

雲や降水を直接計算し、より現実的な台風の内部構造を表現する極めて高解像度の雲解像モデルを用いて、極端に強い台風の急激な中心気圧低下メカニズムを調査した。まず最低中心気圧877hPaに達した歴史的顕著台風・1958年9月狩野川台風の24時間当たり90hPaを上回る急激な中心気圧低下の再現に成功した。水平解像度を変えた感度実験から、発達に伴う内部構造やプロセスの解像度依存性と対応する中心気圧低下量(発達率)を明らかにした。さらに温暖化実験を実施し、将来温暖化気候下で極端に強い台風がより急激な中心気圧低下を経て、より強い台風に発達する可能性を示唆した。
著者
赤司 泰義 有馬 隆文 趙 世晨 山口 謙太郎 志賀 勉 鶴崎 直樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

都市・建築の持続化の観点から環境負荷削減のための要素技術や社会制度の効果的な施策立案が求められている。本研究では、社会動態を包含した都市の全体系を"ハビタットシステム"と定義し、ハビタットシステムのモデル化を通じて都市のCO2排出量を長期に予測するシミュレータを開発した。そのシミュレータを活用して、CO2排出削減対策の導入と普及に応じたCO2排出量削減可能量をケーススタディにより明らかにした。