著者
金子 真美 平野 滋 楯谷 一郎 倉智 雅子 城本 修 榊原 健一 伊藤 壽一
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.201-208, 2014 (Released:2014-09-05)
参考文献数
28
被引用文献数
2 3

一般人の音声障害に関する音声治療については多くの報告があり,高いエビデンスレベルのものもある.しかし歌唱者の音声障害に対する音声治療については国内外で報告は少なく,現時点で確立された手技もない.今回われわれは歌唱者の音声障害に対し音声治療を行い,症状に一定の改善を認めた.対象は声帯結節,声帯瘢痕,声帯萎縮,過緊張性発声障害のいずれかと診断され,音声治療を施行した歌唱者9例(男性5例,女性4例,平均年齢53.3歳)である.口腔前部の共鳴を意識した音声治療を施行し,効果をGRBAS,ストロボスコピー,空気力学的検査,音響分析,自覚的評価,フォルマント周波数解析で評価した.治療後,音声の改善は個人差があるものの全例で認められ,MPTやVHI-10,GRBASで有意差が認められた.また,歌唱フォルマントもより強調されるようになった.歌唱者の音声障害に対する音声治療は一定の効果が期待できると考えられた.
著者
石倉 秀次 伊藤 嘉昭 宮下 和喜 伊藤 佳信
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.135-139, 1957-06-30 (Released:2017-07-19)
被引用文献数
1 1

In 1955 and 56,observations were conducted on the root aphids injurious to upland rice and the ants attending these aphids in the upland rice fields in Shozima city near Tokyo. The root aphids concerned were Rhopalosiphum prunifoliae, Anoecia corni and Tetraneura ulmi and the species mentioned first was more dominant than the others in June and July. Six species of ants were found in the field studied and four species, Lasius niger. Crematogaster sordidula osakensis, Pheidole fervida and Tetramorium caespitum jacoti, were observed attending the aphids. In a few cases when the soil was loose and light or there was any tunnel worked by mole cricket, the aphids seemed to go under soil without any help of ants, but there was a close positive correlation between the number of aphids and ants found in sampled soils taken at random in the fields. This correlation was observed till the middle of the season. Some ants were observed carrying the apterous female and nymphs of Rhopalosiphum prunifoliae into their hole, indicating their important role in assisting the migration of aphids from soil surface to the subterranean habitat. The frequency distribution of the numbers of both aphids and ants were not random but strongly contagious. The variance (s^2) of the average number of aphids was found to increase proportionately to their population density as shown in Fig. 1. Thus the frequency distribution of aphid numbers can be transformed into normal one if the actual numbers are changed into log_10(x+1).
著者
村田 弥栄子 相馬 淳 鈴木 健弘 宮田 正弘 中山 恵輔 城田 裕子 佐藤 博 佐藤 寿伸 伊藤 貞嘉
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.67-71, 2003-01-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
10

症例は26歳男性. 1998年11月, 海外でのハーフマラソンに出場し熱中症を生じて, 横紋筋融解症による急性腎不全を合併した. 現地にて2回の血液透析施行後帰国. 空港近くの高次救命救急センターに収容され血液透析を受け, 2日後当院へ転入院した. 当院入院時, 依然乏尿状態にあり, BUN 104mg/dL, Cr 8.1mg/dL, CPK 2,128IU/L, 血中ミオグロビン11,700ng/mLであったためさらに3回の血液濾過透析を行った. その後利尿期 (回復期) に至ったが, 高カルシウム血症 (血清Ca 16.2mg/dL) が出現した. 高カルシウム血症に対し, prednisolone (40mg/日静脈内投与), elcatonin (40単位筋肉注射) と生理食塩水の補液の投与を行ったところ10日後には血清カルシウム値 (血清Ca 10.1mg/dL) は正常化した. これまでの本邦での報告例は少ないが, 横紋筋融解症による急性腎不全の利尿期に時として高カルシウム血症を生じることがあり, 十分な注意が必要である.
著者
梅本 貴豊 伊藤 崇達 田中 健史朗
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.334-342, 2016 (Released:2016-10-25)
参考文献数
42
被引用文献数
14 17

This study examined relationships among regulation strategies, emotional and behavioral engagement, and academic achievement. Regulation strategies included metacognitive and motivational regulation strategies. Motivational regulation strategies have three subtypes: autonomous regulation strategies, cooperative strategies, and performance strategies. A self-reported survey was administered to 199 undergraduates from four universities, and an examination was conducted three months after the survey. Path analysis showed that use of metacognitive strategies was positively correlated with test scores, mainly through behavioral engagement. Moreover, use of autonomous regulation strategies was positively correlated with emotional engagement. Emotional engagement was positively correlated with test scores via behavioral engagement. On the other hand, use of performance strategies was negatively correlated with emotional engagement. Use of cooperative strategies was not correlated with engagement. These results indicate that each regulation strategy has a different function in learning, and that engagement mediates the relationships between various regulation strategies and academic achievement.
著者
伊藤 崇達
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.061-064, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
8

本実践研究では,講義型の授業スタイルがとられることの多い教職科目においてアクティブ・ラーニング型の授業実践を試みた.授業は,ピア・チュータリングと講義内レポートを統合的に取り入れ,「理解深化」型の授業となるようデザインした.そして,コースの途中段階において,内的および外的な活動性を高めるための授業デザインの改善を試み,学習者の心理面,とりわけ思考面,動機づけ面,感情面にどのような変化をもたらしたかについて明らかにした.調査内容を分析した結果,概ねポジティブな変化が報告され,今後の実践の可能性について示唆を得た.
著者
小見山 章 加藤 正吾 伊藤 栄一 戸松 修
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

比較的若齢の造林地か豪雨等で崩壊すると、広葉樹に較べてヒノキやスギが浅根を示すことがその原因であるといわれることが多い。このことを再検討するために、岐阜県の岐阜大学農学部附属演習林において、48年生のヒノキ造林地でヒノキ主林木とそこに侵入したミズナラの根重の垂直分布を比較した。2本の試料木を選んで、地上部に関する調査を行った後に、深さ60cmまでに存在する根をトレンチ法により採取した。深さあたりの根重密度の垂直分布パターンを求めたところ、指数分布にしたがう減少パターンを示した。2本の試料木間で、深さ方向の根重密度の減少率に有意差は認められなかった。回帰式を積分して個体根重の垂直分布を計算した。地表から30cmまでの深さに含まれる根重の割合は、ミズナラ試料木で89%、ヒノキ試料木で94%となり、試料木間で根の垂直分布に極端な違いは認められなかった。また、傾斜地で、ヒノキ試料木は根を谷側に多く配置していたのに対して、ミズナラ試料木は山側に多く配置するという、根の水平分布上の違いがみられた。また、数種類の樹種の根量は、パイプモデルにしたがうことが確認された。さらに、一般に相対成長関係には樹種差が生じるが、相対成長関係式の作成に用いる変数を吟味することで、樹種差のない統一的な相対成長関係式の構築の可能性があることがわかった。これらの知見から、生物学的な根拠を元に、根の深さについて議論することができる。
著者
伊藤 まゆみ 金子 多喜子 大場 良子 藤塚 未奈子 Mayumi Ito Takiko Kaneko Ryoko Ohba Minako Fujizuka
雑誌
共立女子大学看護学雑誌 = Kyoritsu Journal of Nursing
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-10, 2016-03

近年、ストレスに起因してポジティブな変化が生じることが明らかにされている。このことは終末期ケアにおける看護師のバーンアウト予防に貢献すると考えられるが、これらの検討は不足している。本研究目的は、終末期ケアに携わる看護師のストレスに起因したポジティブな変化がバーンアウトに及ぼす影響を明らかにすることである。本研究では、終末期ケアにおいてストレスフルなケアを体験した看護師207名に、バーンアウト、意味づけ並びに外傷後成長の質問紙調査を実施した。バーンアウトの下位尺度である情緒的消耗感、脱人格化、個人的達成惑を目的変数に、その他の測定変数を説明変数とした重回帰分析を行った。その結果、個人的達成感には意味づけや外傷後成長が影響していた。これらの結果、看護師がストレスに起因してポジティブな変化が生じれば、個人的達成感の低下は改善する可能性が示唆された。
著者
山崎 貴子 伊藤 直子 大島 一郎 岩森 大 堀田 康雄 村山 篤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.176-183, 2008-06-20

マイタケに含まれるプロテアーゼの作用と低温スチーミング調理の併用による牛肉軟化について検討した。マイタケ抽出液は50-70℃で最もカゼイン分解活性が高く,70℃で8h反応させたあとでも30-40%の活性が残っており,熱安定性が高かった。マイタケ抽出液とともに牛モモ肉を低温スチーミングすると,茹でた場合や,水またはしょうが抽出液を使った場合に比べて,溶出するタンパク量が多かった。しかしうま味に関係するグルタミン酸は特に溶出は増えておらず,むしろマイタケとともにスチーミングした肉で有意に増加していた。組織観察の結果,マイタケ抽出液で処理したものはタンパクが分解されている様子が観察された。破断測定および官能評価では,マイタケ抽出液とともにスチーミングしたものは有意に散らかく,噛み切りやすいという結果となった。マイタケと低温スチーミング調理を併用すると,効果的に食肉を軟化できることが示唆された。
著者
高橋 洋平 田中 優 甲斐 由佳 平野 浩紀 中谷 貴美子 伊藤 悟志
雑誌
高知赤十字病院医学雑誌 = Medical Journal of Kochi Red Cross Hospital (ISSN:09197427)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.49-55, 2018-03

処女膜閉鎖症は,尿生殖洞の発生異常により生じる比較的稀な疾患として知られている.症例は11 歳女性.初経は未発来.持続する下腹部痛を主訴に来院し,MRI にて腟留血腫を認め,手術時に外陰部の視診で腟口の閉鎖と閉鎖部位に薄い膜が膨隆しており診断に至った.処女膜切開,貯留血の排出を行い,切開部位の縫合を行った.術後は子宮・腟形態の回復を認め,月経も発来しており順調に経過している.本邦での発生例184 例の文献的考察を加えて報告する.
著者
工藤 浩 渡邉 卓 福田 武史 奥田 俊博 松本 弘毅 小林 真美 松本 直樹 小村 宏史 伊藤 剣
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本文学・日本史学・神道学・日本語学の四分野の研究者による「先代旧事本紀研究会」を組織し、学際的に『先代旧事本紀』の研究史上の問題点と今後の課題を考究する共同研究を行った。平成29年9月に公開研究発表会を実施した。神話としての特徴、用字意識など編纂と内容の問題に加えて、神道の祭儀・思想・文献、訓詁注釈・国学等に与えたの影響について、『先代旧事本紀』の持つ学問的な意義を明らかにした。本研究の成果は、研究代表者、分担研究者に3名の研究者を加えた12名による論文10編とコラム4編を掲載する『先代旧事本紀の現状と展望』(上代文学会叢書)を平成30年5月に笠間書院より刊行し、広く開示する。
著者
安元 健 伊藤 志保美 浮穴 学宗 ツインゴーネ アドリアーナ ロッシ ラケーレ ソプラノ ビットリオ
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2018-07-19

<p>腔腸動物スナギンチャク(Palythoa spp.)から発見されたパリトキシン(palytoxin,PLTx)と同族体は複雑な構造と強力な毒性を持つ<sup>1</sup>。演者ら(TY,TU))は底生渦鞭毛藻Ostreopsis siamensisから42-hydroxy-3,26-didemethyl-19,44-dideoxypalytoxinを単離決定し,最近,LC-QTOF を使用して伊計島産O. cf. ovata 中のovatoxin-a,-d,-e(IK2) の新規構造を推定した<sup>2,3</sup>。一方,Ciminielloらは地中海産Ostreopsis cf. ovata から単離したovatoxin-aの構造を42-hydroxy-17,44,64-trideoxypalytoxinと決定した<sup>4</sup>。本研究はLC-MSを用いてPLTx類縁体の高感度・迅速構造解析法を開発して化学構造と分布の多様性,生合成解明,安全性監視への端緒とすることを目的とした。</p><p>[方法] スペクトル測定はLC(ESI)-TOFMS(Agilent Technology)を用いて正・負両モードで行い,質量100~3000の範囲のイオンを抽出した。本文中のm/zは小数点以下を省略してある。LCは移動相に0.1%ギ酸/MeCNによる勾配法を用いた。PLTxは市販品を使用し,混在するpalytoxin carboxylic acid(PLTxCOOH)とpalytoxin amide (PLTx-NH<sub>2</sub>)も対象とした。渦鞭毛試料はナポリ湾産O. cf. ovata (AZ株)の培養藻体をMeOHで抽出して使用した。誤差の許容値は10ppmとした。</p><p>[パリトキシンの正イオンスペクトル] フラグメントイオンは生成機構に基づいて3型に分類された。第一は115-NH<sub>2</sub>に電荷を有し,チャージリモートフラグメンテーションで生じる(Fig.1)。C79-C81-triol周辺の開裂と脱水で生じるイオン(m/z744,726,708,804,798,768)はPLTx同族体に特徴的である<sup>2</sup>。m/z916とその脱水イオンは73-OHの存在を示し,天然同族体73-deoxypalytoxinとの区別に役立つ。F環の開裂で生じるイオン群は,70-deoxy の推定構造を持つovatoxin-a-IK2との区別に役立つ。その他の主要なC-C結合の開裂位置も図中に示す。結合が切断されて生じる最初のモノエンのイオンは観測されず,共役が進行してトリエン以上になって観測される。水酸基の位置が適切でなければ脱水による共役は進行せず,イオンの確実な同定を可能とする。第二のグループはC1に結合した末端構造(A1+A2)中のアミド窒素が正電荷を担うと推定され,C8'からC11に至る部分構造の情報を与える(Fig.2)。末端の3-aminopropanol(A1)が脱落したm/z740のイオンは,dioxabicyclononane環の存在と位置を示す唯一のイオンである。開裂箇所のC28-C29結合の近傍に水酸基が存在しないので,脱水による共役化が進行せず,イオン強度が低い。第三のグループは炭素結合が2か所で同時に開裂し,その後の脱水によって生じた共役ポリエンである(Fig.3, 4)。A環とD環周辺の開裂の組み合わせによって多様なイオンが生成し,水酸基の情報を与える。例えば炭素数39の共役ポリエンでは水酸基5個の脱離で生成する。C41-C46間の水酸基は4個だけなので脱水は13-OHから20-OHに向けて進行している。</p><p>[パリトキシンの負イオンスペクトル] 第一のグループはD環周辺の開裂によって生じ,C1に結合した末端アミド構造は保持されている。第二グループは115-NH<sub>2</sub>を有し,鎖長が長くて水酸基(酸素原子)の数が増加すると観測される。第三グループのフラグメントm/z947ではC1-アミドが開裂してアルドヒドを生成したと推定さ</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>
著者
伊藤 寿茂 北野 忠 唐真 盛人 藤本 治彦 崎原 健 河野 裕美
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.77-87, 2014

2006年に国内で初めて記録された石垣島のドブガイモドキについて,幼生の採集を試み,幼生が寄生している魚種を調査するとともに,実験飼育下で宿主として機能する魚種を確認した。島内の生息地においてプランクトンネットをひき,幼生の採集を試みるとともに,採集した成貝を継続飼育し,放出した幼生を採集した。幼生の殻の形状は亜三角形で腹縁に鉤を持つAnodonta型であり,殻長,殻高,殻幅の平均はそれぞれ221.5 μm,228.0 μm,108.3 μmであった。次に,現場で採集した幼生の寄生を受けていると想定される6魚種(ギンブナ,グッピー,タイワンドジョウ,ティラピア類,オカメハゼ,タウナギ)と,飼育下で放出された幼生を人為的に寄生させた12魚種(コイ,キンギョ,タイリクバラタナゴ,ドジョウ,ヒレナマズ,メダカ,グッピー,タイワンキンギョ,オカメハゼ,タナゴモドキ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ類)を実験水槽内で継続飼育して,魚体から離脱してきた幼生を観察,計数した。その結果,ヒレナマズ,メダカ,グッピー,タイワンキンギョ,オカメハゼ,タナゴモドキ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ類の8魚種より,変態を完了させた稚貝が出現した。寄生期間中に幼生サイズの増大や外形の著しい変化は見られなかった。全離脱数に占める稚貝の出現率は魚種によって差があり,タイワンキンギョ,グッピー,ヨシノボリ類において,特に出現率が高かった。次に,同生息地において採集した6魚種(ギンブナ,カダヤシ,グッピー,ティラピア類,オカメハゼ,タナゴモドキ)を10%ホルマリン水溶液で固定して,魚体に寄生した幼生の状態を観察,計数したところ,グッピーとティラピア類の体に寄生が見られた。寄生は鰓や各鰭のほか,鰓蓋の内側,鰓耙にも見られた。幼生の相対寄生密度および被嚢率はグッピーの方が高かった。石垣島を含むドブガイモドキの生息地においては,その幼生の宿主として,在来種,外来種を含む複数の魚種が宿主として機能している可能性がある。特に,石垣島では,生息する魚の大部分を外来種が占めており,中でもグッピーが主な宿主として機能していることが判明した。このことから,石垣島内における宿主魚類の移入による分布拡大が,ドブガイモドキの分散に寄与した可能性がある。