著者
佐藤 亨至 三谷 英夫 メヒア マルコ A 伊藤 正敏
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.300-310, 1996-08
被引用文献数
8

咀嚼と脳賦活との関わりについての基礎的検討として, 若年者を対象として個体が示す顎顔面骨格構成および咬合形態によって, 咀嚼時の脳血流動態に差異が存在するかどうかについて調べるため, 酸素標識の水とポジトロンCT(PET)を用いて検討を行った.研究対象は, 21∿32歳の健常ボランティア男性6名である.それぞれ頭部X線規格写真の撮影と歯列模型の採得を行い, 顎顔面骨格構成および咬合について検討した.脳血流動態については安静時とガムベース咀嚼時にPETを用いて測定を行った.得られた脳血流画像について関心領域を設定し, ガム咀嚼に伴う局所脳血流(rCBF)の変化を求めて咬合や顔面形態との関連について検討した.その結果, ガム咀嚼による脳血流変化には個体差が大きいものの, 上・下顎骨に調和のとれたおおむね良好な咬合を有する者では, 1次運動感覚領下部(ローランド野), 島, 小脳半球などで明らかな脳血流の増大が認められた.一方, 顎顔面骨格や咬合に種々の問題を有する不正咬合者では咀嚼による脳血流変化が正常咬合者と異なる傾向が認められ, 1次運動感覚領下部や島での明らかな賦活は認められない者もいた.以上のことから, 咀嚼による脳の賦活化部位とその量は個体間でかなり変異に富んでおり, それには個体の示す顎顔面骨格構成および咬合とそれに関わる咀嚼運動様式が関与している可能性が示唆された.
著者
志村 政留 伊藤 公一 上野 公志 葛西 晴雄 寺川 隆成
出版者
日本ハイパーサーミア学会
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-125, 1992

We investigated SAR (specific absorption rate) and temperature distributions produced by two different types of hexagonal array applicators. The array applicators were composed of coaxial-slot antennas used for microwave cancer therapy. One array applicator was made of 6 antennas which were placed at apexes of a hexagon. The other array consisted of 6 antennas at apexes and one at the center of the hexagon. The side of the hexagon was chosen to be 3 cm long. The 6-antenna array driven inphase at 430 MHz had a narrow region where the normalized SAR was more than 50%. This may cause a hot spot during hyperthermia treatments. The 7-antenna array driven in-phase provided wider and more uniform heating patterns. Temperature patterns calculated from the SAR patterns agreed well with experimental ones. Finally, we proposed 'heating volume' to evaluate the heating characteristics of the hexagonal arrays.
著者
伊藤 俊方 高木 信彦 佐藤 健一 佐藤 寿則
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.363-369, 2007-09-25

能登半島地震の震源地に近い輪島市門前町において,自然ガンマ線探査を実施した.調査期間は,余震が続く4月19,20日である.探査はカーボーンによって行い,測線は国道249号に沿って実施した.探査期間中には震度1以上の有感地震は観測されていないが,M2.0以下の余震は数回発生しており,これらの発生時間におけるガンマ線強度の変化については,特定の傾向が得られなかった.三種類のガンマ線核種を用いた解析によると,ビスマスが急増する異常点がいくつかの地点で見出された.これらは地震断層に伴なう断裂の可能性がある.地震断層として発見された中野屋の県道では,すでに亀裂も修復されガンマ線強度の増加は認められなかった.今後は定点における長期連続測定を行い,余震前後のガンマ線強度変化を把握することによって,この手法が地震防災に活用できる可能性を検証する必要があると考えている.
著者
内田 善久 伊藤 正人
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1-2, pp.71-87, 1997-06-30 (Released:2017-06-28)

本稿では学際的領域としての採餌行動研究の最近の発展を概観した。最適餌場利用、最適食餌、頻度依存捕食という3つの話題に対してオペラント心理学が培ってきた方法論を適用した研究に主眼がおかれた。行動生態学から導出された最適餌場利用と最適食餌という最適性モデルは、動物は最も効率的に餌を採るという仮定を共通に持つ。最適餌場利用と最適食餌の問題に適用された、強化スケジュールを用いた実験室シミュレーションは、最適性モデルによる予測の検証や移動時間、餌の分布等の採餌行動に及ぼす様々な要因の効果を検討する上で有効な方法論であることが示された。また、頻度依存捕食とは動物が相対頻度の高い餌を過剰に摂食する現象のことを指す。この現象に適用された、並立連鎖スケジュールを用いた実験室シミュレーションの結果は、餌の目立ち易さの要因が頻度依存捕食を生起させる上で重要であることを示した。これらの知見から、実験室シミュレーションが最適性モデルによる予測の検討や採餌行動に影響する要因の探求に際して強力な道具となることが明らかにされた。
著者
伊藤 正純 イトウ マサズミ Masazumi Ito
雑誌
摂南経済研究
巻号頁・発行日
vol.2, no.1-2, pp.37-54, 2012-03

なぜスウェーデン人は高い税金を徴収されても不満を言わないのか。負担と受益の関係が""見える化""しているという感覚があるからだ。1991年の税制改正によって導入された二元的所得税論は、税制を勤労課税重課、資本課税軽課の体系に変更した。勤労課税の中心は勤労所得税(地方所得税と国所得税)で、その大半は地方所得税である。地方政府の財源は国からの補助金が少しあるが、それ以外はほぼこの地方所得税だけである。低所得者にも重い地方所得税の課税は広範囲に課税するため安定した税収調達機能をもつ。しかし同時に、この地方所得税は社会的保護と教育(高等教育以外)を担うコミューン(市)と、病院経営を担うランスティング(県)の主要な財源となっている。そのため、""見える化""を進展させた。スウェーデンでは、地方政府が現金給付をおこなうことはほとんどない。それは国と高齢者年金基金の業務だからである。また、現金給付は課税給付金と非課税給付金に分かれている。課税給付金は勤労所得とともに獲得所得として勤労課税の対象となる。地方所得税は定率課税だが、国所得税は高い累進課税である。そのため、税による再分配機能もうまく発揮されている。そして、いかなる家族形態においても生活の安全が保障されている。それも、税における""見える化""を進展させている。
著者
濱田 孝喜 貞清 正史 坂 雅之 竹ノ内 洋 伊藤 一也 蒲田 和芳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】野球では外傷よりも野球肩などスポーツ障害の発生率が高いことが知られている。近年,肩後方タイトネス(PST)に起因する肩関節内旋可動域制限の存在が示され,PSTと投球障害肩発生との関連性が示唆されたが,高校野球においてPSTおよび肩関節可動域制限の予防策の実施状況は報告されていない。また,予防策実施と肩障害発生率との関係性は示されていない。そこで本研究の目的を高校野球において,肩関節可動域制限の予防策の実施状況および予防策実施と肩関節痛の存在率との関連性を解明することとした。【方法】長崎県高等学校野球連盟加盟校全58校へアンケート用紙を配布し,アンケート調査を高校野球指導者と選手に実施した。指導者には練習頻度・時間,投球数に関する指導者の意識調査,選手には肩障害の有無・既往歴,ストレッチ実施状況・種類などを調査した。調査期間は平成25年1月から3月であった。【倫理的配慮,説明と同意】アンケート調査は長崎県高校野球連盟の承諾を得た上で実施された。アンケートに係る全ての個人情報は調査者によって管理された。【結果】1.選手:対象58校中27校,673名から回答を得た。対象者は平均年齢16.5歳,平均身長170.1cm,平均体重66.1kgであった。アンケート実施時に肩痛を有していた者は全体の168/673名(24.9%)であり,肩痛の既往がある者は全体の367/673名(54.5%)と約半数にのぼった。疼痛を有する者のうちストレッチを毎日または時々実施している者は147/167名(88%)であった。疼痛の無い者のうちストレッチを実施している者は422/490名(86%)であった。投手のみでは,肩痛を有する者が22/133名(16.2%),肩痛の既往は82/136名(60.3%)であった。疼痛を有する者のうちストレッチを毎日または時々実施している者は20/22名(90.9%)であった。疼痛の無い者のうちストレッチを実施している者は107/111名(96.4%)であった。2.指導者:58校中24校,33名から回答を得た。練習頻度では,週7日が9/24校(38%),週6日が13/24校(54%),週5日が8%(2校)であった。練習時間(平日)では,4-3時間が14/24校(58%),2時間以下が9/24校(38%),回答なしが1校であった。練習時間(休日)では,9時間以上が2/24校(8%),7-8時間が8/24校(33%),5-6時間が9/24校(38%),4-3時間が5/24校(21%)であった。投球数(練習)では50球以下が3%,51-100球が24%,101-200球が24%,201球以上が0%,制限なしが48%であった。投球数(試合)では50球以下が0%,51-100球が9%,101-200球が42%,201球以上が0%,制限なしが48%であった。3.指導者意識と肩痛:投手の練習時全力投球数を制限している学校は12校,制限ない学校は12校であった。全力投球数制限ありの投手は45名で,肩痛を有する者は8/45名(18%),肩痛が無い者は37/45名(82%)であった。全力投球数制限なしの投手は60名で,肩痛を有する者は11/60名(24%),肩痛が無い者は49/60名(75%)であった。【考察】肩関節痛を有する者は全体の24.9%,投手のみでは16.2%であり,肩痛の既往歴が全体の51.5%であった。ストレッチ実施状況は肩痛の有無に関わらず約80%の選手が実施していた。肩関節可動域制限に対してスリーパーストレッチ,クロスボディーストレッチによる肩関節可動域改善効果が報告されている。本研究ではストレッチ実施の有無を調査しているためストレッチ実施方法の正確性は明らかではないが,ストレッチのみでは投球障害肩予防への貢献度は低いことが考えられる。障害予防意識に関して練習時・試合時共に制限をしていない指導者が48%であった。高校生の全力投球数は1日100球以内と提言されているが,部員が少数である高校などの存在は考慮せざるを得ない。練習時全力投球数を制限している者のうち肩痛を有する者は18%,制限の無い者のうち肩痛を有する者は24%であった。1試合または1シーズンの投球数増加は肩障害リスクを増大させると報告されている。アンケート調査を実施した期間はオフシーズンであり,指導者の投球数に関する意識が選手の肩障害に関与する可能性があると考えられる。以上より,高校野球選手において一定の効果があるとされるストレッチを約8割の選手が実施していたにも関わらず肩痛の存在率は高かった。この原因としてストレッチ方法の正確性及びオーバーユースや投球動作など他因子との関連が考えられる。今後はこれらの関係性を明確にし,障害予防方法の確立が重要課題である。【理学療法学研究としての意義】スポーツ現場において障害予防は重要課題である。これまで障害予防方法の検証はされてきたが,現場ではその方法が浸透していないことが示唆された。医学的知識や動作指導が可能な理学療法士の活躍がスポーツ現場での障害予防に必要である。
著者
伊藤 紫織 Shiori ITO 尚美学園大学芸術情報学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of Informatics for arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-16, 2018-10

万葉集にも登場する景勝地松川浦(福島県相馬市)を表す「松川十二景和歌色紙帖」(相馬市教育委員会、相馬市指定文化財)は一帯を治めた藩主相馬昌胤(1661 ~ 1728)によって元禄元年(1688)頃に作られた。松川十二景は、瀟湘八景の八景風に場所と季節や天候を組み合わせるのではなく、十二の場所を選んでいる。松川十二景は東山天皇の勅許を得て、公家が和歌を詠むことにより、新名所の権威を高めている。新名所を定め、権威づけることは、兄の急死により新しく藩主となった昌胤の正統性を示すものであった。新名所の権威を高める和歌に合わせて実景図というよりは名所絵風の狩野派の絵が描かれた。十二景は季節の順となる1 松川浦2 水茎山3 梅川4 沖賀島5 松沼浜6 川添森7 長洲磯8 紅葉岡9文字島10 離崎11 飛鳥湊12 鶴巣野が元来の順序とみられる。絵師は狩野常信ら江戸狩野の正統的な顔ぶれであり、絵も新名所、そして新名所を制定する藩主の正統性を補強する。Sōma Masatane (1661–1728), the feudal lord of Sōma Domain (now Fukishima Prefecture),commissioned the album Matsukawa jūni-kei waka-shikishi-chō (Tanka poems and pictures for the Twelve Views of Matsukawa; Sōma Board of Education) around 1688. Matsukawa is a famous place, which we can already find mention of in the Man'yōshū, a collection of poems from the 8th century. The Twelve Views of Matsukawa designates places only, unlike the Eight Views of Xiaoxiang or the Eight Views of Ōmi, which combine places with seasons or particular kinds of weather. The Emperor Higashiyama sanctioned the Twelve Views newly-chosen by Masatane, and twelve court nobles composed tanka to accompany them. In this way, the new Twelve Views of Matsukawa were officially accepted. Masatane, who inherited Sōma Domain due to his brother's sudden death, wanted to represent his legitimacy through this official acceptance. Moreover,the pictures of the Twelve Views were painted by genuine Edo Kano painters, including Kano Tsunenobu, to further legitimize Masatane's authority. These pictures were not painted as real landscape, but as idealized ones with overtones of classical literature. The order of the Twelve Views was originally determined by season, but it is different in the album.
著者
岡本 丈夫 佐々木 実 伊藤 聡 竹田 幸市 Muhammad Ilhamdi Rusydi
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.312-317, 2014 (Released:2014-10-06)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Currently, there are many systems to support people with disability in their day to day activities. In this research, a robot arm system was designed, developed and controlled by use of an EOG (ElectroOculography) signal generated by the eye movement. The first part of the research was to establish the relationship between gaze position and EOG signal. Using Helmert transform method, the gaze position is estimated. The average error between real gaze position and estimated gaze position was ±4 cm. To recognize blink through EOG signal, Bell phenomenon was used. The blink recognition (voluntary and involuntary) experiment includes three occupants. The overall success rate of recognition of their blinks was more than 90%. Using this system long will make operators tired and results in erroneous experimental results. Thus, the switch from “control on” to “control off” was introduced in this system. The switch is activated when voluntary blink is detected. This will allow the system to improve the controllability.
著者
伊藤 悟 鵜川 義弘 福地 彩 秋本 弘章 堤 純 井田 仁康 大西 宏冶
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本発表は、昨年と今年の日本地理学会春季学術大会において同じ題目のもとにシリーズで行った4件の発表に続くもので、その後のシステム整備の進展や、未発表の利用実践を話題にする。具体的には、システム整備の新たな進展としてパノラマ写真との連動機能を、利用実践としては小学生らのオリエンテーリングを報告する。
著者
藤井 隆 小嶋 俊一 大江 透 今西 政仁 木村 玄次郎 唐川 真二 飯田 達能 平田 結喜緒 倉持 衛夫 下村 克朗 伊藤 敬一 尾前 照雄
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.347-353, 1988-04-25 (Released:2011-07-04)
参考文献数
25

The mechanism of polyuria associated with paroxysmal supraventicular tachycardia (SVT) was investigated in 8 patients whose SVT was provoked artificially by esophageal pacing. SVT was sustained for 60 minutes. Blood and urine samples were collected every 30 minutes from one hour before provocation to one hour after termination of SVT. Urine volume increasd in all patients more than two fold (on average 2.5 fold) of the control volume. Urine osmolality decreased from 546±66 (S. E.)mOsm/kg at the control period to 197±32 mOsm/kg at the peak of urine volume. Urinary Na excretion increased significantly (p<0.01) about 1.5 fold for 30 minutes after termination of SVT. Urinary antidiuretic hormone (u-ADH) was suppressed to one third of control period during SVT (from 30±11 pg/min to 8±2 pg/min), then increased significantly (p<0.05) to 74±15 pg/min after termination. Although plasma ADH level did not change during SVT, it tended to increased after termination. Plasma concentration of atrial natriuretic polypeptide (p-ANP) increased to 5 fold on average at termination of SVT and maximally attained value was 400 pg/ml. Urinary prostaglandin E2(u-PGE2) excretion increased after termination of SVT and percent changes of u-PGE2 had a positive correlation with those of urinary Na excretion (r=0.64, p<0.001, n=5). Positive correlation was also found between percent changes of u-PGE2 excretion and those of u-ADH excretion (r=0.72, p<0.001, n=5). The findings suggest the following conclusions: 1) The polyuria during SVT period was attributed mainly to the inhibition of ADH secretion, 2) Natriuresis after SVT period was due to i) the increase of p-ANP and ii) the release of renal PGE2 associated with the increased ADH secretion.
著者
江田 香織 伊藤 正哉 杉江 征
出版者
Japanese Society of Sport Psychology
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.37-47, 2009 (Released:2009-05-08)
参考文献数
31
被引用文献数
1 2

The purpose of this study was to examine the effects of sense of authenticity (SOA) and contingent self-esteem (CSE) in college athletes' self-development on their mental health. University students (n =241) answered the sense of authenticity scale (SOAS) and the contingent self-esteem scale (CSES) administered as indicators of self-development, and the General Health Questionnaire-28 (GHQ-28: somatic complaints, anxiety and insomnia, and severe depression). They were classified as athletes (n =156) or non-athletes (n =85). The results of examining the effect of SOA and CSE were as follows. SOA promoted the mental health in athletes and non-athletes. CSE promoted anxiety and insomnia in athletes, but showed no effect on any subscales of the GHQ-28 in non-athletes. Almost no difference in CSE was seen between athletes and non-athletes, although SOA was higher in athletes than non-athletes. The effect of CSE on anxiety and insomnia among athletes did not disappear with the influence of SOA. It has been suggested that SOA and CSE are located at opposite poles conceptually. However, the commitment of athletes to the athletic setting was promoted by their self-worth contingent on sporting achievements, which lead to performance enhancement. This indicates that neither SOA nor CSE is necessarily located at opposite poles conceptually for athletes. These results suggest first the possibility that there are states of SOA and CSE characteristic to athletes, and second the need to consider self-development from both of SOA and CSE in relation to athletes.
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。
著者
山田 典一 松田 明正 荻原 義人 辻 明宏 太田 覚史 石倉 健 中村 真潮 伊藤 正明
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.233-238, 2012-08-25 (Released:2012-08-30)
参考文献数
9

●要 約:弾性ストッキングは静脈血栓塞栓症の理学的予防法の一つとして汎用されており一定の予防効果が報告されている.他の予防法と比較しても,出血性合併症のリスクがなく,簡便で比較的安価であることより,使用しやすいという利点がある.わが国でも以前より静脈血栓塞栓症予防法の一つとして用いられていたが,2004年の肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドラインの公表と,さらに同時期に肺血栓塞栓症予防管理料が保険診療報酬改定で認定されたことを契機に急速にその使用頻度が増加した.しかしながら,多くの前向き大規模研究が行われている薬物的予防法と比較すると未だ十分なエビデンスがあるとは言い難い.本項では,静脈血栓塞栓症に対する一次予防法としての弾性ストッキングの現時点でのエビデンスをレビューする.
著者
小野田 尚佳 伊藤 康弘 岡本 高宏
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.24-27, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
13

甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版では,乳頭癌に対してリスク分類や進行度,予後因子に応じた標準的対処を求めており影響を注視したい。他方,中リスク乳頭癌・低分化癌・未分化癌へ対処,気管合併切除など拡大手術の意義,分子標的薬治療の予後改善効果については,さらなるエビデンス蓄積が待たれる。髄様癌の遺伝子診療,予防的手術には,様々な角度からの議論が欠かせず,RI療法の分類に則した成績の提示も必要である。ガイドライン公開後も英文論文作成,随時の更新が行われ,治療標準化や患者の健康アウトカムについての調査が開始されるが,加えて3年後の次期改訂に向けて新規CQをリストアップし,解決のための研究奨励などを着実に行うよう提案したい。さらに,他学会との連携,汎用性を高める公開法,大規模データベースやAI,SNSの活用,女性委員と患者の参画などの検討が必要と考えられる。
著者
岡本 高宏 小野田 尚佳 伊藤 康弘
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.8-11, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
12

甲状腺腫瘍診療ガイドラインを改訂した。甲状腺腫瘍に悩む患者の健康アウトカムを高めるには知識,技術の向上と心の涵養が不可欠である。エビデンスの創出,診療ガイドライン開発法の工夫に終わりはない。専門職による不断の貢献が未来を拓く。
著者
伊藤 高史 イトウ タカシ Ito Takashi Itoh Takashi
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.128, pp.21-38, 2019-03

論文(Article)「ジャーナリズムは今(現在)を伝える」という言葉で,ジャーナリズムの機能が語られることがある。本稿の目的は,このように表現されるジャーナリズムの機能を,ニクラス・ルーマンの社会システム理論の観点から明らかにすることである。ルーマンはマスメディアを「情報/非情報」の二値コードによる選択を行うシステムとして定式化した。この場合の「情報」とは,システムの作動を継続させていくものことを意味する。ジャーナリズムが「情報/非情報」の二値コードによる選択を行うとは,情報を通じて構造的カップリングの状態にある他の社会システムを作動させることである。ジャーナリズムが別の社会システムを作動させるその瞬間,過去と未来を切り離す「今(現在)」が生み出されるのである。
著者
伊藤 毅志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1184-1185, 2016-11-15