著者
上前田 直樹 橋田 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DD, [デジタル・ドキュメント] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.23-30, 2005-05-27
参考文献数
11

合議におけるキーパーソンを見出すことは、議論の流れを把握したり議論を活性化したりする上で重要であるが、従来は議論の意味内容に立ち入って解析するのが困難だった。本稿では、セマンティックオーサリングに基づく電子会議において、修辞関係と対話関係によって明示された議論の意味的な構造を用いて各参加者の貢献度を評価しキーパーソンを同定する方法を提案する。実際の合議の記録に関してそのような意味構造を用いて貢献度を計算し、この方法の妥当性を示す。
著者
上前田 直樹 橋田 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.54, pp.23-30, 2005-05-27

合議におけるキーパーソンを見出すことは、議論の流れを把握したり議論を活性化したりする上で重要であるが、従来は議論の意味内容に立ち入って解析するのが困難だった。本稿では、セマンティックオーサリングに基づく電子会議において、修辞関係と対話関係によって明示された議論の意味的な構造を用いて各参加者の貢献度を評価しキーパーソンを同定する方法を提案する。実際の合議の記録に関してそのような意味構造を用いて貢献度を計算し、この方法の妥当性を示す。It is important to detect key persons in a discussion in order to grasp the dicusssion flow and activate the discussion, but it has been difficult to analyze the semantic content of discussions. In this paper we propose a method to evaluate the participants' contributions and identify key persons by analyzing semantic structures of discussions explicitly represented in terms of discourse and dialogue relations in semantic-authoring-based discussions. This method is verified by calculating participants' contributions in the records of actual discussions.
著者
三浦 均也 前田 健一 窪内 篤 菅野 高弘 大塚 夏彦
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、港湾地域における岸壁等の施設の耐震性能を高度化することであり、地震時における地震時土圧の特性を明らかにし、より合理的で経済的な地震時土圧の評価法および耐震設計法を開発することである。この目的を達成するために、北海道釧路港で実施していた「実大重力式岸壁の地震時挙動観測」で得られるデータの収集、分析・評価を進め、地盤の液状化に関連した岸壁の被害メカニズムを明らかにするとともに耐震設計の提案を行った。研究成果の概要および特徴は以下の通りである。「研究の独創性」 阪神淡路大震災で生じた港湾施設の甚大な被害に対して、これまでの耐震設計の枠組みの中で設計地震衝撃力を増大させ構造物が長大化させる考え方が主流であった。しかし、本研究ではこれまでの震度法にとらわれない。構造物の振動特性と液状化対策の効果を適切に反映できる独創的な地震時土圧評価法および耐震設計法を提案し、その検証を観測結果に基づいて検証することができた。「研究の実用化の可能性」 2003年十勝沖地震における観測結果を解析することによって、地震時における岸壁の挙動メカニズムが明らかになり、提案していた地震時土圧の評価法も検証することができた。現在をこの評価法を取り入れた耐震設計法の開発を終え、1年以内に行われる港湾構造物の耐震設計法の改訂という形で研究の成果が実用化されることになった。また、試験岸壁の建設時や建設後長期間に渡る観測においても岸壁挙動の重要な知見が得られ、これらは岸壁の施工管理や維持管理において今後実用化される予定である。「研究の達成度」 当初予定していた現地観測と耐震設計法の開発を予定通り達成することができた。2004年9月26日には十勝沖地震が発生し試験岸壁は震度5強の衝撃力を受けた。試験岸壁の背後地盤は液状化し、岸壁には地震時特有の変形が生じ機能が深刻な損傷を受けた。地震衝撃力による液状化を伴う岸壁の被害を観測によって捕らえることに成功したため、観測結果の解析と耐震設計法の検証は説得力を持って予定通り達成することができた。「研究の学問的発展への貢献度」 このような実大岸壁の背後地盤の液状化を伴う地震時挙動を得たのは世界的にも初めてである。地震時挙動の観測によって得られたデータは、2005年1月17日から1年間インターネットで世界の研究者に公開している。このデータを用いた研究成果を持ち寄り2005年9月には国際会議を開催する予定であり、この分野の学問的発展に大きく寄与するものと期待している。また、このような前例のない観測を通じて観測方法や試験方法についても重要な知見を得ることができた。
著者
小林 敏男 金井 一頼 淺田 孝幸 高尾 裕二 関口 倫紀 椎葉 淳 伊佐田 文彦 栗本 博行 松村 政樹 平山 弘 朴 泰勲 寺川 眞穂 古田 武 前中 将之 中田 有吾
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

グローバルニッチ戦略とは,自社の開発技術を評価する特定顧客に対して,そのニーズに叶った製品を開発・供給していく過程で,事業として存続しうる売上規模を獲得でき,その状態を持続可能にすることによって,当該製品が属する市場において参入障壁が高い小市場を形成でき,グローバルな多地域への展開が可能となる戦略のことである。ニッチ市場は,既存市場のセグメント分析から存在論的に発見できるものではなく,特定顧客との密接な協働から形成しうる過程論的な市場である。
著者
江守 陽子 前原 澄子 工藤 美子 森 恵美
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

母子相互作用において、近年もっとも注目されているのは母子の行動心理学的な作用であろう。見つめあい、タッチング、抱いて揺するなどは効率よく子供の注意を喚起する効果が認められている。こういった相互作用によって母と子がしっかりと結ばれ、また、それによって子供の成長が促進されるのであれば、看護者はできるだけ長く、かつ有効にその機会を持つような援助を考えるべきであろう。本研究では母親が子どもを抱いてあやすという行動に着目し、それが児にどのような影響を及ぼすのかを観察した。その結果は以下の5点に要約できた。1.抱くという刺激は児を泣きやます効果が認められる。2.たて抱きは、刺激直後の児の覚醒状態を急激に下げ、その後、穏やかに下降させる。すなわち、児を泣きやますには即効性があり、敏活な状態にする効果が認められる。3.横抱きは、刺激直後の児の覚醒状態は穏やかに下降し、その後(40〜80秒後)、さらに下降する。4.抱き上げずに布団を掛けるだけでは児の覚醒レベルの変化は認められなかった。5.啼泣の中止や敏活性を高める目的では運動感覚に対する刺激が有効である。
著者
前川 昭二 斉藤 勝也
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.51, no.595, pp.412-418, 2003-08-05
参考文献数
8

An airship has usually two or three ballonets in its envelope in which air is contained. Its buoyancy and attitude control is performed by changing the air content of each ballonet. It is said that ballonet slosh may influence airship's stability or ride quality. However, no quantitative treatment has been performed so far to investigate this phenomenon. In this paper the coupled equations of an airship longitudinal motion are formulated by modeling the ballonets as cylindrical containers. Some numerical calculations are performed for a 25m class airship and it has been shown that the ballonet slosh may become a design issue when the shape of the ballonet is thinner or when the size becomes larger.
著者
前田 松韻 藤岡 通夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.49, no.598, pp.1-12, 1935-04-29

本著は吾國に於ける過去の都城の中で最も光彩を放つたと考へられる平安京に就て、先づその都市計畫上の性質、變遷を明にした後、古圖、古記録、繪巻物等を參考として復原的概見圖の作製を試みたものである。
著者
福永 伸哉 高橋 照彦 寺前 直人 清家 章 都出比 呂志 伊藤 聖浩 禹 在柄 朴 天秀 ロラン ネスプルス
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、おもに1990年代以降の新たな考古資料の分析と効果的なフィールドワークを結合させることによって、古墳時代政治史を考古学的に考察した。その結果、弥生終末期から古墳後期まで、中央性を持つ政治権力が畿内地域に一貫して存在したが、その内部では主導権の数度の移動が認められ、これが「政権交替」と呼ぶべき政治変動であったという理解に到達した。そして、この政治変動の背景には、大和盆地と河内平野に基盤を置く2つの地域集団の対抗関係が存在したのではないかという仮説を提示した。
著者
大竹 登志子 菊池 和則 前川 佳史 石井 腎二 菊池 和則 前川 佳史 石井 賢二
出版者
(財)東京都老人総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高齢者の排尿障害に対して,現状では泌尿器科あるいは婦人科外来で対応しているが,まだ十分とはいえない.そこで当事者本人がアクセス可能な「さわやか(排尿)相談室」を導入し,その効果をみた.成果として,1)排尿状態の現状と本人の理解度と日常生活実態が分かりやくし,高齢者が記入しやすい冊子「さわやか日誌(排尿日誌)」と「高齢者排尿問題解決問診表(老研・大竹版)」を作成した.2)個別の面談ケアにより,高齢者の排尿問題解決に面談ケア方法という手法が開発され,このシステムを東京都老人医療センターに導入した.
著者
前原 直樹 佐々木 司 松元 俊
出版者
(財)労働科学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,1週間から10日前後の実験研究およびフィールド調査において,睡眠脳波による睡眠構造の変化と,尿中17-KS-Sと17-OHCSのバランス,主観評定,生活時間調査および疲労感の評定尺度との関連を捉え,「睡眠不足」状態を定義,新しい疲労観測法を開発することを目的として行った。実験研究は,10日間にわたる5時間睡眠短縮実験であり,フィールド調査は16時間連続夜勤を行う病棟看護師であった。実験室実験の結果は,数週間にわたる慢性疲労状態では,労働日,特に勤務週の後半日において眠気や身体のだるさなどの疲労感の増大や熟眠感の低下が見られ,勤務や勤務後の生活に意識的な努力が必要となる事態が出現,その睡眠時の尿中S/OH値も低下した。また,休日でもこれらの値は回復せず,主観評価値や尿中S/OH値の低下が持続し,2日程度の休日では休息効果が認められなかった。またフィールド調査では,休日日数が1日の場合より2日以上の連続となった場合のS/OH値は大きい値を示した。2連続休日における健康水準が良好であることが示された。中でも特に3日以上の場合に有効性が高い結果が示された。2勤務サイクル調査での連続休日が2日以上配置されていた例の解析からは,尿中S/OHの変化の結果は3パターンが見られた。また,休日後の尿中S/OHの変化が次第に低下する事例において,連続休日が健康水準を回復させる上でどの程度有効となっているのかを検討した結果,図示された3例とも尿中S/OHは上昇していた。休日における生活調整の結果が示唆された。したがって,これらのことから,尿中17-KS-Sと17-OHCSのバランスは,睡眠短縮実験の疲労回復度との相関が高く,測定時点も少なく,調査対象者の負担も少ないことから,慢性疲労指標として有効性が高いと結論付けた。
著者
若林 隆三 伊東 義景 原田 裕介 北村 淳 杉山 元康 明石 浩司 前田 徹 戸田 直人 土屋 勇満 加藤 久智 池田 慎二 D Mark RYAN
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.5, pp.107-131, 2007-03

1995年~2004年の10シーズンにわたり,信州大学演習林研究室(現AFC 研究室)では中央アルプスの山岳林標高1300~2700mの比高100m毎の15定点において,毎月積雪全層の断面観測を行った。総数500ピット(深さ平均112㎝,累計558m)のうち,密度を測った雪層数は2610層(平均厚さ15.6㎝)である。観測結果と考察の大要は以下の通りである。1.中央アルプスは厳冬期には麓から気温が低いため,標高にともなう雪質の変化が少なく,造晶系(こしもざらめ,しもざらめ)の雪が多い。多雪年には焼結系(こしまり,しまり)が増加し,寡雪年には造晶系の雪が増加する。2.標高と雪層密度の正相関は液相系のない1月2月の厳寒期に高い。3.積雪が多い厳冬期には,新雪が供給される上層と,長期間の変態を経た下層では,雪質と密度が大きく異なる。下層は圧密により密度が増大し,上層は風成雪により密度が増大する。4.上載積雪荷重と層密度との相関は,焼結系で高く圧密が顕著で,造晶系,液相介在系(氷板,ざらめ)の順に相関が低くなる。5.標高が高いほど,細粒のこしまり雪が出現する。高所では低気温と強風により吹雪で雪粒が粉砕される機会が多いことを,粒度が示している。12~2月の粒度が細かいこしまり雪では,粗いものよりも密度が高い。上載積雪荷重が小さい雪面付近でこの傾向が顕著である。したがって標高が高いほど吹雪頻度が高く,微少な結晶破片の堆積した雪面の隙間に氷の粉塵が充?され,焼結の進行によって高密度の風成雪が生まれると推定される。6.12~6月の月積雪深は標高と1次の正相関を示す(相関係数0.91以上)。一方,積雪の全層密度と標高とは中程度の1次の正相関を示す。これらの結果,毎月の積雪水量は標高との2次曲線関係で増加する。7.積雪深が50㎝をこえると,地面と接する積雪下層の平均温度は0℃に近い。
著者
前野 紀一 成田 英器
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.18-31, 1979-10

日本南極地域観測隊か得た,みずほ基地の雪の密度のデータ数は,第11次,第12次および第13次のものを合計すると3635にのぼる.これらの測定結果を吟味,整理したものを使って「圧縮粘性係数」の深さ分布が求められた.みずほ基地の雪に限らず,一般に極地の雪の圧縮粘性係数は,季節的積雪,たとえば北海道の雪に比べて約100倍大きい.これは,極地における長期間の圧密過程において,氷粒子間の結合が極度に成長したためと解釈されるみずほ基地の雪において,密度の測定値は,深さ約30m〜40mの領域で,大きく振動し,かつ平均的傾向曲線からはずれた.圧縮粘性係数は,この深さ領域で鋭い極大を示した.これらの結果は,この層の雪が蓄積した時,年間蓄積量の少ない寒冷な時期が繰返しかつ持続して襲来したことを示唆する.その時期は,雪の年間蓄積量から約300年前と推定される.
著者
中前栄八郎 多田村 克己 西田友是
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1077-1085, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文は 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を表示するための手法として 処理の速いスキャンラィン法を基本とし 局所的にレイトレーシング法を適用する手法を提案するものである.レイトレーシング法は 光の鏡面反射・屈折を考慮することが可能なことや 各種形状の物体を取り扱えるメリットがある一方 一般に探索する光線と物体との交点を求めるために膨大な計算時間を必要とする欠点がある.そこで 外接箱(bounding box)を用いてこの計算量を節減する手法が開発されている.しかし この手法は 光源数が増すにつれ 影の計算時間が大きな割合を占める欠点がある.これらの問題を解決し 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を高速に表示するために 次のような特徴を持つ手法を提案する.1)レイトレーシング法は鏡面反射や屈折を考慮する物体のみに適用する.この際 可視面(視点からの光線と最初に交わる面)は スキャンライン法によって容易に求められるから レイトレーシング法を適用する領域を容易に局所化することができる.2)レイトレーシング法を適用する際の視点からの光線の探索および形の処理に 外接箱と影空間(shadow volume)を用いる.これにより 計算点に他の物体が影を落とすか否かの判定を高速化できる.
著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
寺田 努 塚本 昌彦 柳沢 豊 須山 敬之 宮前 泰恵
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ウェアラブルコンピューティングを手術時や災害時などに実践的に利用するためにはハングアップなどの不慮のトラブル時にも情報提示を継続することが必要である.そのため,システムダウン時に周辺デバイスが動的に結合し,PC 本体無しでも提示を継続する仕組みを実現した.提案手法では状況認識技術を用いて,システムダウン時に現在の入出力デバイスの組合せから人間の認知特性を考慮した最適な組合せを決定する機構をもつ.