著者
東海林 亙 前田 美香
出版者
秀潤社
雑誌
細胞工学 (ISSN:02873796)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.428-433, 2001-03
著者
前川 紘一郎
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.123-129, 2005-03-31

昼間に金星を観測するために,太陽・金星のデータ(赤経・赤緯)に基づき,前もって観測場所での金星南中時刻・南中高度を計算,その時刻にその方向へ望遠鏡を合わせることにより観察する。望遠鏡視野の中にある金星と太陽・地球位置を宇宙空間の中で立体的にとらえ,これらの3天体を俯瞰した視点にたち,それらをひとつの太陽系景観として把握することを試みた。昼間の青空を背景にして金星が視野のなかに光り輝いている姿,特に金星の満ち欠けの状態が見える場合は,満ち欠けの状態に基づいて,太陽・金星・地球が存在する太陽系空間の中にいる人間(観測者)を意識する立場から,空の中にその時の光景を考えることが可能となる。そして太陽系天体としての地球を再認識し,宇宙の中にいる人間という自然観を少しでも実感・深めることが可能と思われる。また自然現象を見ている観測者を,自然の構造の中に含めて(自然と一体となって)理解することにより,人間も自然の一部であるという認識,自然との連帯感が得られることを期待したい。
著者
高津 光洋 福永 龍繁 中園 一郎 吉岡 尚文 西 克治 前田 均 三澤 章吾
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

わが国では,乳幼児の突然死に対し安易に乳幼児突然死症候群(SIDS)と診断され,特に剖検せず,あるいは剖検所見を無視したSIDS診断も多い.このような状況から脱却するために,本研究班は文科省科研費の補助のもとに,平成11年3月「SIDS診断の法医病理学的原則に関する提言」を報告した.今回の目的はこの提言による乳幼児死亡例の死因診断を検証し,提言内容を再検討することにある.前回各大学から収集した乳幼児突然死剖検例307例中122例がSIDS群と診断されていたが,提言に従ってretrospectiveに再検討した結果,SIDSと診断せざるを得なかったのは14例であった.これは全対象例307例の5%,SIDS群の11.5%にすぎなかった.提言前後の乳幼児死亡の推移を厚労省人口動態統計で検討したところ,SIDSはほぼ半減していた.乳児死亡自体が減少しているものの,安易なSIDS診断に対して提言が警鐘となったと思われる.次に乳幼児剖検例における死因診断において,客観的根拠となり得る診断指標について,剖検所見のみならず中毒学的,病態生理・生化学的,微生物学的検査を含め検討し,窒息死と肺感染症の死因診断根拠を提示した.更に,臓器重量,溢血点の有無等の剖検所見について死因別に検討し,死因診断と死亡過程の病態分析のための客観的指標として病理形態的所見の定量分析が有用であることを示唆した.更に,実際の裁判例において提言内容を積極的に鑑定や意見書等で主張してきた.又,乳幼児急死例における虐待,揺さぶり症候群,ライ症候群など死因判定の難しい疾患についても注意を喚起した.わが国では乳幼児死亡例の剖検例が少なく,本研究年度を越えて提言の更なる検証と死因診断の客観的根拠に関する研究の必要性を認識している.
著者
前川 陽一 中村 亨 仲里 慧子 小池 隆 竹内 淳一 永田 豊
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.167-177, 2011-11-15
被引用文献数
2

2009年4月と10月の2回にわたって,勢水丸を潮岬周辺に派遣して,詳細な海況の観測を実施した。串本・浦神の検潮所間の水位差は,しばしば黒潮流路が直進路をとっているか,蛇行路をとっているかの指標として用いられる。従来にない密な観測点を設けることによって,この水位差は串本・浦神の間で緩やかに起こっているのではなく,潮岬の沖,東西約6kmの幅で集中的に生じていること,また,その水位差のほとんどは,僅か150m深までのごく表層の海洋構造によって作り出されたものであることが示された。黒潮本流の流速場を支配している温度躍層以深の水温・塩分構造が直接関係するのではなく,振り分け潮のような現象によって黒潮表層水が紀伊半島南西岸にもたらされるかどうかによって水位差が生じていることをより詳細に示すことができた。
著者
綾部 恒雄 黒田 悦子 前川 啓治 森川 眞規雄 白石 さや 木村 和男 太田 和子 SIRI Gamage
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

3年間の研究・調査の結果、次のような成果を得たと考える。(1)研究対象となった3ケ国の多文化主義は、"美しい"理念から出発したというよりも、国民国家統合上の政策として登場したものである。(2)3ケ国とも、元イギリスの植民地であり、民主主義と議会政治の伝統を受け継いでいる。(3)多文化主羲の台頭は、人権思想、反人種主義、文化相対主義思想の滲述と深く関わっている。(4)3ケ国の先住民(イヌイット、ネイティブ・アメリカン、アボリジニ)は多文化主義に反対している。(5)多文化主義の理念は、国民国家の統合を破壊する'危険'を、常にはらんでいる。(6)20世紀末から加速した、グローバライゼーシヨンは、英語の使用、アメリカ的価値組の普及をもたらし、結果として多文化主義思考を弱体化し、同化志向価値を助長する。(7)多文化主義が国民国家内で一定の成果をあげた場合でも、異文化間にみられるジェンダーの相違、宗教思想(例えば、キリスト教団におけるイスラム教徒)の違いをどのように扱うかという困難な問題が残されよう。(8)現在、世界各国で視察される多文化主義は、国民国家の枠を越えることはできない。
著者
廣田 栄子 田中 美郷 前田 知佳子 芦野 聡子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.287-295, 1988

普通小学校に在籍する高度感音性聴覚障害児91例を対象とした.そのうち13例は幼児期に3年以上手指法を用い聴覚と読話を併用していた (指文字6例, キュード・スピーチ7例) .幼児期より聴覚口話法を用いた78例の検査結果と比較した.被検児に対し読書力検査と失語症構文検査を行い言語力を評価し, 57S語音明瞭度検査と単語了解度検査を用いて語音聴取力を評価した.話声位検査, 100音節発語明瞭度検査, アクセント検査を用いて発声発語力を評価し, 発話の聴覚印象によって音声障害の重症度を評価した.その結果, 幼児期に用いた言語メディアによって学童期の言語力に差は認められなかった.一方, 手指法を併用した聴力75dB以上100dB未満の症例では, 音声の韻律的障害が著しく, 聴覚口話法を用いた症例と比べて発声発話力の低下を認め, 単音節語音の弁別力の低下を認めた.これらの症例に手指法を併用するときには, 聴覚活用と音声障害の改善について配慮が必要であると結論した.
著者
前田 憲孝 佐々木 崇了 神田 鉄平 藤岡 透 古川 敏紀
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.21-24, 2011 (Released:2012-04-11)
参考文献数
7

長期の慢性外耳炎の病歴を持つアメリカン・コッカー・スパニエルで、右側頬部の膿瘍ならびに外耳道口の腫瘤形成が認められた。CT検査により外耳および中耳の占拠病変、鼓室胞腹側の骨融解が認められ、超音波手術器を用いた外側鼓室胞骨切り術および全耳道切除術により良好な経過を得た。本症例の病態として、慢性の外耳炎が引き金になり、腫瘍が形成されることで、慢性化膿性中耳炎ならびに瘻管形成による頬部の皮下膿瘍が生じたと考えられた。
著者
夏原 由博 村上 真樹 青木 大輔 中山 祐一郎 前中 久行
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.565-568, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
31

Identifying conservation units in a species and prioritizing their conservation were attempted in order to efficient conservation practice. We defined a conservation unit as a distinct populations between which individuals cannot be exchanged because of unique genetic and ecological characteristics. Conservation priority was given to conservation units that were restricted in distribution or those where habitats were not protected, because habitat loss is one of the most important factors leading to species extinction. We identified a gap between species distribution and conservation status using the land use master plan. We considered nature conservation areas, natural park areas, and protected forest areas as protected land, urbanization promotion areas as not protected, and agricultural promotion areas and private forest areas as at intermediate risk. The Japanese clouded salamander Hynobius nebulosus was used as a model species. An assessment was carried out after defining the conservation units of this species based on reported geographic variation in allozyme, mt-DNA, or morphology. The presence/absence of the species and land use regulation were recorded on a 1-km grid. The greatest numbers of records of species occurrence were in agriculture promotion areas (17.4%) and private forest areas (39.5%) with 791 records. Of the ten conservation units, the Tottori population was given at highest priority for conservation.
著者
前澤 成一郎 天摩 勝洋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.51, no.472, pp.3203-3210, 1985-12-25

擦弦の振動は,弦の曲げこわさおよび内部摩擦によって大きな影響を受ける.これらの影響は種々論じられているが,擦弦の振動を固体摩擦特性の負の減衰と空気抵抗,内部摩擦などの正の減衰のバランスという本来の自励振動の立場で解析した研究は見当たらない.本論文は級数変換を伴うフーリエ級数解法によって,以上の点を解明する解析をおこなったものである.
著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。
著者
伊勢 雄也 森田 達也 前堀 直美 轡 基治 塩川 満 木澤 義之
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.213-218, 2010 (Released:2010-08-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

現在, 麻薬及び向精神薬取締法施行規則が改正され, 麻薬小売業者間での麻薬の譲渡/譲受が可能となったが, その制度の問題点については明らかにされていない.本研究は, この制度の普及と運用上の障害を明らかにすることを目的として行われた. 全国3,000施設の薬局の薬剤師に対して質問紙による郵送調査を行い, 1,036施設より回答を得た. 麻薬小売業者間譲渡許可免許を取得することにより麻薬が取り扱いやすくなる, またはなったと回答した施設は全体の20.2%であった. 取り扱いやすくならない, またはならなかった理由として, 手続きの煩雑さに関する問題のほかに, 麻薬の譲渡/譲受の規制についての問題点が挙げられた. 以上の結果より, がん患者の除痛を適切に地域で行えるよう薬局が機能するためには, 他の医薬品と同じように「医薬品販売業者への返品を可能にする」, または「備蓄薬局からの継続的な譲渡を可能にする」などが必要であることが示唆された. Palliat Care Res 2010; 5(2): 213-218
著者
長谷川 裕記 前島 謙宣 森島 繁生
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.20, pp.1-6, 2011-07-20

本研究では動画に付随するアノテーション情報とユーザーが指定した情報に基き、画像に描写されているターゲット要素の特徴を機械学習することによって、データベース内の動画選択を行い音楽にマッチしたダンス動画を自動生成するシステムを構築した。画像内の輪郭特徴を表す特徴量、アノテーション情報を表す動画コンテンツに割り振られたタグ情報を用いて画像内容推定を行っており、先行研究より画像内の構図を考慮したダンス動画生成ができ、ユーザーがシステムを利用する際の自由度を上げる事が可能となった。This paper presents a system that automatically generates a dance video clip appropriate to music by segmenting and concatenating existing dance video clips. This system is based on machine learning for annotation and features of image. We create system can consider what object draw in the image, so user can control system more flexible than prior study. Because we use features express shape of object in image, and annotation attended videos in internet to guess what draw in the image.
著者
坂田 桐子 淵上 克義 高口 央 前田 和寛 迫田 裕子 川口 司寛
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,フォロワーの自己概念が個人的自己・関係的自己・集合的自己のどのレベルにあるかによって,選好されるリーダーシップや有効なリーダーシップ行動が異なることを実証的に明らかにした。また,変革型リーダーシップ,リーダー・メンバー交換関係,リーダーの懲罰行動,自己犠牲行動という多様なリーダーシップ行動に焦点を当てることによって,フォロワーの自己概念を変化させるリーダーシップのあり方を示した。