著者
八木原 寛 角田 寿喜 後藤 和彦 清水 洋
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.53-61, 1994-06-14 (Released:2010-03-11)
参考文献数
30

On January 30, 1992, a shallow earthquake of magnitude 4.9 followed by about 300 aftershocks occurred in a northern area of the Koshiki channel, north-western Kagoshima Prefecture. We located seismic events observed at two stations of NOEV (Nansei-toko Observatory for Earthquakes and Volcanoes) and four stations of SEVO (Shimabara Earthquake and Volcano Observatory), using Joint hypocenter determination (JHD). Hypocenters of the mainshock and its aftershocks were nearly vertically distributed at depths from 5km to 13km in a small area.Initial motions at the seismic stations of NOEV, SEVO and FMO (Fukuoka Meteorological Observatory) suggest a focal mechanism of strike slip fault type with a T-axis of NNW-SSE direction: the mechanism is very similar to those reported for the earthquakes in and around the area. The nodal plane striking in NE-SW agrees with trends of the fault system in the channel and the other WNW-ESE plane is parallel to the earthquake alignment along Amakusanada-Izumi-Kakuto areas. Hypocenters of the event and aftershocks nearly vertically distributing are, however, not consistent with any of the planes.In March of 1991, about 10 months before the M 4.9 event, an earthquake swarm (Mmax 2.9) occurred at depths around 5km almost within the same epicentral area. Namely, two different types of earthquake sequence occurred at different depths in the same area: the swarm occupied a shallower zone than the focal zone of the M 4.9 event. Although some volcanic process may be inferred from hypocenters vertically aligning, it is probably difficult to explain the fact that the earthquake swarm at shallow depths occurred about 10 months before the M 4.9 event at a deeper depth without accompanying any notable foreshocks.
著者
渡辺 信一郎 伯田 宏 松尾 敬志 原 寛 原志 兎太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.42-50, 1981-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

原は以前に灸の効果を従来の経絡説ではなく「非特異性加熱自家蛋白体療法説」を提唱した。これは今日の非特異的免疫療法に相当するものと考えられる。ラットを用い通常のモグサ施灸と同一条件なる電子灸を用い, 連日一定期間施灸し, その後, ヒトγグロブリンを抗原とし, 感作後の足蹠の浮腫増強作用, 血中抗体価の変動を測定し, 抗原にじゃっきされる炎症性浮腫は抗原抗体複合物III型の即時型反応によること, 免疫賦活剤であるレバミゾールと比較すると施灸群の方がより高い抗体価が得られ, 両者併用群で更に強い効果のあることが明らかとなった。灸の臨床面での有効性の1つに免疫増強作用のあることが示唆された。今後細胞レベルで免疫賦活作用の機序について検討を加えたい。
著者
小笠原 寛弥 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
ネットワークが創発する知能研究会(JWEIN10)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.4, 2010-08-20

「行為を決定するのは,行為者の属性と自身を取り囲む関係構造である.」これは複雑ネットワーク科学の 研究がなされる以前から社会学等でも扱われてきた,ネットワーク科学における基本的な考え方である.本研究では,こうした関係構造を結合振動子を用いてモデル化し,その性質や構造,成長におけるダイナミクスを明らかにする.更に,ノード間の相互作用とネットワークの成長の関係性について明らかにする.
著者
田城 陽菜 八木原 寛
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.75-82, 2023-06-30 (Released:2023-07-27)
参考文献数
14

We investigated temporal changes in the peak frequency of harmonic tremors accompanied by eruptions at the Showa crater of the Sakurajima volcano from January 1 to September 30, 2015. The peak frequency characteristics of harmonic tremors at the summit crater of Minamidake from 1982 to 2002 were also compared. We calculated the running spectrum of the harmonic tremors of eruptions at the Showa crater and detected their peak frequency based on the findings of Maryanto et al. (2008) by modifying the parameters. Based on the value of peak frequency and associated temporal changes, we classified harmonic tremors at the Showa crater into the following three types: nearly constant (NC), positive gliding (PG), negative gliding (NG), and others. A sharp transition, with abrupt peak frequency of the harmonic tremor changes over a brief period, was also observed at the Showa crater. Assuming that the fundamental frequency corresponds to changes in the length of the gas pocket, the length of the gas pocket was estimated to change from 110 m to 220 m at the Showa crater. Compared with the features of peak frequencies of harmonic tremors at the summit crater of Minamidake (Maryanto et al., 2008), those at the Showa crater present three differences: 1) Compared with HTB of the summit crater of Minamidake (Maryanto et al., 2008), Depending on the event, NC values had different frequency bands at the Showa crater. HTBs occur several hours after swarms of B-type earthquakes and their peak frequencies remained within a certain range (Maryanto et al., 2008). 2) The increase in f0 of PG at the Showa crater was smaller than that of HTE at the summit crater of Minamidake. HTEs occur several minutes after an eruption, as well as accompanying remarkably strong eruptions and their peak frequencies showed a gradual increase (Maryanto et al., 2008). 3) NG and sharp transitions were only recognized in harmonic tremors during volcanic activity at the Showa crater.
著者
山根 光知 青山 正 桃原 寛典 榎本 尚助 服部 晶子 野々垣 幹雄 竹市 広 足立 裕史
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.403-407, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
13

40歳の妊婦が発熱,腹痛を主訴に前医を受診し,常位胎盤早期剥離およびhaemolysis, elevated liver enzymes, low platelet count(HELLP)症候群の疑いで当院に救急搬送され,緊急帝王切開術を施行した。問診および術中所見から劇症型溶連菌感染症による「劇症分娩型」を疑い,アンピシリン,クリンダマイシンによる抗菌薬治療を術中から開始した。血液検査では溶血性貧血,腎機能障害を認め,血栓性微小血管症の合併が疑われ,早急に血漿交換を含む集学的治療を開始した。治療開始とともに全身状態が改善し,第7病日にICUから退室し良好な転帰を得られた。早期の抗菌薬治療の開始,昇圧薬投与,輸血療法,血漿交換を含む集学的治療により救命できたと考えられた。
著者
田原 寛之 ルドルフ ジェイソン クアリア 林 智広
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面と真空 (ISSN:24335835)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.141-146, 2019-03-10 (Released:2019-03-10)
参考文献数
33
被引用文献数
1

In this review, we present the current situation of designs of biomaterials using techniques of informatics. In particular, we discuss the prediction the responses of proteins and cells toward materials and data-driven design of new biomaterials. We introduce our recent work, in which we analyzed the correlation among chemical structures of molecules constituting self-assembled monolayers (SAMs), amounts of adsorbed protein, a density of adhered platelets by machine learning using an artificial neural network model. The main conclusion is that the quality of the database is a critical factor in determining the accuracy of the prediction and material design. We also discuss technical issues to develop databases efficiently and systematically to expand the possibility of data-driven strategies to design biomaterials.
著者
結城 美佳 数森 秀章 駒澤 慶憲 福原 寛之 山本 俊 雫 稔弘
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.1165-1169, 2009 (Released:2012-07-17)
参考文献数
10

われわれは,経鼻内視鏡検査時の前処置として,鎮痙剤の代替としてのPeppermint Oil Solution(以下POS)の有用性を評価するための検討を行った.健常成人8人(男性3人,女性5人,平均年齢37.9歳)を対象に経鼻内視鏡検査を施行し,POS20mlを前庭部に散布し,その前後それぞれ3分間の蠕動回数を計測した.POS散布後,前庭部の蠕動回数が有意に抑制された.その効果は散布後1分で出現し,3分まで続いた.また同時に測定した血圧,動脈血酸素飽和度,脈拍は検査有意な変動を示さず,特に副作用などは認めなかった.経鼻内視鏡検査時のPOS散布による蠕動抑制は有効であり,今後POS使用により経鼻内視鏡検査では鎮痙剤を使用せずとも,安全に十分な観察が可能である可能性が示唆された.
著者
大仲 佳祐 金子 聡 岡田 朋章 相原 寛 須山 嘉雄 若林 伸一
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.213-217, 2019 (Released:2019-10-12)
参考文献数
9

初診時に熱中症と誤診され,くも膜下出血の診断が遅れた2例を報告した.熱中症とくも膜下出血は時に症状が似ていることがあり,特に頭痛・嘔気を呈する際にはそれを念頭において詳細な病歴聴取や,FASTを用いた脳卒中の検索が必要である.くも膜下出血では,予後を大きく左右する再出血の予防が重要であり,初期診療における急務である.熱中症として症状が典型的でない場合や病歴からくも膜下出血が示唆されるような場合は,頭蓋内の精査や脳卒中専門治療を行っている施設への紹介を検討すべきである.
著者
槇原 寛 Noerdjito Woro A.
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.49-98, 2004-03

この報告はギルモア博士同定のカミキリムシ179種をカラー写真付きで紹介したものである。ギルモア博士は世界的なカミキリムシの大家で、インドネシアのボゴール動物博物館には彼の同定したカミキリムシの標本が多数ある。そして、この標本は、インドネシア産カミキリムシの同定に大いに役に立つものである。
著者
大村 智 供田 洋 乙黒 一彦 山田 陽城 宇井 英明 清原 寛章 塩見 和朗 林 正彦
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

我々は天然物由来の新規な構造の抗マラリア剤を発見するために探索研究を行った。4年間の研究期間で、天然物素材等12,832検体を北里研究所のスクリーニングセンターに提供し、in vitroでの抗マラリア活性の評価を行った。その結果、選択毒性の高い抗マラリア活性を有する天然物素材として18種を活性物質取得候補とした。微生物素材からの探索の過程で、放線菌K99-0413株、KP-4050株、K99-5147株、KP-4093株(後に、高生産株OM-0060株を選択)及び糸状菌FKI-0266株の生産する抗マラリア活性物質は各々既知抗生物質のX-206、K-41、polyketomycin、borrelidin及びleucinostatin Aであると同定された。また、抗生物質ライブラリーからは、既に当研究所で発見されたtakaokamycin (hormaomycinと同定)及びoctacyclomycinに抗マラリア活性があることが分かった。さらに、X-206、K-41及びborrelidinはin vivoで既存の抗マラリア剤(artemether, artesunate及びchloroquine)よりも優れた効果を示した。特に、K-41及びborrelidinは新規な骨格の抗マラリア剤としてのリード化合物の可能性があり、今後開発に向けて詳細を検討する必要がある。植物素材からの探索の過程では、ジンチョウゲ科植物根部に含まれる抗マラリア活性物質2種を精製し、既知のbiflavonoid誘導体のsikokianin B及びCあることを同定した。上記の化合物類の抗マラリア活性は新知見である。また、新たにな素材としての海洋生物素材、天然物由来の活性物質誘導体については、現在抗マラリア活性の評価中である。他の選択菌株及び和漢生薬からの抗マラリア活性物質についても現在検討中である。
著者
高橋 二郎 本江 信子 大木 史郎 北村 晃利 塚原 寛樹 許 鳳浩 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-17, 2015 (Released:2015-04-10)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

赤色のカロテノイドであるアスタキサンチンは,優れた抗酸化作用や様々な生理作用を有すことが知られることから,機能性健康食品素材として注目されている.これまで約 10 年の間に,アスタキサンチンに関する臨床試験が数多く実施され,その中で食品としてのアスタキサンチンの安全性が報告されている.本総説では,これら安全性に関する臨床試験の報告と,遺伝毒性及び急性・亜慢性毒性等の毒性試験の報告を,効能研究及び安全性試験の報告が最も多いヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン製品である,富士化学工業のアスタリールを中心にまとめた.更に,最新の研究に基づいて,医薬品との相互作用に関与する薬物代謝酵素へのアスタキサンチンの影響を考察した.ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンであるアスタリールの安全性は,多岐に渡るエビデンスにより確立されている.
著者
原 寛和 立本 博文
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0170327a, (Released:2018-04-19)
参考文献数
85
被引用文献数
3

製品デザインが市場成果に与える影響について、(i)企業レベル(ii)製品レベル(iii)デザイン組織レベルに分類して実証研究のレビューを行なった。いずれの研究も、製品デザインが市場成果にプラスの影響を与えることを支持している。ただし、そのメカニズムは単純ではなく、変数間の媒介効果や交互作用効果を多く含んでいる。これら既存研究のレビューを踏まえ、今後の研究として、(1)戦略的文脈の影響を考慮した研究 (2)消費者の反応を取り込んだデザインプロセスの研究 (3)デザインマネジメントの組織メカニズムの研究が必要であることを報告する。
著者
合原 一幸 宮野 悟 鈴木 大慈 奥 牧人 藤原 寛太郎 中岡 慎治 森野 佳生
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

1. 数理モデルに基づく前立腺がんの内分泌療法と他の疾患への展開前立腺がんに関しては、PSA(Prostate Specific Antigen: 前立腺特異抗原)という高感度のバイオマーカーが存在するため、数理モデルの性能を PSAデータを用いて定量的に評価することが可能である。平成28年度は、昨年度までの解析をさらに進めると共に、統計的機械学習理論を用いて、不十分なPSA時系列データからの予後予測を目指した拡張手法の研究および数理モデルによる分類と癌の転移との関係性についての検討を行った。2. 動的ネットワークバイオマーカー理論の発展とその応用本研究では、病態の変化を一種の複雑生体ネットワークの動的な状態遷移としてとらえ、疾患前後で先導して不安定化する生体ネットワークの部分ネットワーク (動的ネットワークバイオマーカー DNB) を効率的に検出する数理手法とアルゴリズムを開発している。平成28年度は、これまでの成果をさらに発展させ、あらたな遺伝子発現情報のビッグデータを解析の対象として DNB の有効性を確認した。また、DNB を効率的に検出する数理手法の理論的基盤の整理、観測データから生命システムの複雑ネットワーク構造を再構築する手法の開発、DNB 検出に応用可能なテンソル解析など機械学習手法の開発、腫瘍内不均一性を含めた癌の進化シミュレーションモデルの構築、構成要素の多様性減少による遷移方式および遷移に関わる少数因子の相互作用を記述した数理モデルの構築と分析などを行った。
著者
伊東 秀幸 大西 守 田中 英樹 桑原 寛 伊藤 真人 大塚 俊弘 野口 正行 金田一 正史 斎藤 秀一 山本 賢 呉 恩恵
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-en Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-31, 2016-03

精神障害者支援に関して,市町村は精神障害者に対して身近な地域できめ細かく支援していく役割があり,保健所はその市町村に対して専門性や広域性が必要な事項について支援していく役割がある。また,精神保健福祉センターは,保健所,市町村に対する技術援助の役割を担っている。以上のように各機関は,それぞれ異なる役割を期待されているが,精神保健福祉法の改正や障害者自立支援法の施行などもあり,精神保健福祉行政を取り巻く環境は大きく変化している。そのため,保健所,市町村そして精神保健福祉センターによる精神障害者に対する支援の現状を把握し,それぞれの機関の果たすべき役割について見直していくことが重要である。そこで本研究では,厚生労働省平成26 年度障害者総合福祉推進事業「保健所及び市町村における精神障害者支援に関する全国調査」の結果から,保健所及び人口30 万人未満の市町村のデータを抽出し,精神障害者支援に関する,保健所と市町村の役割とその現状について考察を試みた。調査の結果から,指定都市型保健所,中核市型保健所や10 万人未満,30 万人未満の市町村においては,精神障害者支援に関する様々な取り組みがされているのに対し,都道府県型保健所ではこれまでの事業を中心に実施されている現状が分かった。これは,都道府県型保健所と市町村との間で精神障害者支援に関する役割分担が進んでいることからくることと推測される。30 万人未満の市町村では,精神障害者支援に関して,これまでの都道府県中心から市町村主体と変わっているが,その実施にあたり様々な困難を抱えており,これからも都道府県(保健所)等のバックアップが必要と考えている。そのための具体的な対策としては,保健所や精神保健福祉センターによるバックアップ体制を強化するとしている。一方,保健所は,今後重要となる精神保健福祉業務の体制については,管内市町村との連携強化を考えているという現状が把握できた。精神保健福祉センターに対する調査では,精神保健福祉センターの業務のうち保健所への技術援助は積極的に取り組む必要があるとしている。以上のことから,今後,保健所から管轄市町村に対して,これまで以上に技術援助や連携を進めていくことが必要であり,精神保健福祉センターからの技術支援は,保健所はもとより直接的に市町村にも積極的に進めることが課題であると思われる。また,「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」は,平成18 年に発出以来10 年が経過していることから,現状にあった改訂の必要性があると思われる。
著者
原 寛美
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.516-526, 2012
被引用文献数
6

脳卒中後に生じる可塑性の知見に基づき,脳卒中リハビリテーションは進められる必要性がある.Critical time windowと呼ばれる発症後2〜3週以内に,効果的なリハビリテーションの介入をすることが可塑性を最大限に引き出すことになる.急性期からの運動機能回復のステージ理論が提唱されている.急性期は残存するcorticospinal excitabilityに依拠する回復であり,3ヵ月で終了する.その後3ヵ月をピークに生じているメカニズムは皮質間抑制が解除されるintracortical excitabilityであり6ヵ月まで続く.その後6ヵ月以後も続くのはtraining-induced synaptic strengtheningのメカニズムである.それぞれの時期に効果的なリハビリテーションプログラムを選択する必要性がある.治療的電気刺激,ミラーテラピー,課題志向的訓練などがプログラムの選択肢となる.経頭蓋磁気刺激と集中OT(Neuro-15)は,従来は困難であった慢性期における上肢手指麻痺改善に向けた新たなリハビリテーションの手法である.