著者
古村 哲夫
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.48, no.555, pp.265-273, 2000-04-05 (Released:2019-04-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
古川 弘子
出版者
日本通訳翻訳学会
雑誌
通訳翻訳研究 (ISSN:18837522)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.77-96, 2021 (Released:2022-05-09)
参考文献数
56

This study analyses the Japanese translation of Our Bodies, Ourselves (The Boston Women’s Health Book Collective, 1984). Our Bodies, Ourselves was an epoch-making text, as it advocated reproductive health and rights, 20 years before the Cairo Declaration defined them. The book has played an important role in women’s health worldwide—it has sold around 4.5 million copies and has been translated into thirty languages all over the world (Bessaïh & Bogic, 2020, p. 520). The Japanese translation Karada, Watashitachijishin (Our Bodies, Ourselves Japanese Translation Group, 1988) is worth exploring because it not only introduced the notion of reproductive health and rights to Japan, but it also provided a voice for Japanese women. Therefore, this study will conduct a comparative analysis of the source and target texts, to investigate the attempts, from a feminist translation perspective, to capture the original in the Japanese version.
著者
古池 謙人 東本 崇仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 先進的学習科学と工学研究会 75回 (2015/11) (ISSN:13494104)
巻号頁・発行日
pp.11, 2015-11-10 (Released:2021-06-28)

People usually deal with much information, and judge next what to do in an instant. Therefore, it is useful to support for acquisition of an ability which can be judged instantly. In this paper, we designed a learning support system for instant judgement ability in the FPS game. The system provide a situation of its actual game that has much information, and let them judge how to behave in the situation. A learner makes himself structure tacit knowledge used for a judgement after it. This activity facilitate their reflection and to understand their error of judgement. In addition, by increasing complex of the situation gradually, our system lead deep understanding. To realize the system, we describe structuring FPS game and the judgement.

3 0 0 0 考古界

著者
考古學會 [編]
出版者
考古學會
巻号頁・発行日
1901
著者
西口 麻奈 渡邊 有史 上中 智香子 古川 福実 小森 涼子 安井 昌彰 村田 顕也 伊東 秀文 立石 千晴 鶴田 大輔 石井 則久 金澤 伸雄
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.126, no.13, pp.2433-2439, 2016-12-20 (Released:2016-12-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

大阪府出身の74歳男性.65歳時に四肢の異常感覚が出現し,67歳頃から歩行困難となった.70歳時に顔面と四肢に環状・不整形の浸潤性紅斑が出現し,73歳時に皮膚病理所見と血中ACE高値からサルコイドーシスと診断され,以前から腎障害に対して内服していたプレドニゾロンを継続した.74歳時に当院神経内科に入院し多発性単神経炎と診断され,皮疹について当科紹介となった.兎眼を呈し,皮膚スメア検査と病理組織のFite染色にて多数のらい菌を認め,多菌型ハンセン病と診断した.多剤併用療法にてスメア菌量は減少したが,血中ACE値上昇を伴って皮疹と神経症状が徐々に悪化したため,1型らい反応と診断しプレドニゾロンを増量した.
著者
関矢 信康 引網 宏彰 古田 一史 小尾 龍右 後藤 博三 柴原 直利 嶋田 豊 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.811-815, 2004-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

難治性の気管支喘息の3症例に対して咽喉不快感, 動悸, 自汗を目標として清暑益気湯を投与した。目標とした症状および所見は速やかに改善した。さらに発作の回数が著明に減少あるいは消失した。そのほか3症例に共通していた事柄は中年期であること, 発作が通年性であること, 心窩部不快感, 心下痞〓, 臍上悸を認めることであった。これまで清暑益気湯は夏やせ, 夏まけに対して用いられることが多かったが中年期の気管支喘息の長期管理薬 (コントローラー) としても認識されるべき処方であると考えられた。
著者
赤羽 秀 川古谷 裕平 岩村 誠 岡本 剛
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
pp.168-175, 2022-10-17

IoT 機器の普及に伴い,Linux 環境を標的としたマルウェアが増加している.Linux で動作するプログラムの効率的な動的解析を行うためのツールとして,動的結合されたライブラリ関数の呼び出しをトレースする ltrace がある.しかし,過去の研究からほとんどの IoT マルウェアは静的結合されていることがわかっているため,ltrace では一部の IoT マルウェアしか解析できない.また,IoT 機器では様々なアーキテクチャが使用されているため,アーキテクチャに依存せずにマルウェアを解析できる技術が求められている.本研究では,IoT マルウェアの解析支援を行うために,静的結合されたライブラリ関数をアーキテクチャに依存せずにトレースする手法として xltrace を提案する.xltrace は,静的結合されたライブラリ関数の呼び出しをトレースする機能を QEMU の中間表現層で実装することによって,特定のアーキテクチャに依存しないライブラリ関数のトレースを実現することを目指す.提案手法の評価を行った結果, SPARC と SPARC64 を除く 10 種類のアーキテクチャの IoT マルウェアについて,xltrace が静的結合されたライブラリ関数をトレースできることを確認した.
著者
古村 健太郎 金政 祐司 浅野 良輔
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si5-5, (Released:2023-04-19)
参考文献数
33

本研究の目的は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって,夫婦の相互依存性がどのように変化したかを検討することであった。分析対象は,2017年2月から2020年10月までの7時点縦断調査に回答した夫婦289組であった。スプライン成長モデルによる分析の結果,関係満足度や接近コミットメントは,夫婦ともにCOVID-19の流行までは減少していたが,COVID-19の流行後に妻では増加傾向を示し,夫では変化しなくなった。一方,回避コミットメントは,夫婦ともに,COVID-19の流行までは増加しており,COVID-19の流行後にさらに増加していた。また,COVID-19後の傾きと世帯収入や在宅時間の増加との関連を検討したものの,これらの間に関連は示されなかった。以上の結果から,COVID-19の流行は,収入やCOVID-19の流行による生活の変化に関わらず,夫婦の相互依存を強める機会になったことが示唆された。
著者
岸本 直之 古田 世子 藤原 直樹 井上 栄壮 馬場 大哉 武井 直子
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.69-75, 2023 (Released:2023-05-10)
参考文献数
29

マシジミ (Corbicula leana) と推定される琵琶湖産淡水シジミのろ水速度および呼吸速度の水温, 溶存酸素 (DO) 濃度依存性を実験や文献調査を通して明らかにし, その生育可能条件を評価した。殻長14.9 ± 1.2 mmの成貝を用いた実験の結果, ろ水速度は水温およびDO濃度に依存した。水温影響は高温阻害を有する指数型影響関数で表現でき, 至適水温は20.8 ℃であった。ろ水速度が低下し始める限界DO濃度は2.6~4.0 mg L-1の範囲にあった。琵琶湖南湖湖底直上における平均餌濃度を3 mg-C L-1と仮定した場合, DO濃度 ≥ 4 mg L-1の条件で成長可能な温度域は12.1~26.6 ℃と評価された。湖沼温暖化により水温が1 ℃上昇すると年間成長量は0.005~0.01 g-C y-1 個体-1低下すると推定され, 湖沼温暖化が琵琶湖におけるシジミの生育に負の影響を与えることが明らかとなった。
著者
餅原 弘樹 山本 泰大 川村 幸子 木下 寛也 古賀 友之
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.165-170, 2023 (Released:2023-06-19)
参考文献数
8

Mohsペースト(以下,MP)は,悪性腫瘍による皮膚自壊創の症状を緩和させる.MPの使用は患者のQOLを改善させる一方でさまざまな使用障壁が報告され,とくに在宅医療での使用報告は少ない.われわれはガーゼを支持体としてMPを厚さ約1 mmにシート化する工夫により,在宅医療でMP処置を実践している.本報ではその具体例を,訪問診療を受ける乳がん患者への使用を通して報告する.患者の主な症状は滲出液による痒み,臭気,自壊創そのものによる左上腕の動かしにくさであったが,週1回の処置を3回実施した後,いずれの症状も改善した.MPのシート化により,物性変化や正常皮膚への組織障害リスク,処置時間や人員配置といった使用障壁が下がり,MP処置を在宅医療にて開始できた.MPはシート化により,居宅でも初回導入が可能であり,既存の報告と同様に症状を抑える効果が得られる可能性が示唆された.
著者
木内 寛 古賀 実 平井 利明 難波 行臣 竹山 政美 西村 憲二 辻 村晃 松宮 清美 奥山 明彦
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.480-486, 2005-05-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

(目的) 精索静脈瘤を有する男性不妊症患者に対し, その根治術による精液所見の改善や, 妊孕率の上昇がこれまで報告されている. その有用な術前予測因子を検討した報告も多数見られるものの, これらは単変量解析にて議論されている. そこで我々は様々な因子を補正したロジスティック多変量解析を用いて, 術後精液所見改善の独立した予測因子を検討した.(対象および方法) 1995年2月から2000年3月までに不妊を主訴として当科外来を受診し, 触診または超音波ドップラーにて精索静脈瘤を認め, 内精静脈結紮術を行った152例のうち無精子症の13例を除いた139例を対象とした. 静脈瘤の grade, 患者の年齢, 精巣体積, 血清 luteinizing hormone (LH), follicle-stimulating hormone (FSH), テストステロン, 術前精子濃度, 運動率術後が精液所見改善の予測因子となりうるか検討した.(結果) 139例のうち71例 (51.0%) に精子濃度の改善が認められ, 59例 (42.4%) に精子運動率の改善が認められた. 全体で見ると, 精子濃度は中央値で10×106/mlから30×106/mlに有意に改善し, 運動率も同様に33%to45%に有意に改善した. 多変量回帰ゐ結果, 術後精子濃度改善の独立した予測因子は静脈瘤の grade (odds ratio [OR]=5.7; 95% confidential interval [CI]: 1.9~17) とFSH ([OR]=0.76; [CI]: 0.60~0.96), 術前運動率 ([OR]=1.03; [CI]: 1.0~1.1) であった. その他の年齢, 精巣体積, 血清LH, テストステロン, 術前精子濃度は濃度改善と相関は認めなかった.(考察) 手術により最も精子濃度の改善が期待できるのはFSHが低く, 術前運動率が高い, G3の患者であった.
著者
古川 不可知
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第57回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A10, 2023 (Released:2023-06-19)

本発表の目的は、日本における一般登山とキャンプの実践を取り上げ、「戸外outdoor」にあることが持つ意味と、そこから想像される理念的な「ホーム」について考察することである。具体的には、①戸外と人類学がどのような関わりのもとにあるのかを整理する。②現代日本のアウトドア観光における語りと実践を、登山とキャンプを対比しつつ報告する。③あるべきホームが戸外からどのように想像されているのかを論じる。
著者
古家 真之介
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.766-772, 2021-12-05 (Released:2021-12-05)
参考文献数
21

自然科学の分野の一つである計算科学は,科学技術計算により支配方程式の解を求めて現象を理解していく.この科学技術計算は非常に時間がかかる計算を実行することが多く,ハイパフォーマンスコンピューティング(High Performance Computing,HPC)の技術が不可欠となっている.例えば計算を高速化するためにアクセラレーターを利用する方法があり,その一つがGPU(Graphics Processing Unit)である.初期のGPUは3Dレンダリングのように決まった処理を実行するのみであったが,プログラマブルシェーダーの登場により処理内容を動的に変更できるようになった.さらにCUDAの開発により,グラフィックス以外のアプリケーションでも比較的容易にGPUを利用できるようになった.アプリケーションをGPUで高速化するには,大きく分けて3つの方法がある.GPUで高速化されたライブラリを用いる方法,既存のC/C++やFortranのプロブラムでOpenACCを利用する方法,そして専用の言語であるCUDAを用いたプログラムを書く方法である.GPUコンピューティングの黎明期は選択肢が少なくCUDAを用いることが多かったが,最近ではコンパイラが成熟してきたこともありOpenACCの利用が増えている.科学技術計算では,対象となる数値計算の規模が大きくなると,スーパーコンピューターを用いるのが一般的である.そのランキングTOP 500では2010年代に入るとアクセラレーターを搭載したものが増えており,GPUが多数を占める.初期のGPU搭載機として有名なのは,長崎大学のDEGIMAと東京工業大学のTSUBAMEである.つまり,最近のスーパーコンピューターのトレンドであるGPUの搭載は,日本から始まったのである.実際のアプリケーションでは,メモリアクセスが速いことを活かして流体解析に用いられることが多かった.分子動力学のシミュレーションもGPU黎明期からその利用に積極的で,第一原理計算など様々な分野でも使われるようになってきた.最近では機械学習を利用するものもある.第一原理計算の精度で分子動力学のシミュレーションを実行するには,現在では多くても数千原子程度の規模である.しかし機械学習ポテンシャルを用いることにより,第一原理の精度を保ったまま1億原子のシミュレーションを実施した例が出てきた.また機械学習だけで物理量を得る方法も開発が進んでおり,例えばPhysics-Informed Neural Network(PINN)は,非線形微分方程式で記述される物理法則に従うモデルを構築することができ,流体解析において流速と圧力が通常の流体解析と定性的によく一致するなどの結果を得ている.これらとは全く異なる新しい流れとして,量子コンピューターも最近話題となっている.そのシミュレーターでは,GPUを用いることにより量子回路シミュレーションに必要な状態ベクトルの演算やテンソルネットワークのシミュレーション速度が飛躍的に向上するのである.機械学習がGPUで高速化されたことにより,科学技術計算でも機械学習を利用する例が増えている.このようにGPUコンピューティングはこれからも新しい世界を切り拓き,様々な分野への適用が広がっていくであろう.
著者
武末 慎 古達 浩史 村木 里志
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.310-319, 2021-12-15 (Released:2022-03-24)
参考文献数
31

本研究は,足と靴のフィット性を評価するための指標としての足甲接触圧に対して靴下の有無が与える影響を検討することを目的とした.被験者は若年男性12名(年齢,23.6±1.0歳)を対象とし,普段通りの速度で歩行動作を行った.実験条件は,靴下を履かずに靴を履く,靴下に加えて靴を履くおよび靴下のみを履く3条件とした.薄型圧力センサを用いてそれぞれの靴条件での歩行動作中の母趾球上面,腓側中足点,第二楔状骨点および踵点の足甲接触圧を計測した.接触圧のデータは,歩行周期を荷重応答期,立脚中期,立脚終期,前遊脚期および遊脚期に分類し,各歩行相における平均値を算出した.足甲接触圧では,靴を履いた条件で靴下のみを着用した条件よりも接触圧が増加する部位および歩行相が多く,靴着用により接触圧増加が生じていることが示された.一方で,靴着用時の靴下の有無条件間では接触圧に有意な差がみられた部位および歩行相は認められず,靴着用時では足甲接触圧に対して靴下の有無が与える影響は小さいことが示唆された.
著者
川上 貴代 平松 智子 田淵 真愉美 我如古 菜月 山本 沙也加 秋山 花衣 岸本(重信) 妙子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.32-39, 2022-02-01 (Released:2022-03-12)
参考文献数
14

【目的】本研究は病院給食におけるハラール対応の現状を調査し,イスラーム教など宗教や食の信念をもつ患者の受け入れ体制の整備や対応の基礎資料とすることを目的とした。【方法】中国地方A県内の病院161施設に所属する管理栄養士を対象に,2019年12月,病院での個別対応食に関するアンケートを郵送し自己記入式アンケート調査で実施した。122施設(回収率75.8%)から回答を得てすべて解析に用いた。解析はχ2 検定,またはFisherの直接法で行った。【結果】宗教への個別対応の実施率は30.3%で病床数が多い病院ほど実施している傾向があった。ハラール対応経験のある割合は,調査対象全体の14.8%であり,既存献立の禁忌食品を除去・代替えして提供する病院が多かった。無効回答を除く120例のうちでハラールについて知っている,または聞いたことがあると回答した者は87.5%であり,ハラールを知っていると答えた者は全く知らないと答えた者と比較して,留意すべき食品として「豚肉」「アルコール飲料」「アルコール類」を選択する者が有意に高く,「醤油」については選択する者が高い傾向であった。【結論】今回,対象とした病院管理栄養士のハラールの認知度は高い一方で,給食における対応経験のある病院は少なかった。ハラール対応の具体的方法に関して,施設間での情報共有や学習の機会を持つことが重要と考えられた。
著者
森 槙子 平島 徳幸 大津 正和 古場 慎一 藤﨑 亜紀 藤﨑 伸太 三砂 範幸 成澤 寛
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.555-561, 2014-12-01 (Released:2015-04-16)
参考文献数
18

われわれは,2005 年から 2013 年の 8 年間に 5 例の aquagenic palmoplantar keratoderma (以下 APK) を経験した。全症例が 3 歳から 17 歳までの若年女性であった。入浴時や運動時などの手掌や足底の過度な浸軟という主訴や問診をもとに手部浸水試験を施行し,「hand in the bucket」 徴候を認め APK と診断した。診察時には特に症状を認めない例や,一見手湿疹や掌蹠角化症 (palmoplantar keratoderma) 様の症状を呈する例を経験した。症例 1,2 では皮膚生検を施行し,病理組織学的に過角化と角層内汗管の開大を呈していた。全例,塩化アルミニウム溶液の外用にて加療したところ,1 例では改善に乏しかったが,他 4 例では効果を認めた。掌蹠における難治性の湿疹性病変や過角化を有する若年の患者をみた際には病変部が浸軟しやすいかを確認し,わずかにでも APK を疑う場合,積極的に手部浸水試験を行うことが望ましい。

3 0 0 0 多摩考古

著者
多摩考古学研究会 [編]
出版者
多摩考古学研究会
巻号頁・発行日
1960
著者
古川 智恵子 中田 明美 フルカワ ナカタ C. FURUKAWA A. NAKATA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-12, 1985-03-01

"現代のように,上に衣服を着ける社会では,褌は下着として軽視されやすいが,本来は前布によって紐衣を飾るハレの衣装であった.従って,わが国においても,昭和初期頃まで漁山村を問わず,仕事着として用いられていた事は,納得のいく事である.人間は権力を現わす手段の一つとして衣を用いてその形を変え,幾多の装飾を施してきた.しかし,褌は表着のめまぐるしい変化に対して,簡略化される事はあっても,大きく変化する事はなかった.それは,褌が人間工学的な機能美を最も追求した「衣」だったからである.シンプルな衣によってアピールするには,素材が一番重要なポイントである.従って,長い歴史の中で木綿だけでなく,絹羽二重や縮緬等の高価な素材も用いられるようになったのである.褌は,現在のファッションの動向である,最小限度という「ミニマル」の真髄を何千年もの間保ち続け,生きた日本文化を今日に伝える貴重な文化財である.伝統ある褌の形態や機能性は,時代の新しい息吹きを吹きこまれながら,若者の下着やビキニに,今後も脈々と生き続けていくであろう.褌のルーツを探る事によって日本文化の一端にふれ,愛着やいとおしさを覚えるものである."
著者
古松 丈周
出版者
関西大学経済学会
雑誌
関西大学経済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.151-170, 2022-03-10

本稿の課題は、ポール・A・バランがふたつの移行論争を乗り越える議論を示していたことを明らかにすることである。ここで、ふたつの移行論争とは、1950年代にモーリス・ドッブ、ポール・M・スウィージーを中心とした論争、そして1970年代にアンドレ・G・フランクとエルネスト・ラクラウを中心とした論争である。封建制から資本主義への移行について、ドッブはその内的矛盾に起源を求め、スウィージーは商業の復活による外的力にその起源を求めた。後にフランクはこの論争を内的矛盾と外的力の相互作用として止揚し、資本主義の進入によって資本主義となった周辺を低開発と分析した。フランクを批判したラクラウは、低開発は封建制と資本主義の両立から生まれることを指摘した。バランは『成長の政治経済学』でこれらの論点をすでに指摘し、さらに資本主義的合理性を歴史的に把握し、批判する客観的理性による批判を示していた。