著者
田副 博文 細田 正洋 反町 篤行 中田 章史 吉田 光明 床次 眞司 山田 正俊
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.67, 2011 (Released:2011-09-01)

東日本大震災に伴う津波によって発生した福島第一原子力発電所事故は多くの人工放射性核種を環境中へと放出した。原子力発電所周辺に設置されたモニタリングポストの計測値も3月14日から16日にかけて非常に高い空間線量率が示しており、1号機および3号機の水素爆発による拡散が主要な放出源となっていると考えられる。放出された放射性物質は川俣町、浪江町、飯舘村のある北西方向へと輸送され地表へと沈降し、不均一に分布している。弘前大学では3月16日より住民の被ばく状況調査と環境試料の採取を行った。NaIシンチレーションサーベイメータを搭載した車両を用いて青森県から福島県にかけての走行サーベイを行うとともに南相馬市、飯舘村、浪江町を含めた福島県内の土壌・植物・水試料の採取を行った。南相馬市から採取された植物試料からは131Iや134Cs、137Csが非常に高い濃度で検出されている。また、特に高線量の地域で採取された試料からはNp-239、Ce-144、Ce-141、Ra-226、129Te、Ru-103、Nd-147、Ba-140、Sr-91、137Cs、129Tem、Zr-95、Zr-97、95Nb、Tl-206、Mn-54、Ag-110m、Y-91、La-140、Sb-124など様々な核種が検出されている。131Iを含めた短寿命の核種の多くはすでに減衰しているが、Cs-131や137Csのような比較的寿命の長い核種に関しては今後もモニタリングと動植物への取り込みに関する情報を常に監視する必要がある。Sr-90やPuのような内部被ばくにかかわる核種に関してのデータの取得は限定的であることから速やかに化学分析を行うことが求められる。弘前大学では福島市内に活動拠点を設け、今後も長期的なモニタリングを継続していくことを予定している。

26 0 0 0 OA 花粉症について

著者
吉田 博一
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.61-67, 2003 (Released:2003-06-06)
参考文献数
18

花粉症は,アレルギー性鼻炎を好発時期によって通年性と季節性に分類し,季節性のうち花粉を原因とするものであり,季節性アレルギー性鼻炎の大部分を占める.従って,花粉症はアレルギー性鼻炎の代表的疾患であり,I型アレルギー疾患である.鼻の主徴は,くしゃみ,水性鼻汁,鼻閉で,原因花粉飛散期にのみ症状を現す.「国民病」とまで言われるスギ花粉症の有病率は徐々に増加し,近年行われた2つの全国的疫学調査では,都道府県別では有病率に違いが認められたが,全国平均すると15%前後であった.有病率増加に関係する因子としては,スギ花粉飛散量の増加,浮遊粒子状物質のアジュバンド効果,住環境や食生活の西欧化,結核症や寄生虫疾患などの感染症の減少に伴うTh1とTh2のアンバランス(Th2優位)などが挙げられる.
著者
永田 雅 猪川 元興 吉住 禎夫 吉田 泰治
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.841-855, 1986 (Released:2007-10-19)
参考文献数
27
被引用文献数
44 48

本論文の目的は冬期北西季節風下において,朝鮮半島東岸沖の日本海西部上に現れる収束雲帯の形成機構を調べることである。いくつかの異なった地表の条件の下での数値実験によって,朝鮮半島と日本海の海陸の熱的な性質の対照が,この収束雲帯の形成に対して本質的な役割を果たしていることが示される。すなわち,冷たい陸地の上では気団変質がより弱く,その結果,対流圏下層で朝鮮半島南東端に中心を持つ中規模の高圧部が,そしてその東端に収束帯が形成される。この収束帯が積雲対流を活発化させ,帯状に組織化する。また,朝鮮半島北方の山地によるブロッキングの効果がこの収束帯を強めるように働く。
著者
吉田 将之
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.317-325, 2011 (Released:2012-01-11)
参考文献数
60

恐怖や不安は,動物の生命存続のためになくてはならない情動であり,様々な情動のうちでも比較的研究が進んでいる。魚類における恐怖や不安の神経機構を調べる上で,それらの情動を再現し,定量的に計測するための有効な方法が不可欠である。最近,従来の動物心理学的な手法に,エソロジカルな考え方も取り入れた魚類の不安の定量化法が導入されつつある。代表的な例のひとつが「新奇環境テスト」であり,これは不安を惹起するような新しい環境(水槽)に魚が遭遇したとき,どのように対処するかを定量的に観察する方法である。もう一つが明暗(白黒背景)選好性テストであり,背景が暗いほうが安心するという魚の習性を利用した不安の定量法である。一方,恐怖については,古典的恐怖条件付けや回避条件付けなどの手法で定量化できるほか,警報物質や捕食者に対する生得的な恐怖反応を利用する方法も開発されている。これらの恐怖・不安定量化法を利用して,情動のメカニズムに関する行動神経科学的,生物医学的研究が進められている。 魚類は多様な環境に適応放散しているが,そのごく一部が研究対象となっているにすぎない。今後,興味深い不安・恐怖行動を示す魚種が発見され,情動メカニズムの進化の解明に寄与することを期待する。
著者
池端 昭夫 吉田 慎也 肖 鋒
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第62回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.56, 2013 (Released:2013-03-26)

TOTOでの衛生陶器商品の開発を目的とし、高精細な三次元気液二相流体シミュレーションのためのナビエ・ストークス方程式解法を導き出した。ナビエ・ストークス方程式はフラクショナル・ステップ法により、移流方程式と非移流方程式に分解される。さらに流体率のための移流方程式は精度よく計算される必要がある。全ての移流方程式は、我々が提案するマルチ・モーメント・有限体積法「UTI-VSIAM3」により計算され、またUTI-VSIAM3によって計算された流体率の移流方程式で生じた数値拡散は、我々が提案している「STAA法」により補正される。これらの計算手法は簡潔であるため、我々のシミュレーションプログラムは「TSUBAME」とよばれる東京工業大学のGPGPUスーパーコンピュータに適用して高い計算効率を達成した。
著者
市橋 則明 吉田 正樹
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.461-464, 1993-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
8
被引用文献数
7 4

A study was conducted to determine the minimum quantity of leg exercise required to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle during bed rest. The subjects were 10 normal young university students with a mean age of 21.1 years. First, analysis of rectified filtered electromyography (RFEMG) was performed on the rectus femoris and vastus medialis during walking with cadences of 100 steps/min and 150 steps/min. Then, the effects of straight leg raising (SLR), patella setting (PS), knee extension-flexion in a supine position (KEF) and knee extension in a sitting position (KE) were analysed for each muscle using the same method. Based on the value of RFEMG for each muscle during walking, the repetition number for each exercise was calculated. For the rectus femoris, the repetition number for each exercise corresponding to 10000 steps with a cadence of 100 steps/min was 289 for SLR, 466 for PS, 1255 for LEF and 1663 for KE. For the vastus medialis, the corresponding numbers were 1223, 381, 6367 and 2170, respectively. When the cadence increased to 150 steps/min, the repetition number of each exercise for each muscle also increased. These results indicate that high repetition exercise is recommendable to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle. Therefore, the activity of patients should be increased to stimulate weakened muscles such as the quadriceps femoris during hospitalization.
著者
日本産業衛生学会アレルギー免疫毒性研究会 土橋 邦生 吉田 貴彦 森本 泰夫 上田 厚 伊藤 俊弘 和田 裕雄 香山 不二雄 佐藤 一博 佐藤 実 柴田 英治 菅沼 成文 竹下 達也 角田 正史 西村 泰光 柳澤 裕之 李 卿
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-8, 2023-01-20 (Released:2023-01-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

健康障害は遺伝要因,環境要因,および両者のinteractionで説明される(Genetic and Environmental interaction),職域における健康障害はinteractionも含めて,環境要因の関与が重要である.と考えられる.その代表的疾患の一つとして職業性喘息が挙げられるが,同疾患は,「職業性アレルギー疾患診療ガイドライン(日本職業・環境アレルギー学会)」により診療の標準化が推進された.本ガイドラインによると,作業関連喘息は職業性喘息と作業増悪性喘息に分類され,さらに,職業性喘息は感作物質誘発職業性喘息と刺激物質誘発職業性喘息に分類される.診断は,まず,作業関連喘息の可能性を疑い就業に関連した問診を実施することが重要であり,そのうえで必要に応じて原因の可能性がある物質を用いた吸入試験を含めた複数の検査結果を基に総合的に判断を下すことになる.治療は,喘息薬物療法に加えて職場環境整備と防護具装着あるいは配置転換等による曝露回避を行う.さらに,災害補償や労災補償に関する社会的リソースの活用も検討を要する.近年,産業技術の発展の結果,新たに人工的に合成された低分子化合物が開発され呼吸器感作性について未知の物質が利用され,あるいは感作性を持つ既存の物質が新たな用途に供されることによるアレルギーが問題となり始めている.例えば,イソシアネートは,NCO基を有する化合物の総称であり,以前より職域における刺激性や喘息様症状等の健康障害が問題として認識されていたが,近年,イソシアネートの用途拡大により日常生活の場でのアレルゲンとしてイソシアネート喘息の原因となることが明らかになりつつある.一般に低分子量化合物は自己蛋白質と結合するため,IgE抗体を特異的に検出することが困難となるが,イソシアネートは例外的に検出可能である.そしてイソシアネートによるアレルギーの事例は,今日の新規化合物への曝露,あるいは既知の化合物の新たな用途による予想外の曝露がもたらす感作と症状誘発する未知のアレルギー反応を含めた様々な健康障害の問題点を啓示している.こうした事実は,作業関連喘息の診断に至る最初の過程である原因物質への曝露と就業状況との関連を「疑うこと」で問診しようとする着想を困難にすると予想される.その解決策として,職域における環境曝露に誘発されるアレルギー,免疫,毒性を機序とする健康障害を扱う領域の研究を遂行するためには,エピゲノムを含む遺伝要因に着目した疫学的アプローチなど多様な研究展開が求められる.
著者
吉田 美穂
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.89-109, 2007
被引用文献数
3

This paper examines the control system of secondary schools and teachersʼ survival strategies in the 2000s, a time known as an era of accountability, through an ethnography of a low-ranked high school in the metropolitan area.<BR><BR>Student guidance and maintaining school order are important tasks for Japanese teachers. The culture of administration in secondary education has changed over time. In the late 1990s, a "counseling mentality" and "internal understanding" were emphasized in student guidance rather than administering the exterior aspect of students, under the system of "<i>kanri kyoiku</i>", until the 1980s. Earlier papers indicate that there was a process of "consummatorization of schooling." How, then, is order maintained in schools in the 2000s? The main data for this paper were gathered from April 2005 to August 2006.<BR><BR>Participatory observation and interviews were carried out to describe the control system under which teachers avoided conflict with students. For example, teachers kept discipline indirectly by recording absence times in five-minute units. The maximum period of absence for receiving credits for the class was made known to students who were considered problematic and who tended to miss class. Some inappropriate behaviors, such as failing to wear the school uniform and eating in class, were also dealt with as absent time. In this way, teachers were able to keep their classes in order and avoid conflicts with students. Teachers often behaved gently and kindly, supporting the students under the assumption of this count system. In this paper, this behavior by teachers is called "Osewa mode," with <I>osewa</I> meaning "caring" in Japanese. The teachers used this strategy to conceal their authority to set rules and to keep order in a way that avoided conflicts with students. They soothed students with gentle behavior and familiar words. They often directed studentsʼ attention to the absent time count and advised them to attend classes with a proper attitude. This strategy was transmitted to other teachers through group interactions. The school kept order through a "Control system to avoid conflict with students" and the "Osewa Mode," which is an individual strategy based on that system. On the other hand, this system and strategy fits well into an era of accountability. Teachers often gave notification to parents of the numerical value of the absent time count. This made it easy for teachers to justify their treatment of students to their parents.<BR><BR>Teachersʼ culture differs by regions. Therefore, there are some limits to the usefulness of the descriptions in this paper, as they would differ in different teachersʼ cultures in rural areas. However, the metropolitan area tends to lead in the areas of accountability, loss of teachersʼ authority and "consumerization ofschooling." Thus, the "Osewa Mode" and "Control system to avoid conflict with students" in this ethnography in the metropolitan area may show important characteristics of teachersʼ culture in the 2000s.
著者
千田 郁実 西東 秀晃 草壁 信輔 吉田 好機 柴田 久美 紀田 修平 戸田 淳 日野 彬央 上田 智朗 藤田 二郎 福島 健太郎 横田 貴史 柏木 浩和 保仙 直毅
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-41, 2023 (Released:2023-02-11)
参考文献数
15

後天性血友病Aは,悪性腫瘍や膠原病等を契機として第VIII凝固因子に対するインヒビターが出現し,第VIII因子活性が低下する結果,出血症状を呈する稀な疾患である。今回我々はCOVID-19 mRNAワクチン接種後に後天性血友病Aを発症した症例を経験した。症例は86歳女性。COVID-19 mRNAワクチンであるBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチンの1回目接種後に四肢の紫斑が出現し,2回目接種後に四肢の紫斑が再度出現し増悪したため当院紹介された。受診時の血液検査所見ではAPTT 110秒,第VIII因子活性1%未満,第VIII因子インヒビター51.6 BUであり後天性血友病Aと診断した。Prednisolone(PSL)による治療を開始したところ凝固能的完全寛解を達成した。本症例のようにCOVID-19 mRNAワクチン接種後は後天性血友病Aを発症しうるため,出血症状の出現に注意する必要がある。
著者
亀坂 安紀子 吉田 恵子 大竹 文雄
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.183-186, 2010 (Released:2011-06-27)
参考文献数
2
被引用文献数
2

本稿の目的は,結婚や出産といったライフステージの変化が人々の幸福度や充実度に及ぼす影響について,日本と米国のデータを使用したパネルデータ分析によって明らかにすることである.分析の結果,日本と米国のデータで共通して,配偶者の存在は個人の幸福度や充実度に非常に大きな影響を与えており,かつそのような傾向は男女の別にかかわらず観測されることが示される.また,日本と米国のデータで共通して,健康状態も人々の幸福度や充実度に大きな影響を与えており,求職中の人や喫煙者は,幸福度や充実度が低いことも示される.しかし,子供の存在に関する推定では,日本の結果と米国の結果に大きな違いが生じている.日本人の場合,子供がいないと幸福度や充実度が低いという結果が得られたが,米国の結果からは,必ずしもそのような事実は観測されない.労働参加に関しても,日米で若干異なる結果が得られている.
著者
吉田 真吾
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 = Journal of law, politics and sociology (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.94, no.2, pp.103-128, 2021-02

はじめに一 国務省の転換 (一)ダレス覚書からNSC七三/一へ (二)方針転換の論理二 国防総省の不決断 (一)国防総省内の推進論 (二)マッカーサーの反対とNSC七三/四三 国防総省の決定 (一)マッカーサーの転換 (二)JCS、日本再軍備、米軍撤退四 NSC六〇/一おわりに添谷芳秀教授退職記念号
著者
中矢 大輝 遠藤 慎 佐鳥 新 吉田 功 三枝 信 伊藤 那知 加納 正城
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3+, pp.99-101, 2017-05-01 (Released:2017-10-07)

発症初期における大腸癌の識別は,医師による定性的な判断により行われる.本研究では,北里大学の協力のもと,初期の4段階に分類された大腸癌のうち最も識別が困難であるとされる高度異形成と癌細胞の識別をハイパースペクトルカメラにより計測し,機械学習を用いて解析を行った.使用したハイパースペクトルカメラは,北海道衛星株式会社が開発したHSC1702である.分類に用いた手法は,K近傍法,サポートベクターマシーン,ランダムフォレストである.前処理として,細胞核より抽出されたハイパースペクトルデータを主成分分析により次元削減した.第三主成分までを考慮して3手法をトレーニングを行い予測させた結果,1100以上のサンプルに対し,K近傍法では96.0%,サポートベクターマシーンでは98.1%,そしてランダムフォレストでは98.2%の精度を得た.
著者
吉田 一史美
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.150-158, 2016 (Released:2017-09-30)
参考文献数
26

本稿は、1950年代に乳児院収容児に対して行われた2 つの人体実験、名古屋市立大学医学部の特殊大腸菌感染実験および神戸医科大学医学部の乳児栄養実験を取り上げる。これらの事例について、乳児院、医学者や関連産業をめぐる背景を検討し、人体実験が問題化された経緯と文脈をたどる。産婆による乳児保護システムの解体、第二次大戦中からつづく細菌学実験の系譜や、隆興する乳児栄養産業の影響等の条件が重なった結果、一部の大学病院内の乳児院で引き取り予定のない収容児等に対する人体実験が行われた。実験の告発は、小児科医や看護師によって行われ、日本弁護士連合会や神戸地方法務局が調査を実施し、「(基本的)人権の侵害」であると非難された。また法学者によって刑法学上の責任追及の可能性も示唆された。
著者
池田 華子 吉田 成朗 新井 智大 鳴海 拓志
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.42-51, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
26

This study aims to develop a method that enables the person to accept recommended make-up looks positively as the make-ups looking suit them. Participants made up with a make-up simulator using face images otherized from their self-face perceived as a different person’s face so that they have a holistic view of their self-faces. After repeating make-up on the modified faces, their impression on the recommended make-up style was improved. However, participants who repeated made-up on the original self-face did not show the improvement of impression. This result supports the possibility that the intervention of make-up on a modified self-face could improve voluntary positive acceptance of the make-up change.