著者
吉田 實
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.102-108, 1988-03-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
2

対照飼料の大豆粕や魚粉等と置き換えてビール酵母を16%配合した試験用飼料を,雌鶏に12週間給与した後種卵をとり,ふ化して雛を得て,その雛を親鶏と同じ飼料を給与して212週間飼育した。実際の養鶏場で採卵鶏をこれ程長く飼育することはないであろうから,100週齢で飼育を打ち切ったものとして成績をまとあた。試験には,NとOの記号で示した2種類のビール酵母を用いた。雛は昭和51年春に20週齢となり産卵を始めた。20週齢から100週齢までの80週間の産卵成績を,8週間を1期とする10期に区分して取りまとめた。産み初めの16週間は,対照区とビール酵母区の産卵率に差はなかったが,夏から秋に向けて対照区の産卵率が低下するときに,ビール酵母区の産卵率の低下が緩慢で産卵率に有意差を生じた。また翌年の昭和52年春の,冬季に低下した産卵率が回復する時期にビール酵母区の回復が著しく,再び有意差を生じた。結局,80週間の平均ではビール酵母区の産卵率が約7%高かった。飼料摂取量には大差がなかった。ビール酵母区の卵重は対照区の卵重より少し軽いが,産卵率が高いので,産卵日量ではビール酵母区のほうが約3g, 8%多い。ビール酵母には,対照区の産卵率が低下する時期に産卵率の低下を防ぐ活性化因子が含まれていることが示唆された。80週齢前後で,産卵鶏を更新する時期に,ビール酵母区は対照区より約10%高い産卵率を維持していて,更新時期を遅らせることができる。
著者
深見 武史 堤内 亮博 井上 雄太 吉田 幸弘 村川 知弘 中島 淳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.444-447, 2012-05-15 (Released:2012-06-18)
参考文献数
18

症例は62歳,男性.1953年(8歳時)に甲状腺腫で甲状腺右葉切除後,1955年に全肺野の粟粒状陰影と頚部リンパ節腫脹を指摘された.リンパ節生検と右肺S3部分切除術が施行され,甲状腺乳頭癌肺転移,リンパ節転移と診断された.化学療法と放射線外照射施行後も変化は乏しく,経過観察となった.2008年5月検診にて前立腺癌を疑われ,精査中,胸部X線にて左肺腫瘤影を認めた.前立腺生検にて前立腺癌は否定されたが,胸部CTにて左肺上葉に21 mm大の不整な結節と両肺に数mm大の小結節を多数認めた.原発性肺癌もしくは甲状腺癌肺転移を疑い,確定診断目的に胸腔鏡下左上葉部分切除を施行.甲状腺癌肺転移とその多発陳旧性病変との診断を得た.甲状腺癌術後30年以上経過して再発する症例は稀であり,本症例が最長であった.
著者
吉田 正高
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.398-401, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)

我が国の戦後のコンテンツ文化(漫画,アニメーション,特撮,ゲームなど)における様々な物理的蓄積について,先行する歴史「資料」の保存管理も念頭に置きながら,コンテンツ文化における「資料」の位置づけと特性,保存管理,さらに展示について,これまでの経緯と今後の課題について概説した。
著者
吉田 良治 ヨシダ ヨシハル
出版者
追手門学院大学スポーツ研究センター
雑誌
追手門学院大学スポーツ研究センター紀要;Journal of Sports Research Center, Otemon Gakuin University (ISSN:24320765)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-48, 0000

Sports Management / Sports Business / Community Outreach / Second Career / 2020 Tokyo Olympics Paralympics / Olympics Regency / Risk Management / Life Skills

17 0 0 0 OA 倒叙日本史

著者
吉田東伍 著
出版者
早稲田大学出版部
巻号頁・発行日
vol.第1冊, 1913
著者
吉田 喜久子
出版者
河原学園 人間環境大学
雑誌
人間と環境 (ISSN:21858365)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.143-162, 2011

日本は、規模、頻度、種類のいずれにおいても、世界でも突出した自然災害大国であるが、本年三月の東日本大震災が、人類が経験した過去の自然災害と異なるのは、自然災害に加えて、原子力発電所の損壊と放射能汚染も起こったというところにある。この震災を機に私達が考えなくてはならないのは、単に原発維持か原発廃止かというレヴェルの問題だけではない。より根本的な問題があり、それは、科学技術というものをどのように考えるかという問題であって、この問題は、人は自然といかに関わるかという問題と切り離せない。現代の科学技術文明の根底にある西洋的自然観は、少なくとも西洋文明導入以前の日本人の自然観とは非常に異質なものであったし、西洋的自然観は、現代においてもなお、日本人にとって必ずしも自明な自然観ではない。このことの中に、今回の問題を根本的に考える際の、一つの手掛かりがあるのではないだろうか。
著者
藤 桂 吉田 富二雄
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.121-132, 2009-11-30 (Released:2017-02-20)
被引用文献数
3

The relationship of Internet behavior to sociability and aggression in real life was investigated in a web-based survey. Weblog users (n=395) and online-game users (n=206) were asked to respond to questionnaires that included their behavior on the Internet, as well as to scales that measured real-life sociability, aggression, and social isolation. Results indicated that Self-reflection on weblogs and Feeling of Belonging during online-games related to enhancement of sociability. By contrast, Internet behavior such as flaming, as well as immersive and addictive use, related to decrease of sociability and increase of aggression regardless of the type of application that was used. These findings suggest that the effects of weblogs and online-games use depend on the type of behavior, as well as the types of application, that are used. It is also suggested that social isolation in real life decreased sociability through immersive and addictive use, and increased aggression through flaming.
著者
吉田 政幸 仲澤 眞 岡村 敬子 吉岡 那於子
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-21, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
47
被引用文献数
2 1

This article attempts to shed some empirical attention on sport fans' feelings of pride toward multiple sport consumption objects (e.g., team color, logo, home stadium, fight songs, and glory of the past). Data were collected from spectators at professional soccer and baseball games in Japan. The results from Study 1 provided evidence of the scale's construct validity and supported the notion that fans' pride feelings positively influence their identification with the team as well as with the fan community. In Study 2, we found further evidence of construct and nomological validity and concluded that there were two important sequential relationships (1) between fans' feelings of pride toward tangible sport consumption objects (e.g., logo and stadium), team identification, and conative loyalty and (2) between pride feelings toward objects related to communal fan experiences (e.g., logo and fight songs), fan community identification, and conative loyalty.
著者
伊澤 華子 吉田 望 白貝 紀江 青柳 康夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.253-257, 2008-05-15 (Released:2008-06-30)
参考文献数
16
被引用文献数
9 11

豆類41種類の熱水抽出液のACE阻害をスクリーニングしたところ,ナタマメを除きいずれも強いACE阻害を示した.IC50値の比較ではササゲ属が他の属に比較して阻害力が弱い傾向が見られた.豆類のニコチアナミン量は,絹さや(生)で77.0mg/乾物100gと最も多く,インゲン属,ダイズ属,エンドウ属などでは,ほとんどが30~55mg/乾物100gと豊富に含まれていた.属間の比較では,ササゲ属はエンドウ属(p<0.05),インゲン属,ダイズ属(p<0.001)と比較して有意にニコチアナミン量が少ないことが示された.豆類抽出物のACEに対するIC50値はニコチアナミン量と相関があることが示された.また,そのときの抽出物中ニコチアナミンの存在量は,ニコチアナミン標品のIC50値と一致していた.このため,豆類熱水抽出物のACE阻害は,ほぼニコチアナミン単独で発現しているものと推測された.
著者
篠崎 広一郎 北村 伸哉 平野 剛 吉田 明子 平澤 博之
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, pp.573-580, 2005-10-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
15

われわれは縊頸症例の臨床経過を検討し,これらの転帰を左右する因子を見極めることを目的に,実験的に解明している病態生理を考察した。【対象と方法】1998. 4~2003. 8に経験した自殺企図411例のうち,縊頸44例を対象として検討した。完遂率に関しては他の自殺企図手段と比較した。救急隊現場到着時(以下,現着時)cardiopulmonary arrest (CPA)の群とnon-CPA群に分け,転帰及び臨床経過を検討した。後者を来院時の意識障害の程度で2群に分け,年齢,男女比,縊頸形態,死亡率,社会復帰率,遅発性無酸素症後脳症の発症率に関して検討した。また,全縊頸症例において転帰を左右する因子として年齢,男女比,縊頸形態,現着時CPAの有無を取り上げその関与につき検討した。【結果】縊頸は検討期間の自殺企図手段の10.7%を占めるが,完遂率は75%と他の手段に比して最も高かった。現着時CPAの縊頸は33例あり,このうち7例に自己心拍の再開を認め,そのうち1例のみ社会復帰したが6例は死亡した。一方,現着時non-CPAは11例あり,死亡は1例,残り10例は社会復帰した。この11例には意識障害の程度で分類した2群間で背景因子や臨床経過・転帰に有意な差を認めなかった。また,全44例の転帰を左右する因子では,現着時CPAの有無にのみ有意差を認めた。【考察】縊頸で脳血流が途絶し,気道が閉塞すると,中枢神経系の不可逆的障害に次いで,心臓を含めた各臓器の固有機能が停止する。従って,現着時CPA症例の予後は不良であるとともに,CPAの有無が目撃者に乏しい縊頸の転帰を左右する唯一の因子となることが判明した。一方,自律神経反射にて短い経過時間でCPAに陥った症例では,早期に縊頸を解除し適切な処置を施行することで,速やかな心拍再開が見込まれ救命可能である。【結語】今回の検討結果を踏まえ,現着時CPAであった縊頸症例の治療に関しては,慎重に考慮する必要があると思われた。
著者
吉田 春夫 Haruo YOSHIDA
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
非線形現象の数理
巻号頁・発行日
pp.68-83, 1997-03

吉田春夫[国立天文台・総研大]
著者
三木 文雄 小林 宏行 杉原 徳彦 武田 博明 中里 義則 杉浦 宏詩 酒寄 享 坂川 英一郎 大崎 能伸 長内 忍 井手 宏 西垣 豊 辻 忠克 松本 博之 山崎 泰宏 藤田 結花 中尾 祥子 高橋 政明 豊嶋 恵理 山口 修二 志田 晃 小田島 奈央 吉川 隆志 青木 健志 小笹 真理子 遅野井 健 朴 明俊 井上 洋西 櫻井 滋 伊藤 晴方 毛利 孝 高橋 進 井上 千恵子 樋口 清一 渡辺 彰 菊地 暢 池田 英樹 中井 祐之 本田 芳宏 庄司 総 新妻 一直 鈴木 康稔 青木 信樹 和田 光一 桑原 克弘 狩野 哲次 柴田 和彦 中田 紘一郎 成井 浩司 佐野 靖之 大友 守 鈴木 直仁 小山 優 柴 孝也 岡田 和久 佐治 正勝 阿久津 寿江 中森 祥隆 蝶名林 直彦 松岡 緑郎 永井 英明 鈴木 幸男 竹下 啓 嶋田 甚五郎 石田 一雄 中川 武正 柴本 昌昭 中村 俊夫 駒瀬 裕子 新井 基央 島田 敏樹 中澤 靖 小田切 繁樹 綿貫 祐司 西平 隆一 平居 義裕 工藤 誠 鈴木 周雄 吉池 保博 池田 大忠 鈴木 基好 西川 正憲 高橋 健一 池原 邦彦 中村 雅夫 冬木 俊春 高木 重人 柳瀬 賢次 土手 邦夫 山本 和英 山腰 雅宏 山本 雅史 伊藤 源士 鳥 浩一郎 渡邊 篤 高橋 孝輔 澤 祥幸 吉田 勉 浅本 仁 上田 良弘 伊達 佳子 東田 有智 原口 龍太 長坂 行雄 家田 泰浩 保田 昇平 加藤 元一 小牟田 清 谷尾 吉郎 岡野 一弘 竹中 雅彦 桝野 富弥 西井 一雅 成田 亘啓 三笠 桂一 古西 満 前田 光一 竹澤 祐一 森 啓 甲斐 吉郎 杉村 裕子 種田 和清 井上 哲郎 加藤 晃史 松島 敏春 二木 芳人 吉井 耕一郎 沖本 二郎 中村 淳一 米山 浩英 小橋 吉博 城戸 優光 吉井 千春 澤江 義郎 二宮 清 田尾 義昭 宮崎 正之 高木 宏治 吉田 稔 渡辺 憲太朗 大泉 耕太郎 渡邊 尚 光武 良幸 竹田 圭介 川口 信三 光井 敬 西本 光伸 川原 正士 古賀 英之 中原 伸 高本 正祇 原田 泰子 北原 義也 加治木 章 永田 忍彦 河野 茂 朝野 和典 前崎 繁文 柳原 克紀 宮崎 義継 泉川 欣一 道津 安正 順山 尚史 石野 徹 川村 純生 田中 光 飯田 桂子 荒木 潤 渡辺 正実 永武 毅 秋山 盛登司 高橋 淳 隆杉 正和 真崎 宏則 田中 宏史 川上 健司 宇都宮 嘉明 土橋 佳子 星野 和彦 麻生 憲史 池田 秀樹 鬼塚 正三郎 小林 忍 渡辺 浩 那須 勝 時松 一成 山崎 透 河野 宏 安藤 俊二 玄同 淑子 三重野 龍彦 甲原 芳範 斎藤 厚 健山 正男 大山 泰一 副島 林造 中島 光好
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.526-556, 2005-09-25

注射用セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の下気道感染症に対する早期治療効果を評価するため, ceftazidime (CAZ) を対照薬とした比較試験を市販後臨床試験として実施した。CZOPとCAZはともに1回1g (力価), 1日2回点滴静注により7日間投与し, 以下の結果を得た。<BR>1. 総登録症例412例中最大の解析対象集団376例の臨床効果は, 判定不能3例を除くとCZOP群92.0%(173/188), CAZ群91.4%(169/185) の有効率で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。細菌性肺炎と慢性気道感染症に層別した有効率は, それぞれCZOP群90.9%(120/132), 94.6%(53/56), CAZ群93.3%(126/135), 86.0%(43/50) で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。<BR>2. 原因菌が判明し, その消長を追跡し得た210例での細菌学的効果は, CZOP群89.5%(94/105), CAZ群90.5%(95/105) の菌消失率 (菌消失+菌交代) で, 両群間に有意な差はみられなかった。個々の菌別の菌消失率は, CZOP群91.1%(113/124), CAZ群90.8%(108/119) で両群問に有意な差はみられなかったが, 最も高頻度に分離された<I>Streptococcus pneumoniae</I>の消失率はCZOP群100%(42/42), CAZ群89.5%(34/38) で, CZOP群がCAZ群に比し有意に優れ (P=0.047), 投与5日後においてもCZOP群がCAZ群に比し有意に高い菌消失寧を示した (P=0.049)。<BR>3. 投薬終了時に, CZOP群では52,4%(99/189), CAZ群では50.3% (94/187) の症例において治療日的が達成され, 抗菌薬の追加投与は不必要であった。治療Il的遠成度に関して両薬剤間に有意な差は認められなかった。<BR>4. 随伴症状の発現率はCZOP群3.9%(8/206), CAZ群5.0%(10/202) で両棊剤間に有意な差はなかった。臨床検査値異常変動として, CAZ群に好酸球増多がCZOP絆より多数認められたが, 臨床検査値異常出現率としては, CZOP群31.6% (65/206), CAZ群32.2% (65/202) で, 両群間に有意な差は認められなかった。<BR>以上の成績から, CZOPは臨床効果においてCAZと比較して非劣性であることが検祉された。また<I>S. pneumoniae</I>による下気道感染症に対するCZOPの早期治療効果が確認された。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。