著者
関根 剛 小川 捷之
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.127-139, 1985-10-30

The purpose of this study is to discuss archetypal dreams and their relations to the dreamers personalities. A questionaire consisting of questions related to the frequency of dream recall and one's interest in dreams and a section for describing freely one's vividest dreams was given to 156 female university students. At the same time MBTI (Myers-Briggs Type Indicator) for Jung's typology was also given to them. To determine whether or not it was archetypal, each dream was rated on the basis of the four criteria of the Archetypal Dream Scale composed by Kluger (1975). The following 4 points were discussed: (1) The frequency of occurence of control dreams and vivid dreams; Kluger's study was followed in part. (2) The relation between collected archetypal dreams and the functions of personalities in Jung's theory. (3) The relation between the frequency of dream recall and functions of personalities or occurence of archetypal dreams. (4) The relation between the subjects' interest in dreams and functions of personalities or occurence of archetypal dreams. The results were as follows: (1) Vivid dreams were significantly (p<.001) more archetypal than control dreams. (2) The occurence of archetypal dreams had a close relation to Perceiving (Irrational function), especially Intuition in it. Those who had archetypal dreams were superior in their Perceiving and Intuition to those who did not have any archetypal dreams. (3) The frequency of dream recall had a certain relation to Judging (Rational function) and no relations to the occurence of archetypal dreams. Those who had a high frequency of dream recall were superior in Thinking to those who had a low frequency. (4) There were no relations between the degree of the interest in dreams and the function of personalities or the occurence of archetypal dreams.
著者
浪尾 美智子 守安 由香 小川 円 木村 英輝 金谷 親好 森近 貴幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B0714, 2007 (Released:2007-05-09)

【はじめに】足底は手掌部よりも知覚神経分布が優勢で、姿勢制御に影響を及ぼすと言われている。今回、感覚障害を呈した脳卒中片麻痺患者の足底感覚に着目したアプローチを行った結果、坐位姿勢に変化がみられたので報告する。【対象】左右頭頂葉と左放線冠領域の脳梗塞両片麻痺患者の女性。触覚は右足底重度鈍麻、左足底中等度鈍麻で四肢重度鈍麻、運動覚は全て重度鈍麻であった。ラップボードを用いることで車椅子坐位を保持していた。また、端坐位保持は不可能で全介助であった。食事動作では坐位が安定しておらずリーチ動作が困難であった為、ほぼ全介助であった。【方法】端坐位の安定化を図るため机上に両前腕部を置き、足底は床面に接地させた。より多くの刺激を与える為に、感覚受容器が多数存在する母趾に様々な素材の板を接触させ刺激に変化を加えた。深部感覚受容器を刺激するには圧変化や関節運動が関与してくる為、足底で床面を押す寝返り動作を行った。また背臥位にて足底と壁の間に枕やボールを置き、壁に対して垂直方向に、足底で踏むことを繰り返し行った。【結果】触覚は右足底中等度鈍麻、左足底軽度鈍麻となり、運動覚は足、膝関節は中等度鈍麻となった。坐位姿勢は右足底全面接地が行えず、左下肢で床面を押すため骨盤は後傾し、右殿部後方に荷重していた。アプローチ後は右足底全面接地が可能となり、左下肢で床面を押さなくなった為、左殿部にも荷重が行えるようになった。また机上に両前腕部を置き坐位を保っていたが、アプローチ後は端坐位保持が1分程度可能となった。車椅子坐位は左下肢でフットプレートを押すため骨盤が右に後退し、殿部が前方に滑っていたが、アプローチ後はフットプレートを押す動作が見られなくなり、坐面上に殿部を保持することが可能となった。また坐位が安定してきたため、リーチ動作が行いやすくなり、食事動作は中等度介助になった。【考察】足底に様々な素材の板を接触させ刺激に変化を与えたことで、能動的感覚受容器が活性化され、足底感覚が改善し、右足底全面接地が可能となったと考えられる。寝返り動作や足底で枕やボールに圧をかけることで、足底の圧受容器が刺激され深部感覚が改善したと考えられる。足底からの感覚情報が増加し、自己のボディーイメージが確立され始めたことで、左下肢の過剰努力が軽減し、骨盤帯の後傾や後退も改善した。また体幹を支持基底面内で保持させることが可能となった為、坐位保持も可能となったと考える。【まとめ】足底感覚は脳卒中患者の姿勢制御に影響を与える感覚であることが示唆された。本症例では足底感覚へのアプローチにより坐位姿勢に変化が認められ、食事動作の改善にもつながった。
著者
小川 拡 片野 修
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.128-130, 2016 (Released:2016-04-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

オイカワとウグイが互いの成長に及ぼす影響について,ポンプで流れをつくった 12 面の実験池を用いて調べた。5 匹のオイカワと 0-10 匹のウグイをそれぞれの池に放流し 20 日後の成長率を算出した。また,オイカワとウグイの個体数を逆にして同様の実験を次の年の同じ時期に行った。オイカワの個体数,またはウグイの個体数が増加するにしたがい,もう一方の魚類の成長率は減少し,また両種の食性が類似していることから,両種間に取り合い型競争が生じることが示された。
著者
小川 拡 片野 修 横田 賢史 CARLOS AUGUSTO STRUSSMANN
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.438-446, 2015 (Released:2015-06-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

東京都秋川の河床に生息する国内外来種アカザと在来種カジカ大卵型の食性を 5 月から 1 月まで調査した。食性は餌動物の体積比と餌料重要度指数 IRI により解析した。両種ともに主要な餌として,カゲロウ目,トビケラ目,双翅目の幼虫を利用し,それらを摂食する割合は時期によって異なった。カゲロウ目に対する餌選択性は時期により種間で異なり,これは摂食戦略を反映した結果と考えられた。しかし,食性は両種ともに餌生物組成の季節変化に対応し,月によっては種間で大きく重複することから,餌を巡る競合が生じる可能性が示唆された。
著者
佐治 文隆 中室 嘉郎 小川 誠 若尾 豊一 根来 孝夫 都竹 理
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.p227-235, 1976-03

胎児ならびに胎盤には父親由来の移植抗原(paternal histocompatibility antigen)が存在することからこれらは母体にとつては同種移植片ということが出来る.それにもかかわらず胎児は拒絶されることなく妊娠が維持されるように思われる.この問題について我々はマウスを用いて実験的に解明することを試みた.すなわちC3H/Heマウスに発生したmyelomaはC3H/Heの移植抗原を多量に含んでいることに着目し,このmyelomaをC57BL/6Jメスマウスに移植することによつて強力かつ効果的に免疫した後C3H/Heオスマウスと交尾させた.そして妊娠,分娩,流早産率を調べると共に妊娠の進行状態を観察し,流早産発症の時期を検討した.更に妊娠によつて母体の免疫能がどの程度変化するか測定を行ない,以下の結果を得た. (1) paternal histocompatibility antigenで前以つて強力に免疫されたメスマウスでは胎仔の一部が流早産を起したが残りの胎仔はまつたく正常の妊娠経過をとつた. (2) 流早産は着床以後の段階で起つた. (3) paternal histocompatibility antigenに対する母体の免疫能は妊娠中多少の低下を示した. (4) 妊娠中の母体免疫能の低下の原因について母体血清が大きく関与しており,母体血清の影響を中心とする母体免疫能の低下が妊娠維持に重要であることが判明した. (5) しかしpaternal antigenに対して強力に免疫された同一母体において流早産を起した胎仔もあれば,まつたく正常の妊娠経過をたどつた胎仔もあることから母体免疫能の低下のみならず個々の胎盤のimmunologic barrierとしての働きが妊娠維持に大きく貢献しているものと思われる.
著者
小川 樹 森勢 将雅
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.4, pp.205-214, 2020-04-01

音声合成や声質変換に関する技術は幅広く提案され,既にいくつもの製品が多岐にわたって利用されるようになった.声質変換技術の普及により,音声の加工も誰でも手軽に行えるようになった.音声の加工には,音の3要素と呼ばれる「大きさ」,「高さ」,「音色」をそれぞれ加工する方法が広く用いられている.大きさや高さは,音圧レベルや基本周波数を加工するため,加工の結果の予測が容易である.しかし,音色の加工は,加工に伴う劣化の予測が困難という問題点がある.本研究では,音声の音色加工に伴う劣化を計測する知覚モデルによりこの問題の解決を図る.様々なスペクトル尺度と距離関数の組み合わせと音質の関係を調査し,その結果を用いて知覚モデルを開発した.主観評価実験を実施し,従来法と開発した知覚モデルの間に,主観評価結果との相関係数の有意差があるかの検定を行った.検定の結果,p<0.001で有意な差があり,従来法より開発した知覚モデルが優れていることを示した.
著者
小川 晋 安間 陽子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_349-I_356, 2011 (Released:2012-03-30)
参考文献数
2

品川区では公園の新設および改修を実施するにあたり,住民説明会やワークショップ,パブリックコメント等を行い,地域住民の多様なニーズを収集して,公園の計画・整備・維持管理にあたっている.しかし,従来の住民説明会等では,多くが大人のみの参加で,遊具などはじゃまだからいらないといったような大人の意見・要望が公園づくりに反映される結果となっており,本来公園をよく利用する子ども達の意見を聞く状況になっていなかった. そこで,平成20年4月に新しく策定された品川区基本構想の中で謳われている,区民と区との協働によるまちづくりの一環として,区の未来を担う子ども達の手によって,新しい公園の計画案づくりを行った.また,実際の公園整備にあたっては,公園に対し,より一層の愛着を持ってもらうため,子どもを対象とした工事見学会を開催した.公園完成後においても,子どもボランティアを公募し,花の植え替えを行うなど,公園の維持管理の中でも子ども達の参加ができないか検討を行っている. このように品川区では,公共事業の中で子どもが主体的に関わる事業において,計画・整備・維持管理の各段階において継続的に子どもが参加できる仕組みを作り,子どもと大人が共にまちづくりを担う地域意識の向上を図っていく.
著者
小川 雄一
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.112-116, 2014-03-01 (Released:2017-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1
著者
来間 千晶 小川 茜 関矢 寛史
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2019-1814, (Released:2019-04-27)
参考文献数
35
被引用文献数
2

The purpose of our study was (1) to clarify the elements and mechanisms of loss of spirit (LOS), and the ways to prevent LOS during competition, and (2) to identify the factors that prevent LOS. We interviewed 18 athletes and analyzed their interview transcripts by creating tags and categories. We divided the text of each transcript into text segments (tags) containing information about LOS or ways to prevent LOS. We then gathered tags with similar meanings and labeled the cluster of tags (categories) to briefly indicate the topic (Côté et al., 1993). Results revealed that the phenomenon of LOS had the following three phases: (1) cause of LOS (e.g., game situations, negative emotions), (2) condition of LOS (e.g., poor concentration, losing the will to fight, negative game situations), and (3) response after the game (e.g., undesirable result). The phenomenon of preventing LOS had the following five phases: (1) cause of nearly experiencing LOS (e.g., game situations, negative emotions), (2) condition of nearly experiencing LOS (e.g., decrease of concentration, losing the will to fight), (3) opportunity to prevent LOS (e.g., positive words and actions of others, heightening the fight), (4) condition after preventing LOS (e.g., improvement of performance, emergence of positive emotions), and (5) response after the game (e.g., evaluation of the game). Furthermore, a comparison of these phenomena revealed that LOS may be prevented by high levels of motivation before the game, positive words and actions of others, keeping the fight, reframing one’s thoughts, improving the game situations, and preserving stamina.
著者
狩野 太郎 小川 妙子 樋口 友紀 廣瀬 規代美
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.335-341, 2014-11-01 (Released:2015-01-07)
参考文献数
23
被引用文献数
1

【背景・目的】 本研究は, 老人福祉センターを利用する高齢者の足トラブルの実態と, 疾患及び足トラブル相互の関連を分析し, 足トラブルが発生するメカニズムの検討を目的とした. 【方法と対象】 利用者101名を対象に, 足部の観察と面接調査を行った. 足トラブルと疾患及び足トラブル相互の関連についてχ2検定を用いて分析した. 【結 果】 足トラブルは足部皮膚乾燥44.6%, 角質肥厚40.6%, 肥厚爪37.6%の順となっていた. 角質肥厚・足部皮膚乾燥・肥厚爪と高血圧に関連が見られた. 足トラブル相互の関連については, 角質肥厚と肥厚爪, 胼胝と巻き爪に有意な関連が見られた. 【結 語】 高血圧と足トラブルの関連については不明な部分が多いものの, 末梢循環の低下や降圧利尿剤による影響が考えられ, 足部皮膚乾燥や角質肥厚を有する者の割合が高いことから, 重点的フットケア指導が有用と思われる.
著者
小川 正樹
出版者
函館ラ・サール高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では、北海道における華僑社会の形成と発展について、その概略をまとめた。幕末開港以来、函館に海産商が移住し、現在ではほぼ全道で華僑が生活している。しかし、道内への移住経緯やその後の華僑社会の推移についても不明なところが多い。北海道は明治維新後「内地」に編入されながらも、「外地」としての性格ももつ、国内でも異質な地域であり、1910年から1941年までの間に、華僑人口が88人から299人に増加し、居住地域も函館、札幌、旭川、浦河から、ほぼ北海道全域へと拡大した。道内主要都市の華僑の出身地を調査すると、福建省福清県出身者が中心であり、職業も呉服行商のほか、料理人や商店員、毛皮商などであった。非常に小規模ではあるが、しかし、確実に華僑社会は北海道に形成されていったことがわかる。道内の都市を比較してみると、各都市はそれぞれ異なる性格を有している。函館は幕末以来の外国人居留地や貿易港として発展した。函館華僑は、幕末には、広東省出身者が中心であつたが、明治初期には、三江地方出身者が主流となり、日清戦争の勃発により海産商が帰国し始めると、福建省出身者の移住が本格化し、函館を拠点に呉服行商として道内各地に移住していった。札幌は道都として開発が進み、開拓使に雇われたお雇外国人の中に10名の中国人農夫が含まれていた。こうして札幌華僑は農業移民から始まり、戦前の一時期、函館や旭川をおさえて華僑人口が全道最大となった。しかし、戦後になると、北大の留学生が中心となって北海道札幌華僑総会が設立されるなど、戦前と戦後に大きな断絶が存在する。旭川は、1899年に内地開放されてから外国人が居住するようになり、この時期に道内に移住してきた福建省出身者が中心となって華僑総会を設立し、旭川華僑は現在まで続いている。この三都市の華僑は移住開始時期、性格も異なり、一つとしてまとめることは不可能である。福建省出身者以外に、札幌と小樽では山東省出身者の存在が確認でき、この華僑の進出の経緯は未だ明らかにされていない。この山東省出身者のネットワークについて、今後は中国東北地方や沿海地方との関連についても検討していく必要がある。北海道華僑を日本国内の華僑だけではなく、北東アジア全域の華僑の動きと関連して考えていくことが今後の大きな課題である。
著者
小川 剛生
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institute of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.30, pp.53-94, 2004-02-28

艶書文例集とは、さまざまな恋の状況における懸想文を掲げ筆法を解説した書札礼の故実書であるが、その包摂する範囲は広きに及んで、艶書文学というべきジャンルを形成している。たとえば『堀河院艶書合』も艶書や艶書歌の手引きとして読まれたし、室町物語や仮名草子には登場人物の艶書のやりとりによって筋が展開するものがある。東山御文庫に蔵される『思露』は中世に成立した艶書文例集である。やはり艶書の「書様」と「文例」からなり、艶書をしるし相手に贈る際の、さまざまな知識を解説した書物であるが、その成立・作者については、これまではっきりしたことは知られていなかった。本稿において、本書は南北朝末期、二条良基が著したもので、公武の間で広く読まれていたことを述べた。さらにその内容は文学的にも見るべきものがあり、当時の『源氏物語』をはじめ王朝物語への理解を示し、また仮名文をいかに書くべきかを初めて具体的に説いた書物として注目に値することを指摘した。続いて、代表的な艶書文例集として知られる『詞花懸露集』はこの『思露』を後人が改編した本であること、また『堀河院艶書合』の伝本の一部にも『思露』を吸収したものがあることなどを述べ、中世の艶書文学作品に『思露』が与えた影響が甚だ大きいことを明らかにした。附録として東山御文庫蔵本の全文を翻刻した。 A collection of love letter examples is an ancient customs book that was printed love letters written under various situations of love and it was commented on style of writing Kojitusyo (the protocol or events in the imperial court and Bu-ke) of Shosatsurei. It was widely subsumed and formed a genre called the love letter literature. For example,”Horikawain-ensho-awase”(堀河院艶書合)was also read as a guide book of Enshouta in Muromachi-monogatari(室町物語) or in Kana-zoshi(仮名草子), the plot was developed by exchanging love letters of the characters. “Shiro”(思露) which belongs to the Higashiyama Library is a collection of love letter examples formed in the middle ages. Though this is also a book composed with the way of writing and examples about various knowledge for people who wrote love letters to their lovers. Regarding to the time of establishment or about the author have been uncertain so far. In this paper, it is mentioned that this book was written by Nijo Yoshimoto and read by the imperial court and the shogunate. In addition, the content contains the specific character in literary terms showing to appreciate Japanese imperial tales including “Genji-monogatari”(源氏物語) in those days. It also pointed out that it is worthy of notice as the book explained specifically how should the kana texts were written for the first time. Then “Shika Kenro Shu”(詞花懸露集) known as a representative of a collection of love letter examples is a book which was revised by later hands, there is also something which absorbed “Shiro” in the part of handed-down manuscript of Horikawain-ensho-awase were mentioned. It was shown that “Shiro” greatly influenced the medieval love letter literary works. The whole text in Higashiyama Library reprinted as an appendix.
著者
小林 由実 和田 真 山田 和 加藤 邦人 上田 善博 小川 宣子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.164, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】天ぷらの衣は揚げる工程での具材やおいしさにも影響を及ぼす。すなわち天ぷらのおいしさは揚げた後の具材と衣の両面から評価を行うが、本研究では揚げ温度が衣の品質に及ぼす影響について衣の水分や物性だけでなく、異なる揚げ温度において水分蒸発により発生する気泡、油面の波を経時的に測定し、画像解析を行った。これにより油の中で起こる現象や天ぷらの状態を推定し、天ぷらの衣がおいしく出来上がる要因を明らかにすることを目的とした。【方法】天ぷらはさつまいも(直径46±1mm、厚さ8mmの輪切り)に衣(薄力粉:卵:蒸留水=30:12.5:37.5)をつけ、160℃、180℃、200℃で4分間揚げ調製した。天ぷらの衣をクリープメータによる破断応力測定から破断応力・もろさ、破断応力波形を微分波形(破断応力の差/ひずみ率の差)に変換し、得られたマイナスピークの数から衣の気孔数、値から気孔の大きさを推定した。また、衣をつけた具材の水分量を揚げ工程で経時的に測定するとともに気泡の発生による油の表面の揺らぎを画像処理によりコントラストとして捉え、水分蒸発の過程を推定した。【結果】180℃や200℃で料理された衣の破断応力は160℃に比べ値は大きく、マイナスピークの数は多かった。また、マイナスピークの値は油の温度が上がるにつれて大きくなった。これは、180℃・200℃で揚げた衣はグルテンが凝固し、そこに大きな気孔が多く存在していることが推定できる。この原因として180℃や200℃での揚げた場合の水分蒸発量は20秒までに顕著に見られ、それ以降は低下して行ったが、160℃の場合は細かな気泡が継続し水分蒸発が不十分であった。これより、具材を投入後、20秒までの水分蒸発量が衣の出来上がりに影響を及ぼしていることが考えられた。
著者
小川 暢也 大里 栄子 三隅 二不二 中野 重行
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.116-122, 1973-12-30 (Released:2010-11-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

本実験は, 競争条件による鏡映描写テスト遂行時の脈拍数およびテストの成績を非競争条件と比較し, さらにそれらの条件下における不安および攻撃性の反応特性について検討することを目的とした.対象は年令18~19才の健康な女子学生40名で, 予め施行したMASの得点19~25の者20名 (Moderate An-xiety Group=MA), 26~37点の者20名 (High AnxietyGroup=HA) であった. さらにこの40名にHGSを施行し, 高得点の者8名 (得点範囲32~48), 低得点の者8名 (得点範囲13~18) を攻撃性に関する分析の対象にした.まず, 被験者は個別に鏡映描写テスト1試行1分間で10回練習した後, 3試行を非競争条件として施行され, ひきつづき別室にてMA-MA, およびMA-HAのpairで競争条件のもとに3試行施行された.脈拍数はpulsemeterによりそれぞれの条件において10秒間の最高値が連続測定された.テスト後HGS, ならびに実験時の自己認知について質問紙法により測定した.結果は, 競争条件と非競争条件間の脈拍数に差を認めたが, HAとMA間に差は認められなかった. 安静時, 教示期, 試行中および試行後とも競争条件下では非競争条件に比べて脈拍数は増加し, 特にテスト第1試行目において顕著な増加が認められた.HGSによる高攻撃性, 低攻撃性群の脈拍数は, 非競争条件間では差は認められなかったが, 競争条件下では2群間に差が認められ, 低攻撃性群が有意に高い値を示した.以上, 競争場面のarousal levelは非競争的な場面よりも高く, 競争という特殊なsocial interactionが生理反応に影響を及ぼすことが確かめられ, しかもMASによる中, 高不安水準よりもHGSによる攻撃性においてその反応に特異性をもつことが示唆された.