著者
佐川 元保 西井 研治 原田 眞雄 前田 寿美子 丸山 雄一郎 三浦 弘之 三友 英紀 村田 喜代史 中山 富雄 芦澤 和人 遠藤 千顕 小林 健 佐藤 雅美 澁谷 潔 祖父江 友孝 竹中 大祐
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.73-76, 2018

<p>肺がん検診は1987年に導入されたが,当初,多くの自治体や検診機関は「二重読影や喀痰細胞診の方法がわからない」状況であり,肺がん検診セミナーはそれらの需要に応えるものであった.それから30年以上経過し,「肺がん検診の方法を全国に広める」という本セミナーの当初の役割はほぼ達成され,同形態での実施の必要性は乏しくなった.精度管理の全国的な均てん化は不十分だが,セミナーという形態では改善できない.一方,肺癌診療医の読影技術向上への意識は高いが,学術集会においてそれに資するプログラムは少ない.また,学会員の多くが検診発見肺癌例の診療をしているにもかかわらず実際の検診に携わっていない現実を考えれば,「肺がん検診」の仕組みや現状に関する教育的な講座の必要性は大きい.そこで,2017年で「肺がん検診セミナー」を終了し,学会員対象で学術集会に組み込む以下の①②③と,地域での検診従事者を対象とした④へ移行することにした.①若手~中堅医師に対する「肺がん検診」のシステムや現状などについてのレクチャー.②気軽に参加できる読影セミナー.③必要時に,学術集会長に委員会企画枠を依頼.④検診技術・精度管理に関する地域での検診従事者講習会などの講師に委員を推薦.</p>
著者
小林 好夫
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.439-448, 1970-06-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
14
著者
小林 幹男
出版者
長野女子短期大学出版会
雑誌
長野女子短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.8, pp.57-76, 2000-12-20

蘇我氏の系譜は、『古事記』の孝元天皇、あるいはその孫にあたる武内宿禰を祖とする説、『上宮聖徳法王帝説』などの石河宿禰を祖とする説、あるいは満智を祖とし、満智が百済の木満致と同一人物であるとする説などがある。その本居地についても、大和国高市郡の蘇我の地、大和国葛城地方、河内国石川地方とする説がある。『日本書紀』の記事によると、百済・新羅・高句麗からの氏族の渡来、および仏教をはじめとする多く文化や技術を受容したのは、応神天皇から推古天皇の時代に目立って多い。この時期は、中国や朝鮮半島の諸国が、互いに抗争を繰り返した激動の時代であり、わが国も中国や半島諸国と通交して、積極的な外交政策を展開した時期である。その前段の時代、すなわち応神天皇から雄略天皇の時代は、中国の史書『宋書』などに記されている「倭の五王」の時代と対応する年代であり、欽明天皇から推古天皇の時代は、蘇我氏が渡来系氏族を配下において、大陸文化の受容と普及に努め、開明的な屯倉経営を推進して農民の名籍編成などを行い、積極的に農業生産力の増強を図って中央政界をリードした時期である。蘇我馬子が建立した飛鳥寺は、高句麗方式の伽藍配置を採用し、北魏様式の飛鳥大仏を造り、百済から渡来した僧侶や技術指導者たちを動員して完成した。蘇我氏の開明的性格を如実に物語る歴史的事実である。4~7世紀のわが国古代の文化は、「倭の五王」などの渉外関係史、蘇我氏と渡来系氏族の研究を基礎にしてこそ、その歴史の真実に迫ることができるものと考える。
著者
石田 祐 秋山 良 小林 修
出版者
日本薬学会化学系薬学部会
雑誌
反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要 第29回反応と合成の進歩シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.44-45, 2003-09-24 (Released:2004-03-16)

四酸化オスミウム(OsO4)を用いるジヒドロキシル化反応は、オレフィンから1行程で連続する2つの不斉炭素を有するジオールを合成できることから、有機化学上最も重要な反応の一つである。当研究室では既にマイクロカプセル化法を用いることにより、ポリスチレンにOsO4を固定化し、触媒として回収・再使用可能であることを報告している。今回高分子担体の探索を行なった結果、poly(phenoxyethoxymethylstyrene-co-styrene)を担体として用いた新規マイクロカプセル化オスミウム触媒(PEM-MC OsO4)を開発し、二相系での不斉ジヒドロキシル化反応に適用可能であることを見出した。また興味深いことに、本触媒を疎水相とし、水のみを溶媒として用いる不斉ジヒドロキシル化反応が円滑に進行することを見出した。さらに筆者らは、新たに架橋型ポリスチレンを担体として用いマイクロカプセル化オスミウム触媒を合成し、この触媒が完全水中におけるオレフィンの不斉ジヒドロキシル化反応に対して高い触媒活性を示すことを見出した。架橋率の影響など詳細に関しても報告する。
著者
永田 武 秋本 俊一 上田 誠也 清水 吉雄 小島 稔 小林 和男
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.7-10, 1957-05-30 (Released:2009-08-21)

A palaeomagnetic study has been conducted of the volcanic rocks in the North Izu-Hakone volcanic region, Japan, where the complete succession of lavas has been determined by H. Kuno. By sampling 4∼7 oriented rock-specimens at each of the localities, the period from the very beginning of the Pleistocene to the Holocene has been covered, where the maximum time interval between consecutive samples may probably be not more than several tens of thousands years except that between two samples of middle to younger Pleistocene when the volcanic activity did not occur within the region concerned. Care was taken not to use the rock samples of which natural remanent magnetization may have suffered from any significant disturbances, geologically, chemically, magnetically or otherwise. Selection of proper samples was performed according to the criteria for the stability of remanent magnetization proposed by us previously (Journ. Geomag. Geoelec., VI, No.4). The major findings in this study are: 1) During the whole Quaternary age, the axis of the geomagnetic centred dipole was fluctuating around an axis of which north pole changed from φ=72°N, λ=86°E to φ=81°N, λ=32°W. 2) The direction of polarization of the centred dipole was reversed at a time in the earliest Quat rnary, namely, during the middle period of the formation of the Usami volcano.
著者
小林 文彦 松浦 稔 長谷川 紀昭 吉崎 敏夫 原田 喜男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement7, pp.1029-1071, 1980-11-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
8

Oxacephem系抗生物質6059-Sの400, 800および1.600 (800×2) mg/kg/日をビーグル犬 (雄25頭, 雌24頭) に32日間連続静脈内投与を行い, Cefazolin (CEZ) を対照藁として亜急性毒性試験を実施した。成績を要約すると, 以下のごとくである。1) 一般状態: 流涎, 嘔吐, 排便動作等の中枢作用は, CEZに比較して6059-Sでは軽度であった。2) 肝への影響: 6059-SおよびCEZの800/mg/kg以上の投与で軽度な肝肥大がみられ, 電顕的にグリコーゲン野の減少をともなった滑面小胞体の軽度増加があったが, 肝単位重量当りの薬物代謝酵素活性はむしろ軽度低下を示したので, この変化は薬剤の大量投与による機能低下に対する単なる非特異的な代償性肥大と考えられる。3) 腎への影響: 6059-S 800mg/kg以上の投与で軽度な腎肥大が生じ, 近位尿細管上皮細胞でvesicleの増加, lysosoneの減少, 細胞間隙の拡張および酸phosphataseの軽度増加がみられたが, PSP排泄ではむしろ軽度亢進があったので, この変化は腎の排泄機能亢進像であって, 6059-Sには腎障害作用は無いといえる。4) その他: 6059-S投与群で, 検体の高浸透圧液大量投与を反映した摂水量の増加およびそれにともなう尿量の増加, 血漿中GPTの軽度減少, 脂質の増加, 軽度な局所刺激作用がみられたが, GPTの変化を除いては, いずれもCEZと同程度であった。CEZ投与群ではGPTの顕著な減少を認めた。その他の検査項目については異常は認められなかった。
著者
小林 文彦 古川 仁 長谷川 紀昭 吉崎 敏夫 原田 喜男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement7, pp.1007-1028, 1980-11-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
8

SPRAGUE-DAWLEY系ラット雌雄に6059-Sの760, 1, 260, 2, 100および3, 500mg/kgとCEZの760, 1, 260mg/kgを1日1回連続35日閥静脈内投与し, 毒性を比較検討した。なお, 一部の動物については, 最終投与後, さらに28日間の休薬期間をおき回復性をみた。6059-Sの高用量投与群とCEZ投与全群に, 毎回の投与後一過性の呼吸困難や脱力および顔面浮腫などがみられ, 投与期間中, 6059-S 3, 500 mg/kg投与群の雌雄各2/16例とCEZ 1, 260 mg/kg投与群の雄10/24例が, いずれも急性中毒症状を呈して死亡した。投与期間終了時点の血液検査で6059-S 3, 500mg/kg投与群に軽度の貧血がみられた。生化学分析では, CEZ投与群に血漿GOT, GPT活性の著しい低下があった。病理所見では, 6059-SおよびCEZ投与全群の盲腸の異常拡張を認めたのみで, その他に特記すべき著変はなかった。なお, 以上の変化は, 投与中止後の回復試験ですべて良好な回復性を示した。以上の結果から, 6059-Sのラットでの最大無作用量は1, 260 mg/kgと判断され。また, CEZとの毒性比較において, 6059-Sは毒性が極めて弱く, 安全性の高い化合物と結論された。
著者
久保田 紀久枝 小林 彰夫 山西 貞
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1049-1052, 1982
被引用文献数
4

オキアミ加熱臭の特性をより明確にするために,外観上よく似ているサクラエビ生凍結品の加熱臭をオキアミと同様に分析し,比較検討を行った.本研究では,とくに含硫化合物に注目した.<br> 1)GC-FPD分析の結果,一定のt<sub>R</sub>の範囲(Fr.A)に含硫化合物が集中していたが,これは,オキアミボィル凍結品と類似していた.<br> 2) サクラエビのFr. Aの成分をGC-MSで分析した結果,9種の化合物が同定された.そのうち8種は,トリチオラン類(3種),ジチイン類(1種),チアゾール類(1種),チアルジン類(3種)からなる含硫化合物であった.このうち,チアルジンが最も多く,Fr. Aの58,2%を占めていた.<br> 3) オキアミとサクラエビの匂い成分の槽違点は,含まれている化合物の種類は共通しているものが多いが,組成は異なり,サクラエビは側鎖にエチル基を持つものが少なく,これが匂いにも影響していると思われた.<br> 4) サクラエビ加熱臭成分中の低分子アルデヒドをTLCで検索した.エタナールに比べプロバナールが非常に少ないことが示され,プロパナールが前駆体の1つとなるチアルジンのエチル誘導体がサクラエビに少ない結果をよく説明していた.
著者
小林 廉直 森 いづみ
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-9, 2010-12

<p>国立情報学研究所(NII)は,学術機関リポジトリ構築連携支援事業を実施し,国内の機関リポジトリの構築やコンテンツ拡充,相互連携を支援している。第2期(平成20〜21年)委託事業では,地域共同リポジトリの構築が進んだことにより機関リポジトリ数が増加するなどの実績を挙げ,その結果,政府の学術政策に関する計画にも機関リポジトリが取り上げられた。今年度から始まる第3期(平成22〜24年)でもさらなる成果が期待される。本稿では,その他NIIで実施しているCSI報告交流会や研修事業についても紹介する。</p>
著者
小林 健彦 KOBAYASHI Takehiko
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.51, pp.55-98, 2018-07

倭国へ漢字を公伝させたとする、隣地、韓半島・朝鮮半島に於いても、残存する信憑性の高いものは少ないものの、古来、種々の記録類が作成されていたものと推測される。その中に於いても、様々な災害記録が残されている。そうした自然災害に対する認識は、災害情報の記録にも反映され、更には、日本へも影響を与えていたのであろうか。本稿では、そうした観点より、韓半島に於ける対災害観や、災害対処の様相をシリーズ文化論として窺おうとしたものである。「三国史記」は、中国大陸で行なわれていた正史編纂事業を大いに意識して作成されたらしく、その意味に於いては、日本に於ける六国史、取り分け、「日本書紀」的存在であったのかもしれない。それ故に、その編纂に際しては、東アジア世界に特有の、特定の歴史観、国家観、対外観、宇宙観、そして、対自然(災害)観等が色濃く反映されていた可能性もあり、史料としての取り扱いには慎重であるべきであって、慎重な史料批判も必要とされるであろう。つまり、正史である以上、そこに記された事象に曲筆、虚偽、隠蔽、粉飾、宣伝等の作業が存在していることも十分考慮されるのである。又、記録の特性上、編纂者の故意ではないものの、結果としてその事象が偽であったり、偏見や誤解が包含されている可能性に就いても、排除をすることは出来ないであろう。取り分け、「三国史記」―「百濟本紀」に於いては、如何なる対自然災害観や、災害対処の様相が記録されていたのか、いなかったのかを追究することが本稿の目的とする処の1つである。更には、こうした素材を使って、韓半島に於ける災害対処の様相を文化論として構築をすることが出来得るのか、否かを検証することも2つ目の目的として掲げて置く。
著者
小林 元裕
出版者
立教大学
雑誌
史苑 (ISSN:03869318)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.53-73, 1995-03