著者
小林 哲則 中川 聖一 菊池 英明 白井 克彦 匂坂 芳典 甲斐 充彦
出版者
早稲田大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

今年度の成果は以下の通りである。a)対話のリズムと韻律制御前年度までの成果に基づいて、対話における話題境界の判別を題材に、韻律情報におけるアクセント句単位でのパラメータを用いて統計的なモデルを学習し、オープンデータに対しても人間と同程度の判別精度が得られることを確認した。(白井・菊池)自然な対話システムを構築する上で重要なシステム側の相槌生成と話者交替のタイミングの決定を、韻律情報と表層的言語情報を用いて行う方法を開発した。この決定法を、実際に天気予報を題材にした雑談対話システムに実装し、被験者がシステムと対話することにより主観的な評価を行い、有用性を確認した。(中川)b)対話音声理解応用対話音声における繰り返しの訂正発話に関する特徴の統計的な分析結果を踏まえ、フレーズ単位の韻律的特徴の併用と訂正発話検出への適用を評価した。また、これらと併せた頑健な対話音声理解のため、フィラーの韻律的な特徴分析・モデル化の検討を行った。(甲斐)c)対話音声合成応用語彙の韻律的有標性について程度の副詞を用い、生成・聴覚の両面から分析を行い、自然な会話音声生成のための韻律的強勢制御を実現した。また、統計的計算モデルによる話速制御モデルを作成し、会話音声にみられる局所話速の分析を進め、自由な話速の制御を可能とした。さらに、韻律制御パラメータが合成音声の自然性品質に及ぼす影響を調べた。(匂坂)d)対話システム上記の成果をまとめ,対話システムを実装した。特に,顔表情の認識・生成システム,声表情の認識・生成システムなどを前年度までに開発した対話プラットホーム上に統合し,パラ言語情報の授受を可能とするリズムある対話システムを構築した。(小林)
著者
安村 基 鈴木 滋彦 小林 研治
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

モンテカルロシミュレ-ションおよび信頼性解析により、日本建築学会「木質構造設計規準」による木材の繊維方向加力を受ける曲げ降伏型接合部の降伏モードの推定が妥当であることがわかった。繊維直角方向の応力を受ける接合部では、木材の破壊確率を想定した設計を行わないと危険サイドの設計となる可能性があること、モーメント抵抗接合部においても、確率的手法を取り入れた設計を行わないと、柱の折損など危険な破壊メカニズムを生じる恐れがあることが分かった。また、信頼性解析により CLT パネルの破壊メカニズムの推定が行えることを実験的に実証した。
著者
小林 昭三 五十嵐 尤二 興治 文子 伊藤 克美 鈴木 恒雄 松田 正久 川勝 博 生源寺 孝浩 石井 恭子 伊藤 稔明 北林 雅洋 種村 雅子 三石 初雄 滝川 洋二 大野 栄三
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ミリ秒分解能ICT活用等によるアクティブ・ラーニング(AL)型授業を創新する豊富な研究成果を得た。例えば「摩擦抵抗が無視できる;超軽量力学台車システム、ホバーサッカー型空中浮揚システム、ガラスビーズ敷き滑走台システム、アクリルパイプ系吹き矢システム、V字型振り子衝突システム、摩擦抵抗が支配的な超軽量紙カップ落下システム」他、等の体系的AL型授業法を研究開発した。これ等の本研究の成果を国内外の学会やワークショップ・ICPE国際会議等で発表・交流して国内外での多様な普及活動に取り組んだ。
著者
白日 高歩 小林 紘一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.555-566, 2002-10-20
被引用文献数
22

日本国内で1994年に切除された肺癌外科症例(7408例)を登録・集積し,解析の対象とした.全体の5年生存率は51.9%であった.男女別では男性(n=5029)の5年生存率は48.2%であり,女性(n=2150)の5年生存率は61.0%であった.c-STAGE別の5年生存率はc-STAGE IA(n=2618):71.5%,c-STAGE IB(n=1646):50.1%,c-STAGE IIA(n=169):47.8%,c-STAGE IIB(n=793):40.4%,c-STAGE IIIA(n=1385):34.6%,c-STAGE IIIB(n=395):27.6%,c-STAGE IV(n=162):19.9%であった.p-STAGE別の5年生存率はp-STAGE IA(n=2142):79.2%,p-STAGE IB(n=1488):60.1%,P-STAGE IIA(n=261):58.6%,P-STAGE IIB(n=785):42.2%, P-STAGEIIIA(n=1337) : 28.4%, p-STAGE IIIB(n=759):20.0%,p-STAGE IV(n=275):19.3%であった.外科切除例の組織型別頻度は腺癌が55.7%,ついで扁平上皮癌が33.0%,大細胞癌は3.6%,小細胞癌は3.4%であった.術死が101例(1.4%),院内死が122例(1.7%)であり,外科切除例における術死院内死率は3.0%であった.
著者
山本 芳彦 金子 昌信 小林 毅 坂根 由昌 川中 宣明 川久保 勝夫
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

1.ジーゲル関数の2等分値、5等分値に関する数値計算と数式計算により、それらのみたす代数方程式やその値により生成される虚2次体上に類体としての導手をいくつかの例において決定した。特に等分値を24乗する前の値について、多くの予想が得られた。またデデキントのエータ関数の比に代数的性質についても実験した。2.山本と金子は楕円モジュラー関数について、各レべルのモジュラー方程式を計算し、それを用いて楕円曲線のスーパーシンギュラー(s.s,)素点を求めた。金子はエルキーズの定理の別証明を得ると同時に法Pのモジュラー方程式の解となるA.A.jー不変量についていくつかの結集を得た。3.山本は1.の結果を用いて虚2次体の類数の法2^nに関する合同式を与えた。また、実2次体の位数2のイデアル類の連分数展開の周期に関して合同関係のあることを示した。4.実2次体の極限公式を異なる方式で求めそれらの比較を行った。それらを代数的数の対数の2次形式で表わす問題については発展がなかった。5.(1)川中は有限体上に一般線型群のシンプレクティック対合に関する対称空間における球関数を決定した。(2)小林と村上はYangーBaxter方程式の解から絡み目の不変量を定義し、それと絡み目の被覆空間のベッチ数との関係を得た。(3)川久保はコンパクトリー群が作用する場合のコボルディズム定理を一般の形で与えた。(4)坂根はリッチ曲率が正のコンパクトケーラーアインシュタイン多様体で等質空間でないものの例を与えた。(5)西口はK3ー曲面の退化を小磯は3次元開半球面内の極小曲面を研究した。(6)宇野は有限群の表現を研究した。(7)村上と尾関は等質空間とリー群について研究した。
著者
阪上 孝 竹沢 泰子 八木 紀一郎 大東 祥孝 小林 博行 北垣 徹 山室 信一 上野 成利
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1859年のダーウィン『種の起源』以降、この書物がもたらした衝撃は計り知れない。それはまず、種の不変を信じて分類に終始していた博物学を抜けだし、生存闘争や自然選択などの原理を基礎とする、生命にかんするダイナミックな理解をもたらす。しかしそれは自然科学の一理論にはとどまらない。ダーウィン進化論は一つの思考様式として、哲学・法学・政治学・経済学・社会学・人類学といった人文・社会諸科学へも浸透し、新たな認識枠組を提供するのだ。またこの理論は制度的学問の枠組すら乗り越え、社会ダーウィニズムとして、国家や社会にかんする言説としても機能することになる。そしてさらには、神の摂理を説く宗教を打破して、既存の人間観・世界観をも揺さぶるだろう。本研究の主要な狙いは、進化論が社会にもたらすこうした広大な衝撃を探ることにあった。そのためにこの研究は多様な学問領域の専門家たちから組織され、また対象となる地域もヨーロッパからアメリカ、中国、そして日本を含む。研究を遂行していくなかで特に明らかになった点は、進化思想とは大いに多面性と揺らぎを孕むものだったということである。当時においてはダーウィンの他に、心理学や社会学を含む壮大な進化論体系を構築する同時代のスペンサーも大きな影響力をもっていた。またフランスのラマルクはダーウィンにおよそ半世紀先行して、獲得形質の遺伝や進化の内的な力という点を強調しつつ彼の進化論を展開している。さらには『種の起源』の作者はこの書のなかで、マルサスの『人口論』を引用しつつ、その政治経済学的発想に多くを負っていることはよく知られている。このように進化論はいくつかの思想が絡まって織りなされる錯綜した知の総体であり、そこで知はメタファやアナロジーを通して、異なる学問領域間で、また学問と政治・社会のあいだで往還運動を行う。このなかではときとして大きな誤解や逸脱も産まれており、それは進化論を受容する時期や地域によってさまざまなかたちをとる。本研究がとりわけ力を注いだのは、このような多様性を詳述することである。
著者
小林 成隆 西川 義明
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.23-33, 2010-03-31

貧困はいつの時代でも,どこの国でもみられる.わが国での貧困が,とりわけ注目を集めたのは戦後の混乱期である.その後の高度経済成長の過程で貧困は解消したとされ,話題にならなくなったが,バブル崩壊後の1990年代後半,貧困層の増加と所得格差の拡大がみられるとして,改めて低所得者問題が取り上げられた.貧困や低所得というものは相対的であるが故,その概念や定義は一様ではない.そうした中で厚生労働省は,低所得者の定義として税制上の「市町村民税非課税者等」を示しており,この行政基準が厚生行政上の諸施策の適用基準に用いられ,事実上,今日の低所得者対策を左右している.
著者
中島 勇喜 林田 光祐 阿子島 功 江崎 次夫 吉崎 真司 丸谷 知己 眞板 秀二 木村 正信 井上 章二 岡田 穣 小林 範之 坂本 知己 柳原 敦 阿子島 功 江崎 次夫 吉崎 真司 丸谷 知己 眞板 秀二 木村 正信 井上 章二 岡田 穣 小林 範之 坂本 知己 柳原 敦
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

2004年12月に発生したインド洋大津波および2007年4月に発生したソロモン諸島での津波による被害地を調査し、津波に対する海岸林の被害軽減効果を検証した。その結果、海岸林による漂流物の移動の阻止、津波の波力の減殺、よじ登り・すがりつき効果が確認できた。さらに、被害軽減効果と海岸林の組成や構造は海岸地形に大きく依存していることから、地形を考慮した海岸林の保全が津波被害軽減に有効であることがわかった。
著者
石井 永 石川 勉 小林 純一 関 宏子
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.34, pp.518-525, 1992-09-10

Toddacoumalone (4) and toddacoumaquinone (5), isolated from Toddalia asiatica (L.) Lam. (T. aculeata Pers.) (Rutaceae), were established to be novel unique mixed dimers based on a coumarin by spectroscopic means mainly 2D-NMR. Toddacoumalone (4), C_<31>H_<31>NO_6, was isolated as colorless prisms, mp 202-204℃ (AcOEt), in a racemic form. Its IR, UV, and NMR (Table 1) spectra including the COLOC experiment based on three bond correlations (Table 2) indicated the presence of a 8-substituted 5, 7-dimethoxycoumarin like 6 and an N-methyl-2-quinolone like 7 in 4. A monoterpene bridge of CH=CHC(Me)CH_2CHCH=CMe_2 with cis arrangement between the two vinyl groups was interposed between the coumarin and the quinolone units. Though lack of coupling between the conjugated olefinic protons gave us no clue to the geometry, an E geometry for the double bond could be deduced by appearance of conjugated (E)-olefinic protons in toddalenol (12) as a 2H singlet and coexistence of toddasin (13) in the same plant. Connection of the C_<10> unit to the coumarin and the quinolone systems resulted in drawing the structure of 4 for toddacoumalone. Toddacoumaquinone (5), C_<23>H_<18>O_7, was isolated as orange prisms, mp 278-281℃ (AcOEt). The same 8-substituted 5, 7-dimethoxycoumarin moiety was also found to be in 5. In this case presence of an 8-substituted 2-methoxy-6-methyl-p-naphthoquinone system was reasonably deduced by spectral data. Thus, toddacoumaquinone should be a biaryl compound consisting of a coumarin and a naphthoquinone, the structure of which could be depicted as 5. Both the dimers would be synthesized in a plant body through Diels-Alder type cycloaddition reaction. The synthetic works based on this biogenetic consideration are now in progress.
著者
小林 仁
出版者
財団法人大阪市博物館協会
雑誌
若手研究(S)
巻号頁・発行日
2007

隋唐時代の俑に関して紀年墓を中心とした出土資料の調査、撮影を実施し、豊富なデータを蓄積しながら各時代各地域の俑の特質について考察を行った。それらの資料を基に、美術史的観点から隋唐時代の俑の様式変遷と地域性の解明を行い、従来注目されることの少なかった地域の様相を明らかにするなど多くの成果を得た。さらに、陶磁史的視点から制作技法や製品の流通の問題などを明らかにし、俑研究の新たな可能性を提供することができた。
著者
青木 幸昌 佐々木 康人 平岡 真寛 名川 弘一 斎藤 英昭 花岡 一雄 中川 恵一 青木 幸昌 澤田 俊夫 小林 寛伊
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

術中照射専用可動型電子線照射装置が完成した。電子線エネルギーは4,6,9,12MeVのいずれかを選択可能で、出力は最大10Gy/分、照射野は直径3-10cmが可能である。既存の手術場内に設置して、一人による装置の移動が可能である。米国、カルフォルニア大学において、臨床治験を開始した。同施設において、漏洩線量を測定した結果、1週間に12例、2400Gyを照射して、手術室周囲の最大検出線量は、室外のドア表面で72μシ-ベルトであった。従って、室内を放射線管理区域に設定することによって、追加遮蔽を要さないことが確認された。電子線エネルギーが大きくなるに従って、漏洩線量も増加することが示された。実際の運用は以下のようなものとなる。先ず、装置の保管室から手術場へ移送する。装置を規定の場所に設置し、ケーブル類をとりつけた後、QAに関するチェックを行う。この段階で放射線治療スタッフは一旦退出し、外科スタッフが装置にプラスティックキャップとドレープで装置を覆う。外科操作が完了すると、放射線治療スタッフとともに、使用アプリケータを選択する。手術台を照射装置まで移動させる。放射線スタッフがアプリケータを照射装置にドッキングさせ、照射線量と電子線エネルギーを決定する。スタッフは保管室に入り、モニタをテレビで観察しながら、約2分の照射を行う。この後、必要に応じて、手術操作を継続する。本装置を規制する法規として、科学技術庁関係の放射線障害防止法と厚生省関係の医療法について検討を行った結果、放射線障害防止法では装置の移動に関する問題はなく、放射線管理区域設定上の運用が問題となるのみと考えられるのに対して、医療法では、診断用高エネルギー放射線発生装置は決められた使用室で使用するとされており、今後の重大な検討項目となった。
著者
田代 順孝 木下 剛 赤坂 信 小林 達明 柳井 重人 古谷 勝則
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

最終年度である平成18年度は,地区スケールの緑の配置計画の可能性について検討を行うとともに,これまでの研究成果をとりまとめて研究の総括とした。住宅地と街路空間を対象として放射エネルギー分布図を作成することにより,夏季の高温化を促進する土地被覆と冷却効果を持つ土地被覆を特定し,その効果を定量的に把握することができた。さらに,放射エネルギー分布図を利用して,温熱環境(または温熱景)制御のために,緑の配置によって蓄熱する景観要素をコントロールすることの可能性についての知見が得られた。中高木を植栽して緑陰を確保するとともに,土地被覆を芝生や裸地とすることで,地中への蓄熱を軽減することが予測された。また,表面温度と周囲の気温との温度差が大きく,放射熱伝達が大きい場合は発生源(各要素)から出る放射エネルギーに対して,適切な緑を配することで軽減できることが明らかとなった。さらに,熱帯地方における日影変化・樹木形態(樹種や植栽密度の違いによる)・緑陰効果からみた緑陰地の特性について検証し,温熱景制御に資する緑の配置パターン(植栽デザイン)について明らかにした。具体的には,緑陰エリアは日中,樹冠と同程度の最小限の日影をつくり出すことから,人々の活動をサポートするための緑陰空間は日中において特に考慮されるべきである。緑陰地の空間形態は樹木のサイズ(樹高と樹冠により中規模,大規模,極大規模)によって規定される。全緑陰(Full Shade)は密植(暗い緑陰と樹冠の重層)により形成され,非全緑陰(Not Full Shade)は疎林(やや暗い緑陰と樹冠の接触)によって形成される。また,分離植栽は緑陰を形成しない(樹冠が離れており地表は明るい)。葉と枝張りの密度の濃い緑陰樹は緑陰地のデザインにおいて特に適している。緑陰空間の特性は,熱帯地方の特に日中,太陽が南中した際に重要な役割を果たす日影に重要な影響を及ぼす。日影の継続は人々の活動に高い快適性をもたらすことができた。以上の結果から,温熱景制御に資する地区スケールでの緑の計画の在り方について有用な知見を得た。
著者
原 美弥子 林 陸郎 鈴木 牧彦 飯田 苗恵 小林 万里子
出版者
群馬県立県民健康科学大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は1)在宅心臓病患者を対象に気功(採気体操)・太極拳による運動プログラム介入の安全性および有効性を検証する、2)地域支援型心臓リハビリテーション展開の基盤として運動継続の場を地域に設定することを目的とした。目的1)では調査研究機関の前橋赤十字病院研究倫理委員会において研究許可を得て、調査を開始したところである。研究対象者は急性心筋梗塞で、入院期間に不整脈等の合併症がなく200m歩行負荷を終了した患者を選定基準とした。退院後12週間の介入前後に心循環応答、ホルター24時間心電図による自律神経活動、包括的健康度(健康関連QOL尺度:SF-36)等を評価する。平成21年5月現在、研究協力者1名(68歳、男性)を調査介入中である。今後の研究継続により研究参加数を増やし、非監視型心臓リハビリテーションとして本研究運動プロブラムの有用性を明らかにしていく。目的2)では群馬県立県民健康大学および前橋市商工会議所との共同企画事業の一環として平成19年より地域住民を対象に「気功・太極拳教室」を開始した。平成20年は12回開催し、その教室卒業者を母体に地域住民が主体的に気功・太極拳を行う場を地域の自治会館内に設定し、グループ活動(1回90分/週)を開始した(平成20年7月発足)。その中で研究協力者16名に採気体操ビデオ(DVD)を配布し自宅での12週間継続状況を調査した。研究協力者は平均年齢64.9歳、男2名、女14名、服薬加療中は8名(高血圧・心臓病・糖尿病・高脂血症・メニエール病)、運動習慣ある5名、運動習慣ない11名であった。グループ活動中断者2名(腰痛悪化、仕事の都合)を除く参加者14名の体操実施は84日に対して平均36.4日実施率43%で、100%、98%実施者が各1名だった。今後は実施率の低い者に対する認知行動科学的介入方法を検討する必要がある。