著者
小林 利彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.12, pp.1743-1744, 2011-12-01 (Released:2011-12-01)
参考文献数
1
被引用文献数
3 3

In the 1990s, drug companies focused their resources on chemistry-based proprietary blockbuster compounds (small molecules) for chronic diseases that could bring in several billion dollars in a short period of time. Since then, the focus has turned to biologics (proteins/high MW molecules) such as anticancer agents, antibodies, and so on. Vaccines, in contrast, are a rather slow-growing market, administered only a few times per patient, low priced, and often undifferentiated. Due to the influenza scares of recent years, the above view has changed remarkably. According to some analysts, the annual growth of the current $2.2bn vaccine market will become almost 10 percent over the next 5 years. In 2009, Pfizer (US), in an effort to boost their small vaccine-related business, purchased Wyeth (US). In October 2010, Johnson & Johnson announced they were buying Crucell (Germany), the only vaccine maker who had remained independent. GSK (UK) holds the top spot in the vaccine market with a 25% share. Pfizer (US), Merck (US), Novartis (Switzerland), and Sanofi-Aventis (France) are next, while Johnson & Johnson has moved into the 6th position by purchasing Crucell. There is of course an essential therapeutic need for vaccines, however, why are major pharmaceutical companies now investing a significant amount of resources in the vaccine business? Vaccine development may take more time than that of small molecules, but they are less risky from an intellectual property standpoint, and complicated manufacturing processes create a high barrier to follow-on biologics/biosimilars. Also in Japan, since the recent influenza scares, there has been acceleration in movement and cooperation among industry and government, including lawmakers.
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.454, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
小林 雅之
出版者
日本歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

I.歯科医師の正立顔写真および倒立顔写真のテスト映像に対する小児の眼球運動をビジコンアイカメラ用いて測定した。そして,被験者を6歳未満の低年齢児群と6歳以上の高年齢児群とに二分して分析し,以下の結論を得た。1.年齢差を認めたのは,視線の走査した範囲,飛越運動の角度,視線の方向性,輪郭線を通過した回数などであった。2.低年齢児群は視線の走査する範囲が狭く,顔の内部に視線が集まり,高年齢児群は視線の走査する範囲が広く,顔の輪郭を越えて背景と顔とを視線が運動した。また,低年齢児群は水平方向に次いで垂直方向の視線の動きが多く,高年齢児群は水平方向に次いで斜め方向の視線の動きが多かった。II.歯科医師,歯科衛生士そして小児患者個々の母親が登場する診療室での小児の見えを再現したビデオ映像を作成し,さらに,そのビデオ映像に三者のことばかけを加え,テスト画像が視覚刺激から視聴覚刺激へと変化した場合の小児の眼球運動の変化について実験を行い,以下の結論を得た。1.視覚刺激での最終停留点の部位は,歯科医師48.9%,それ以外51.1%、母親21.3%,それ以外78.7%,歯科衛生士27.7%,それ以外72.3%であった。2.ことばかけ(視聴覚刺激)による視線の動きは,歯科医師走査群76.6%,非走査群23.4%,母親走査群63.8%,非走査群36.2%,歯科衛生士走査群51.1%,非走査群48.7%であった。3.最終停留点で歯科医師,母親,歯科衛生士の三者それぞれに停留した被験児の割合と,三者それぞれの走査群の場合とを比較すると,三者のいずれも話しかけにより走査群は増加し,視覚刺激が視聴覚刺激に変わると,小児は視聴覚刺激を多く見ることがわかった。
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
野原 淳 小林 淳二 稲津 明広 八木 邦公 野口 徹
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールよりもHDLの組成変化が冠動脈疾患発症に係わる可能性がある.本研究はHDL組成異常としてHDLトリグリセライド(TG)/HDLリン脂質(PL)比の上昇が種々の動脈硬化リスクと有意の相関が見られることを明らかにした. 同比率は特に糖尿病や慢性腎疾患との相関が強くHDL機能低下と関連する可能性がある.本邦ではコレステリルエステル転送蛋白(CETP)欠損症が高頻度であるが,血中CETP蛋白量はHDL-TG/PLと正相関を示し,CETP欠損症ではHDL-TG/PL比は有意に低値であった.
著者
門間 要吉 慶野 征〓 小林 康平
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.81-91, 1991-03-01

(1)本稿はイチゴの養液栽培農家14戸の収益性を実態調査の資料を用いて検討したものである.収益性の高い農家は収穫量が多いのみならず,その多くを市場価格の高い時期に出荷している.逆に収益性の低い農家は収穫量が少いだけでなく,生産費も高く,かつ出荷期は市場価格の低い時期である.(2)イチゴの市場価格は季節別に大幅に変動し,11月末から翌年1月中旬にかけて高く,春に低い.収益性を高める最大の要因は,市場価格の高い時期に収穫量のピークを合わせることである.しかし,11月末から12月に収穫期を合わせるためには,イチゴ苗の花芽分化を8月末から9月に行わなければならない.ところが,この時期は気温が高く,苗の栄養成長の旺盛なときである.したがって,人工的に苗を冷蔵庫に入れ,あるいは根を切断して,花芽分化を促進させることになるが,これが他方,その後の苗の成長に大きく影響し,収穫の時期と量を左右することになる.イチゴ栽培技術の決定的なポイントである.(3)養液栽培は,多額の資本投入によって経営が成立する.したがって,極めて集約的でかつ高収入獲得可能な経営として展開されなければならない.イチゴ養液栽培の経済的安定のためにはまず,増収技術の確立が重要であり,さらに高価格期に大量収穫を実現する技術的対応が欠かせない.そのためには,経営者は,常に養液栽培の基本的理論に立脚した科学的な施設の利用と同時に,イチゴのもつ生理生態上の特性を完全に理解するとともに,この特性を十二分に発現可能な諸施設の整備充実,適確な技術的対応の可能性を確保されなければならない.たとえば,養液調製補給にしても,メーカーの定める基準や手法を尊守して忠実に実践することも重要であろうし,水質・水温もかなり重要な生育安定要因と考えられるので,常に検定を基礎とした調整をおこたらず,生育の充実と促進のための最適条件を確保することが肝要であろう.また,花芽分化促進の技術対応は極めて重要である.その施設の不備などから充分な効果が得られないこともある.現状では農家個々が,思い思いの施設で冷蔵処理が行われているが,これなどは,生産地域における組織化のなかで,最適処理施設を完備して共同利用による処理機能の高度化なども今後の課題である.(4)養液栽培は土耕栽培にはみられない有利な成果が期待される.すなわち,収益性のみでなく,作業管理の側面でも作業の能率化や作業労働強度の軽減に大きな効果を発揮している.したがって,栽培プラントだけではなく,栽培全般の合理化のために必要な諸設備も含めて総合的な施設設備が永続的かつ安定的なイチゴ養液栽培の可能性を保証するものではないだろうか.
著者
藤井 和佐 西村 雄郎 〓 理恵子 田中 里美 杉本 久未子 室井 研二 片岡 佳美 家中 茂 澁谷 美紀 佐藤 洋子 片岡 佳美 宮本 結佳 奥井 亜紗子 平井 順 黒宮 亜希子 大竹 晴佳 二階堂 裕子 中山 ちなみ 魁生 由美子 横田 尚俊 佐藤 洋子 難波 孝志 柏尾 珠紀 田村 雅夫 北村 光二 北川 博史 中谷 文美 高野 宏 小林 孝行 高野 宏 白石 絢也 周藤 辰也 塚本 遼平 町 聡志 佐々木 さつみ
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

研究課題に関する聞きとり調査、質問紙調査等から、地方社会における構造的格差を埋める可能性につながる主な条件として(1)地域住民の多様化の推進及び受容(2)生業基盤の維持(3)定住につながる「地域に対する誇り」が明らかとなった。過疎化・高齢化が、直線的に地域社会の衰退を招くわけではない。農林漁業といった生業基盤とムラ社会の開放性が住民に幸福感をもたらし、多様な生活者を地域社会に埋め込んでいくのである。
著者
木村 泰知 渋木 英潔 高丸 圭一 乙武 北斗 小林 哲郎 森 辰則
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.580-593, 2011 (Released:2011-07-20)
参考文献数
14
被引用文献数
3

This paper presents an automatic question generation method for a local councilor search system. Our purpose is to provide residents with information about local council activities in an easy-to-understand manner. Our designed system creates a decision tree with leaves that correspond to local councilors in order to clarify the differences in the activities of local councilors using local council minutes as the source. Moreover, our system generates questions for selecting the next branch at each condition in the decision tree. We confirmed experimentally that these questions are appropriate for the selection of branches in the decision tree.
著者
宇野 英満 山田 容子 奥島 鉄雄 小林 長夫 森 重樹 KIM DongHo
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

申請者は、高共役π電子系化合物の合成法として、前駆体を最終段階で熱逆Diels-Alder反応や光脱硫化カルボニル反応などのペリ環状分解反応によりπ電子系を融合する方法を開発した。これらの前駆体化合物は、通常の溶媒によく溶けて酸化されにくく、精製が簡単な化合物である。前駆体で精製しておけば、目的の高共役化合物を高純度で得ることができる。この方法を発展させ、高純度の様々なπ電子系の融合した化合物群を合成し、その基本的な諸物性を明らかにした。
著者
鈴木 茂夫 小林 伸行 田中 泰夫 中川 正樹 高橋 延匡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.2-11, 1989-01-15
被引用文献数
5

本論文では 日本語情報処理を前提とした研究用計算機システムOS/oにおける日本語プログラミング環境について報告する.OS/oは システム全体で一貫して日本語が使用できるプログラム開発システムを目標としている.そのため フル2バイトの文字コード体系を採用し ファイル名 プログラミング言語の識別子に至るすべての文字に日本語を使用可能とした.これは OS/oを含めたすべてのシステムプログラムの記述言語として開発した言語Cの処理系CATの文字型を2バイト化することにより実現した.文字の書体 大きさなどの文字属性の表現方式として 属性情報を文字コードの実体から切り離し 独立した別のファイルに持つ方式を採用した.文字コードの実体ファイルと属性ファイルの統一的管理はファイルシステムにより実現している.これにより 属性情報を必要としないOSやコンパイラは 文字コードの実体だけを扱うことで 文字属性を意識する必要がなくなる.また 各アプリケーションの要求に応じてOSの機能を動的に拡張する機構を用意し これを利用して日本語変換入力機能を実現した.そして OS/oの一応用として レーザピームプリンタを用いた日本語文書出力システムを開発した.以上のように OS/oでは 日本語の入力 処理 そして出力を含めたトータルな日本語プログラミング環境を実現している.
著者
小林 隆弘
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.271-282, 2007-09-10
被引用文献数
2

大気環境中のナノ粒子に曝露される可能性がある。ラッシュアワーのとき道路沿いの大気中では自動車由来と思われるナノ粒子が増加することが観察される。ディーゼルエンジンは多数のナノ粒子を排出する。一方,極めて粒子径が小さいことから,ナノ粒子は化学的,電気的あるいは光学的な新たな物性を持ち,外界からの光や熱や電圧等の刺激に対して大きい粒子に比較し異なる挙動を示す。このようなことから工業的に生産されるナノ粒子は化学,電子工業,化粧品,医薬,食品,環境技術といったあらゆる分野で使われるようになりつつある。作業環境中においてもこれらのナノ粒子に曝露される可能性が増加しつつある。しかしながら,大気および作業環境中のナノ粒子の曝露評価や健康影響評価はあまり行われていないのが現状である。ここではナノ粒子の曝露評価や健康影響評価の現状と課題について概観した。曝露評価については,屋内・屋外ならびに作業環境中での曝露に関する知見の充実や毒性やナノ材料のライフサイクルを考えた曝露指標の選択とそれに基づく曝露量の計測手法の開発が課題である。また,健康影響評価においては粒子の物理・化学的性状に基づいた体内動態や毒性評価や評価に必要な曝露手法の開発が課題となる。
著者
栗本 桂二 磯島 修 直良 有香 穴田 高 小林 芳友 小林 充治 新井 英雄 高柴 正悟 難波 秀樹 横山 雅之 光田 由可 水島 ゆみ 野村 慶雄 村山 洋二 上田 雅俊 寺西 義浩 藤原 一幸 橋爪 彰子 釜谷 晋平 細山 陽子 上羽 建二 大西 和久 白井 健雄 大橋 哲 東 浩介 木岡 慶文 南林 繁良 田中 真弓 北村 卓也 牧草 一人 山岡 昭 浦口 良治 萩原 さつき 福田 光男 小田 茂 林 成忠 竹蓋 弥 米良 豊常 峯岸 大造 梅田 誠 中元 弘 稲富 洋文 ナロンサック ラーシイシン 野口 俊英 石川 烈
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.191-205, 1988-03-28
被引用文献数
5 2

塩酸ミノサイクリン(MINO,日本レダリー,東京)を用いて歯周炎の局所治療法を確立するための研究を行なってきた。本研究は,MINOを2% (力価)に含有する軟膏製剤(LS-007)を臨床的に用い,その有効性,安全性ならびに有用性をもとに用法を検討したものである。4mm以上のポケットを有する辺縁性歯周炎患者45名の119歯を被験歯とし,LS-007とそのプラセボ,および市販のミノマイシン錠(日本レダリー)を用い,微生物学的および臨床的に用法を検討した。その結果,LS-007の局所投与は歯周病治療において,臨床的有効性,安全性および有用性があると結論した。
著者
小林 義行 山本 修司 徳永 健伸 田中 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.47, pp.1-8, 1994-05-27
被引用文献数
3

複合名詞の解析は、実用的な自然言語解析システムの実現において、解決しなければならない困難な問題の1つである。本論文では、語の共起の統計的な情報とシソーラスを用いて日本語複合名詞の構造を解析する方法について述べる。語の共起関係は16万語の4文字熟語から獲得した。新聞、用語集から抽出した平均4.9の漢字からなる複合名詞を解析し、最終的に約80%の精度で解析することができた。Analyzing compound nouns is one of the crucial issues for natural language processing systems, in particular for the systems that aim wide coverage of domains. In this paper, we propose a method to analyze structures of Japanese compound nouns by using both statistics of word collocations and thesauruses. An experiment is conducted in which 160,000 word collocations are used to analyze compound nouns of which average length is 4.9. Finally, the accuracy of the method is about 80%.
著者
小林 弘明
出版者
公益社団法人日本航海学会
雑誌
航海 (ISSN:0450660X)
巻号頁・発行日
no.95, pp.77-80, 1988-03-25

船体の運動状態を重視するミクロな航行シミュレーションを実施する場合の船体運動の数学モデルを概説する。数学モデルとしては,船体に働く流体力を直接的に表現する流力モデルと,船体運動を操作量に対する応答方程式として表現する応答モデルがある。