著者
佐々木 公明 日野 正輝 長谷部 正 山本 啓 小林 一穂 照井 伸彦 赤松 隆 徳永 幸之 林山 泰久 福山 敬 徳川 直人 平野 勝也 伊藤 房雄 村山 良之 横井 渉央 張 陽
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日本の集計データに基づいた幸福関数の統計的分析は「他者との比較」を表す生活水準が住民の幸福度に影響を与えることを示す。一方、物質の豊かさの価値よりも心の豊かさに価値を置く方が幸福度を増加させる。幸福度は所得満足度と共に単調に増加するが、所得満足度は生得水準の単調増加ではなく、「快楽の踏み車」仮説があてはまる。社会環境を表す所得分配の不平等と失業率はいずれも個人の幸福度に負の影響を与えるが、不平等よりも失業が住民の幸福により大きな影響を与える。
著者
小林 敏男 金井 一頼 淺田 孝幸 高尾 裕二 竹内 惠行 椎葉 淳
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.定量的類型化作業「組織資本の測定」の観点から定量的類型化の基本仮説を構築した。本来この作業は,最終年度で実証に移るはずではあったが,基礎理論構築に手間取り,仮説構築にようやくこぎつけることできた。Lev and Radhakrishman(2003),蜂谷(2005)などの知見を参照しつつ,金融・保健を除く,日経225のサンプル企業のうち,条件に合致する企業数として86社,8年間のデータをもとに,仮説のフィットネスを確認しており,より頑健な理論にまで仕立てなければならない。(目標達成率60%)2.技術・知財戦略技術・知財戦略を聞き取り調査等から調べていけばいくほど,オープンさとクローズドさのバランス問題に横着することが確認される。ITの雄インテルにしても,PCIバスイニシアチブを充実させていた頃は,オープン路線で突き進み,バスやメディア等でデファクトの地位を取ると,今度はクローズドに振れ,それが結局,係争を引き起こし,会社としの業績に暗雲を漂わせ始めている。このバランスを決定づける要因分析の一般化を試みたが,個別ケース記述に留まった。(目標達成率70%)3.提携戦略次の「4」との兼ね合いから,ベンチャー企業における提携戦略について,聞き取り調査を中心に仮説を改良した。成長ステージ管理の重要性を認識するとともに,それぞれのステージにおける管理項目を洗い出した。具体的には,製品開発ステージにおいても,商流ステージであるB2BおよびB2Cを意識した開発管理とマーケティング管理が必要となり,ステージが進むに従い,パートナーシップの重要性が高まる。ただ闇雲なパートナーシップではなく,ビジネスモデルすなわち成長戦略に応じた提携が求められ,その機軸をなすのが,「時間切迫」と「資源の希少性」に他ならない。(目標達成率85%)4.地域産業集積「産業プラットフォームとしての大学」という観点から調査報告をまとめた。大学が有する国・地域としての研究所機能に加え,新産業の担い手としての大学発ベンチャービジネス創出の「場」,という観点を持つことによって,大学を観察することが,産業集積の実際を知る手がかりになる,ということが明らかになった。すなわち,日常的産学連携が活発でない地域では,大学発ベンチャービジネスも起こりにくく,また成功もしづらく,その「場」的取り組みが盛んな地域・大学が産業集積(新規事業創造)においてもリーダーシップを発揮している,ということである。理論的には「場」の概念の援用である。(目標達成率75%)
著者
小林 邦雄
出版者
近畿大学
雑誌
Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学生物理工学部紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.63-78, 2006-03-31

79名の大学1年生に,「同一性混乱尺度」と「孤独感類型判別尺度」の2種類の質問紙を施行した。孤独感類型判別尺度により全被検者は4つのタイプに類型化された。孤独感類型判別尺度は「自己の個別性の自覚」と「理解・共感の可能性」への信頼・期待を測定する2つの下位尺度で構成される。最も「自己の個別性の自覚」の低いA型と最も「自己の個別性の自覚」の高いD型において,被検者の度数が統計的に等しかった。この結果は,大学生においては殆んど例外なくD型がA型の度数を上回るという先行研究と合致しなかった。一方,「自己の個別性の自覚」尺度全7項目のうち6項目でD型がA型より有意に得点平均が高かった。「理解・共感の可能性」尺度全9項目のうち6項目で,A型はD型より得点平均が高く,前者の依存性の強さを示唆するとも考えられた。またD型はA型より同一性混乱(悩み)の程度が高く,前者では自己に関わる多様な「悩み」がA型より強く意識されていることが示唆された。以上の結果は,中学生を対象とした先行研究において示された,発達的に最も進んでいると考えられ争D型が最も未熟と考えられるA型よりストレス(悩み)が多いという結果と符節を合わせ,発達と悩みの不可分の関係を示唆するものと考えられた。
著者
瀬戸口 剛 小林 英嗣 堤 拓哉 佐藤 滋
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

積雪寒冷都市では、冬季における除雪エネルギーを低減し、快適な都市空間の創造は大きな課題である。本研究では北海道内都市を対象に、都心部の公共空間での堆雪量と除雪エネルギーを低減させる都市デザイン手法、およびプロセスを開発した。都心部でも高層ではなく中層を主体とした街区空間をデザインが望ましい。さらに、堆雪量と除雪エネルギーの低減には、風雪シミュレーションを並行させた都市デザインプロセスが重要である。
著者
小林 偉昭 高橋 修 新田 哲二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.779-780, 1988-09-12

INTAP(財団法人情報処理相互運用技術協会)の試験検証センターは,通産省の指導のもとに1987年9月に設立され,多くの会社の協力を得て次のような活動を行なっている。(1)情報処理システムのOSI(Open Systems Interconnection)規約準拠性を確認する。(2)情報処理システムの相互接続性を促進する。ここでは,その活動の一つであるコンフォーマンス試験方法の検討状況及びODA/ODIFに対する考察を紹介する。
著者
川島 秀一 隠居 良行 中村 徹 小川 卓克 池畠 良 小林 孝行 幡谷 泰史
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

気体力学、弾性体力学、プラズマ物理学等に現れるいくつかの非線形偏微分方程式系に対し、その消散構造・減衰特性を解明し、様々な非線形振動・波動現象に対する漸近安定性を示した。また、緩和的双曲型保存系に対する非線形安定性解析の一般論を構築し、時間重み付きエネルギー法、半群に基づく手法、調和解析的手法等の有効性を確認した。
著者
盛永 審一郎 加藤 尚武 秋葉 悦子 磯部 哲 今井 道夫 香川 知晶 忽那 敬三 蔵田 伸雄 小出 泰士 児玉 聡 小林 真紀 坂井 昭宏 品川 哲彦 松田 純 山内 廣隆 山本 達 飯田 亘之 水野 俊誠
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1)20世紀に外延的に同値された神学的-哲学的概念としての「尊厳」と政治的概念としての「権利」は内包的に同一ではないということ。また、「価値」は比較考量可能であるのに対し、「尊厳」は比較考量不可であるということ。2)倫理的に中立であるとされたiPS細胞研究も結局は共犯可能性を逃れ得ないこと、学際的学問としてのバイオエシックスは、生命技術を押し進める装置でしかなかったということ。3)20世紀末に登場した「身体の倫理」と「生-資本主義」の精神の間には何らかの選択的親和関係があるということ。
著者
小林 由佳 山田 美佐 藤井 裕美 甲 由紀子 魚谷 いづみ 田本 真理子 名田 正子 村井 裕之 角 英 岩垣 博巳 友田 純 斎藤 信也
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.225-229, 2010-12-01 (Released:2011-01-04)
参考文献数
17
被引用文献数
1

To evaluate the usefulness of the waterless hand washing method for surgical anti-sepsis, we conducted a microbial sampling study, comparing it to a conventional surgical scrub method. A total of 18 operating-room nurses were undertaking the following three-hand washing protocols : scrubbing with blushes using 4w/v% chlorhexidine gluconate (CHG) and also rubbing with CHG, followed by application of a 0.2w/v% CHG with ethanol (HS) preparation. (conventional method); rubbing with CHG and application of HS (two-stage surgical scrub method; TSS); rubbing with anti-septic soap and application of HS (waterless method; WL). Microbial sampling was conducted after hand washing using the glove juice method. No statistically significant differences in bacterial numbers were found among these three methods. The number of bacterially positive subjects was significantly higher in the conventional method than the TSS method. These results indicate that there are adverse effects of blush-scrubbing, as the detected bacteria were related to normal skin flora. As such, the WL method for hand anti-sepsis appears to be equivalent to the conventional surgical scrubbing method in terms of microbial detection. The WL method should therefore be introduced as a standard hand anti-sepsis method at the time of surgery because it is cost-effective as well as time-efficient.
著者
小林 敏男
出版者
大東文化大学
雑誌
人文科学 (ISSN:18830250)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.170-141, 2003-03-31
著者
澤村 明彦 二文字 俊哉 小林 寛道 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 吉野 泰造 國森 裕生 細川 瑞彦 伊東 宏之 李 瑛 長野 重夫 川村 静児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.526, pp.17-20, 2003-12-11

これまで我々はRb原子の吸収線に磁気光学効果を用いる安定化法に,我々が考案したPEAK方式を採用することで基準信号を得て,半導体レーザの発振周波数安定化を行ってきた.また近年,フェムト秒パルスモード同期レーザによる光周波数コムが光周波数の新たな基準として注目されている.そこで本研究ではPEAK方式を用いて安定化したレーザの周波数安定度を,光コムジェネレータを用いて測定した.さらに安定度の改善と発振スペクトル幅の狭窄化を目的として,1つの半導体レーザに2つの光フィードバック(ダブル光フィードバック)を施した状態で発振周波数を安定化することについて検討した.
著者
小林 泰子 仲西 正 稲垣 サナエ 井上 広子 久保田 夏子 鈴木 理絵 小阪 君枝 葛西 路子 大野 藍 寺川 未央
出版者
東京家政大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高齢化社会を快適に過ごすために,身体や環境から発生するにおいの除去と抗菌作用を持つ消臭機能綿布を調製した.反応染料や直接染料と銅塩で媒染した綿布は,モデルにおい物質のエタンチオールに対し高い消臭・抗菌性を示した.さらに,ガスクロマトグラフを用いて,媒染綿布のエタンチオールに対する消臭機構を調べた.銅媒染により,エタンチオールが綿布に吸着,または,ジエチルジスルフィドに分解することがわかった.