著者
杉浦 真治 山崎 一夫 石井 宏幸
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-14, 2002-01-10 (Released:2017-08-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ゴマフシロキバガScythropiodes leucostola(Meyrick)(チョウ目ヒゲナガキバガ科)の幼虫が,ナラメリンゴタマバチBiorhiza nawai(Ashmead)(ハチ目タマバチ科)によってコナラの芽に形成された虫えいに穿孔し摂食しているのが観察された.これまで,虫えいを摂食するチョウ目では10科が知られているが,我々の知る限りヒゲナガキバガ科では初めての記録である.ゴマフシロキバガは様々な樹種の葉を食べることが知られており,これまで報告された多くのえい食者と同様,機会的えい食者であると考えられた.また,摂食された虫えいから,ナラメリンゴタマバチの成虫が多数羽化してきたことから,ゴマフシロキバガの幼虫による摂食が虫えい形成者に与える影響は少ないものと考えられた.
著者
山崎 誠子 梅田 浩司
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.39-46, 2012 (Released:2012-05-04)
参考文献数
60
被引用文献数
6 15 6

The cooling history of the Crateceous Toki granite, exposed in the eastern Sanyo Belt, Central Japan, was constructed from various geochronological data. The granite yields K-Ar biotite ages of 74±2 to 72±2 Ma (±1σ) and K-Ar hornblende ages of 75±4 to 74±4 Ma, which are concordant with a previously reported Rb-Sr whole-rock isochron age. Fission-track ages of zircon and apatite in the granite give ages 73±3 to 64±3 Ma and 40±4 to 37±4 Ma, respectively. These above thermochronological data suggests two distinctive cooling stages for the Toki granite; 1) a first rapid cooling stage in which the granitic magma was cooled to the temperature of host rock soon after intrusion at depths of 5-7 km in the upper crust, and 2) second slow cooling stage (7-9 °C/m.y.) associated with the uplift and subsequent erosion of the granite intrusion after ∼ 70 Ma.
著者
芝崎 美和 山崎 晃
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.256-267, 2016 (Released:2016-08-08)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 児童の謝罪が幼児と同様に罪悪感によって規定されるか否かを明らかにし, 違反発覚の有無という点で異なる約束違反場面と欺き場面での加害児の謝罪についての児童の予測が罪悪感認識の程度と関連するか否かについて明らかにすることであった。調査対象者は小学2年生87名, 4年生86名, 6年生79名であった。分析の結果, 以下の3点が明らかになった。第1に, 所有物の持ち去り場面で加害児の行動として謝罪を推測した者は罪悪感低群よりも高群で多く, 反対に自己中心的方略を推測した者は罪悪感高群よりも低群で多かった。第2に, 約束違反場面では加害児の行動予測に罪悪感認識の高低による違いはみられず, 加害児の罪悪感の程度にかかわらず謝罪が多く予測された。第3に, 欺き場面では, 罪悪感認識の高低によって謝罪を推測する程度には違いがみられなかったが, 罪悪感低群では自己中心的方略を推測した者が多く,他方,罪悪感高群では, 向社会的方略を推測した者が多かった。以上のことから, 児童の謝罪が罪悪感に規定される程度は違反の種類によって異なり, 所有物の持ち去り場面での児童の謝罪は罪悪感と関連するが, 約束違反場面での謝罪は罪悪感と関係しておらず, 違反が発覚しない欺き場面では, 罪悪感は謝罪ではなく向社会的方略を促すことが示された。
著者
竹村 真由美 山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.11-20, 1983-12-30

本報では, おからの保存と大量有効利用を目的として, 乾燥おからを試作し, その乾燥おからと米麹および乾燥おからと米混用全麹の各味噌の製法を考案し, 次のような結果を得た。1. 乾燥おから使用味噌では, 在来の大豆使用味噌に比して, 糖化率, タンパク質分解率および有機酸の生成量の測定結果から, 熟成期間が約1/3に短縮された。2. 全麹使用味噌のF・N/T・Nは, 在来の大豆使用味噌に比して55.2%で, 高い分解率を示し, 特に仕込初期(5日以内)に遊離アミノ酸の増加が顕著であった。3. 乾燥おから使用味噌の色調・化学的組成および風味については, 大豆使用味噌に類似した値が得られたが, 特にグルタミン酸含量では, 大豆使用味噌の1.3倍, 既報の生おから使用味噌の1.8倍と高値を示し, 旨味のある製品が得られた。
著者
竹村 真由美 山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-7, 1981-06-30

新鮮おからと米を用いて味噌製法を試み, 次の結果を得た。1.おから味噌の仕込条件でおから対米の配合割合が1 : 1の場合では, 熟成期間が10日間に短縮された。2.おから味噌はエタノール含量が多く, エステル香が強く, 「なめ味噌」タイプの製品が得られた。3.本仕込み法のおから味噌ではグルタミン酸含量が少なく旨味が乏しかった。
著者
長田 謙一 木村 理恵子 椎原 伸博 佐藤 道信 山本 和弘 楠見 清 山崎 明子 加藤 薫 木田 拓也 熊倉 純子 藤川 哲 鴻野 わか菜 後小路 雅弘 水越 伸 山口 祥平 毛利 嘉孝 森 司 暮沢 剛巳 神野 真吾 竹中 悠美
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、個別研究およびその総合を通して、以下の知見を獲得するに至った。近代社会において「自律性」を有する独自システムを形成したと理解されてきた芸術は、1980年代以降、アジア諸国、ロシア・旧東欧圏、そしてアフリカまでをも包含して成立する「グローバル・アートワールド」を成立させ、それは非西洋圏に進む「ビエンナーレ現象」に象徴される。今や芸術は、グローバル経済進捗に導かれグローバル/ローカルな政治に支えられて、経済・政治との相互分立的境界を溶解させ、諸領域相互溶融的な性格を強めている。しかし、それゆえにまた、現代の芸術は、それ自体が政治的・経済的等々の社会性格を顕在化させることともなる。
著者
山崎 剛 田口 文明 近藤 純正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.71-77, 1994-02-28
被引用文献数
18

積雪のある森林小流域(山形県釜淵)における熱収支を評価した.融雪モデルと流出モデルを組み合わせ,融雪過程と流出過程を再現した.その際,森林内の積雪直上の放射条件に対する植被の影響を考慮した.また,森林小流域を巨視的に,それぞれ一層の植被層と積雪層からなる系と考えることによって,森林から大気への顕熱フラックスを見積もった.その結果,枝葉上に雪がなければ真冬の2月下旬でも40〜60Wm^<-2>の顕熱フラックスが大気へ供給され,大気は加熱されることがわかった.さらに熱収支の様子が,植被の有無によってどのように変わるかについても調べた.