著者
羽藤 英二 朝倉 康夫 山本 俊行 森川 高行 河野 浩之 倉内 慎也 張 峻屹 高見 淳史 井料 隆雅 佐々木 邦明 井上 亮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

プローブ技術を援用したデータフュージョン理論による総合的行動調査の高度化に向けて、1)行動文脈の自動識別アルゴリズムの開発、2)プローブデータを基本とした交通調査・管制システムの開発、3)これらを組み込んだモビリティサービスの実装研究を行ってきた。時系列に同一個人の行動データの蓄積が可能なプローブ技術を用いた総合的行動調査の可能性を示すと同時に、様々な交通施策評価や交通管制の効率化に向けたプローブ技術とデータフュージョン理論の可能性を明らかにすることができた。特にセンサー情報を利用した行動判別アルゴリズムでSVMにAdaboostアルゴリズムを組み合わせることで、大幅な精度向上が可能になり、加速度センサーを有するスマートフォンによって95%以上の確率で交通行動の自動収集判別を可能にすることに成功した.こうした技術とPT調査を組み合わせた総合的な調査プラットフォームを構成することで,従前のワンショット型の交通調査からAlltheyear型の交通調査への移行と,総合的調査技術を用いた交通計画の可能性を示した.
著者
小林 芳規 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 西村 浩子 佐藤 利行 山本 秀人 青木 毅 来田 隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

醍醐寺蔵宋版一切経6,104帖の悉皆調査により,角筆の書き入れを調べ,古代東アジアにおける言語文化の交流と影響関係を考察する目的の本研究は,2007~2009年に5回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆の有無を調べ,4,453帖に角筆による漢字と諸符号の書き入れを見出した。その精査は第二次調査を期している。又,東大寺図書館の調査で,唐代写経に角筆の梵唄譜とヲコト点様の単点・複点を発見し,新羅写経に角筆の新羅語の真仮名等と符号を発見して,解読を進めている。
著者
山本 晴彦 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.167-178, 1997-11-30
参考文献数
15
被引用文献数
2

The typhoons 9210 and 9612 damaged crops and green houses in western parts of Japan, in the early and the middle of August. For the typhoon 9210,the maximum instantaneous wind speed in Makurazaki city was 57.0 m/s, the maximum wind speed was about 15〜33 m/s in middle and southern parts of Kyushu districts. The loss money in the agriculture of Kyushu district by typhoon 9210 exceeded 19.8 billion yen. For the typhoon 9612,the maximum instantaneous wind speed in Kagoshima city was 58.5 m/s, this value was the maximum record since 1940. The precipitation of the Ebino meteorological station in August 14,1996 was 372 mm and many area in western parts of Japan were suffered by strong wind and heavy rainfall. The loss money in the agriculture of Kyushu district by typhoon 9612 exceeded 13.7 billion yen.
著者
小村 和久 井上 睦夫 浜島 靖典 山本 政儀 中西 孝
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

(1)本研究遂行にもっとも重要な極低バックグラウンドGe検出器の性能アップを目的に、プラスチック検出器による逆同時計数法適用のための基礎研究を実施した。ウイーンで開催の国際会で発表。Journal of Applied Radiation and Isotopes誌に論文掲載決定。(2)放射化法による中性子計測法基礎研究のため、近畿大学の1ワット原子炉原子炉稼動時の中性子分布を測定。(3)2001年開始の青森県六ヶ所村での中性子モニタリングを継続,成果を研究会で発表。(4)極低バックグラウンドγ線計測による低レベル中性子評価関連の成果とともに論文として掲載。(5)Cf-252中性子線源を用いて金を放射化、所有の10ゲ台ルマニウム検出器の効率を評価(6)海中の中性子分布の深度深度分布測定のための最適条件を得るため、小木臨海実験所で3度水中照射実験を実施。(7)獅子吼高原(海抜640m)と辰口(海抜約30m)で環境中性子の同時測を行った。環境放射能研究会(つくば2004.3)で発表(8)海抜2100m地点で1年以上おいて中性子暴露した水試料の放射能測定を実施。(9)原爆中性子による極低レベル誘導核種152Eu評価のための分析手法について検討した。中でも妨害が大きアクチニウムとの相互分離に充填重点をおいて研究し分析法を確立。(10)前年度の測定で原爆中性子誘導放射性核種Eu-152の実測と理論計算値爆心から1.4kmまで一致することを報告。成果はサイエンス誌に投稿。原爆放射線被爆評価法DS02で発表。(11)JCO事故の漏えい中性子誘導核種のうち、スプーン等のステンレス鋼中に生成したCo-60の論文がJ.Environmental Radioactivity誌に掲載決定。放射化による低レベル中性子評価に関する基礎および応用研究で放射線影響協会より第3回放射線影響研究功績賞受賞。(2003.3)
著者
新里 貴之 中村 直子 竹中 正巳 高宮 広土 篠田 謙一 米田 穣 黒住 耐二 樋泉 岳二 宮島 宏 田村 朋美 庄田 慎矢 加藤 久佳 藤木 利之 角南 聡一郎 槇林 啓介 竹森 友子 小畑 弘己 中村 友昭 山野 ケン陽次郎 新田 栄治 寒川 朋枝 大屋 匡史 三辻 利一 大西 智和 鐘ヶ江 賢二 上村 俊雄 堂込 秀人 新東 晃一 池畑 耕一 横手 浩二郎 西園 勝彦 中山 清美 町 健次郎 鼎 丈太郎 榊原 えりこ 四本 延弘 伊藤 勝徳 新里 亮人 内山 五織 元田 順子 具志堅 亮 相美 伊久雄 鎌田 浩平 上原 静 三澤 佑太 折田 智美 土肥 直美 池田 榮史 後藤 雅彦 宮城 光平 岸本 義彦 片桐 千亜紀 山本 正昭 徳嶺 理江 小橋川 剛 福原 りお 名嘉 政修 中村 愿 西銘 章 島袋 綾野 安座間 充 宮城 弘樹 黒沢 健明 登 真知子 宮城 幸也 藤田 祐樹 山崎 真治
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

徳之島トマチン遺跡の発掘調査をもとに、南西諸島の先史時代葬墓制の精査・解明を行なった。その結果、サンゴ石灰岩を棺材として用い、仰臥伸展葬で埋葬し、同一墓坑内に重層的に埋葬することや、装身具や葬具にサンゴ礁環境で得られる貝製品を多用することが特徴と結論づけた。ただし、これは島という閉ざされた環境ではなく、遠隔地交易を通した情報の流れに連動して、葬墓制情報がアレンジされつつ営まれていると理解される。
著者
足立 明 山本 太郎 内山田 康 加藤 剛 井上 昭洋 清水 和裕
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は、非西欧世界における「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容を、保健医療に関わる開発現象を中心に検討することであった。そのため、これまでの公衆衛生の社会史、文化史の成果を整理し、また各研究者の蓄積してきた諸社会の民族誌的・歴史的経験をもとにして、保健医療の導入と「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容に関する分析枠組みの検討・整理を行おうとしたのである。平成11年度は、西欧世界を中心とした保健医療の導入とその社会文化的影響に関する既存の文献を収集し、それらを分担して検討した。その主な内容は、上下水道の導入に関する社会文化的影響、保健医療の制度化と宗教の世俗化、保健医療の導入と疾病傾向の変容、キリスト教宣教師と「清潔」「衛生」概念であった。これにたいして、平成12年度は、各自の蓄積してきた諸社会の資料を整理した。その結果分かってきたことの一つは、20世紀初頭の植民地下で西欧の健康概念と西欧的核家族概念が結びつき、社会変容に寄与する可能性である。また、このようなテーマで研究する上で、新しい研究視角の議論も行い、人、モノ、言葉のネットワークをいかに把握するかという方法論的検討も行った。もっとも、現地調査を前提としていないこの研究では、資料的に限界があり、その意味で、本研究は今後の海外学術調査の予備的な作業という性格が強いものとなった。今後は、さらなる研究に向けた体制の立て直しを計る予定である。
著者
足立 明 花田 昌宣 子島 進 平松 幸三 佐藤 寛 山本 太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、開発過程を総合的に記録・記述する民族誌的プロセス・ドキュメンテーションの可能性を検討するところにある。いうまでもなく、開発は、開発援助機関、プロジェクトマネージャー、受益者といった直接のアクターのみならず、それを取り巻く多様なアクターとの関わりで、紆余曲折しながら進行していく。それは「複雑系」といってよい過程である。本研究は、参加型開発での現地調査をとおして、開発過程を記録し記述する手法を学際的に検討し、開発研究者や開発実務者のみならず、開発の受益者にも利用可能となるような汎用的記録法の可能性をさぐることを目的としていた。平成14年度は方法論的としてのアクター・ネットワーク論を議論した。平成15年度、16年度は、すでに検討した方法論をふまえて、開発プロジェクトの参与観察を行った。なお、現段階で収集した資料の整理がすべて終わったわけではないが、これまでに判明した点は以下である。1.調査を始めて見た結果、この研究はきわめて「時間のかかる」仕事であるということを実感した。たとえ実験的なプロセス・ドキュメンテーションの調査であっても、数週間から1ヶ月程度の期間でできることはきわめて不十分で、博士課程の院生が全力で取り組むような規模の研究課題である。2.方法論的な検討の結果、アクター・ネットワーク論は有効であることが分かった。例えば、「参加型」というフレームの成立、安定化、揺らぎを、アクターを追うことで、参加型開発の「公的台本」と「隠された台本」を見いだしうる。3.しかし、アクター・ネットワーク論的方法論を、事後的に使ってプロセス・ドキュメンテーションを描くことは、異種混交なアクター間の微妙な相互作用を見落としがちであり、事後的な分析ではなく、「アクターを追う」ことで、このような調査を継続し、方法論的な検討を深める必要がある。
著者
五十嵐 大 千田 浩司 柴田 賢介 山本 太郎 高橋 克巳
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.2, pp.1-8, 2010-02-25
参考文献数
23

2009 年 10 月に開催された CSS2009 では,2 パーティ秘匿回路計算システムを用いた行動分析実験が行われた。従来秘匿回路計算は計算コスト等の課題から,実用的な利用報告がほとんどされてこなかった。これに対し本稿では,数百人規模となった CSS2009 における上記実験を利用例として報告し,秘匿回路計算及び上記システムの実用性を示す。In CSS2009, convened in October, 2009, an experimental trial on a behavior analysis using a 2-party secure circuit evaluation system was conducted. In the past, there had been very few practical utilization reports of the 2-party secure circuit evaluation, due to its high computational cost mainly. In this paper, we report the above trial as an example of the technique's utilization, and show the utility of the technique and our system above.
著者
山本 太郎 畑島 隆 谷本 茂明 高橋 克巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.103-108, 2009-02-26
参考文献数
5

ブログは炎上する.ブログなどCGMが隆盛を極める裏側で,記述内容や意見の衝突,果ては他のメディアでの発言などにより炎上やプライバシ暴露などのトラブルが発生し続けている.被害はネット世界だけに留まらず,現実世界にまで及ぶ例も少なくない.我々はそれらトラブルの軽減を目的とし,150件のCGMトラブル事例を予備調査した上で,トラブルの発生から収束または発散に至るシーケンスの仮説の構築と各シーケンスにおける原因や問題種別など要素の整理を行った.本件では,これまでのまとめと今後実施予定の本調査手法について紹介する.There are so many troubles in CGMs such as blog flaming. Troubles break out from contents, clash of opinions, comments on another media and some bring about violations of privacy. To decrease and soften those troubles, we start investigating 150 troubles as preliminary research. We set up a hypothesis of trouble sequences and analyzed collected troubles. We describe our current work and our future investigation method.
著者
山本 雅裕
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

TLR非依存的にIFN-γが産生される分子機序について、T.cruzi感染により引き起こされる宿主の細胞内カルシウムイオンの濃度上昇が関与しているかどうかを検討する目的で、FK506を用いてカルシウムシグナルを阻害したところ、T.cruzi感染によるIFN-γ産生が減少した。また、FK506がカルシニューリンの阻害剤であることから、カルシニューリンの下流に存在するNFATc1のT.cruzi感染によるIFN-γ産生における役割について検討したところ、T.cruzi感染によりNFATc1が核移行し、さらにNFATc1欠損細胞においてはT.cruzi感染によるIFN-γ産生が減少した。さらに、NFATc1欠損樹状細胞はT.cruzi感染による活性化が著しく減弱した。以上のことから、T.cruzi感染後TLR非依存的にNFATc1を介して自然免疫担当細胞よりIFN-γが産生され宿主自然免疫応答が惹起されることが判明した。これらの結果より、T.cruzi感染に対し宿主がTLR依存的・非依存的な自然免疫応答を引き起こす防御機構を有していることが明らかとなった。