著者
中村 昌太郎 松本 主之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1, pp.47-53, 2012 (Released:2012-01-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

胃MALTリンパ腫の診療に関する最近の知見について,Helicobacter pylori除菌後の長期予後を中心に解説した.本邦における多施設大規模追跡試験により,H. pylori除菌後の胃MALTリンパ腫の長期予後がきわめて良好であることが明らかとなった.対象420例の除菌による完全寛解率は77%であり,3~14.6年(平均6.5年)の追跡の結果,除菌10年後の治療失敗回避率は90%,全生存率95%,無イベント生存率86%であった.多変量解析の結果,H. pylori陰性,粘膜下層深部浸潤およびt(11;18)/API2-MALT1転座が除菌抵抗因子として抽出された.本症に対する除菌治療の保険収載により,H. pylori依存性胃MALTリンパ腫症例が減少し,将来は除菌抵抗例やH. pylori陰性例の診療が問題となることが予想される.
著者
松本 庄司
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.180, pp.108-111, 2008-04

Ajaxアプリケーションにおいて,クライアントがWebアプリケーションから受け取るデータ形式にXMLではなくJSON/JSONPを利用するケースが増えている。このJSON/JSONPを採用した場合,処理時間がどのように変わるか検証した。検証を実施したモディファイの松本さんに検証の結果と,結果に対する考察を報告してもらう。
著者
秋元 圭人 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.60, 2008

近年,U-Mart と呼ばれる人工市場研究のプロジェクトが注目されている.U-Mart プロジェクトでは 計算機上での実験環境として U-Mart システムを提供しており,多くの公開実験や教育イベントを実施してきた.本研究では,現実のデイトレードに着目し,ヒューマンエージェントを対象とした GUI の拡充及び現実的な挙動を示す市場を再現する板再現エージェントの構築方法について提案する.実市場データを用いた数値実験により提案手法の有効性を示す.
著者
鎌田 基司 村上 克介 松本 隆仁 村瀬 治比古 諸見里 聰 増田 篤稔 洞口 公俊 向阪 信一
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.159, 2002

モズクは健康食品として消費が伸びてきている。モズク養殖生産の効率化と安定化を図る上で、光環境の作用&middot;効果の解明が必要である。そこで光環境の基礎的知見を得るため、モズク盤状体の光合成特性について実験検討を行った。培養には40W3波長形蛍光ランプを用いた。光合成特性は光合成有効光子照度(PPFD)を0&sim;1000&mu;mol m<SUP>-2</SUP>s<SUP>-1</SUP>として測定した。実験検討の結果、日数の経過とともに盤状体の濃度は高まり、光の透過率が低くなった。高濃度のモズクは低濃度のモズクより低いPPFDで酸素発生速度が速くなる結果が得られた。モズク盤状体の光合成における最適な光飽和点は150&sim;300&mu;mol m<SUP>-2</SUP>s<SUP>-1</SUP>であった。今後、モズクの光合成特性の測定&middot;把握と併せて、補光設備を配設した実験用人工採苗水槽試作機での実験を重ねていきたい。
著者
細川 三郎 松本 祥吾 多田 稜平 芝野 卓也 田中 庸裕
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.583-588, 2017-11-15 (Released:2017-11-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1 2

Mn-modified hexagonal YbFeO3 (Mn-YFO) synthesized by a solvothemal method is found to have a higher catalytic activity for C3H8 or CO oxidation than noble metal catalyst, Pd/Al2O3. The catalytic activity is mainly due to amorphous MnOx species located on ab plane of the hexagonal lattice. A small amount of Pd loading on Mn-YFO drastically enhances the catalytic activity; that is, 0.5 wt% Pd/Mn-YFO shows excellent activity for CO oxidation that exceeds the activity of 2.0 wt% Pd/Al2O3. The Pd loading dramatically improves the reducibility of the MnOx species and also CO adsorption to Mn-YFO. Thus, we demonstrate that an extremely small amount of Pd species plays a role as a promoter for the catalytic and reduction functions of the MnOx species on Mn-YFO. It is expected that the establishment of such promoter effect will provide a novel guideline for reducing the use of precious metal resources.
著者
中野 孝教 荒矢 大輔 飯田 史哉 石本 達成 伊戸 康清 猪嶋 清文 今村 智子 江川 勇飛 小澤 弘幸 帰山 寿章 片瀬 靖規 酒井 元哉 佐藤 実 澤田 誠司 下島 浩平 野田 博幸 松田 智幸 松本 高志 山田 明弘 山田 佳裕 山下 勝行 岡野 修 岸本 圭祐 勝見 尚也 山中 勝 城間 吉貴 大河内 博
出版者
日本地学教育学会
雑誌
みんなの地学 (ISSN:24356441)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.10-15, 2020-06-30 (Released:2021-12-02)
参考文献数
10

人間社会は岩石や水,生物,大気などの様々な自然資源を開発し利用することで発展してきたが,それに伴い環境は変化し時に汚染や災害など生存にかかわる問題を引き起こしてきた.地学は持続可能な社会を支える必須な学問であるにもかかわらず,高校地学の履修者は少なく,教師も研究者も減少している.人間と自然の関係は複雑だがシームレスにつながっており,共に地域的な多様性に富むという特徴がある.地球環境研究は社会変革につながる学際研究,大学は地域貢献,自治体は地域創生が求められるようになってきた.ここでは健全な水循環の実現に向けて,大学と小学校が連携しながら,地域性が強い水資源を観測・調査している福井県大野市の例を紹介し,生徒の環境リテラシーの向上と地学研究を協働して推進する地学教育の可能性を考えてみたい.
著者
松本 淳 石崎 直人 小野 公裕 矢野 忠 山村 義治
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.779-784, 2004-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
14

[目的] 胃内視鏡検査の際には、胃運動抑制を目的に抗コリン薬やグルカゴンなどの前投与を行う。今回、これらの薬剤の代替手段として、中院穴 (CV12) への鍼刺激を行い、その有用性を検討した。[方法] 鍼刺激群は19例で平均年齢66.1±9.9歳、薬剤投与群は41例で平均年齢64.3±12.9歳であった。鍼刺激群は、内視鏡検査前に10分間の中〓穴の雀啄刺激を行い、内視鏡挿入後も刺激を続けた。検査後、内視鏡医が蠕動運動抑制の程度と検査への支障の評価を2種類のVASとカテゴリ分類したスコアを用いて行った。薬剤投与群は、通常の前処置を行い、同様の評価を行って鍼刺激群と比較した。[結果とまとめ] VAS評価及びカテゴリ評価において鍼刺激群が薬剤投与群に若干劣るものの両群に有意差は無かった。このことから中〓穴への鍼刺激が、胃内視鏡検査における薬剤投与の代替手段として有用であることが示唆された。
著者
松本 健一 石野 福弥
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.33-38, 2004

本論文は,電力リスクヘの社会的取り組みの必要性と社会的プロジェクトにおける非同期コミュニケーションについて議論する.ステークホルダーの多い社会的プロジェクトは,合意形成やコミュニケーションの面で個別プロジェクトと性質が異なる.電力リスク対策はそのような社会的プロジェクトの典型例である.近年の電力関係の事故や災害から,近未来の電力需要の約40%を原子力に依存するとされる日本では,制御不可能な理由で電力不足が生じる可能性を考える必要がある.また,突然の電力不足が何をもたらすかを予測できない状況でもある.そのような電力リスクに対応するために個別に自家発電機を準備している組織はあるが,社会的な設計概念がない.このリスクの影響範囲は広く,個別プロジェクトでは解決できない課題があるので,社会システム改革プロジェクトと各組織による個別プロジェクトの2重構造でこの問題を捉えることが求められる.そして,その上位に位置する社会システム改革プロジェクトはステークホルダーが多いので,個別プロジェクト間のコミュニケーションマネジメントでは,従来のような同期的な情報のやり取りは不向きである.そこで,各組織の状況に応じて非同期的に必要な情報を取得して,リスク対策結果を登録するための公開データベースが必要となる.また,リスク対策レベルの規格化と認証を行う中立的な機関の設置がそれに先立つ必要がある.
著者
松本 幸一 マツモト コウイチ Koichi Matsumoto
雑誌
教養研究
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.59-76, 2012-07
著者
宮谷 慶一 松本 直之 熊谷 亮平 権藤 智之 松村 秀一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.790, pp.2689-2698, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
16

The purpose of this paper is to clarify the cement suppliers for each construction site during the interwar period when cement consumption increased in Japan. Specifically, the authors picked up and analyzed the cement suppliers at each construction site from the contents of the "Completion Reports", which are the construction records made by Shimizu-gumi during this period. There are 3,186 completion reports in total, of which 1,729 have a description of the cement supplier. These 1,792 cases are summarized in tables and figures by use, structure type, prefectures, year of construction, and total floor space. (See Table1-Table3, Fig.2-Fig.3) The findings are as follows: 1. The Cement suppliers can be classified into four types: "Manufacturing Companies", "Shimizu-gumi itself”,"Merchant" and "Supplied by Client". (See Table4) 2. By region, the percentage of “Shimizu-gumi itself” was high in the Kanto, and the percentage of “ManufacturingCompanies” was high in the Hokuriku. On the other hand, the percentage of “Merchant” was high in Chukyo, Osaka, and Kyushu. 3.By period , the percentage of “Merchants” has increased since the Ⅳ period (1936-) .(See Fig.5-Fig.9) 4. The percentage of “Manufacturing Companies” in each region was almost the same as the shipment percentageset by the regulation. (See Table6 and Table7) However, in the Chukyo, the number of cases of Mikawa, which is closely related to the Shimizu-gumi, was the highest. 5. Since the section handling cement was established at the head office, the cases of “Shimizu-gumi itself” were concentrated in the area under the jurisdiction of the head office, especially in Tokyo. 6. Looking at the breakdown of “Merchants” by region, there are some “Merchants” who have a lot of trades, but since there are many cases of "Others", it is indicated that there were trades with various “Merchants”. (See Table8) 7. Looking at the breakdown of “Supplied by Client", there were almost the same number of governments works and private works, and there were many cases of civil works and industry (See Table9). And there were many cases before 1930, when cement sales control began. (See Table9)
著者
松本 一穂 高野 涼 伊藤 幸男 山本 信次 原科 幸爾
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>熊本県阿蘇地域の山地部は主に草原や人工林として利用されているが、景観や防災、水源かん養等の面からみた最適な土地利用のあり方について模索する動きが地域社会で進められている。草原は放牧・野焼きの有無や優占種の違い(ススキ,ネザサ)によって違いが見られ、人工林も管理(間伐)の程度や樹種(スギ,ヒノキ)によって林相に大きな違いが見られる。しかし、これらの植生の諸特性がその土地の多面的機能をどのように特徴づけているのかについては定量的な知見が限られている。そこで、本研究では熊本県阿蘇市・南阿蘇村内の複数の草原と人工林において土壌の透水性および保水性を調査し、植生の違いが阿蘇地域における山地斜面の水源かん養機能や防災機能に及ぼす影響について検討した。</p>
著者
深山 貴文 ⾼梨 聡 北村 兼三 松本 ⼀穂 Yamanoi Katsumi 溝⼝ 康⼦ 安田 幸⽣ 森下 智陽 Noguchi Hironori 岡野 通明 ⼩南 裕志 吉藤 奈津⼦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>森林の地球温暖化防止機能には炭素固定機能の他、森林が放出する揮発性有機化合物がエアロゾルを生成し地球を冷却する機能がある。森林起源の揮発性有機化合物の主要成分は、イソプレン(C5H8)とモノテルペン(C10H16)であり、主にイソプレンは広葉樹林、モノテルペンは針葉樹林から気温の上昇に伴って揮発性が高まる夏に集中的に放出されることが知られている。一方、世界各地の様々な植生の森林において夏に限らず低温の時期に、これらの濃度上昇が観測された事例が報告されている。本研究では日本国内の6か所の森林において概ね月1回の頻度で3年間にわたって観測されたデータを用いて、国内においても低温期に同様の濃度上昇現象が発生しているのかを確認すると共に、この現象が発生した際の気象要因についての検討を行った。その結果、20℃未満の低温期に20回の高濃度現象が発生していたことが確認された。また、その多くがイソプレンは春、モノテルペンは秋の降雨後に発生していたことから、この現象の発生に降雨が影響している可能性が示唆された。</p>
著者
宮田 明子 夏秋 優 小倉 千香 松本 晴子 山西 清文
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.407-410, 2004

46歳,男性。平成15年3月下旬に,ホタルイカの生食をした。同年4月上旬より前胸部左側にそう痒感を伴う移動性の紅斑が出現してきたため,当科を紹介され受診した。初診時,前胸部左側に不整形で不規則な線状の浮腫性紅斑が存在し,一部に浸潤と紫斑を認めた。移動性紅斑の先端と紫斑部を皮膚生検したところ,紅斑先端部では旋尾線虫幼虫の虫体を認め,紫斑部では軽度の血管炎を認めた。皮膚生検後,皮疹は著明に改善した。
著者
広岡 博之 松本 道夫
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.229-235, 1998-03-25 (Released:2017-11-27)
参考文献数
19
被引用文献数
5
著者
山岸 美穂 松本 孝 池田 啓一 山倉 文幸 Miho YAMAGISHI Takashi MATSUMOTO Keiichi IKEDA Fumiyuki YAMAKURA
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.782, pp.53-56, 2005-12

トリプトファンとペルオキシナイトライトを反応させてからすぐに逆相HPLCで分離させ,ニトロソ化物,ニトロシル化物等不安定な物質を同定することや,前報でトリプトファンの方がチロシンよりも未確認の生成物が多く検出されたということから,これらの未確認生成物を同定することを目的として,実験を進めた。その結果,キヌレニン,7-ニトロトリプトファン,6-ニトロトリプトファン,4-ニトロトリプトファン,5-ニトロトリプトファンが確認された。また,反応直後と数日後の比較から,報告にあるニトロソ化物,ニトロシル化物以外の,不安定な生成物が確認された。