著者
森下 高行 小林 慎一 三宅 恭司 石原 佑弌 磯村 思无 中島 節子 中島 捷久
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.944-949, 1992-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

インフルエンザウイルス感染症診断のPCR法による迅速性, 有用性の確立を目的としインフルエンザウイルスAH1, AH3, B型それぞれのHA遺伝子検出のためのプライマーを作製し, その検出感度, 特異性について検討した. また, インフルエンザウイルス集団発生から得られたうがい液からPCR法によりインフルエンザウイルスHA遺伝子の検出を試み, MDCK細胞による分離と比較有用性を検討した.今回, 我々が作製した3種類のプライマー対は亜型および型特異性を示し, いずれのプライマーも他の亜型, 型のインフルエンザウイルスに対し特異バンドを示さなかった. 検出感度はH1プライマーでは2pfu/50μl, H3では3.5pfu/50μl, Bは1.1pfu/50μlであった. PCR法によるうがい液からのインフルエンザ遺伝子の検出率はMDCK細胞によるウイルス分離率と比較し2-3倍高く, PCR法のインフルエンザ感染症診断における迅速性, 有用性が示唆された.
著者
林 慎一郎 室町 泰徳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.853-858, 2008-10-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では、東京都、神奈川県内から平成19年8月1日に放置車両取締り関係事務の民間委託が行われた4地域を選定し、制度変更前後で駐車している車利用者を対象としたアンケート調査を行った。この2回のアンケート調査結果を基に、違法駐車取締りの制度変更が車利用者の意識にどのような影響を与え、それと共に車利用者の駐車行動がどのように変化したのかを検討した。本研究の主な結論としては、1回目のアンケート調査において、路上を選択した車利用者の内、31%が2回目のアンケート調査において、駐車場を選択したことがわかった。また、駐車場所選択ロジットモデルの推定結果より、徒歩時間、駐車料金、反則金の意識などの通常の変数の他、車利用者の意識を表す変数のパラメータが有意に推定された。また、このような意識を表す変数を組み込んだモデルの方が取締り制度変更後の車利用者の行動をより良く説明できることが示され、車利用者の意識変化が駐車取締り制度の変更前後において、駐車場所選択行動に影響を与えたことが明らかにされた。
著者
丹治 肇 桐 博英 小林 慎太郎
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.5, 2009

エネルギー供給とスマートグリッド技術の進歩を前提に,21世紀の水田灌漑システムの再編の条件を検討した.今後,化石エネルギーから自然エネルギーへの転換が起こり,灌漑システムでもエネルギーの自立性が求められよう.スマートグリッドの通信制御技術を効率的に使うために,水田灌漑システムは流水システムから貯水システムへの転換が必要になり,耕作放棄地を活用したラグーン等の設置が求められる.スマートグリッド技術を活用し,水循環を制御すれば,水利用の自由度が上がるとともに,生態系,水質問題の解決が可能である.また,ラグーンを揚水発電と組み合わせることで,灌漑システムのバッテリー利用も有望である.これらの改変で,農地面積は減少するが,発電等の使用料が農家の収入になれば,全所得の向上が可能になろう.
著者
小林 慎一 中島 隆芳 山崎 浩平 佐藤 謙一
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.422-429, 2012-07-25 (Released:2012-09-12)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

Since the discovery of bismuth-based high-temperature superconductors in 1988 in Japan, much work has been done to develop superconducting wires and their applications. Applications include cables, motors, transformers and fault current limiters used at 77.3 K, high field magnets and motors used at 20 K and super-high field magnets and current leads used at 4.2 K. Some applications are already commercial products. This paper introduces the wire fabrication methods, wire characteristics and application apparatus.
著者
林 慎一 木村 万里子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.68-73, 2015 (Released:2015-09-02)
参考文献数
27

エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌ではホルモン療法が有効であるものの,およそ3分の1は再発する。再発のメカニズムは数多く研究されてきたが,完全に解明されたわけではなく,ホルモン療法耐性,特にアロマターゼ阻害剤(AI)耐性は代替的な細胞内ERシグナルの獲得が関係すると考えられている。筆者らは癌組織検体と癌細胞株でERの転写活性をモニタリングすることでそのメカニズムを研究してきた。エストロゲン応答配列(ERE-)GFPアデノウィルス試験ではAI無効例は多様なER活性を示し,抗エストロゲン剤への感受性も様々であったが,これは耐性には複数の機序が存在することを示唆している。また,ERE-GFP導入ER陽性乳癌細胞株からAI耐性を模倣する6種類の異なるタイプの耐性株を樹立し,リン酸化依存性やアンドロゲン代謝物依存性など,複数の代替的なER活性化経路がAI耐性に関わることを明らかにした。フルベストラントやmTOR阻害剤への反応も個々の耐性株で異なっていた。これらの結果はER陽性乳癌の分類をさらに細分化することが,ホルモン療法だけでなく新しい分子標的薬などの治療選択に極めて重要であることを示唆している。
著者
西口 沙也加 村田 晃一 宇部 尚樹 上野 琴巳 手林 慎一 寺石 政義 奥本 裕 森 直樹 石原 亨
出版者
Pesticide Science Society of Japan
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.191-197, 2018-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
46
被引用文献数
8

イネにおいて1 mM のジャスモン酸を処理することで蓄積量が増加する化合物の探索を行った.その結果,2つの化合物1と2の蓄積量が増加することがわかった.マススペクトルとHPLCにおける保持時間を標準品と比較することで,1と2をそれぞれ13-oxooctadeca-9,11-dienoic acid(13-KODE)および9-oxooctadeca-10,12-dienoic acid(9-KODE)と同定した.これらの化合物の蓄積はイネごま葉枯病菌の感染によっても誘導された.一方で,各KODEをイネの葉に処理すると,抵抗反応に関連する二次代謝産物のサクラネチンやナリンゲニン,セロトニンの蓄積が誘導されたため,これらのKODEが病害応答に関与していることが示唆された.KODEと同じくα,β-不飽和カルボニル構造を持つ化合物について,同様の活性があるか調べたが,KODEの作用は再現されなかった.二次代謝産物の誘導には一定の長さをもった炭素鎖など他の構造因子が必要であると考えられた.
著者
石井 明子 橋井 則貴 松本 真理子 香取 典子 新井 進 粟津 洋寿 磯野 哲也 井上 友美 永座 明 大山 幸仁 奥村 剛宏 梶原 大介 田熊 晋也 丹下 浩一 塚原 正義 筒井 麻衣子 寺島 伊予 中川 泰志郎 服部 秀志 林 慎介 原 芳明 松田 博行 村上 聖 矢野 高広 巌倉 正寛 大政 健史 川崎 ナナ 広瀬 明彦
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.15-29, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
17

The use of single-use systems has been getting more popular in biologics manufacturing. Utilization of this novel technology enables the efficient manufacturing, including prevention of cross contamination, flexibility to manufacture multiple products, and elimination of the need for cleaning and steam sterilization including those validations. In order to ensure the quality and stable supply of biologics, appropriate risk management considering the characteristics of the system is necessary. However, there is no regulatory document describing the examples or recommendations on it. In 2015, we published the White paper of “Approaches to Quality Risk Management When Using Single-Use Systems in the Manufacture of Biologics” in AAPS PharmSciTech, which was a fruit of discussion in the research group consisting of Japanese pharmaceutical manufacturers, single-use suppliers, academia and regulatory agencies. This review introduces the contents of the White paper with some revision reflecting the comments on it as well as the discussion in our research group after publishing the paper. The basic concept is consistent with ICH guideline on quality risk management. Here we describe the points to consider in risk assessment as well as in risk control when single-use systems are used in biologics manufacturing.
著者
田中 明子 土師 知行 新正 由起子 前田 秀明 竹林 慎治 八木 伸也
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.939-943, 2000-11-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

We report 2 adult cases of inspiratory dyspnea caused by an epiglottal prolapse.The first case was a 61-year-old man who was suffering from inspiratory dyspnea, especially while sleeping. A laryngofiberscopic examination revealed that the epiglottis was contacting the posterior pharyngeal wall during inspiration, causing airway obstruction. A partial epiglottectomy with a Holmium: YAG laser improved respiratory dystress during sleep.The second case was a 60-year-old man who also suffered from dyspnea while sleeping. The laryngofiberscopic findings were the same as in the first case, and a partial epiglottectomy was also effectve for the dyspnea during sleep. A pathological examination revealed degeneration of the epiglottic cartilageThe Holmiun: YAG laser was useful in resecting the epiglottic cartilage in both cases.
著者
小林 慎一朗 南 恵樹 崎村 千香 山之内 孝彰 林田 直美 江口 晋
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.23-26, 2013-01-25
参考文献数
12

乳房切除後疼痛症候群(PMPS)とは乳癌術後の神経障害性疼痛である.今回われわれはPMPSに対してプレガバリン(PGB)を投与し著効した2症例を報告する.症例1は52歳女性,2008年6月に前医で両側乳癌に対して右腋窩郭清および左乳房部分切除,センチネルリンパ節生検施行した.術直後より左胸部痛を認め,下着など接触時に痛みを感じていた.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与も症状は持続した.その後当科に紹介受診となり,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.症例2は82歳女性,2011年3月に当科で左乳癌に対して左乳房切除術および腋窩郭清を施行.術後1カ月後から創部痛増悪し,疼痛で不眠の状態であった.NSAIDs投与も軽減傾向なく,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.PMPSに対し,PGB投与は症状緩和の効果がある可能性が示唆された.
著者
武田 則之 安田 圭吾 林 慎 後藤 忍 青山 かおり 伊藤 康文 堀谷 登美子 北田 雅久 野津 和巳 岡 暢之 加藤 譲 三浦 清
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.767-771, 1989

症例は23歳女性.1983年9月一過性のthyrotoxicosisで受診.禰漫性の甲状腺腫を認め, 抗甲状腺マイクロゾーム抗体 (MCHA) 陽性.759経口糖負荷試験で血糖前値137mg/d<I>l</I>, 2時間値271mg/d<I>l</I>.1年後妊娠し, 1984年12月帝王切開で女児出産.妊娠中free thyroxine値は正常でMCHAの抗体価は低下した.妊娠中インスリンを使用したが, 産後にSU剤に変更出産3ヵ月後にpostpartum thyroiditisによると考えられるthyrotoxicosisと糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) を同時に発症.DKA改善後も1日30単位以上のインスリンを必要とした.抗ラ氏島細胞抗体 (ICA) は妊娠中も出産後も持続性に陽性.血中C-peptide基礎値は妊娠18週0.4ng/m<I>l</I>, 26週0.7ng/m<I>l</I>であったが, DKA発症以後は測定感度以下で, グルカゴン試験時のC-peptide反応頂値も0.7ng/m<I>l</I>と低値HLADR4を有していた.本例はNIDDMの病像で発見され, 産後にIDDMの病像が顕性化した症例と考えられた.妊娠, 出産に伴う免疫機能の変動と, IDDMの進展との関連, が示唆された.
著者
小林 慎吾 田中 賢
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

Regio選択的な開環メタセシス重合法を適用可能なモノマー構造の拡張と、得られた高分子の血液適合性材料への応用を目指した研究を行った。アリル位に官能基を導入したシクロアルケン類を合成し、Grubbs触媒を用いた開環メタセシス重合を行った結果、重合はregio選択的に進行し、側鎖の配列が制御された新規定序性高分子が得られた。得られた高分子の含水試料について、DSC測定を用いた水和構造の解析を行った結果、ポリマー構造の変更により、発現する中間水量が変化することがわかった。得られた高分子のヒト血小板粘着試験を行った結果、中間水発現量の増加に伴って発現する血液適合性が向上することが分かった。
著者
池田 俊也 小林 慎
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.521-525, 2008-03-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
15

60歳男性の高コレステロール血症患者 (HL患者) の予後に関するマルコフモデルを構築し、一般的なHL患者と重症HL患者の2種類の患者に対する複数のHMG-CoA還元酵素阻害剤 (スタチン) 治療の費用対効果を評価した。一般的なHL患者に対するスタチンは、ロスバスタチン2.5mg/日、アトルバスタチン10mg/日、ピタバスタチン2mg/日、プラバスタチン10mg/日を分析対象とした。重症HL患者に対しては、ロスバスタチン5mg/日、アトルバスタチン20mg/日、ピタバスタチン4mg/日を分析対象とした。分析は、支払い者の立場で実施し、医療費と質調整生存年を推計した。一般的なHL患者を対象とした場合の質調整生存年は、アトルバスタチンが最も大きかったが、ロスバスタチンに対するアトルバスタチンの増分費用対効果比は11億円と非常に高額であった。重症HL患者を対象とした場合は、ロスバスタチンは他の2つの薬剤よりも費用が小さく、かっ質調整生存年が大きかった。一般的なHL患者及び重症HL患者ともに、費用対効果の観点からは、ロスバスタチンが最も好ましい薬物療法であると評価された。
著者
竹林 慎一郎
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

最近の研究で、がん遺伝子の活性化により誘導される細胞老化は、細胞内エネルギー代謝にも大きな変化をおこしていることが分かってきた。我々は、培養細胞をモデルとして用い、網膜芽細胞腫の原因遺伝子として知られるRbが細胞老化にともなうエネルギー代謝変化を調節していることを明らかにした。具体的には、老化細胞におけるミトコンドリア呼吸の活性化がRb依存的におこっていることを見出した。さらに、網羅的な遺伝子発現および代謝産物解析により、Rbタンパク質が解糖系を中心とする複数の代謝関連遺伝子の発現レベルを上昇させることでエネルギー源供給を亢進させ、下流のミトコンドリア呼吸を活性化していることを明らかにした。
著者
石原 亨 手林 慎一
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

スワインソニンなどのインドリジジンアルカロイドは、マメ科植物に感染するエンドファイトや病原菌が生産する二次代謝産物である。本研究では、その生理・生態学的役割を明らかにすることを目的とした。まず、新たな分析法を確立した上で、生物活性について調べた。その結果、スワインソニンは鱗翅目昆虫の生育を抑制することを見出した。スワインソニンはムラサキツメクサの防御応答も抑制することがわかった。したがって、スワインソニンは、植物への感染や共生において多面的な役割を果たしていることが示唆された。加えて、スワインソニンの生合成は前駆物質のリジンの生合成と協調的に制御されていることも明らかにした。
著者
小林 慎一
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2006-04

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2253号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2006/4/24 ; 早大学位記番号:新4280