著者
畔柳 晶仁 森本 淳子 志田 祐一郎 新庄 久尚 矢部 和夫 中村 太士
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.45-50, 2019-08-31 (Released:2019-12-27)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

湿地の減少に伴い衰退する湿地性植物種や植物群落の代替生育地としての機能を遊水地が果たしうるか検討した。舞鶴遊水地(北海道石狩川水系千歳川流域)で,植物,掘削履歴,環境を調査した。在来種を主体とした湿地性植物種が再生すること,植物群落の生育立地環境を特徴づける要因は,掘削からの経過年数,水深,pH,EC であることが示された。昭和初期まで石狩川流域の湿地には高層湿原を構成する希少種主体の植物群落が存在していたが,農地・都市開発に伴い衰退し,平成初期の湿地は低層湿原を構成する普通種主体の植物群落になった。舞鶴遊水地は低層湿原が成立する条件下にあり,平成初期の湿地に類似した植物群落が成立したことが明らかになった。
著者
門田 陽介 森野 勝太郎 本山 一隆 重歳 憲治 福江 慧 石井 真理子 芦原 貴司
出版者
一般社団法人 大学ICT推進協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.79-86, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
18

文部科学省が推進するGIGAスクール構想の中で教育現場における「講義のオンライン化」は重要な目標課題の一つであったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけに全国の教育機関における講義のオンライン化が急速に進んだ.オンライン化が感染対策として有効である事は疑問の余地はないと思われるが,オンライン配信による遠隔講義が,対面講義と同等の学習効果を生み出しているかどうかについては,これまで十分な客観的検証がされているとはいえない.我々は,無線LAN接続による位置情報とZoom®ログを用いて学生が遠隔講義と対面講義のいずれに出席していたかを推定し,講義形式が学業成績GPAに与える影響を検討した.粗解析では対面講義参加割合が正に学業成績GPAと相関していた.学業成績には前年度の学業成績と入試成績が関与している事が分かったため,これらの因子を調整したところ,低学年では対面講義を志向する群が遠隔講義を志向する群に比して学業成績が良かったが,高学年では両群に統計学的な差は無かった.本分析は,ポストコロナ期の高等教育機関における教育の在り方について議論する貴重な材料になり得ると考えられる.
著者
森 正樹 岩崎 和美 前川 秀樹 太田 諒 今村 好章
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.557-562, 2014-09-25 (Released:2014-11-10)
参考文献数
10

頚部リンパ節穿刺吸引細胞診の穿刺針の洗浄液から液状処理細胞診Liquid-based cytology(LBC)標本を作製し,細胞学的形態のみならず胚細胞系マーカー等の免疫細胞化学的染色を行ったことにより,胎児性癌の頚部リンパ節転移と診断し得た1例を経験したので報告する.症例:30歳代,男性.左鎖骨上部の腫脹を主訴に当院紹介受診.頚部リンパ節穿刺吸引細胞診では,大型不整形核と明瞭な大小の不整形核小体を有する腫瘍細胞を集塊状及び散在性に認めた.LBC標本を用いた免疫染色ではCD30,Oct3/4,SOX2およびcytokeratin AE1/AE3が陽性を呈したことから胎児性癌の頚部リンパ節転移が疑われ,頚部リンパ節生検で胎児性癌の転移と診断された.胸腹部CT検査では,左頚部~鎖骨上窩・上縦隔および傍大動脈~左総腸骨動脈周囲のリンパ節が腫大し,これらに一致してFDGの強い集積を認めた.また,左精巣にも点状の集積亢進を認めたが,触診と超音波・CT検査では,精巣腫瘍は指摘出来なかった.結論:リンパ節穿刺吸引細胞診やそれ以外の細胞診材料において,胚細胞腫瘍に遭遇する可能性を認識することが肝要である.LBC標本を用いた適切なマーカーによる免疫染色が診断に有用と考える.
著者
横山 咲 由利 かほる 森田 祥司 上野 真菜 河端 美玖 雨宮 あや乃 中村 進一 服部 浩之 頼 泰樹
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.35-41, 2018 (Released:2018-06-26)
参考文献数
11

作物は無機態窒素だけではなく遊離アミノ酸を吸収し,窒素源として利用している可能性がある.しかし,植物の窒素吸収における根のアミノ酸吸収能の寄与は明らかにされていない.我々はまず土壌のアミノ酸動態を明らかにするために,アミノ酸混合液および3種類の有機質肥料を施用し,アミノ酸濃度の変化を経時的に追跡した.アミノ酸混合液の添加ではいずれのアミノ酸も12時間以内に10%以下に分解された.また,有機質肥料の添加では,添加直後のアミノ酸の濃度は最も高く,3日程度で大幅に低下したが,30日目まで高い濃度が維持された.アミノ酸組成は,有機質肥料添加直後には添加した有機物ごとに異なっていたが,時間の経過とともにいずれの有機物の添加でもGln,Arg,Lys,Thr,Glu,Asn,Alaが高い割合で検出されるようになった.これらは土壌微生物の細胞壁の主な構成アミノ酸であり,微生物バイオマスの代謝回転によって,比較的早期 (3日以降) から土壌に供給されることが明らかとなった.有機質肥料添加土壌のアミノ酸は2時間以内の半減期で分解されており,土壌のアミノ酸存在量の約15~20倍のアミノ酸が1日に供給されることが示唆された.植物のアミノ酸吸収能は高いことがすでに示されており,本研究の有機質肥料添加による土壌のアミノ酸濃度・供給量は植物根が利用可能なレベルであると考えられた.
著者
高野 信也 森川 敬之
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.249-256, 2009 (Released:2010-11-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

自律神経薬を鼻粘膜に負荷し、鼻粘膜微細血管構築の変化を自然光および NBI で観察した。(1)エピネフリン負荷で 13 例全例において平均 1.8 分で血管収縮が始まり、平均 4.4 分で血管拡張が始まった。(2)硫酸サルブタモール負荷で、アレルギーを認めない症例では反応を認めない。(3)硫酸サルブタモール負荷で、鼻汁型アレルギー症例の 25%で負荷後 5 分に血管拡張を認めた。(4)硫酸サルブタモール負荷で、鼻閉型アレルギー症例全例において平均 4.0 分で血管拡張が始まった。(5)鼻閉型アレルギー症例において、β-アドレナリン刺激剤はロイコトリエン等に対しては促進的に働き、鼻閉を出現させている可能性がある。(6)抗コリン薬負荷で、アレルギー性鼻炎症例の 85.7%で血管拡張を認めた。(7)アレルギー性鼻炎症例において、ムスカリン受容体での過剰反応が起きている可能性がある。
著者
塚原 進 森永 昭
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.340-348, 1969-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
4

室温に長時間おいた水と油に同時に手を入れてみると水の方がつめたい. 温度計では同じ温度を示している. 著者らは高感度の輻射温度計を用いて測定した結果, 伝導形の温度計では見られなかった著しい差のあることを見出した. もちろん水の方が低く, 伝導形のもので0℃のとき約8℃の差がみとめられた。このことから手ざわりで温度差のある物質とくに衣料について比較してみると, 輻射量に相当の差があって, ほぼ感覚量に比例しているように判断された. これらの結果から, 温度覚は実は輻射熱によって起こされるものであろうと推定した. この観点から考えると, 温度覚に関するいくつかの問題が, 容易に説明できることがわかった.
著者
横川 智子 佐々木 七恵 平岡 晃 立石 清一郎 堤 明純 森 晃爾
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.163-173, 2012-09-20 (Released:2012-10-24)
参考文献数
77
被引用文献数
2 2

目的: 健康診断結果をもとにした職務適性評価および就業上の措置に関する海外の文献を調査分析し,就業上の措置に関する明確な判断基準や数値基準に関わる情報や職務適性評価の過程における手順や留意点を見出すことを目的とする. 方法: 職務適性に関連するキーワードをもとにPubMedで検索して英文の文献を入手し,調査対象となった論文の国,健康診断のタイミング,職務適性評価の対象疾患,対象職業,対象者の健康度による分類,職務適性評価の目的や基準における考え方,職務適性評価の決定プロセスについて文献を整理し分析した. 結果: 条件に該当した英語論文は70件であった.これらの文献では,職務適性評価に関連して以下の2点に着目していた.1) 労働者自身および周囲の労働者,公共に対する安全の確保およびリスクの回避,2) 軍人や消防士のような業種における危険に対応できる能力.さらに障害者や有病者については,事業者の責任としての合理的配慮という考え方が求められていた.各論文中で述べられている職務適性評価の決定プロセスについては,どの国においても,1)職務分析,2)障害・疾病によって生じている職務に関連した制限・リスク評価といった労働者分析,3)障害者と事業者との話し合いによる合理的配慮の提示および実現可能性や有効性,コスト等に基づく評価からの必要な就業配慮の選択,4) 1)~3)の内容と各分野の専門家の意見をもとにした職務適性判断という流れが示されていた. 考察: 本調査により,医師による健康診断結果をもとにした就業上の措置に関する意見の明確な判断基準や数値基準に関わる情報を見出すことはできなかったが,労働者の健康度と職務の要求度および危険度を照合した上で職務適性を評価するプロセスを明らかにすること,就業上必要な意見を述べる技術力が医師に求められていることが改めて確認された.さらに障害者や有病者の職務適性評価に関して,日本においても事業者の義務としての合理的配慮について注目されることが予想される.健診事後措置においては判断基準や数値基準に頼るだけでなく,意見を述べる際の手順や留意点を明確にする必要がある.さらに就業上の意見を述べなければいけない医師には,職務適性評価を行う十分な技術が求められることが示唆された.
著者
中尾 義則 森田 隆史 伊藤 飛鳥 小屋 幸勇 津呂 正人 土屋 照二
出版者
名城大学農学部
巻号頁・発行日
no.47, pp.19-23, 2011 (Released:2012-12-03)

ニホンナシ果実の発育に伴う果肉中のペクチン組成の消長およびその品種間差を、早熟性の‘新水’および‘新世紀’、中熟性の‘幸水’および‘長十郎’、ならびに晩熟性の‘今村秋’の5品種を用いて調査した.5月4日から8月ないし9月の収穫期まで3週間毎に果実を採取し、 果実横径、水分含量、アルコール不可溶性物質(AIS)を測定し、AISから水可溶性ペクチン、熱水可溶性ペクチン、ヘキサメタリン酸可溶性ペクチンおよび塩酸可溶性ペクチンを抽出し、定量した.果実の肥大は6月上旬から中旬に一時的に停滞し、この時期は細胞肥大準備期に相当し、果肉中の石細胞の密度が高まる時期でもある.この肥大停滞期に水分含量が低かったが、その後増加して一定となった.一方、この肥大停滞期には塩酸可溶性ペクチン含量が多く、その後果実の成熟とともに減少した.この塩酸可溶性ペクチンの減少は晩熟性品種ほど遅れて始まるとともに、その減少量が少なかった.また、果実の成熟期には水可溶性ペクチンあるいは熱水可溶性ペクチンがわずかに増加した.これらから、果実の成熟に伴う果肉の軟化は、細胞壁構成成分であるペクチンの可溶化と関連があると考えられた.
著者
森川 美絵 中村 裕美 森山 葉子 白岩 健
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.313-321, 2018-08-31 (Released:2018-10-26)
参考文献数
21

目的:日本では,利用者視点やケアの社会的側面を考慮したアウトカムの把握・測定尺度の開発と,それをケアシステムやケア事業の運営につなげていくことが大きな課題である.本稿では,著者らが本邦初の試みとして取り組んでいる社会的ケア関連QOL尺度the Adult Social Care Outcomes Toolkitの利用者向け自記式 4 件法(ASCOT SCT4)の日本語版開発に関して,特に,設問項目の日本語翻訳の言語的妥当性の検討に焦点をあて,その概要を報告する.方法:翻訳プロセスは「健康関連尺度の選択に関する合意に基づく指針」(COSMIN)に依拠し,順翻訳・逆翻訳・精査と暫定日本語版の作成,事前テスト,事前テスト結果および臨床的観点をふまえた修正と最終承認,の3段階で実施した.実施期間は2016年 7 月〜2017年12月である.事前テストでは,第一段階で生成された暫定日本語翻訳版について,2地域の潜在的利用者を対象とした認知的デブリーフィングを実施した.認知的デブリーフィングは,設問項目の意味の理解や文化的な許容を確認するための構造化されたインタビュープロセスである.結果:事前テストの結果,尺度を構成する 8 領域のうち「日常生活のコントロール」領域および「尊厳」領域の 3 つの設問項目で,暫定翻訳語への違和感や設問文の言い換え困難が報告された.事前テスト結果をふまえた原版開発者・日本の研究チーム・翻訳会社の 3 者による修正案の検討,さらに臨床的観点からのより簡潔で日常用語に近い表現にむけた微修正を経て,最終的な日本語翻訳版が承認された.結論:社会的ケア関連QOL尺度であるASCOT SCT4について,翻訳手続きの国際的指針に適合し,原版開発者から承認を受けた日本語翻訳版を世界で初めて作成した.翻訳の言語的妥当性を確保する上で,潜在的利用者から直接的なフィードバックを得ることの重要性が確認された.「日常生活のコントロール」「尊厳」領域の設問項目の翻訳には,翻訳先言語での日常会話における通常用語に照らした,注意深い検討が必要となることが示唆された.今後は,尺度の妥当性の統計的検討や,ケアのシステムや実践のアウトカム評価におけるASCOT日本語翻訳版の応用手法の検討を進める必要がある.
著者
森澤 眞輔 米田 稔 中山 亜紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

放射線等価係数を用いた新しいリスク評価法をベンゼン誘発白血病に適用した結果、1ppmの大気中ベンゼンに対して3.5×10-4-8.5×10-4、1μg/m3の大気中ベンゼンに対して1.2×10-7-2.8×10-7の白血病リスク推定値を得た。これらの推定値は表6に示した疫学情報に基づく報告値と比べて約30分の1から約20分の1程度の過小評価となった。白血病の標的臓器である骨髄の正常細胞を用いることでリスク推定値が改善されたと言え、エンドポイント毎に適切な細胞を用いるなど用量-反応評価の条件を整えることで、より正確な健康リスク評価が実現できると予想される。本研究の成果により使用細胞等の実験条件を発症機構に即したものへと近づけることで、より正確なリスク評価が実現できる可能性が示された。今後実験条件に更に改良を加えることで、信頼性を保った予見的な新しいリスク評価法の実現が期待できる。
著者
神谷 純広 清水 智治 園田 寛道 目片 英治 遠藤 善裕 三宅 亨 山口 剛 森 毅 仲 成幸 谷 徹
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.826-831, 2012 (Released:2013-08-25)
参考文献数
14

(症例)42歳女性,既往歴:23年前からうつ病,20年前にも針を誤飲.自殺企図にて3日前に5cmほどの縫針5本をプリンと一緒に飲んだという.排便時に肛門痛を自覚し当院を救急受診した.初診時,肛門部皮膚には異常は認めなかった.胸腹部X線写真にて上腹部に1本,下腹部に2本の陰影を認めた.腹部CTにて胃・上部および下部直腸内に陰影を確認でき,下部直腸では管腔外に脱出している可能性が示唆された.初診12時間後に肛門部右前方皮下に異物を触知し局所麻酔下に針を摘出した.胃内の針は内視鏡下に摘出した.上部直腸内に残存する針は2日後には自然排出を確認した.誤飲した針が肛門括約筋外から排泄された症例は極めて稀である.針のような臓器損傷の可能性が高い異物は,アプローチしやすい部位に存在する場合は積極的に摘出処置を行い,それ以外の部位では誤飲から日が浅ければ経過観察することも可能であると考えられた.
著者
佐藤 佑樹 島貫 智行 林 祥平 森永 雄太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.16-31, 2020-09-20 (Released:2020-10-08)
参考文献数
72

本稿は,多様性研究における従業員の創造性喚起という問題について,近年注目されているインクルージョン風土(CI)をとりあげて個人の創造性への影響メカニズムを知覚された組織的支援(POS)の観点から検討した.日本企業の正規従業員を対象とした質問票調査のデータを用いて分析した結果,CIの影響はPOSを媒介して個人の創造性へと結びつくことが確認された.この知見は,個人の創造性喚起に有益な示唆を提供する.
著者
大塚 麻衣 山口 晃巨 数井 優子 西田 響 大森 毅 宮口 一
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.169-176, 2023 (Released:2023-07-31)
参考文献数
14

Cyanide is a gaseous poison which is liberated from cyanide compounds such as potassium cyanide. In spite of high toxicity, cyanide compounds are easily accessible for industrial use, and some contamination cases of cyanide into beverages have occurred. For analysis of cyanide, various analytical methods such as colorimetric methods have been reported. Among those, headspace-gas chromatography-nitrogen phosphorus detection (HS-GC-NPD) is known for its easy pretreatment method and high quantitation ability. The application of HS-GC-NPD analysis to cyanide in blood specimens have been reported by many groups. However, comparison results of some experimental manipulations, such as addition of acid, syringes used for introduction of samples to the GC, and amount of sample introduced into the GC are not clear. In addition, there is no detailed description about application to beverage samples. In this work, we have investigated some experimental manipulation of manual HS-GC-NPD and applied the optimized method to beverage samples. After the optimization, the addition of acid with micropipette in open system and introduction of 100 μL of headspace gas into GC with gastight syringe are recommended. For beverage samples, although variations were larger than standard samples, those variations could be compensated by use of acetonitrile as an internal standard.
著者
尾原 知行 山本 康正 田中 瑛次郎 藤並 潤 森井 芙貴子 石井 亮太郎 小泉 崇 永金 義成
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.167-173, 2013-05-20 (Released:2013-05-24)
参考文献数
14

要旨:【背景/目的】脳静脈血栓症は近年日常診療で遭遇する機会が増えている.脳静脈血栓症自験例の臨床像,急性期画像所見につき検討する.【方法】対象は2008年4月~2011年3月に当院に入院した脳静脈血栓症10例(平均49歳,男性5例/女性5例)である.【結果】初診時臨床症状は,7例で局所神経症状(うち5例は軽度の運動麻痺)を認め,3例は頭痛のみであった.4例はけいれん発作を伴った.閉塞静脈洞は上矢状洞6例,横静脈洞3例,直静脈洞1例で,初診時脳出血を4例,静脈梗塞を3例に認めた.9例で頭部MRI T2*強調画像にて閉塞静脈洞が低信号で強調された.全例抗凝固療法で治療し,8例は退院時modified Rankin Scale 0~1であった.【結論】自験10症例は比較的軽症で予後良好な例が多かった.T2*強調画像を含むMRI検査による早期診断が臨床経過に影響を与えている可能性が考えられた.
著者
森 邦昭
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.23, pp.92-105, 2012 (Released:2022-02-01)

Heutzutage stehen die Universitäten in Japan den Fragen gegenüber, wie gut sie die Studenten erziehen können, wie produktiv sie forschen können und wie sie nützlich zu der Gesellschaft beitragen können. In dieser Situation wird diskutiert, wozu man die Universitäten eigentlich braucht und versucht, den Begriff der Universität selbst neu zu definieren. Hier möchte ich zunächst die sogenannte „Humboldts Idee“ ins Auge fassen und ein künftiges Bild zeichnen, wie die Universitäten künftig aussehen sollten. Danach möchte ich aufgrund der diltheyschen hermeneutischen Betrachtungsweise „den Vorgang des Lernens gesehen vom Lebenszusammenhang“ erläutern und damit einen Ausgangspunkt aufzeigen, um über „das Problem der Bildung als die gegenwärtige Aufgabe“ nachzudenken. Dilthey sagt in senem Aufsatz „Leben und Erkennen“ (ca. 1892/93): „Die Entwick- lung der Lebewesen zu höheren Formen ist also nach der Innenseite angesehen eine Artikulation; das Leben artikuliert sich.“ Diese Artikulation des Lebens werde in gewissen Zügen oder Linien, welche durch verschiedene Kategorien hindurchgehen, aufgefaßt, wobei keine systematische Ordnung, keine eindeutige Abgrenzung der Kategorien möglich sei. Die Lebenskategorien sind der Ausdruck der strukturellen Formen des Lebens selbst in seinem zeitlichen Verlauf. Da der Ursprung der Erkenntnis gerade in diesem Punkt besteht, muss man auch in diesem Punkt erörtern, wie man eine umfassende Bildung ermöglichen kann.
著者
戸田 宏文 古垣内 美智子 江口 香織 山口 逸弘 吉長 尚美 森田 泰慶 上硲 俊法 田中 裕滋 吉田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.326-329, 2019-05-20 (Released:2019-12-15)
参考文献数
19

We report herein on two cases of bacteremia caused by daptomycin-resistant Corynebacterium striatum. In these cases, daptomycin-resistant C. striatum was detected after receiving daptomycin for the treatment of multidrug-resistant C. striatum bacteremia, and ERIC-PCR band patterns were identical among the isolates of C. striatum before and after daptomycin therapy. We performed an in vitro assay to determine whether daptomycin resistance is induced in nine clinical isolates of C. striatum, including our two cases, after exposure to daptomycin in broth culture, and seven isolates showed emergence of daptomycin resistance. To our knowledge, this is the first reported case of daptomycin-resistant C. striatum bacteremia in Japan. The use of daptomycin for the treatment of C. striatam infections should be avoided, considering the risk for rapid emergence of daptomycin resistance.
著者
松本 健作 森 勝伸 下村 通誉 小野寺 光二 南雲 洋平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1117-I_1122, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
12

河川環境に生息する生物として,河川伏流水に生息する地下水生生物に着目し,地下水観測孔を用いた観測手法の有効性の検証およびその生息環境因子について考察した.通常は孔内水位や地下水流向・流速という物理因子を観測するために河川近傍に設置された地下水観測孔内では,多数の地下水生生物の観察が行える可能性が高く,観測手法として極めて有効であることを示した.また,僅か30 m離れた2つの観測孔における生息状態が大きく異なっていることから,両孔の地盤特性,孔内水の含有イオン,水温等を調査し,地下水生生物の生息実態におよぼす水質特性を示すとともに,その両孔間における水質の差異を生じさせている要因が地盤の粗密からくる地下水の流動性の差異である可能性を指摘した.