著者
森部 章
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.206, pp.130-132, 2006-12

収入面での節税対策が難しい医療機関にとって、税金を減らす主な手段は必要経費の増加だ。とりわけ設備投資の活用は、額が大きいこともあり節税への貢献度が高い。今回は、新しい設備の導入と導入済みの設備の見直しの両面から、設備投資を活用した節税対策をまとめてもらった。(編集部)H院長 早いもので、今年ももう12月ですね。また、決算のことを考える時期が来てしまいました。
著者
中村 彰宏 小杉 緑子 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.507-518, 2002-02-28
被引用文献数
2 2 2

関西旅客ターミナルビルのアトリウム空間を対象に,アトリウムの構造,トップライトの透過特性,太陽位置,屋外の光量子量の推定値を用いて,快晴日の透過光量子量を算出するモデルを作成した。算出値は,アトリウム内で得られた実測値の日および季節変化を良好に再現した。アトリウム植栽樹木,屋外の植栽樹木,室内に生育する観葉植物の光合成,呼吸速度の実測値と,このモデルによる透過光量子量から,アトリウムへ導入した植物の生育特性評価を行うために,成長量の指標となるCO_2収支を個葉レベルで算出した。またアトリウムの天井高,植栽場所を変化させた場合の透過光量子量およびCO_2収支も算出した。観葉植物のCO_2収支は,植栽場所やアトリウムの構造から受ける影響が少なく,低光量条件下での植栽利用が容易と考えられた。いっぽう,低光量条件下で順化したモッコク,カラタネオガタマでは,CO_2収支の変化が大きいため,アトリウム構造や植栽場所を十分検討してから,緑化に用いる必要があると考えられた。
著者
長田 光世 森 清和 田畑 貞寿
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.151-156, 1993-03-24
被引用文献数
1 3

本研究は,生態学的な水辺緑地計画の視点から,計画指標となりうるトンボの種の把握を目的に,トンボの生息環境としてきわめて良好な環境である桶ケ谷沼におけるトンボの優占種の検討を行い,それを基礎とした複数の池の比較考察を行ったものである。その結果,トンボ科の広域分布種について,環境復元の段階的な発展に伴い種を4段階に分類し,それぞれ有効と推定できる指穏種を提示した。また,特にチョウトンボは,池を中心とする水辺緑地の多様な構造に対応して個体数密度を増加させ,さらに最もトンボ相が豊かになるような多様な構造をもった水辺緑地では,夏期調査時のトンボ科全体に対して最大の優占種となる指標性をもつことが把握された。
著者
中尾 信雄 小野寺 良次 稲澤 昭 別納 征欧 長谷川 信美 山内 清 六車 三治男 堀井 洋一郎 藤代 剛 林 国興 森下 敏朗 林 綾子 田原 秀隆 高橋 勝南 竹之山 愼一 上島 良介 目 和典 堤 孝彦 駒谷 謙司 置本 宗康 河野 謙宗 北爪 惣 佐藤 玲史 高橋 信也
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-38, 2001-12
被引用文献数
2

本研究では、カンショ焼酎粕(濃縮液+脱水ケーキ)を主原料とし、大豆粕を副原料として製造した焼酎粕ペレット飼料の成長、飼料効率、肉質等に及ぼす影響を検討するため、期待体重60から115kgまでの交雑種(WL×D)による飼養試験を1回(実験1、加茂牧場、中部飼料株式会社)、期待体重60~115kgまで(実験2)、期待体重30から115kgまで(実験3)ならびに期待体重10から115kgまで(実験4<通しの試験>)のバークシャー種によるフィールド試験を計3回(永田種豚場)行った。試験飼料の焼酎粕含量率は、乾物当りで、加茂牧場(実験1)2.26%、永田種豚場(実験2)1.77%、永田種豚場(実験3)3.00%(期待体重30~60kg)、3.00%(期待体重60~115kg)、永田種豚場(実験4)2.90%(期待体重10~30kg)、2.42%(期待体重30~60kg)、2.26%(期待体重60~115kg)であった。対照飼料としては、市販飼料を用いた。得られた結果は以下の通りである。 (1)実験1の加茂牧場における期待体重60~115kg間の飼養試験では、試験区の平均1日増体量は対照区よりも約19%高かったが、平均1日飼料摂取量が対照区より約13%高くなったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約6%高い傾向を示すにとどまった。肉質等には試験区・対照区間に差は認められなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。 (2)実験2の永田種豚場における期待体重60~115kgまでのフィールド試験では、試験区よりも対照区の方が、1日増体量で10%、飼料効率で15%ほど高くなった。これは、この試験に用いた配合飼料の焼酎粕含量が1.77%と他の試験に比べてきわめて低かったことが影響しているのかも知れない。なお、血液成分や健康状態には差は見られなかった。一方、行動面では、試験区において社会的序列の上下差が大きく、それによる耳かじりなどの異常行動が見られた。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (3)実験3の永田種豚場における期待体重30~115kg区間では、平均1日増体量は試験区が対照区よりも約10%高かったが、試験区の平均1日飼料摂取量が対照区よりも約7%高かったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約3%改善されたにとどまった。なお、血液成分や健康状態には差が認められなかった。 この試験の中の60~115kgの部分を抜き出してみると、この場合は、実験2の結果と違って、区内平均1日増体量は対照区よりも試験区が約10%高くなり、飼料効率も試験区で約5%改善された。なお、肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (4)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~30kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約21%も高かった。区内平均1日飼料摂取量は試験区・対照区間に差が認められなかったので、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約21%も改善された。 (5)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重30~60kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約6%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区間より約6%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (6)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重60~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約2%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区に比べて約4%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (7)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区・対照区間にほとんど差が認められなかった。区内平均1日飼料摂取量は試験区が対照区よりも約2%低く、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約3%改善された。通しの結果を総合してみると、離乳期子豚に対する焼酎粕ペレット飼料給与の効果が著しいと言える。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 以上、肉用豚肥育期の成長に対する焼酎粕ペレット飼料給与試験の結果を総合すると、焼酎粕ペレット飼料の給与は、市販の対照飼料並みまたはそれ以上の成長促進効果があると考えられる。また、焼酎粕ペレット飼料給与豚の肉のビタミンE含有率は、対照飼料給与豚の肉よりもほぼ有意に高まり、肉の官能検査では、総合的な好ましさが認められた。
著者
江副 智子 森本 兼曩
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.397-405, 1994-11-20
被引用文献数
3

Selyeによってストレス学説が唱えられて以来,さまざまな角度からストレス研究が行われてきた.ストレスは,身体疾患および精神疾患の重要な危険因子であるとともに,免疫能などの生体の防御力にも深く関連し,さらに転勤率などの社会行動面にも影響を及ぼす.衛生学,公衆衛生学の分野でも,近年ストレスは重要課題となっており,特に職域を中心としてさまざまな調査が実施されてきた.本論文では,従来行われてきたストレス評価法を,国内外の文献を整理し,ストレッサー評価とストレス反応評価に分けて概説する.まず,ストレッサー評価の質問票のうち,信頼性および妥当性が検討されているものについて概説し,さらに,障害者の家族や入院患者,看護学生などの特定の集団を対象とした質問票を紹介した.次に,職場におけるストレス要因を,1)仕事に固有の要因,2)組織における役割,3)昇進・降格,4)職場の人間関係,5)組織の構造と風土,および6)その他,に分類して概説した.ストレス反応については,1)ホルモンの反応,2)免疫学的反応,3)その他の生理的反応,4)心理的反応,および5)行動的反応に分類し,ストレスと血液生化学的指標との関係に関する研究結果やストレス反応の測定方法を紹介した.ホルモンの反応については,ストレスと血漿および尿中アドレナリン,血漿ノルアドレナリン,血漿および尿中コルチゾール,血漿ヒスタミン,サイロキシン,プロラクチンおよびテストステロンなどとの関係が調べられている.免疫学的反応については,急性および慢性のストレスとTリンパ球数,NK細胞活性,PHAやCon-Aに対するTリンパ球の反応,EBウイルスに対する抗体価,IgAやIgGなどの免疫グロブリン,補体などとの関係を調べた研究結果を紹介した.その他の生理的反応としては,冠血流量,血圧などの血行動態的指標,リンパ球のDNA修復,ヘモグロビンA_<1c>などとストレスとの関係に関する研究を紹介した.心理的反応に関しては,代表的な質問紙票を列挙するとともに,声の録音によりストレス,特に不安と敵意を評価する方法を紹介した.行動的反応については,その指標となるものについて簡単に触れた.最後に,われわれが行った,単一の質問によるストレスの包括的評価方法を紹介し,勤労者を対象に,その質問による自覚的ストレスと,精神健康調査票28項目版(GHQ-28)による精神的健康度,喫煙・飲酒・睡眠・運動・生活規則性などのライフスタイル,および交流分析のエゴグラムから抽出した性格要因との関係を調べ,その結果について述べた.それにより,自覚的ストレスが多いほど,精神的健康度が悪く,ライフスタイルの中では,特に多忙感,体調悪化,長時間労働,生活への不満,生活および食事の不規則,短時間睡眠を訴える者の割合が,ストレスの多い群で有意に高いことがわかった.また,性格要因の中では,完全主義と神経質の者が,ストレスを多く感じていることが明らかになった.以上のことから,人々のストレス度を把握し,メンタルヘルスの保持・増進を図るためには,血液生化学的検査値などの客観的な指標を目安にすることに加えて,本人の主観をもとらえて,多元的にアプローチする必要があると思われる.
著者
長田 年弘 木村 浩 篠塚 千恵子 田中 咲子 水田 徹 金子 亨 櫻井 万里子 中村 るい 布施 英利 師尾 晶子 渡辺 千香子 大原 央聡 中村 義孝 仏山 輝美 加藤 公太 加藤 佑一 河瀬 侑 木本 諒 小石 絵美 坂田 道生 下野 雅史 高橋 翔 塚本 理恵子 佐藤 みちる 中村 友代 福本 薫 森園 敦 山本 悠貴
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題は、研究代表による平成19-21年度基盤研究(A)「パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究―アジアの視座から見たギリシア美術」の目的を継承しつつ再構築し、東方美術がパルテノン彫刻に与えた影響について再検証した。古代東方とギリシアの、民族戦争に関する美術について合同のセミナーを英国において開催し、パルテノン彫刻をめぐる閉塞的な研究状況に対して、新しい問題提起を行った。平成21年開館の、新アクロポリス美術館の彫刻群を重点的な対象とし撮影と調査を行ったほか、イランおよびフランス、ギリシャにおいて調査を実施した。研究成果を、ロンドンの大英博物館等、国内外において陳列発表した。
著者
南 知惠子 高嶋 克義 平野 光俊 松尾 睦 坂川 裕司 近藤 公彦 猪口 純治 金 雲鎬 西岡 健一 森村 文一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、小売企業の成長を支える組織基盤の構築プロセスを解明することを目的とする。集権的な意思決定による成長戦略と分権的組織による組織能力の向上による成長戦略との併存を想定した。国内外の複数事例分析及び、全国の小売企業を対象とする質問紙調査を実施した。事例研究では、小売及び製造小売企業において、トップマネジメント主導の大規模投資による成長戦略を確認し、ビジネスモデルの類型化を行った。実証研究では、企業の革新性の正の影響に加え、組織基盤として情報システムの統合の影響が収益性に影響を与えることが明らかになった一方で、地域レベルでの標準化戦略は業績に負の影響を与えることが明らかになった。
著者
田崎 和江 野村 正純 森井 一誠 佐藤 和也 馬場 奈緒子 中西 孝 横山 明彦 CHAERUN Siti Khodijah
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.325-330, 2008-09-25

The magnitude-6.8 Chuetsu-Oki Earthquake struck at 10:13 a.m. 16^<th> July 2007, off the northwestern coast of Japan in Niigata Prefecture, Japan. The hypocenter was Chuetsu-Oki region 37.33N, 138.36E (17km in depth). The quake started under the ocean about 9km North of Kashiwazaki Kariwa nuclear plant, killing 11 peoples, and flattening several hundreds of buildings. In this study, Radon has measured in air and ground fissures using portable natural gamma ray system on July 16-17, and 20-21^<th>, 2007. The quite high gamma ray of 300-340 cpm was detected on July 21^<th> at Ohminato, Kariwa village which is the nearest of the fault fissure zone. The abnormal increase (200-300cpm) was detected at large deep subsidence and new crack on the paved road. For comparison, normal air radon without earthquake was counted as low as 60-80cpm. The car-borne and hand-borne measurement system was assembled for easily and rapidly detecting full features of the fissures buried in the ground.
著者
森野 由香 山本 信也 石渡 勝己 高松 翼
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.683-688, 1997-08-05
被引用文献数
2

トリフルオロ酢酸を含む水/メタノール系の移動相を用いるイオン抑制HPLCからの溶出液をピンポイント濃縮し, 顕微反射FT-IRにより同定する方法について検討した.標準試料には化粧品中に紫外線吸収剤として微量処方されている5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた.トリフルオロ酢酸に由来するバックグラウンドスペクトルの吸光度は分取容器にポリプロピレン製のものを用い, 遠心真空濃縮することで最小限に抑えることができた.又, 得られたIRスペクトルからの同定限界の評価については, 市販の検索システムを利用して, ピンポイント濃縮により得た標準スペクトル並びにデータベーススペクトルとの一致度を指標として行った.バックグラウンドに出現する水酸基, アルキル基吸収を除く2000〜700cm^<-1>の範囲で, ピンポイント濃縮標準IRスペクトルとの一致度により求めた同定限界は, 標準試料のHPLC溶出物では500ng, 市販化粧水をメタノール希釈してHPLC分取した溶出物では2μgであった.
著者
松田 勝敬 森 大毅 粕谷 英樹
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.67-75, 1999-12-30
被引用文献数
1

The lower formant frequencies of whispered vowels are known to be slightly higher than those of modal vowels. This paper attempts to interpret this phenomenon acoustically, based on an electrical circuit model of the vocal tract. Perceived naturalness of whispered vowels is shown to be associated with bandwidth of the lower formant and spectral tilt resulting from loose acoustic coupling between supra- and sub-glottal systems through a small glottal chink. Perceptual significance of the frequency shift of the lower formant in whispered vowels is also studied. Perceptual experiments showed in that vowel boundaries between modal and whispered vowels were not changed in four of six subjects for the /o/-/a/ stimuli and in two of six for the /i/-/e/ stimuli. The results indicated that frequency shift of the lower formant in whispered vowels is not necessarily associated with the compensation for vowel boundary shifts.
著者
竹森 利和 中島 健 庄司 祐子
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.584, pp.1513-1520, 1995-04-25
被引用文献数
22 1

We have developed a fundamental model of the human thermal system (AVA model) for the prediction of thermal comfort. The distinguishing feature of this model is a more precise description of heat transfer by blood flow (i. e., it includes arteriovenous anastomoses (AVA) of the extremities and a dual vascular network) than conventional models of human thermal systems. The following results were obtained : (1) The experimental verification under three different steady thermal conditions (22℃, 28℃ and 34℃) and an unsteady thermal condition (28. 1℃+ 47. 1℃+ 28. 3℃) suggests that the AVA model can simulate body temperature profiles well. (2) The visualized results of the model predictions demonstrate that the calculated tissue temperature and blood temperature distributions are physiologically plausible.
著者
酒井 敏 梅谷 和弘 飯澤 功 伊藤 文 小野 耕作 矢島 新 飴村 尚起 森永 修司
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.337-351, 2009-05-31

ヒートアイランド現象など都市の熱環境を観測するための多点観測システムを開発した.都市部での観測では設置場所などの制約が大きく,小型軽量の観測機材が求められる.特に,熱的な応答を調べるために必要な放射計は,従来かなり大掛かりで都市部での観測は困難であった.ここでは,気温測定などのための基本的な温度センサに加えて,これらの放射に関するセンサを含め,市販の安価な部品を使って製作し,従来の熱環境を観測するシステムとほぼ同等の精度を有することを示す.
著者
大久保 貢 田上 秀一 谷口 秀次 森 幹男
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、これまでの高大連携活動で実践した経験を基に、高校教員と大学教員との連携により「学びの基盤」を育てる高大接続教育を創造する課題探求型の実践を行うことを目的に平成21年度~23年度の3年間で実施した。平成21年度~平成22年度は高校生と高校教員を対象として大学研究室(物理系研究室と化学系研究室)への体験入学を実践した。この体験入学により課題研究活動に関する知的好奇心の喚起や問題解決能力、論理的思考力、プレゼンテーション能力などの重要性について感じ取ったことが明らかになった。
著者
森田 健宏
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.87-94, 2002-09-20
被引用文献数
7

保育所におけるパソコン利用の問題点について,保育士を対象に評定尺度を用いた調査を行い,その内容から保育士の抱く問題点の因子構造について検討した.因子分析の結果,解釈可能な4因子(第1因子「子どもの心身の発達への影響」,第2因子「保育実践利用の意義・方法」,第3因子「職員間のコンセンサス」,第4因子「職員のメディアリテラシー」)を抽出した.さらに,各因子を構成する項目の評定について検討したところ,子どもが自然とふれあうなどの直接経験の機会が少なくなることや人間関係の発達に影響を及ぼすことなど,従来の研究から多く述べられてきたことに加え,実際に保育で利用するための環境構成が困難であることや,職員のスキル習得及び実践事例研究のための研修機会が持ちがたいことなどについても,高く支持されていることが明らかになった.