著者
田舎片 健太 森下 博和 長名 保範 藤田 直行 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.361, pp.205-210, 2011-01-10
参考文献数
17

近年,物理学,化学,経済学といった種々の分野で科学技術計算が用いられている.その計算には,通常多くの浮動小数点演算が含まれており,汎用CPUでは実行効率が悪く,専用計算機上で実行されることが多い.アクセラレータとして使用されるデバイスは様々であるが,FPGAというリコンフィギャラブルデバイスは,微細化による組込み素子の増大に伴い,比較的安価である点,柔軟なメモリアクセスを実現できる点から広く利用されてきた.しかし,FPGA上にアプリケーションを実装することは,アルゴリズムといった理論の研究者にとっては困難であるという問題がある.そこで,本研究では,ALUアレイを構成し,それを利用してストリーム処理を行うことができるシステムを提案,設計する.これにより,ALUへの命令とALU間の接続情報及び演算データを用意することで,ハードウェア上での実行が可能となることを目的とした.また,専用計算機上で実行した場合の性能の目安となることも同様に目的とした.MUSCLという計算流体力学のアプリケーションを用いて評価した結果,演算部分の性能は2.4GHzのIntel Core 2Duo上での実行に対して,約4.1倍が期待できることがわかった.また,パイプライン利用率が専用計算機との比較において大きな割合を占めることがわかった.
著者
森田 光子 有地 淑子 木瀬 祥貴 後藤 真一 泉 雅浩 内藤 宗孝 勝又 明敏 有地 榮一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.27-38, 2010 (Released:2011-03-11)
参考文献数
20

Objective: To clarify the educational effect of a lecture on differential imaging features comparing ameloblastomas and keratocystic odontogenic tumors of the mandibles presented to dental students.Methods: Panoramic and CT images of 10 ameloblastomas and 10 keratocystic odontogenic tumors were randomly presented 114 dental students. Test scores, correct answer ratios, identification index, and understanding of the imaging features contributing to a correct diagnosis were serially evaluated before and after the lecture on the differential imaging features comparing the two types of tumors.Results: The mean and standard deviation of the scoring ratios of dental students diagnosing these lesions on panoramic and CT images were 48.8 ± 10.8% and 52.5 ± 12.9%, respectively. After the lecture on the differential imaging features comparing the two tumors, the scoring ratios improved significantly. After the lecture, both the numbers of patients whose images were correctly diagnosed and the identification indices increased. The lecture also increased the number of imaging features recognized as contributing to the correct diagnosis.Conclusion: A lecture on the differential imaging features comparing ameloblastomas and keratocystic odontogenic tumors of the mandibles contributed to the improvement of imaging diagnosis skills among dental students.
著者
森 俊之 谷出 千代子 乙部 貴幸 竹内 惠子 高谷 理恵子 中井 昭夫
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間学部篇 (ISSN:21853355)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.61-67, 2011-12-30

ブックスタートに取り組んでいる自治体と取り組んでいない自治体を比較することで,乳幼児期からの絵本の読み聞かせがその後の子どもの読書習慣に及ぼす影響を検討した.7年間以上ブックスタートに取り組んでいる自治体と未だ取り組んでいない自治体を1か所ずつ選び,当該自治体の公共図書館の近隣に立地する小学校7校で,1年生の子どもをもつ保護者を対象に子どもの生活習慣や読書環境に関するアンケート調査を行った.乳児期におけるブックスタートの体験が,小学1 年生の時点での読書習慣を増やし,ゲーム習慣を減らすという結果が見出された.また,乳児期に親子でブックスタートを体験することで,保護者の図書館利用頻度が高まり,保護者による子どもへの読み聞かせの頻度が高まるという結果も示された.ブックスタートは,保護者の読み聞かせ行動などを変化させ,それにより小学校入学後の子どもの読書習慣など生活習慣に影響を及ぼすと考えられる.
著者
森下 亨 渡辺 信一
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

高強度レーザーを利用した、原子・分子の超高速実時間イメージングの理論および計算手法を開発した。高強度レーザー電場に誘起される再衝突電子過程を利用することによって、空間的には原子の内部構造(サブÅ)、時間的には電子の運動(数フェムト秒からアト秒領域)の超高分解能を達成することが可能であり、これによって物質の繊維における時間分解電子ダイナミクスの研究に新しい道が開け、またレーザーと物質の相互作用に関する深い理解を獲得した。
著者
栗山 進一 大貫 幸二 鈴木 昭彦 市村 みゆき 森久保 寛 東野 英利子 辻 一郎 大内 憲明
出版者
日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.93-98, 2007-03-30 (Released:2008-07-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 40歳代女性に対する超音波・マンモグラフィ併用 (US & MMG), 超音波単独 (US単独), マンモグラフィ単独 (MMG単独) の3種類の逐年検診方法を, シミュレーション分析により救命効果, 効率の点から比較検討することである。各検診方法に対して10万人ずつの仮想コホートを設定し, 検診とその効果をシミュレーションにより追跡した。それぞれの検診を行うコホートで, 要精検者数, 乳がん患者数を, 検診の感度・特異度, 乳がん罹患数より計算し, 期待生存年数を早期乳がん比率, 病期別の5年生存率, 平均余命より算出した。費用効果比は検診により生存年1年延長に要する費用である。検診方法別の感度・特異度, 早期乳がん比率は, 平成12年度~16年度に栃木県保健衛生事業団が行った地域住民出張検診データから算出した。救命数の差をみると, 検診方法別ではUS & MMGが最も大きく, US単独, MMG単独の順に低下した。費用効果比をみると, US単独が他の2つの検診方法より良好であり, MMG単独, US & MMG単独の順で費用効果比が低下した。最も効果の高いのはUS & MMG検診であり, 最も費用効果比が良かったのはUS単独検診であった。
著者
松原 斎樹 石田 正浩 森下 正修 飛田 国人 松原 小夜子 藏澄 美仁 烏雲 巴根 柴田 祥江 白澤 ちあき 池田 佳奈
出版者
京都府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

温暖化対策には技術面だけでなく,人々の環境配慮意識・行動を促進するアプローチも重要である。本研究ではラジオ放送の涼しい音楽企画と学生祭典が,人々の環境配慮意識や行動を促進する効果について考察することを目的としている。研究の結果,1)当初から環境配慮意識の高い人はこれらの企画に参加することで更に環境配慮意識の向上が見られた。2)環境配慮意識があまり高くない人でも,これらの企画に参加することで環境配慮意識が向上し,環境配慮行動促進に繋がる可能性が示唆された。
著者
大西 領 高橋 桂子 小森 悟
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.722, pp.2441-2448, 2006-10-25 (Released:2011-08-16)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

The collision frequency of inertia particles in turbulent flows is governed by a wide range of scales of flow motion. Recent studies have shown that large-scale energetic eddies dominate the relative velocity between two colliding particles (the turbulent transport effect), whereas small-scale dissipative eddies can enhance the collision frequency significantly by inducing local non-uniform particle distribution (the accumulation effect). In this study, we have developed an integrated collision kernel model, which takes into account both the turbulence effects and can predict collision frequencies at arbitrary Reynolds numbers and particle inertia. In addition, we have implemented the developed collision kernel model into a large-eddy simulation (LES). We have performed our developed LES for particle collision growth in an isotropic evolving turbulence. A direct numerical simulation (DNS) for the same system has also been done. Comparison between our LES and DNS predictions has confirmed that our LES can predict the particle collision growth in the turbulent flow.
著者
木山 昇 楠田 純子 藤井 彩恵 内山 彰 廣森聡仁 梅津 高朗 中村 嘉隆 大出靖将 田中 裕 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1916-1929, 2010-09-15
被引用文献数
2

本論文では,大規模事故や災害時に発生する多数の傷病者の生体情報(バイタルサイン)をリアルタイムで一括監視し,現場での救命活動を支援する電子トリアージシステムの設計開発について述べる.本システムでは,IEEE802.15.4および生体センサを備えたセンサノードを傷病者に装着し,それらの間でアドホックネットワークを構築する.これを介して傷病者の生体情報をリアルタイムに収集すると同時に,センサノード間の無線通信情報を基にノードの位置推定を行い,%救命活動従事者医療従事者に対して傷病者の病状と大まかな位置に関する情報を提供することで救命活動を支援する.開発したシステムを大学附属病院で実施されたトリアージ演習などで使用し,システムの有用性を確認するとともに今後の改良に向けた情報収集を行った.In this paper, we consider situations where many persons are simultaneously injured in large accidents and disasters, and propose an advanced electronic triage system called e-Triage for sensing physical condition of those injured persons and collecting the sensed data in IEEE802.15.4-based wireless ad-hoc networks. The e-Triage system presents dynamic change of injured persons' location and physical condition on monitors in real time. We have evaluated our system through a triage training held in a hospital. From the experimental results, we have confirmed the effectiveness of the e-Triage system and obtained feedback from doctors and nurses.

1 0 0 0 法学の世界

著者
南野森編
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
2013
著者
宮脇 健三郎 尾関 基行 木村 穣 相澤 清晴 北村 圭吾 山崎 俊彦 森 麻紀 武川 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.48-54, 2010-01-01
参考文献数
12
被引用文献数
1

本稿では,「食べる」ことを「健康」と「楽しさ」の二つの側面からとらえ,携帯電話による遠隔食事指導,画像処理を応用した食事ログ,拡張現実感による食卓演出,遠隔共食システムの4件の研究事例を紹介する.
著者
中本 学 関岡 裕明 下田 路子 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.585-590, 2002-03-30
参考文献数
33
被引用文献数
15 15

筆者らは,福井県敦賀市中池見の休耕田において,コナギやアゼナなど小型で一年生の水田雑草を保全するための管理手法を検討した。植生調査は,耕起を再開した1997年に開始し,復田を行った2000年まで継続した。耕起を停止した場合には,サンカクイなど特定の多年生草本が著しく増加するため,耕起の継続は不可欠であった。さらに,耕起を継続しても増加する多年生草本を減少させるには,復田が有効であった。このことから,生物の保全を目的とする休耕田の管理手法として,耕起の継続に加えて数年に一度の復田を組み入れるシステムを提案した。
著者
森 俊哉
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究課題では、係留気球を用いた火山噴煙の観測手法の開発めざし、特に、噴煙中の火山ガス組成の測定をターゲットにした開発研究を実施した。気球に搭載できるよう、二酸化硫黄と硫化水素濃度を測定できる装置を小型軽量化し、噴火活動中の阿蘇中岳の噴煙中の火山ガス濃度比を係留気球を用いて観測を行い、観測手法の確立を行った。本研究で得られた知見や技術は、係留気球を用いた観測だけでなく、近年急速に進化した無人飛行機を使用した噴煙測定にも応用できると期待される。
著者
安梅 勅江 田中 裕 酒井 初恵 宮崎 勝宣 小林 昭雄 天久 薫 枝本 信一郎 伊藤 澄雄 篠原 亮次 杉澤 悠圭 澤田 優子 童 連 田中 笑子 冨崎 悦子 望月 由妃子 渡辺 多恵子 恩田 陽子 徳竹 健太郎 平野 真紀 森田 健太郎 AMARSANAA Gan-Yadam 川島 悠里 難波 麻由美 呉 柏良 丸山 昭子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

経年的な子どもの発達、社会適応、健康状態、問題行動の発現への影響を踏まえ、科学的な根拠に基づく「気になる子ども支援プログラム」の開発を目的とした。全国の0~6歳児と保護者約36,000組の12年間パネルコホート調査を用い、子どもの特性別に発達の軌跡と関連要因について分析した。その結果、家庭環境要因、子ども特性要因、家族特性要因、地域サポート要因の子どもの発達への影響の大きさと軌跡を明らかにした。