著者
中本聖也 北野光一 寺口敏生 田中成典 西江将男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.783-785, 2011-03-02

近年,リアルタイム性の高いCGMであるマイクロブログの利用が増加している.マイクロブログは,実世界とWebをリアルタイムに結び付けることができるため,位置情報サービスの分野で注目されている.しかし,マイクロブログに投稿される情報は膨大な量であり,特定の地域における話題のみを抽出することが困難である.そこで,マイクロブログから場所に関する単語のバーストを検出し,話題性が高い地域を抽出する研究が行われている.しかし,バーストのみに着目した解析では,日常的な地名の出現傾向の違いを考慮できない問題がある.そこで,本研究では,地域における話題を類型化することで,マイクロブログから地域の話題を適切に抽出する手法を提案する.
著者
田中 佳佑
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.49-60, 2011

It is a familiar fact that the printed books wiped out the manuscripts in the late 15th century European intellectual world. However, the significance of it in the historical context is too complex to interpret as a mere technical invention. In the present paper I shall try to explain, though only in philological way, what sort of directions were given in the Renaissance humanism by printing and the printed books as the problem of the history of ideas. I shall not discuss the mode or artistic format of any incunabula and early printed books, mine is rather abstract task of trying to understand, through some documents of Italian humanists, the historical impact of printing on the Renaissance era. My aim will accordingly indicate the essential correlation of printing with the Modern form of knowledge. In my idea, printing has three aspects: (i) the institutional package which produced the public value of books by means of mass circulation, (ii) the product of a certain technologism which changed knowing as personal study into knowing as impersonal manipulation, (iii) the breaker of the traditional close relationship between the authors and the readers. One may find these aspects support our form of knowledge.
著者
田中 正之
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.25-36, 1999-12-31

Woman's eye is one of the most important motives in Man Ray's works. However, in his images of woman's eye, the organ of sight is quite often manipulated, sometimes even violently, and the images acquire a very uncanny nature. This uncanny manipulation of woman's eye in Man Ray's oeuvre, both in photographs and objects, can be divided into four categories : "the Gazing Monster or Surrealist Medusa, " "the Enucleated Eye, " "the Closed Eye, " "Beheading." The last can be regarded as the manipulation of woman's eye, because it is a way of punishing a woman with evil eyes like Medusa, who is exterminated by Perseus through decapitation. The uncanny nature created by these manipulations squarely corresponds to the Freudian concept of the Uncanny. In his analysis of uncanny effects in E, T, A, Hoffmann's novel, The Sand-Man, Freud defines the source of the uncanny as the castration anxiety symbolized by the eye torn out. All the four types of manipulations in Man Ray's images of woman's eye can be found in this or other Freud's essays on the castration anxiety. By visualizing this anxiety repressed in the unconscious or "the return of the repressed, " Man Ray created the true Surrealist image of the emancipation from the reason and order through the direct manifestation of the unconscious.
著者
田中 忠良 山田 幸生 石黒 博 竹内 正顕 山下 衛 小竹 進
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.55, no.515, pp.p2018-2023, 1989-07

The body temperatures of anesthetized patients under going operations decrease gradually because control of the body temperature is suppressed and the temperature of the operating room is kept lower than the body temperature. In order to prevent a patient's body temperature from lowering during an operation, a mat with hot-water circulation is often used. However, it has been reported that burn injuries occasionally occur in such cases, even when no defect in temperature setting and control of the mat is found. The mechanism causing this burn injury has not been determined. This report analyzes the heat transfer of a body-mat system simulated by a simplified model to examine the possibility and mechanism of such burn injuries. The analysis discusses the effects of hot-water flow rates, hot-water temperature and metabolic heat generation on body temperature. It is found that burn injury can occur, particularly in the high metabolic state, when heat transfer by the blood flow is negligible and the rate of water flowing into the mat is reduced considerably.
著者
曽根 啓子 子安 和弘 小林 秀司 田中 愼 織田 銑一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.151-159, 2006 (Released:2007-02-01)
参考文献数
32
被引用文献数
2

日本で野生化し,農業害獣として問題となっているヌートリアMyocastor coypusによる農業被害の実態を把握することを目的として,農業被害多発地域の一つである愛知県において,被害の発生状況,とくに被害作物の種類とその発生時期,ならびに被害が発生しやすい時間帯と場所についての聞き取り調査を行った.また,穿坑被害を含む農業被害以外の被害の有無についても併せて調査した.ヌートリアによる農業被害の対象となっていたのは稲(水稲)および23品目の野菜であった.稲の被害(食害および倒害)は,被害経験のある34市町村のうちほぼ総て(32市町村/94.1%)の市町村で認められ,最も加害されやすい作物であると考えられた.とくに,育苗期(5-6月)から生育期(7-9月)にかけて被害が発生しやすいことが示唆された.一方,野菜の被害(食害および糞尿の被害)は収穫期にあたる夏期(6-9月)もしくは冬期(12-2月)に集中して認められた.夏期には瓜類(16市町村/47.1%),芋類(11市町村/32.4%),根菜類(8市町村/23.5%),葉菜類(3市町村/8.8%),豆類(3市町村/8.8%)など,冬期には葉菜類(17市町村/50.0%)ならびに根菜類(10市町村/29.4%)でそれぞれ被害が認められた.個別訪問した農家(18件)への聞き取りおよび現地確認の結果,主たる被害の発生時間帯は,日没後から翌朝の日の出前までの間であると推察された.農業被害が多く発生していた場所は,河川や農業用水路に隣接する農地であり,とくに護岸されていないヌートリアの生息に適した場所では被害が顕著であった.また,農業被害の他にも,生活環境被害(人家の庭先への侵入)および漁業被害(魚網の破壊)が1例ずつ認められたが,農業被害とは異なり,偶発的なものと推察された.今後は,被害量の推定を目指した基礎データの蓄積,ならびに捕殺以外の防除法の開発が重要な課題であると考えられた.
著者
吉田 圭一 舟木 和紀 棚川 美佳 松村 英雄 田中 卓男 熱田 充
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.35-40, 1995-02-01
被引用文献数
32 13

歯冠修復の最終補綴処置として使用する合着用セメントは,100年以上にわたってリン酸亜鉛セメントが王座を占めてきた.その後,カルボキシレートセメントとグラスアイオノマーセメントが相次いで開発され,さらに歯質や金属と接着性を有するレジンセメントが登場して,接着ブリッジ以外にもキャスタプルセラミックスクラウンやラミネートベニアなどのポーセレンとの接着にも利用され,それらの用途が急速に広がりつつある.そこで本論文は,従来の合着用セメントとレジンセメントの機械的性質と吸水・溶解量,金銀パラジウム合金に対する接着強さを測定し,材料学的見地からこれらのセメントを比較検討したものである.
著者
田中 理恵子 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.39, pp.1-6, 1994-05-19
被引用文献数
3

本稿では,移動体を適応的にサポートするための考え方とそれに基づくプロトコルを提案する.移動体をサポートするためには,一般的にルータが,移動体の現在位置の通知とデータパケットのフォワーディングを行なう必要がある.ネットワーク構成や移動特性が様々に異なるネットワークにおいて,移動通知の方式とデータフォワーディングの方式を複数の方式の中から適応的に選択することによって,ネットワーク全体のトラフィック量を減らし,資源の有効利用を図る.IPネットワーク,CLNPのエリア内,エリア間,ドメイン間,無線LANなどにおいて移動体をサポートするのに適用可能である.In this paper, we propose a new strategy for mobile communication and a protocol based on it. To support host mobility, a router is generally required to notify the location of a mobile host to other routers, and to forward packets to the mobile host. By adaptively selecting notification mothod and forwarding method, the total traffic of control and data packets can be reduced under diverse network configuration (e. g., network topology) and wide range of mobility characteristics (e. g., migration frequency). The notion of adaptive support for mobile communication can be applied to IP networks, CLNP networks, and wireless LANs.
著者
山本 幹男 小久保 秀之 古角 智子 原口 鈴恵 張 トウ 田中 昌孝 パルホムチュク デミトリ V. 相馬 隆郎 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.437-452, 2001-09-01

「遠当て」と呼ばれる現象では、武道や気功熟練者(送信者)が非接触で離れた相手(受信者)を激しく後退させる。当研究グループは、送信者と受信者のペアを離れた別室に隔離して、通常の感覚伝達を遮断した無作為・2重盲検実験で、暗示等の心理効果を取り除いても、この現象や生理変化が見られるかを、多数回試行し、実験してきた。日常「遠当て」的訓練をしてきた最初のペアでは、(受信時刻-送信時刻)の時刻差の頻度分布に、0秒付近で大きなピークが形成され、本現象が、統計的有意に生起することを、脳波や皮膚伝導度などの生理変化を含め、1996年以来本誌などで発表してきた。本報では以下を報告する。襲う者は殺気を感じさせない、襲われる者は事前に殺気を感じ防ぐ、という訓練を日常長年してきた上記と別の武道熟達者のペアによる、同様な「遠当て」実験を行った。その結果、時刻差の頻度分布に、時刻差が-41(p=3.7%)、0(13.4)、+36秒(1.3)付近に3つの大きなピークが形成された。ポアソン上側検定結果を括弧内に示す。両側の2つのピークは5%有意である。これらの形成は、本実験前には予想が困難であった。未知な情報伝達機構の存在が示唆される。本実験で行われた、脳波、心拍、手の温度、皮膚電気伝導度に関しては、本号中の本報の次に、5編が続いて掲載されている。
著者
田中 菜美子 奈良間 美保
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.41-48, 2011

本研究は、新生児が亡くなる過程における母親の反応を、母性の特徴に注目し看護者の認識を通して明らかにすることを目的とし、生後30日以内に死亡した新生児または新生児を亡くした母親を2年以内に受け持ったことがある看護者6名に半構成面接を行った。分析の結果、以下の9カテゴリーが抽出された。児の生前は【我が子との愛着を育てる】【困難な状況の中で母親役割をとることで自分を保つ】【児とかかわることでケアを自らするようになる】【児と家族になろうとする】【医療従事者に頼らざるを得なくなる】【死が迫っていることにショックを受けながらそれでもできることをする】反応を示し、児の死の直後から、【児との結びつきを振り返りつながりを求める】【児を想起することから距離をとる】【来た道も行き先も分からないまま今をなんとかすごす】反応が見られたことから、看護者は母親が児の親でいられるかかわりをする必要があることが示唆された。
著者
田中 智久 田上 銀平 山崎 真大 高島 郁夫 迫田 義博 落合 謙爾 梅村 孝司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.607-610, 2008-06-25
被引用文献数
1 2

2005年度冬季に北海道で大量死した野鳥のうちの13羽について,病理検査とインフルエンザ,ウエストナイル両ウイルスの検出を行った.病理検査では全身性の急性循環障害が共通して認められ,ウイルス検出は陰性であった.これら検査結果,冬季限定の発生状況および文献検索から,融雪剤中毒の可能性が高いと考えられた.また,融雪剤を投与した鶏雛は急性経過で死亡し,野鳥と類似の病変を示した.鶏雛で血漿Na濃度の上昇があったことから,野鳥の死因の確定には罹患症例の電解質検査が必要と考えられた.
著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「複合メディアによる東京弁アーカイブの構築と電子的公開」の目的は、旧来の研究では埋もれてしまう可能性のあった東京弁としての貴重な一次資料を、汎く利用できるような形にして蘇らせようとするものである。秋永の聞き取りによるアクセントなどの言語情報が付加した自然度の高い談話資料として、文字化データと音声データをセットで利用できるよう電子化し、談話資料、アクセント資料、東京方言語彙資料のデータベースとしても利用できる基礎資料を完成させることができた。