著者
井之上 節朗 松富 謙一 川窪 広明
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.43-52, 2009

本学の教員と学生が、広島県尾道市において空き家再生プロジェクトに参加するなかでこの地域が急斜面で車輌などによる材料・道具類の搬入が不可能であり、かつ繁殖しているモウソウチクが敷地・建物に悪影響を及ぼしている状況に直面した。本来、歴史的に見ても竹は建材などにも使われてきており、わが国の文化になくてはならないものであったはずである。そこで今回はあらためて竹の活用を検討するために基礎的な強度試験を行うことにした。まず、尾道市の竹林よりモウソウチクを伐採し、長さ20cmに切断し、節有・隔壁有、節有・隔壁無、節無・隔壁無の3種類のサンプルを作成し、乾燥してないものと乾燥したものの圧縮試験を行った。結果として、乾燥してないものは、3種類の間に大差はなかった。乾燥したものは、乾燥してないものの約2倍程度の強度を示し、3種類の中では節有・隔壁有が最大の強度となった。今後、サンプル数量を増やし試験結果の精度を上げ、これを基に新たな展開に繋げたい。
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.77-84, 1999

鈴鹿市玉垣地区における山の神行事の状況について現地において聞き取り調査を行なった。次のような結果を得た。(1)山の神行事の分布は農村の活性化に関連があり、農村地帯に多い。(2)祭祀場所は神社、または、山の神の祭祀場で行なう。(3)祭祀の実施は玉垣地区は秋1回であるが、土師地区のみ2回実施する。(4)祭祀の供物は赤飯、鶏飯、御神酒、みかん等である。(5)祭祀の象徴である「どんど火」は住宅事情により小さい火に移行してきた。(6)山の神行事は男児が中心に参加するのが原型であるのが、昨今においては子供数の減少により女児の参加の地域も増えてきた。
著者
長谷川 共美 池本 竜則 井上 雅之 山口 節子 牛田 享宏 柴田 英治 小林 章雄
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-8, 2014-03-10 (Released:2014-03-29)
参考文献数
29

The aim of this study was to investigate the features of overweight or obese individuals with a BMI >25 kg/m2 who complained of low back pain, knee pain, and neck stiffness. The subjects comprised 88 overweight or obese individuals who were divided into a symptomatic group and an asymptomatic group prior to the weight–loss intervention in order to compare several parameters of each group. Symptomatic patients were divided into groups of subjects whose symptoms did or did not improve as a result of the 6–month weight–loss intervention. Changes in the test paramete­rs from before and after the intervention were compared between the two groups. The results revealed no differences in any parameters between the two groups (symptomatic and asymptomatic) at baseline in neck stiffness or low back pain. However, for knee pain, the maximal oxygen uptake (VO2max) was significantly lower in the symptomatic group than in the asymptomatic group (p<0.01). Furthermore, the weight–loss intervention revealed a significant increase in VO2max in the “improved” group compared to the “no change” group (p<0.05). The study results showed that both weight loss and the acquisition of aerobic capacity were important in relieving knee pain in overweight or obese individuals.
著者
森 正人 倉橋 節也

"Web sites called an information publication site provide information to people looking for a job, a home and so forth. Companies that want to display their products or services on the sites pay adver-tisement rates for administration companies of the sites, such as a job offer site and a real estate site.In this study, we consider how to decide the display order of products for publication on list pages of contents in information publication sites. The order should be desirable not only for advertisers, but likewise for users.First, we show a result of a regression analysis between display order and page views. Second, we de-fine User Popularity Degree using the analysis. Finally, we employ agent-based modelling to simulate the websites in which web contents are defined as agents bidding advertisement rates for getting the op-timised or effective display orders autonomously.
著者
外間 ゆき 東盛 キヨ子 金城 須美子 桂 正子 宮城 節子 尚 弘子 福田 亘博 知念 功 玉那覇 直
出版者
琉球大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

1.研究目的 昭和60年ー63年度の4年間、沖縄の長寿者の食生活と生活状況について聞き取り調査を行ない、その利用食品の中から特徴のあるものの食品分析と動物実験による生理的効果を検証して、長寿と食生活との関係を考察することを目的とした。2.方法 (1)聞き取り調査は80歳又は85歳以上、総数168人、本部町・与那城村・知念村・那霸市・粟国村・伊江村・伊是名村の7地区で家族構成、日常生活、食生活、栄養素・食品摂取、身体状況について行った。(2)食品分析は豚肉、海藻、味噌の一般成分、微量成分について行った。(3)動物実験は豚肉料理、海藻、茶を飼料として脂質代謝への影響をみた。3.結果 沖縄の長寿者達は転居が殆んどなく、持ち家率が95%と高く三世代同居が多く、家族にも長寿者が多かった。日常生活においては睡眠を充分とり、軽労又は運動を積極的に継続し、精神的なゆとりを持つよう心がけ、食事は一日三食、腹八分を心がけ、過度の飲酒、喫煙をつつしんでいた。栄養素摂取率では所要量に対し、エネルギーは80ー86%、たんぱく質は73ー81%でビタミンAとビタミンCは100%を超えて摂取していた。食品群別摂取量は穀類、野菜類、大豆製品、魚介類の順に多かった。穀類エネルギー比は50ー53%で脂肪エネルギー比は25ー26%であった。豚肉料理志向は強い。ゆでこぼし、あく取りを行う長時間加熱調理によって豚肉の脂質、コレステロール量は減少した。脂肪酸組成はパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸が主であった。動物実験により"アシティビチ","中身の吸物"には脂質代謝改善効果のあることがわかった。ひとえぐさはβーカロチン、ビタミンCを含み抗酸化性が期待され、おごのりには脂質代謝改善効果が期待される。そら豆及びそてつ味噌のアミノ酸組成は普通味噌に比べて劣らなかった。香片茶にも脂質代謝改善効果が期待される結果を得た。
著者
齋藤 伸子 佐々木 倫子 松下 達彦 藤田ラウンド 幸世 安藤 節子 堀口 純子 佐々木 倫子 松下 達彦 宮副ウォン 裕子 安藤 節子 藤田ラウンド 幸世 堀口 純子
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

私立中規模大学における「自律学習を基盤とした個別対応型日本語授業」の実践を分析・考察することをとおして、「意識する→計画する(学習目標を決める→学習計画を立てる→評価方法を決める)→実行する→振り返る」という実践の流れがモデル化された。また、研究期間に行われた実践者グループによる振り返りや議論の成果として、「柔軟な意識をもった教師」の存在という要素の重要性も今後の検討課題として浮かび上がってきた
著者
大石 信節 小樋 雅隆 玉利 光太郎 元田 弘敏
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Db1209, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 理学療法において患者の腹式呼吸や胸式呼吸の能力を知ることは非常に重要である。腹式呼吸の評価法としてはレスピトレースやMRIや超音波を用いたものなどがある。しかし、スパイロメータを用いて直接腹式呼吸や胸式呼吸の機能を評価した研究は筆者らの検索したところでは見あたらない。そこで本研究では腹式呼吸の肺活量(VC-AR)や胸式呼吸の肺活量(VC-TR)をスパイロメータで測定し、級内相関係数を用いて検者内信頼性をBland-Altman plotより妥当性を検討した。また、測定結果が真の変化を表すかどうかを判断する指標として最小検知変化(MDC)を算出した。さらにVC-ARとVC-TRの割合を算出した。【方法】 健常成人男性30名(年齢21.6±0.72歳、身長171.2±4.53cm)に対してVC-AR、VC-TRを5回、VC を4回測定した。測定肢位は安静背臥位でVC-ARは剣状突起の下部に最大呼気位でバンドを巻き、胸郭の動きを阻害した。その状態で被検者には最大吸気位から最大呼気位まで意識的に腹式呼吸のみを行わせた。VC-TRは下部肋骨の2横指下に最大呼気位でバンドを巻き、横隔膜の動きを阻害した。その状態で被検者には最大吸気位から最大呼気位まで意識的に胸式呼吸のみを行わせた。測定結果についてはVC-ARとVC-TRは測定1~3回目、2~4回目、3~5回目の級内相関係数(ICC)、VCは測定1~3回目、2~4回目のICCを算出して信頼性を検討した。またSpearman-Brownの公式よりICC=0.8を保証する測定回数(K)を算出した。さらに測定標準誤差(SEM)を用いてMDCをVC-AR、VC-TR、VCについて算出した。妥当性はVC-AR とVC-TR の和がVCと一致すると仮定して、Bland-Altman plotよりt検定で加算誤差、ピアソンの相関係数で比例誤差を検討した。【倫理的配慮、説明と同意】 健常成人男性30名に対して事前に本研究の主旨、測定方法、リスクについて説明し、書面で同意を得た。【結果】 1) VC-ARは測定3~5回目の ICC(1,1)=0.843、VC-TRは測定3~5回目の ICC(1,1)=0.757、VCは測定2~4回目のICC(1,1)=0.935が最も高かった。またその際のVC-ARではK=0.74、SEM=0.245(L)、MDC=0.68(L)であった。VC-TRではK=1.28、SEM=0.325(L)、MDC=0.90(L)であった。VCではK=0.29、SEM=0.169(L)、MDC=0.47(L)となった。2)X軸に{(VC-AR+VC-TR)+VC}/2をY軸に(VC-AR +VC-TR)-VCをとりBland-Altman plotを作成した。その結果、加算誤差は認められなかったものの(t=-1.53,p=0.14)、比例誤差、すなわち肺活量が大きくなるほど、過大評価をする傾向が認められた(r=0.039,p=0.034)。3)30名の各肺活量の平均はVC-AR=2.11±0.61L 、VC-TR=2.63±0.64L、VC=4.39±0.64Lであった。またVC-ARとVC-TRの和に対するVC-ARの割合の平均は43±0.09%であった。【考察】 1)よりVC-AR、VC-TRでは測定3~5回目のICCが最も高かった。またその際VC-ARのK=0.74 、VC-TRのK=1.28という結果からVC-ARは2回の練習後に1回の測定、VC-TRは2回の練習後に2回の測定の平均値で一定の信頼性を持つ測定値が得られることが明らかになった。VCでは測定2~4回目のICCが最も高かった。またその際VCのK=0.29という結果からVCは1回の練習後に1回の測定で一定の信頼性を持つ測定値が得られることが明らかになった。VC-AR のSEMとMCDはVC-TRより優れていたが、VCよりは劣っていた。VC-ARのSEMは全体の11.6%、VC-TRのSEMは全体の12.4%、VCのSEMは全体の3.9%であった。VC-ARとVC-TRのSEMの場合は一般的に感受性がよいと言われる10%以内に近い値を示した。2)の過大評価をする傾向が認められた原因は不明である。データ数を増やして再検討する必要がある。3)一般的に男性は胸式呼吸よりも腹式呼吸が優位であると言われている。しかし、本研究により最大呼吸活動の肺活量測定時には腹式呼吸よりも胸式呼吸が優位な人が多いことが明らかとなった。【理学療法学研究としての意義】 本研究で腹式呼吸と胸式呼吸の機能をスパイロメータで評価できる可能性が示唆された。理学療法での呼吸機能の改善度を数値化できれば、臨床への貢献が期待できる。
著者
荒川 薫 伊藤 節子
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

乳幼児は言葉を持たず、「泣く」という行為によって何らかの不快感を人に訴えようとする。母親はこの音声(啼泣)を聞き、不快の原因を取り除こうとするが、一般に乳幼児の音声やその状況を観察しただけでは、その原因を理解することが困難である。すなわち、啼泣の原因には、空腹、眠い、痛い、寂しい、不安など複数の要素があるが、乳幼児の観察からこの原因を特定することは難しい。従って母親は種々の原因を想定して様々な対処を試行錯誤的に試みるが、対処が不適切であると乳幼児の啼泣は続き、これが母親の育児ノイローゼを引き起こしたり、さらには昨今問題となる乳幼児虐待をも引き起こすことになる。そこで、乳幼児の音声を計算機で解析して啼泣原因を推定・表示することができれば、母親は容易に適切な対処を選択して子供の啼泣を早く止めることができ、種々の育児トラブルを軽減できると考えられる。本研究では、このように言葉を話せない乳幼児の音声が持つ意味情報を計算機処理により解析し、啼泣原因を推定する情報処理システムを提案する。特に、乳幼児の啼泣原因として最も一般的な、「空腹」と「眠い」を主に取り上げ、空腹時と眠いときの泣き声を自動的に識別するための特徴量抽出や推定ルールの構築を行った。実際の乳幼児の泣き声に本システムを適用し、およそ8割の精度でこれらの泣き声の自動識別を行うことができた。また、注射をした後の痛いときの泣き声についても検討を行った。さらに、乳幼児の音声処理の前処理として必要な、音声に混入する雑音除去のための新しい非線形ディジタルフィルタを提案し、その有効性を示した。
著者
大隈 節子 清水 一巳 OKUMA Setsuko SHIMIZU Kazumi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.131-140, 2014-03-31

本研究は運動部活動と高校生のアイデンティティとの関連性について検討するために、エリクソンによって定式化された自我の発達段階図式に則り、心理社会的発達課題の達成状況を測定評価するために開発された質問用紙EPSI(全8段階56項目)の中から選択した8項目について男女別に運動部所属者、文化部所属者、無所属者で比較検討を行った。男子においては8段階中の6段階について、女子においては7段階の発達課題において運動部所属者の方が有意に達成傾向にある者の割合が多いという結果であった。
著者
新田 収 中原 留美子 岡田 節子 中嶋 和夫
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.27-34, 1991-01-10
被引用文献数
1

本研究においては, 痙直型の四肢麻痺を主徴候とする脳性麻痺児・者269名(痙直型178名, 痙直アテトイド型91名)を対象に, 垂直移動(起立・起座行動)の規定条件について, 知的および姿勢反射条件との関連で整理し, あわせてこれら要因の経年的変化について分析した。結果の概要は下記に示す通りである。1)起座行動は, 知的発達年齢5〜7か月以下の場合は全例不能となっていた。ただし知的発達年齢8〜9か月以上で側方パラシュート反応が陽性の場合は背臥位から腹臥位になり四つ這い肢位から座ることが可能, また後方パラシュートが陽性の場合は背臥位から片肘をついて起き上がることが可能となっていた。2)起立行動は, 知的発達年齢8〜9か月以下の場合は全例不能となっていた。しかしながら, 知的発達年齢10〜11か月以上で立位の平衡反応が陽性となると, 獲得されているパラシュート反応によって異なるが, 起立行動が可能となっていた。すなわち上記の条件に加えて側方パラシュート反応が陽性の場合は物につかまって立ち上がることが可能となっていた。ただし知的発達年齢が12〜14か月以上で, 後方パラシュート反応が陽性でなければ, 物につかまらず立ち上がることは不能となっていた 3)痙直型の脳性麻痺者においては, 生活年齢が2歳0か月を越えると姿勢反射の獲得状況が向上的に変化することが無かった。したがって, 姿勢反射に注目するなら, この時点を境に起立・起座行動に関しては精度の高い予測が可能となることが明らかにされた。
著者
渡辺 陽菜 井上 節子
出版者
文教大学湘南総合研究所
雑誌
湘南フォーラム (ISSN:18834752)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.111-118, 2014-02

玄米には抗酸化作用を示すフィチン酸(IP6)が多く含まれているため、健康志向の一つとして、"玄米食"が注目されている。一方で、フィチン酸のリン酸基とミネラル元素が結合し、体外に排出されるため、玄米摂取によるミネラル阻害という問題が報告されている。そこで、玄米のミネラル阻害を抑制するために、フィチン酸に含まれるリン酸基の一部を脱リン酸し、摂取する方法の検討を行った。玄米を調味料として用いられる食塩水(塩化ナトリウム)で洗浄し、結合しているリン酸基の変化を調べた。さらに、フィチン酸含量が少ない精白米と、玄米の抗酸化力の違いを調べた。 米粉、玄米粉、発芽玄米粉のフィチン酸(IP6)とイノシトール5リン酸(IP5)量を、液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。IP6は玄米粉、発芽玄米粉に多く、IP5は玄米粉に多く含まれていたが、米粉では両成分が低値を示した。 また、玄米粉を塩化ナトリウム溶液(0.5 、1.0 、3.0 、5.0%濃度) で洗浄し、HPLC によって、水溶性抽出分と脂溶性抽出分に分け、各抽出分のIP6、IP5、イノシトール4リン酸(IP4)の定量を行った。IP6は脂溶性抽出に多く含まれ、IP5とIP4は水溶性抽出分に多く含まれていた。また、洗浄に使用した塩化ナトリウム濃度が大きくなると、IP6、IP5、IP4濃度が高くなった。米粉と玄米粉を同様に塩化ナトリウム溶液で洗浄し、その後、抗酸化力の指標である過酸化脂質生成量の変化をTBARS(八木)法で調べた。塩化ナトリウム濃度が高くなると、米粉では過酸化脂質量の増加がみられたが、玄米ではその増加が見られなかった。この事から、玄米粉は白米粉と比べ、過酸化脂質生成が抑制される事が明らかになった。
著者
岡野節子 堀田千津子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.117-123, 2007

各家庭におけるすしの実態把握を目的に熊野市の「さんまの姿ずし」、尾鷲市と海山町の「押しずし」、大王町、鳥羽市、阿児町、浜島町、志摩町の「てこねずし」地域別による比較検討をした次の結果を得ることができた。1)調理の有無は熊野市、大王町、鳥羽市、阿児町、浜島町、志摩町が多く、尾鷲市や海山町は調理する家庭が少なかった。 2)家族の形態は熊野市79.8%、尾鷲市74.6%、海山町68.6%と核家族のほうが多かった。しかし、てこねずしの地域は複合家族の方が多かった。3)調理担当者の年齢は60才代が最も多く、次いで50才代であった。 4)調理頻度はてこねずしの大王町や志摩町は「月2〜3回」、「月1回」となり多かった。押しずしの尾鷲市や海山町は「年2〜3回」と少なかった。5)調理の機会はさんまの姿ずしの熊野市、押しずしの尾鷲市、海山町は正月や祭りを中心に調理されている。しかし、てこねずしの志摩市では食べたいときに調理されていた。
著者
祖父江 寛 福原 節雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.520-524, 1960-03-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
15
被引用文献数
3

典型的な試料として,酢酸セルロースをNaOH-エタノール溶液でケン化してつくった非晶性(再生)セルロース膜を用いた。この試料を濃度を変えたエタノール水溶液および他の有機溶剤でおのおの十分に置換し,乾燥,重水素化後,赤外線吸収スペクトルを測定し,OH基の吸収強度から相対的な結晶化度を求めた。この結果,(1)セルロース膜の結晶化度は他の条件が一定な場合,エタノール中のH2O濃度および浸漬温度に支配され,H2O濃度が大で,かつ温度が高いほどより多く再結晶化することを認めた。そこで非晶性セルロースの再結晶化はミクロブラウン運動に起因するものと推定した。(2)非晶性セルロースの再結晶化に及ぼすH2Oの影響は大きい(D2O中に浸漬するだけで乾燥しなくてもかなりな量が再結晶化する)がエタノール,アセトン,ベンゼン等の影響は非常に少ない。(3)また,非晶性セルロース膜に付着した有機溶剤の完全な除去は困難であることを赤外線スペクトルから明らかにした。