著者
則末 泰博 竹内 宗之 川村 篤 京極 都 宮庄 拓 片岡 惇 伊東 幸恵 藤谷 茂樹
出版者
公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

COVID-19による呼吸不全患者など、死腔増加や肺組織の炎症により吸気努力が強い場合、人工呼吸器からの送気が2回連続でトリガーされてしまう「二段呼吸」が頻回に発生してしまう傾向がある。「従圧式」は設定された圧を吸気中に保つモード、「従量式」は設定された換気量を吸気中に肺に送る呼吸器モードであり、欧米では従量式が頻用されている。本研究では、「強い吸気努力により二段呼吸が一定の頻度で発生する条件下では、従圧式に比べて従量式による呼吸管理の方が一回換気量と経肺圧、さらに呼吸仕事が大きく、従って肺傷害と横隔膜傷害の度合いが強い」という仮説を動物実験で証明することを目的とする
著者
川副 雄史 中尾 一貴 高亀 弘隆 小嶋 大二朗 立山 慎一郎 熊井 惟志 大枝 基樹 森谷 茂太
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.15-28, 2022 (Released:2022-07-12)
参考文献数
29

近年,細菌性脳膿瘍の予後は,外科手術や抗生剤の進歩とともに改善されつつあるが,依然として死亡率は10‒20%と高く,重度の後遺症を生じ得る致死的疾患である.また,抗生剤の選択や投与期間,外科治療のタイミングや術式など,良好な予後につなげるには未だに不明な点が多く,標準的治療は確立されていない.2014年4月から2021年3月までの7年間に,2施設の地域医療支援病院において細菌性脳膿瘍の治療を行った患者を対象に,臨床的特徴と治療成績を後方視的に評価し,転帰に関連する因子を比較検討した.条件を満たした合計20例を対象に,平均年齢は66.7±15.8歳,男女比は3:1だった.脳膿瘍の治療として14例(70%)に外科手術が施行され,6例(30%)は抗生剤治療のみで加療した.起因菌は,15例(75%)の患者で分離同定され,推測される脳膿瘍の原因疾患として,歯科口腔感染症が最多を占めた.本検討では,脳血管疾患の既往,入院時の中等度から高度意識障害および脳室炎の合併が,転帰不良に関連する危険因子だった.これらに対して,年齢,性別,病前modified Rankin Scale(mRS),平均体温,平均白血球数やC‒reactive protein(CRP)値,膿瘍径,単発性か多発性かどうか,eloquent areaにおける局在部位,脳ヘルニアや硬膜下膿瘍合併の有無,起因菌の同定率,抗生剤治療の期間,経過中のてんかん合併の有無は転帰と関連していなかった.また,統計的に有意差はなかったが,発症後72時間未満に手術を行った早期手術群では,全症例で起因菌を分離同定する事ができた.結語として,脳膿瘍の治療において意識障害の強い例や脳室炎の合併リスクが高い例では,積極的な穿刺吸引術が検討され,入院早期から基礎疾患の管理と積極的な離床に努める事が重要である.過去の報告と比べて,本邦では歯科口腔感染症に由来する脳膿瘍が増加傾向にあり,嫌気性菌を念頭に置いたempirical antibiotic therapyが必須である.外科的排膿術を行う場合,抗生剤導入後は起因菌の検出率低下が懸念されるため,起因菌の分離同定の観点からは速やかに手術を行う事が望ましい.
著者
吉田 稔 平 泰彦 尾崎 将之 斎藤 浩輝 吉田 徹 桝井 良裕 藤谷 茂樹
出版者
日本救命医療学会
雑誌
日本救命医療学会雑誌 (ISSN:18820581)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.14-18, 2022 (Released:2022-09-30)
参考文献数
6

集中治療領域での分離肺換気 (independent lung ventilation, 以下ILV) は稀であり, 適切な呼吸器設定は不明である. 近年, 人工呼吸器関連肺障害に関連する因子を統合したエネルギー量を示すMechanical power (以下MP) が注目されている. MPは駆動圧や1回換気量に加え, 呼吸数, 最高気道内圧から計算され, MPと死亡率の関連が報告された. われわれは片側に偏った重症肺炎2例に対し, double-lumen tubeを用いて左右別々の呼吸器設定で患側肺のrest lungを念頭においたILVを行い, 良好な結果を得た. ILVでの肺保護戦略を探索するため, MPを用いて後ろ向きに2例を検証した. ILV後の左右合計したMPはILV前に比べ低減した (症例1: 28.7 J/分→9.3 J/分, 症例2: 8.8 J/分→5.2 J/分). また, 障害肺のMPは1.0 J/分以下であった (症例1: 0.1 J/分, 症例2: 0.7 J/分). 患側rest lungの設定では, 左右合計のMP はILV前と比較し低減, さらに, 患側のMPは1.0 J/分以下であった. ILVによる患側rest lungが健側に大きな影響を及ぼさずに管理でき, MPの観点からも, 適正な人工呼吸器設定であった可能性が示唆された.
著者
花田 伸英 冨田 友幸 阿部 直 片桐 真人 矢那瀬 信雄 山下 えり子 塩谷 茂 吉村 博邦 笠井 潔 亀谷 徹
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.231-234, 1993

Human T-lymphotropic virus type I (HTLV-I) 抗体価が高値を示し, 多発結節性陰影を呈したT細胞性リンパ腫の1例を経験した. 症例は42歳, 男性. 千葉県出身. 昭和63年6月に胆嚢摘出術後, 発熱が持続したため当院受診, HTLV-I抗体価の高値を指摘された. 約8ヵ月後, 胸部X線上多発結節性陰影が出現, 開胸肺生検にてT細胞性リンパ腫と診断された. 文献を検索し得た限りでは肺原発のT細胞性リンパ腫において, 多発結節性陰影を呈した報告例は1例のみであった. また本症例の肺病変はHTLV-I感染との間に関連性があり, Adult T-cell lymphoma の初発の病変と考えられたので報告する.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 Wagner G. S. 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984
著者
塩谷 茂明 牧野 秀成 永吉 優也 柳 馨竹 嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_838-I_843, 2011
被引用文献数
1

航海の安全のため、航海情報は非常に重要である。航行船舶の安全性は海難回避のために要求される。海難の原因の第1位は衝突、第2位は乗揚である。船舶の乗揚は沿岸域の比較的浅い海域で発生している。そのため、乗揚回避のために水深情報の有効な提供が非常に重要である。さらに、航行船舶に影響を与える気象・海象の情報提供も重要である。本研究の目的は、船舶乗揚回避のための水深、気象・海象に関する有効な航海情報をGISを用いて提供することである。航海シミュレーションによるこれらの情報提供が有効であることを示した。
著者
水谷 茂章 中川 和治 礒野 禎三 毛利 信幸
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.283-288, 1995-03-25
参考文献数
16
被引用文献数
2

ヘキサミン(1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.1<sup>3</sup>,<sup>7</sup>)]デカン)の鞣皮性を研究するために,ヘキサミン溶液での温度と硫酸の添加量がpH並びに皮粉の熱変性温度(T<sub>D</sub>)に及ぼす影響,また,ヘキサミンがクロム鞣液のpH並びにクロムの沈澱形成に及ぼす影響について検討した.得られた結果は次の通りである.1) ヘキサミンの分解反応は比較的容易に始まるが,反応終了までには長時間を要した.しかし,皮粉が共存すると,その時間が短縮された.また,皮粉のT<sub>D</sub>の上昇は非常に遅かった.一方,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほどヘキサミンの分解反応が促進され,皮粉のT<sub>D</sub>の上昇は速くなった.2) クロム鞣剤は硫酸酸性下においてヘキサミンの分解反応を速めた.すなわち,ヘキサミンの分解反応が終了するまに要する時間は,クロム鞣剤が共存しない場合の1/2以下となり,また,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほど短縮された.3) ヘキサミンークロム鞣液では,かなり高いpHにおいてもクロムが沈澱しにくい.このことは,ヘキサミンの分解反応による生成物がクロム錯塩に対してマスキング効果を持つことが考えられる.
著者
吉田 徹 藤谷 茂樹 平 泰彦 堤 健 栗栖 美由希 岩井 俊介 三上 翔平 吉田 稔 若竹 春明 北野 夕佳 桝井 良裕
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.221-225, 2019

<p>向精神薬によるARDS (acute respiratory distress syndrome) の報告は限られており, また, ARDSや薬物中毒に対してECMO (extracorporeal membrane oxygenation) の有用性が指摘されている。【症例】20歳代女性。うつ病等で精神科通院中。フェノチアジン系抗精神病薬, ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬, オレキシン受容体拮抗薬, ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の過量服薬を行い, 服用後約5時間で救急搬送された。来院時意識レベルE3V5M6, その他バイタルサインに大きな所見はなかった。入院後に低酸素血症出現, 胸部単純X線で肺水腫の所見を認めた。人工呼吸管理を施行するも心停止し, VA-ECMOを導入した。頭部・上肢の酸素化不良に対しVVA-ECMOとした。第6病日にVVA-ECMOを離脱, 第32病日に転院した。【考察・結語】本症例は, ARDSから心停止, VVA-ECMOを必要とした。過量服薬した原因薬剤のうち, フェノチアジン系抗精神病薬以外は今までARDSの報告はなく, 注意が必要と考えられた。</p>
著者
伊藤 貴雄 大橋 容一郎 福谷 茂 加藤 泰史 松井 慎一郎 芝崎 厚士 川口 雄一
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

19世紀後半から20世紀初頭にかけて世界的に影響力のあった新カント派の哲学は、日本において大正から昭和初期にかけて大きく受容され、その影響は狭義の哲学にとどまらず、広く文化評論から経済学・政治学・法律学・教育学など社会科学分野の思想家にも及んだ。新カント派哲学への理解なしに近代日本思想史を正確に理解することはおよそ不可能と言える。にもかかわらず今日、日本の学界では同学派への関心は極めて希薄なものにとどまっている。本研究は、近代日本思想史において新カント派哲学が社会科学と接点をもった意義を学際的に明らかにし、新カント派の継受をめぐる国際比較研究を可能とする研究基盤を構築するものである。
著者
炭谷 茂
出版者
人権擁護協力会
雑誌
人権のひろば (ISSN:13440756)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.13-17, 2008-09
著者
宮原 小百合 松本 浩実 三谷 茂
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11931, (Released:2021-03-16)
参考文献数
17

【目的】末期変形性股関節症女性患者の尿失禁および骨盤臓器脱の有症率とそれらの認知度,関心度および指導への期待度を明らかにすること。【方法】人工股関節全置換術術前の末期変形性股関節症女性患者38 名(平均年齢64.9 歳)を対象とした。国際尿失禁会議質問票と骨盤臓器脱困窮度質問票にて有病率を調査した。さらに尿失禁および骨盤臓器脱についての認知度,関心度および指導への期待度を自記式質問紙にて調査した。【結果】有症率は尿失禁が65.8%,骨盤臓器脱が63.2%であった。47.4%の患者がどちらの症状も認めた。尿失禁および骨盤臓器脱について,「知っている」と回答したのはそれぞれ57.9%,28.9%であり,7 割以上が関心を示し,半数程度が指導を期待していた。【結論】末期変形性股関節症女性患者の尿失禁および骨盤臓器脱の有症率は高かった。患者の多くは尿失禁と骨盤臓器脱に関心をもち,指導を期待していることがわかった。
著者
鬼塚 剛 柳 哲雄 門谷 茂 山田 真知子 上田 直子 鈴木 學
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.403-417, 2002-05-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
28
被引用文献数
2

現在,洞海湾で水質浄化の試みとして,ムラサキイガイの養殖を行うことが計画されている。そこで,海域浄化に必要な養殖量とその効果を定量的に把握するために,鉛直2次元の数値生態系モデルを用いて洞海湾における物質循環の再現を行い,ムラサキイガイ養殖の有無による湾内物質循環の違いを調べた。その結果,ムラサキイガイ養殖量1,000トン以上で表層のクロロフィルa濃度は減少,湾奥底層の溶存酸素濃度は増加し始め,10,000トン養殖すれば赤潮防止に効果があり,貧酸素水塊の状態にも改善が見られることがわかった。10,000トン養殖時に,ムラサキイガイによる植物プランクトン摂食量は基礎生産量のおよそ2割に達し,2次生産量より大きい値であった。また,養殖しない場合と比較すると湾内有機物濃度が2~3割程度減少していた。洞海湾では工場からのTN(溶存・懸濁態窒素総量)負荷量が大きいため,ムラサキイガイ養殖による窒素除去効果は小さく,TN負荷量の約2%ほどであった。洞海湾が国の定めるTN環境基準を達成するためには,工場からのTN負荷量を削減しなければならないが,ムラサキイガイ養殖と工場からの負荷量削減の両方を組み合わせることで,より効果的に赤潮や貧酸素水塊の発生を防止できる。
著者
金谷 茂
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.7, pp.31-43, 1962-10-30 (Released:2009-09-04)
参考文献数
15

Guiding theories precede practice and their truthfulness is esteemed of great importance. Moreover, since practice is guided by such theories and at the same time is a process in which they are realized, a unity between theory and resultant consequence is antecedently expected. To say, however, that this unity is both sought and expected is completely different from saying that it exists already in a realized state. Precisely because the experimentalist looks on this desire [for unity] as a creative element, he seeks with all thoroughness for a conviction in the truthfulness of his principle and tries to find a rational foundation for it. He cannot, however, rest satisfied with certainty based on conceptual knowledge. He esteems of great importance the process in which he strives to insure concrete values. The validity of a theory does not rest on what precedes it but is found in and through the very practice that threatens to alter the principle itself. Herein lies the meaning of verification through consequences.
著者
福谷 茂
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.56-73,22, 2004-04-01 (Released:2010-03-05)

Where the core of Kantian philosophy must be located? The author of this paper argues that, facing almost inscrutable breadth and complexities of Kant's Werke, we should rather identify it by singling out the basso continuo of his thinking.In this respect, the author emphasizes the importance of a short paper written in 1768 on Concerning the ultimate ground of directions in space. According to the accepted view, Kant gave reasons in favor of the Newtonian absolute space in sharp contrast to the space-as-pure intuition theory of Dissertatio (1770). But notwithsatndig the formal differences there lies a continuous line between these two. The author points out that a deep metaphysical concern of Kant surfaces here in relation to the problem of the whole and the parts. Old type metaphysics is based on the assumption that the whole can be made up from the parts : an assumption repudiated by the Newtonian absolutist view of space and effectively illustrated by Kant's own counter-example of the incongruent counterparts.The critical philosophy of Kant is an attempt at reconstruction of metaphysics by integrating a reversal of the ontological relation between the whole and the parts. The Critique of Pure Reason is a culmination of this enterprise in its concept of “one possible experience” or “one single all-embracing experience” (A582=B610) as the ultimate condition of possibility of paticular experiences.Finally the author corroborates his view by citations from the Opus postumum, which he regards as the formal, synthetic statement of the Kantian philosophy in close relationship with The Critique of Pure Reason.
著者
川谷 茂樹
出版者
日本体育・スポーツ哲学会
雑誌
体育・スポーツ哲学研究 (ISSN:09155104)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-11, 2004

This study begins with the following questions. Why should athletes keep rules of sport? What occurs in sport when cheaters break the rules?<br>In relation to these questions, which explore basis or foundation of the rules, there are some precedent theories. Those are 1) rule absolutism or game formalism, 2) contextual contractualism, 3) externalism. Through my research on 1) and 2), a very important issue, namely, the ethos of the game rose. That is, an internal purpose of the game achieved as a result of realization of the game, and at the same time the basis of the rules. Furthermore, with regard to 3), it is not able to point out the basis of the rules because of denying the existence of this ethos: &ldquo;internal purpose of sport&rdquo;.<br>All things considered, the ethos of game is to make a decision of victory or defeat. Therefore, a norm &ldquo;Keep rules&rdquo; itself is not always an absolute command, a categorical imperative, but a relative one, a hypothetical imperative. Consequently, all cheating, rule breaking, doesn't act on the game destructively. The rules of sport is fundamentally restricted by the ethos of sport under all circumstances. In other words, only this ethos: &ldquo;the spirit of the sport&rdquo;, forms the basis or foundation of the rules of sport.