著者
小松 隆 岩間 徹 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1912-1919, 1998-08-25
被引用文献数
14

古い映像フィルムの画質劣化の要因の一つであるブロッチの検出とその修復を行う方式を提案する.ブロッチにより損傷を受けた画像に対しても適用可能な動き解析法を提案する.更に, 動き解析の結果得られた動き量で動き補正画像を複数作成し, 着目画像とこれらの画像との最小差分からブロッチの検出と修復とを行う方式を提案する.人工的にブロッチを付加した画像を用いたシミュレーションにより, 提案する動き解析法がブロッチに対してロバストであることを示す.また, 提案する修復方式の性能評価実験の結果を示す.
著者
齊藤 正人 日野杉 充希 恒川 佳隆 三浦 守
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.108, pp.83-90, 1999-06-11
被引用文献数
1

本稿では,冗長2進表現に基づく極めて高速な加減算器の構成法を提案する.そのためにまず,これまで行われてこなかった減算器に対する検討を行い,その計算規則を提案する.この規則から冗長2進数の表現法の1つである1桁2ビット/3ビット混合表現を用いて加算器と処理速度が等しい減算器を構成し,さらにこの減算器から処理時間を変えずに加減算器へと拡張させる.そして,論理式からゲート数および遅延時間の算出を行う。最後に,VLSI設計システムPARTHENONを用いてVLSI評価を行う.その結果,従来の符号変換器を用いた構成に対してハードウェア量の増加を抑えつつ高速な加減算器が実現できることを明らかにする。
著者
能登路 淳 齊藤 皓彦 早川 元造
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.827-832, 2003 (Released:2003-12-01)
参考文献数
9

The effects of tensile stress and strain on magnetization and magnetic domains in silicon steel sheets were investigated. The magnetization of elastic deformation regions decreased with increase of strain and the strain-magnetization properties of plastic deformation regions under stress showed peculiar characteristics. The magnetization increased with decreasing strain. We observed Lancet and other domains in a sample, especially around the boundary of crystal, after removing stress applied to a plastic deformation region. This phenomenon can be explained by changes in the domain structures, which were partly observed. This results obtained in this investigation can be applied to the nondestructive detection of fatigue in metallic magnetic materials.
著者
櫻井 彩乃 菅原 ますみ 後藤 景子 渡辺 基子 岡村 仁 北村 裕梨 中井 克也 飯島 耕太郎 岡崎 みさと 魚森 俊喬 崔 賢美 村上 郁 櫻井 晃洋 齊藤 光江 新井 正美
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.74-83, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
20

BRCA1/2遺伝子検査が保険収載後に,本検査受検を考慮した乳癌患者の実態調査を行った.順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺センターにて,保険適用でのBRCA1/2遺伝子検査を提案された外来通院中の乳癌患者31名(受検者29名,非受検者2名)を対象に,検査時と結果開示後に調査を実施した.BRCA1/2遺伝子検査の保険収載は受検を明らかに促進していた.同胞や子どもを心配し受検をした対象者がもっとも多く,受検者の90%以上が血縁者への情報伝達を予定していた.血縁者への情報提供やキャリア診断の遺伝カウンセリング体制も整備する必要性が示された.また病的バリアントが検出されなかった約半数の対象者でネガティブな情緒の変化である「総合的気分状態」の上昇がみられた.乳癌診療や遺伝カウンセリングにおいては,病的バリアント非保持者でも心理支援を考慮すべき対象者がいることが示された.
著者
鈴木 理恵 齊藤 利雄 丸山 幸一 服部 文子 藤井 達哉 熊谷 俊幸 脇坂 晃子 向田 壮一 糸見 世子 白石 一浩
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.342-349, 2018 (Released:2018-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) 患者の教育への支援に向けて, 実際の学校生活についての現状と課題を明らかにすることを目的とした. 【方法】小学生から20歳以下の在宅で生活するDMD患者の保護者を対象として, 5府県の7施設でアンケート調査を行った. 【結果】DMD患者115名の保護者から回答を得た. 小学校入学時の所属は一般小学校の通常学級が60%を占め, 特別支援学校は5%であった. 特別支援学級への転級や特別支援学校への転校をする患者が存在し, その時期は小学5年生が最多であった. 小学4年生から体育の授業での見学が増加し, 保護者から見て学校生活が楽しそうだったという回答が減少した. 中学生以上の患者70名では, 中学校入学時の所属は特別支援学校が60%を占め, 一般中学校の通常学級は13%であった. 保護者の77%が医師と学校の関わりを希望していたが, 希望した保護者の52%が実際には関わりがないと回答した. 【結論】一般小学校の通常学級へ就学するDMD患者は多いが, 歩行が困難になる小学4年生頃から一般の学校での生活が困難になってくる現状があり, 患者・保護者と医療, 教育が情報を共有し, 病状に応じて教育環境を調整していく必要がある. 保護者の希望に見合うほどの十分な医師の学校教育への関わりはなされておらず, 医療と教育の連携体制の構築が望まれる.
著者
齊藤 勇二
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.458-462, 2023 (Released:2023-11-27)
参考文献数
14

The average life expectancy of Japanese people in 2021 is 81.47 years for men and 87.57 years for women. Because of recent improvements in nutrition and sanitation, as well as the advances in medical care, it is predicted that the average life expectancy will reach 100 years, so–called the era of 100–year–life. Although the lifespan is getting longer, very few people will be free from disorder throughout their lives, and the majority will live with various diseases, especially chronic diseases.Parkinson disease (PD) is the second most common, progressive neurodegenerative disorder, and its global incidence is on the rise, due to the aging of the world's population. “Elderly PD patients” are divided into two groups : patients with PD those who have been living with PD for a long time and those who develop PD at an old age. In the clinical practice for the elderly with PD, it is indispensable for clinicians to keep complex physical conditions, such as pharmacokinetics, comorbidities, and polypharmacy in “the elderly” in mind, as well as “PD” itself. In addition, reduced physical activity in the elderly could make it difficult to attend distant medical facilities; therefore, clinicians should provide PD care in their lives locally. In other words, the essence of clinical practice for the elderly with PD is not only to provide specialized “PD” treatment but also to treat and care for “the elderly”.In general, it is difficult to establish evidence in the medical field for the elderly, because each elderly has a wide variety of background factors, including comorbidities or polypharmacy, which could be biases in the clinical research. Japan is one of the first countries in the world to face a super–aging society, and we are in a position to establish evidence about the clinical practice for “the elderly patients with PD”. We need to discuss what we can and should do for the elderly patients with PD and to provide evidence, preparing for the world's PD pandemic.
著者
川瀬 啓祐 冨安 洵平 伴 和幸 木村 藍 小野 亮輔 齊藤 礼 松井 基純 椎原 春一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.83-89, 2018-12-25 (Released:2019-03-31)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

ライオンPanthera leoに行動的保定下で定期的な血中プロジェステロン(P4)濃度測定,腟粘膜上皮検査,外陰部粘液漏出量の変化の調査を行った。血中P4濃度,腟スメア像は周期的な変動を示し,腟スメア像において無核角化上皮細胞が主体となる期間は,血中P4濃度は基底値を示し外陰部粘液漏出量は多量であった。ライオンの発情周期は2.6±5.0日間,発情前期は8.3±1.5日間,発情期は6.2±2.7日間,発情後期と発情休止期を合わせた期間は37.2±4.6日間と推察された。
著者
齊藤 正樹
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.87-89, 2016 (Released:2020-02-19)
参考文献数
9

使用済み燃料に含まれるマイナーアクチニドを軽水炉のウラン燃料や高速増殖炉のブランケット燃料に少量添加すると,燃料中に軍事転用困難な238Puの同位体割合を増加させ,高い核拡散抵抗性を有するプルトニウムを生成することが可能である。「もんじゅ」は,余剰プルトニウムを効率的に燃やしながら(Pu Eater),かつ,核拡散抵抗性の高い軍事転用困難なプルトニウムを増殖する(Pu Breeder)核不拡散上極めて重要な技術の実証に向けた国際研究開発拠点として,国内外の英知を結集して再構築し,将来のエネルギー安全保障のみならず,原子力の平和利用と核不拡散の両立の観点からも,人類史上初めての挑戦を,国は高い志を持って,揺るぎなく進めるべきである。
著者
齊藤 千鶴
出版者
一般社団法人 日本家族心理学会
雑誌
家族心理学研究 (ISSN:09150625)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.43-55, 2004-05-31 (Released:2023-04-27)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Some clinical approaches to eating disorders have shown that families which have a member with an eating disorder were particular about eating habits and attitudes. This two-part study explored eating variables related to eating disorders and investigated the correlation between daughters and mothers. In study 1, a non-clinical sample of 239 female adolescents evaluated their attitudes toward eating with concern to nutritionally balanced food, table manners, saving of food expenses, and information about food and restaurants, as well as answering question about parenting associated with table manners and their feelings during mealtimes. Firstly, the variables of eating habits and attitudes concerning nutritionally balanced food, table manners, saving of food expenses and information about food and restaurants revealed a 6 factor structure by principal-components analyses. Secondly, compared with the normal group, adolescents with highly disturbed eating patterns showed stronger attitudes concerning the eating of nutritionally balanced food, and information about food and restaurants. This results was. supported by controlling for parenting associated with table manners and feelings during mealtimes. In Study 2, 77 mothers matched with their daughters also answering question about eating habits and attitudes concerning nutritionally balanced food, table manners, saving of food expenses, and information about food and res taurants. Principalcomponents revealed the same factor structure for both daughters and mothes.5 out of 6 factors concerning eating attitudes were significantly correlated between daughters and mothers, and these 5 mothers' factors significantly influenced their daughters' factors respectively. These findings may suggest that eating attitudes of the family were transmitted over between generation.
著者
齊藤 和快 安斎 健太郎 岡林 務 今城 栄祐 五十子 圭佑 竹内 真太 西田 裕介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.33-39, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1

〔目的〕JリーグのDivision 2に所属するサッカーチームで発生した傷害(外傷と障害)の実態を調査し,その結果を傷害予防の一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は2017年から2018年に所属した選手57名で,傷害発生率,受傷状況,傷害のタイプ,受傷部位,重症度を調査した.〔結果〕2シーズンの傷害発生件数は83件であった.練習中の傷害発生率は3.1/1000 phで試合中は10.8/1000 phであった.下肢の傷害が全体の92.8%で,最も多い傷害部位は大腿部であり,筋損傷が多かった.競技復帰までの日数はsevere(29日以上)が最も多かった.〔結語〕サッカー競技において下肢の傷害予防は必須であり,特に選手特性に応じた個別の予防プログラムを確立するだけでなく,競技復帰までの基準を明確化する必要性が示唆された.
著者
齊藤 正彰
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.267-292, 2020-03-31
著者
萩原 廣 佐藤 剛 齊藤 初雄
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.43, pp.57-58, 1996-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
4

コムギから黒穂病の自然汚染圃場において8月末に熱水土壌消毒を実施したところ, 対照として実施したクロルピクリンくん蒸剤と同様に, 本病の土壌伝染に対して高い防除効果が得られた。
著者
齊藤 智樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
1

本研究では,Next Generation Science Standards(NGSS, 2013)における,領域横断的な概念(Cross-cuing Concepts: CCs)と米国でのその歴史的な扱いに着目し,STEM教育の統合的・領域横断的な学習を支える分析的な枠組みの在り方について,基礎的な研究を行った.特に,NGSSにおけるこれら概念が,領域の核となる概念(DCIs)や科学とエンジニアリングの体験的・経験的活動(SEPs)と効果的に統合されることを目指す,3Dラーニングモデルにおいてどのように扱われているか,それぞれの概念と領域がどのようにつながれているか,またCCs同士がどのように連携するかといった点を明らかにし,領域横断的なカリキュラムの結節点として,期待される機能について考察した.
著者
濱名 篤 川嶋 太津夫 山田 礼子 森 利枝 塚原 修一 深堀 聡子 齊藤 貴浩 白川 優治 合田 隆史 近田 政博 芦沢 真五
出版者
関西国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、大学設置の「入口規制」として大学設置基準が、日本の高等教育の発展にどのように貢献してきたか、を分析するとともに、今日の規制緩和の流れの中で従来型の質保証体制がどのように変容するのかについて考察を加える。設置基準と認証評価がどのように連動して質保証システムとして機能してきたか、この両者が相互補完する体制が実質的な成果を挙げているか、についても検証する。また、比較可能な諸外国の設置基準と認証評価制度の関係を調査し、国際比較研究を通じて、日本固有の課題や将来への課題を明示する。さらに、日本の現状に見合った大学設置基準と質保証体制の在り方を模索し、将来の設置審査に関する提言を行う。
著者
齊藤 大樹 開 光太朗
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0920, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】脳性麻痺者では,痙縮による姿勢筋緊張亢進が正常発達を阻害している。神経筋電気刺激(以下:NMES)は,痙縮抑制や筋萎縮予防及び改善を目的として実施される物理療法であり,脳性麻痺患者を対象とした痙縮や筋緊張の変化についての報告はほとんど見当たらない。また,NMESによる筋緊張抑制には,拮抗筋刺激(相反性抑制)を利用したIa-NMESおよび痙縮筋直接刺激(自己抑制)を利用したIb-NMESが知られている。先行研究では,脳性麻痺者の痙縮に対して,Ia-NMESとストレッチを行い,筋緊張抑制に少し効果があったとされているが,健常人においてはIa-NMESとIb-NMESを比較した場合Ib-NMESのほうがストレッチ前処置としては効果が高かったと示されている。今回,通常行っている可動域練習(ROM)と比べ各NMESを与えることで痙縮の改善が得られるのかを検証した。【方法】対象はGMFCSIIIレベルの成人脳性麻痺者1名(19歳)とし,対象筋はヒラメ筋とした。介入期間は1ヶ月半とし,足関節可動域練習,Ib-NMES,Ia-NMESの3つの介入をそれぞれ日を分けて行ない,セッションごとの即時効果を検証した。NMES刺激は総合電気治療器ES-520,刺激電極5cm×9cmの粘着パッド使用し,設定は周波数20Hz,刺激強度12~14mA,刺激時間10分間,立ち上がり2sec,持続4sec,減衰0.5sec,休止4secとし,刺激はIb-NMESはヒラメ筋,Ia-NMESは前脛骨筋に与えた。足関節可動域練習は徒手による持続的伸張を下腿三頭筋に伸張反射が出現しない速度で最終可動域付近まで行い,一回につき20秒,休息2秒,5分間実施した。評価は足関節背屈角度,Modifield Ashwonh Scale(MAS),筋硬度,足関節背屈抵抗トルクの測定を各介入前,介入後に実施し,結果値は3回測定した結果の平均値を採用した。【結果】足関節背屈角度とMASにおいてはROM後は抵抗が少し低下,背屈角度改善し,Ib-NMES後は抵抗増加,背屈角度低下し,Ia-NMES後は抵抗が少し低下したが,角度は大きく変わらなかった。ヒラメ筋の筋硬度はROM後は変化が少なく,Ib-NMES後は増加し,Ia-NMES後は少し低下した。足関節背屈抵抗トルクはROM後はやや低下し,Ib-NMES後は増加,Ia-NMES後は少し低下した。【結論】今回,ヒラメ直接刺激はIb抑制による緊張緩和を期待していたが,反対に電気刺激により緊張している筋を余計に緊張させてしまった。一方,拮抗筋である前脛骨筋刺激はIa相反抑制により,ヒラメ筋の緊張低下に効果があったと考える。しかし,足関節背屈角度は有意な変化が少なかった。この要因としては,痙縮抑制が生じても長年の痙縮持続による筋短縮や関節構成体自体の拘縮が存在しているため,角度変化については限りがあるのだと考える。今回,一例であるが即時効果が得られる可能性が示唆されたため,運動療法の介入前に電気刺激を実施し痙性を抑制させることで,その後の正常な運動パターン学習を行いやすくする可能性が考えられた。
著者
齊藤 康典
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

クロイソカイメンの自己・非自己認識機能を調べた結果、同所的に生息するダイダイイソカイメンの個体と接触すると、非自己と認識して拒絶することが明らかとなった。一方、同種個体間の認識においては、約10m四方の狭い範囲に生息する成熟個体間の接触で、ほとんどの組み合わせで拒絶反応を示し、癒合する組み合わせはほとんど無かった。一方、同一母親から生まれた幼生を固着変態させた幼体間での自己・非自己認識を調べると、固着変態直後から認識能を示し、さらに、拒絶反応の様式が成熟個体とは若干異なることが明らかとなった。拒絶反応の様式の詳しい記載や、個体間で拒絶が出現する頻度などから遺伝的な支配についてについて考察した。
著者
齊藤 拓馬 原田 広史 横川 忠晴 大澤 真人 川岸 京子 鈴木 進補
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.157-171, 2022-09-01 (Released:2022-08-25)
参考文献数
80

Series of Ni-base single-crystal superalloys with superior thermal durability have been developed to improve thermal efficiency of gas turbine systems. Microstructural transition during creep so called “raft structure” formation enhances creep properties at lower stress and higher temperature condition. Furthermore, larger perfection degree of the raft structure contributes to better creep properties under the same creep condition. To control the perfection degree of the raft structure, magnitude of a lattice misfit and an elastic misfit between γ and γ′ phases should be controlled. In the current situation, the lattice misfit can be controlled by using alloy design program NIMS has developed. In this review, we focused on the role of the raft structure in alloy design. Observation results and predicted mechanisms about strengthening by the microstructural transition, in addition to the mechanism about microstructural transition itself during creep, were summarized and explained. Finally, under these recognitions mentioned above, our effort to establish a new alloy design approach to control the perfection degree of the raft structure by modifying the elastic misfit was introduced.
著者
中澤 菜穂子 神山 千穂 齊藤 修 大黒 俊哉 武内 和彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.II_141-II_150, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
43
被引用文献数
3 4

天然のキノコ・山菜は特用林産物として古くから利用され,その採取活動は様々な生態系サービスと関係している.これらの林産物は市場を介さない自家消費が多く,これまで定量的な価値評価はあまり行われてこなかった.本研究は,石川県七尾市の釶打地区を対象地に聞き取り調査を実施し,採取活動の実態を定量的に明らかにすることで,それらの経済的,文化的価値の評価を試みた.市場価格から金銭換算した結果,天然のキノコ・山菜による供給サービスは比較的高い経済的価値を有していることがわかった.また,文化的サービスの観点からは,採取活動は,その贈答や食文化の継承を通して,地区内外の交流を深めるという社会的意義を担っていること,採取行動と加工処理の過程においても,経験や技術に裏付けられた文化的な価値を有することが示された.