著者
畑 俊明 増田 好治 須見 尚文 松永 泰弘 紅林 秀治 江口 啓 碇 寛
出版者
静岡大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

(1)児童生徒自身でつくる「手作りセラミックス磁石」の創造的思考力に及ぼす効果児童は、石ころが磁化装置の中で簡単に磁化される状況に接すると、今までの磁力は絶対的なものであるという概念が一瞬にして崩壊し、磁力が付加できるものであるという概念が構築されると、磁力についての新しいイメージができあがり、磁石に異常に関心をもつようになる。本年度は、この実践を科学の祭典静岡大会、富士サイエンスプロジェクト、日本未来館での研究成果展示会などのイベントに参加し積極的に活動した。しかし、あくまでも、授業実践が主体であるので、静岡市の長田東小学校5年生を対象に、方位磁針を作成する授業を実践し手づくり方位磁針の製作を通して、子供達の独創性を刺激した。この創造的思考力が付く過程を脳科学的解析により解明すべく、他の脳科学者との交流も深めた。(2)児童生徒自身でつくる「手作りセラミックス磁石」利用での創造的思考力に及ぼす効果セラミックス磁石を応用したものづくり学習法は種々考えられるが大きくは2領域に限定する。それは、電気領域でのものづくり学習と、機械領域でのものづくり学習である。電気領域を担当するのは増田好治、江口啓で、増田・江口は、セラミックス磁石を用いたモータとそれを利用した発電機を教材化し、機械領域を担当する須見、松永は、磁気ライントレース型ロボットの教材化に取り組んだ。手づくりペットボトルモータの実践は、富士サイエンスプロジェクト、科学教育学会、静岡大学共通教育で実践し、子供たちの創造性を高めることに成功した。また、磁気ライントレース型ロボットでは、児童生徒が自分自身で「手作りセラミックス磁石」を作製しこれをレールとして利用し、その磁力を感知する新しいアイデアでのロボコン製作を行う教材を開発した。これらについて、紅林は教材としての価値について総合評価を行い優れていると判定している。
著者
松本 金矢 森脇 健夫 根津 知佳子 後藤 太一郎 中西 良文 滝口 圭子 上垣 渉 廣岡 秀一 八木 規夫
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

医学教育において実践されてきたPBL教育を,教員養成学部において展開するための基礎的な研究を行った.教育周辺領域の様々な現場においてPBL教育を実践し,コンテンツの開発を行った.特に,学生・院生に旅費を支給し,大学より離れた現場でのPBL教育を実践することができた.現場での実践を大学において省察し,学生が教員からのアドバイスを受けるためのネットワークシステムとしてmoodleを用い,そのための専用サーバを立ち上げた.例えば美術教育において学内・外のデザイン製作を学生と教員が協働して手がけるなど,教科の専門性を活かした活動や教科を超えた協働活動を展開した.また,先端的な取り組みを行っている他大学研究機関・学会の調査のために,海外視察を4回,国内視察を5回行った.これらの視察では,学生・院生を引率し,他大学の学生との交流も実現した.特に,秋田大学,愛媛大学とは双方向での視察・交流を果たし,moodle上で恒常的な交流の場を設置した.PBL教育の教育効果を明らかにするために,評価方法の開発にも注力している.日本教育大学協会研究助成プロジェクト(カルロス研究会)との協働により、パフォーマンス・アセスメント(PA)を用いた評価法の開発を推進し、そのためのマニュアル作成を行った。このようなPBL教育の成果を学内外に発信・共有するために、学内で開催された4回の公開研究会と4回のボスターセッションにおいて発表し,愛媛大学・島根大学とのジョイントシンポジウムを1回開催した。また、これらの成果を学会において論文・紀要等により発表した。開発されたすべてのコンテンツはデータベース化し、専用ホームページを通して公開している。
著者
伊藤 尚 藤本 浩 長井 浩 藤本 浩 長井 浩
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

まず,小型で安価な風況調査用データロガーの開発を行った。その際,SD カード記録方式の更なる安定化および風況調査以外のアナログセンサー入力を考慮しての回路設計変更およびソフトウェアの改良を加えた。また,普及を推し進めるためのリーフレットも配布しながら,市場調査を行った。その結果,国内外で大手の風力開発企業や地元建設企業からの引き合いもあり,様々な環境下での風況調査試験が行われ,得られたデータの信頼性について検討を加えた。実際の教育応用について,再生可能エネルギー利用促進のための教育プロジェクト実例として,千葉県内の風力発電の盛んな地帯にある中学校において,環境教育の積極的な推進を展開するためにデータロギングを継続した。その結果,地域環境問題と地球環境問題を正しく理解させれば,風力発電施設の増設を希望する結論が得られた。データロガーを用いての環境エネルギー教育の有効性を示したものと考えられる。
著者
笠原 一人
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

明治期に5回にわたって開催された内国勧業博覧会や大正期と昭和期のいくつかの大規模な博覧会を事例として資料を収集し、博覧会が都市の観光化に及ぼした事例を調査した。その結果、1895年に京都で開催された第4回内国勧業博覧会と平安遷都千百年紀念祭の開催時に都市の観光化が進められ、またその後の博覧会でも同様の手法が用いられたことが明らかになった。その手法は多彩で、道路整備や都市施設整備も見られるが、鉄道のネットワークの活用や観光案内書や錦絵、広告など、広義のメディアを駆使したイメージ戦略が目立つものであった。
著者
梶川 浩太郎 大内 幸雄
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

近接場領域での非線形分光を実現することは、短時間で高感度な検出が可能な光学系が求められる。そのため、前回我々が報告したように近接場領域における非線形光学の観察には繰り返し周波数の高い超短パルスレーザーが用いられてきたが、数10ヘルツ程度の繰り返し周波数で10ナノ秒程度のパルス幅を持つレーザー光を用いた近接場領域における非線形光学の観察例はほとんどない。本研究では10ナノ秒程度のパルス幅を持つTiSaレーザーを用いた近接場光学顕微鏡を構築した。超短パルスレーザーでは問題となる光ファイバ中におけるパルス光のひろがりなどの問題が気にならないこと、イルミネーションモードを用いることが可能であること、レーザーの単色性がよく広い波長領域(λ=690-1000nm)でレーザー発振が安定であるため分光測定に適していること、レーザーの構成が単純であり光学系に特殊な技術を必要としない、などの利点がある。実験に用いた光源はNd:YAGレーザー励起のTiSa:レーザーを用いた。パルス幅は約10-15nsであり繰り返し周波数は10Hzと非常に低いため、SHGによる近接場光学顕微鏡像は難しい。そのため、試料形状はHeNeレーザー光などを用いて通常の線形光学像として観察をおこない、注目した領域をSHG観察する構成である。ナノ秒程度のパルス幅を持つレーザー光を用いることには以下の利点がある。この顕微鏡の構築が終了し、その性能を確かめるために有機色素分子の集合体の観察を行っている。
著者
伊藤 正 枝松 圭一 村松 宏 松村 宏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

近接場光学顕微鏡(SNOM)のナノスケール分光と高機能化を研究した。1.ポリスチレン微小球配列結晶の近接場効果(1)結晶のフォトニックバンドに共鳴する波長をはさんで、SNOM透過光像が反転した。長波長側は球の周辺部、短波長側は球の中心部が明るい。共鳴付近では全体に広がった。この様子は計算でも再現できる。(2)照射モードと集光モードにおけるSNOM像は一致した。計算との比較によると、SNOMプローブは2次元面内に平行な偏光成分を主に検知している。(3)微小球の直径、プローブの開口径、光波長の3つの要素により、SNOM像は大きく変化するので、プローブの解像度を知る方法として有効である。(4)反応性イオンエッチングによって配列位置は変えずに微小球の大きさを削ると、フォトニックバンド幅が減少した。微小球に固有なWGモードの球間重なり積分の変化が原因であり、結晶中の電子のバンド構造形成と類似ている。2.高機能化(1)プローブの縦方向の位置制御用に水晶振動子を用い、非光化プローブを作製した。(2)クライオスタット内にSNOM装置を設置し、試料を熱伝導で約100Kまで冷やした。(3)ストレートタイプのプローブを用いて、偏光度測定の感度を向上させ、サブミクロンサイズのペリレン微結晶の方位を決定した。(4)石英ファイバープローブを用いた紫外光近接場測定や、バネ定数の小さなプローブにより基板に密着力の弱い微結晶試料の測定を可能とした。3.ナノスケール光加工(1)ペリレン微結晶表面への近接場光照射により直径100nm以下、深さ数10nmの穴を光加工できた。光生成された表面励起子が表面分子の蒸発又は光分解を引き起こすものと解釈される。(2)加工後の微結晶表面形状に経時変化が見られる。AFM観察により室温における表面分子の平均拡散速度は2-3nm/minと求まった。
著者
寺尾 日出男 石井 一暢 野口 伸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究はマシンビジョンで検出できる様々な情報の中でもとりわけ重要なものの一つである作物生育情報を検出することを目的とし,具体的には葉色測定による作物のクロロフィル濃度の推定,植被率算出による作物物理量の推定を行なった。開発したセンシングシステムを産業用無人ヘリコプタに搭載して,グランドベースセンシングよりも飛躍的に高効率なリモートセンシング法を考案した。リアルタイムビジョンシステムの開発 リアルタイムでセンシングを可能にする作物生育診断システムを構築した。マシンビジョンとしてDuncan Tec製MS2100を供試した。葉色予備実験や屋外での圃場実験を通してMS2100を用いた作物生育情報の検出手法を考案した。取得できた作物生育情報は葉色値LCI,植被率VCRであり,特にVCRに関して高いセンシング精度が見られた。この2情報を用いて実生長量指数RGIIという空間に存在するクロロフィルの絶対量を推定する指標を導入し,収量調査の結果と比較した。RGIIと収量である雌穂正味重量との相関はR^2=0.684となり,7月末の段階で収量を予測することができた。ヘリコプタをプラットフォームにしたセンシングシステム 無人ヘリコプタに搭載されたイメージングセンサMS2100から画像を取得し,GISでマッピングできるシステムを開発した。機体のロール角,ピッチ角,ヨー角の計測には,供試ヘリコプタに内蔵されている慣性センサを用いた。ポジショニングセンサとしてRTK-GPSを採用し,画像取得のためにイメージングセンサを機体下に搭載した。ヘリコプタの姿勢変化に伴い,画像に外部歪が生じるが,3次元の回転変換及び地表面への透視変換による座標変換を行うことで解決できる。画像データを座標変換し,マッピング精度を評価した。変換誤差は29cm以内であった。これは作物情報をセンシングする上で十分な測位精度と判断できる。
著者
芦田 誠
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-27, 2008-03

現代を代表する物流の考え方は,製販を統合し情報を共有することよって在庫縮小とリードタイムの短縮を実現するSCMであり,日本政府の現行物流政策は,「東アジアSCM」,「環境・静脈物流」,「DCM」,「安心安全を支える物流」の構築が中心となっている。現代企業100社の物流改革を探ってみると,「物流の再編・物流拠点の集約」と,「SCMの推進」,「輸送・倉庫の効率向上」,「グリーン物流」,4つに取り組んでいる。06年日本における物流大賞は「ITトラックを活用したCO_2削減の数値的把握」,「包装資材のリターナブル」,「配送状況の可視化によるCS向上」であった。アメリカの物流大賞では,06年が「貨物輸送費見積モジュールの構築」,「物流システムの一元化」,「荷主とトラック会社,ドライバーとの信頼関係回復による輸送効率の向上」であり,07年が「DCの新設による輸送費の削減とリードタイムの短縮」,「荷主の輸送貨物と運送会社のトラックを連動させたConnected Capacity Portalの開発」,「中国からの輸入物流における分散型から統合型物流システムへの転換」,「GHGを50%削減させるモーダルシフトの推進」であった。日米の物流大賞とも,日本の現代企業100社が取り組んでいる既述4大改革に収束される取り組みである。実際の物流現場ではSCMだけでなく,より広い範囲の物流改革が行われている。それらを動機付けているものは,物流に関する資産を縮減する一方,顧客サービスを充実することによって売上高の増大を図っていく企業の目的と経営戦略,そのものにある。問題は,棚卸・固定資産,ならびにロジスティックスコストの削減と顧客サービスの向上が対抗軸にある点であり,現代企業の物流改革の評価は,物流コストとカスタマーサービス,二つの対抗軸を関連させてみていかなければならない。
著者
鈴木 信雄 田畑 純 和田 重人 近藤 隆 近藤 隆 和田 重人
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

これまで超音波の骨に対する作用を解析した研究は、骨芽細胞の株細胞を用いたin vitro の研究が主流であり、骨芽細胞と破骨細胞の相互作用を解析する良いモデルがない。また歯の形成に対する作用においても、in vivo の系が主流であり、in vitro の良いモデル系が求められている。その機構を解析する硬組織モデルとして魚類のウロコとマウスの歯胚を用いて、低出力超音波パルスの影響を解析した。その結果、ウロコを用いて低出力超音波パルスの最適な条件を見出した。その条件では、歯胚の特に象牙質の形成に効果があり、ウロコを用いたGeneChip 解析により超音波に対する破骨細胞のシグナル伝達経路を初めて明らかにすることができた。さらに新規化合物の骨に対する作用も解析して、骨疾患の治療に有望な化合物を見出した。
著者
坂本 竜哉
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、魚類の浸透圧調節ホルモン、特に昨年初めて鉱質コルチコイドの存在が示唆された副腎皮質ホルモンの作用を世界に先がけアップデートすることを目的としている。広塩性魚類の浸透圧調節器官の一つである消化管を用いる。消化管は海水中では上皮透過性が高まり水の吸収能が増大する。食道の分化におけるコルチゾルの作用機序を検討するため、器官培養系を確立した。分子レベルの解析のため遺伝子基盤の最も整った広塩性魚のメダカを選定した。アポトーシスはヌクレオソーム単位に断片化したDNAの酵素免疫法による測定から定量した。また、細胞増殖は代謝活性測定により定量した。血中濃度を反映した1〜1000nMのコルチゾルの効果を調べた。アポトーシスは10nMコルチゾル添加8日後に有意に誘導された。しかし、高濃度の100、1000nMでは効果が消えた。一方、細胞増殖はコルチゾルの濃度に依存して誘導され、1000nMの添加8日後で有意であった。これらの作用はいずれもGRのアンタゴニストによりブロックされた。また、DOCの効果は見られなかった。すなわち、コルチゾルは食道においてGRを介して、低濃度でアポトーシスを、高濃度で細胞増殖を誘導している。一方、DOC-MRの関与は少ない。従って、魚類ではミネラルコルチコイド系が同定されているが、グルココルチコイドが浸透圧調節の重役を担っていると思われ、副腎皮質ホルモン作用の進化の上で極めて興味深い。GRを介した双方向の作用は、コルチゾル-GRの標的遺伝子がコルチゾルの濃度により違うことによると思われる。現在メダカのオリゴヌクレオチドアレイによりその遺伝子の同定を進めている。
著者
斉藤 昇 島田 清司 塚田 光
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

鳥類の水分代謝機構の基礎的な解明と軟便などの家禽産業での問題点に対する解決策への応用として本研究を始めた。初めに、鳥類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)の遺伝子発現の機構を明らかにするために、急速な塩水投与を行い転写因子等の遺伝子発現等を解析した。その結果、AVT mRNAレベルは塩水投与後3時間に意な増加を示した。他に、c-fos mRNAレベルなども3時間後に増加した。それに対し、転写因子TonEBP mRNAレベルは、塩水投与後1時間に有意な増加を示した。この結果をもとに、TonEBPのアンチセンスを作成し、塩水投与前に前処理として脳室内に投与したところ、視床下部AVTの遺伝子発現は増加しなかった。しかし、c-fosの遺伝子発現には影響しなかった。この結果から、TonEBPがAVTの遺伝子発現調節に重要な転写調節因子であることが明らかになった。また、このようなAVT等の遺伝子発現機構が、塩水投与によりブロイラーでは影響が見られなかった。しがたって、ブロイラーで軟便が生じ易い理由が、AVTの遺伝子発現と関係がある可能性が示唆された。次に、腎臓における水の再吸収機構を解明するために、アクアポリンの遺伝子発現を調べた。AQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP7、AQP9の6つのタイプで腎臓における発現が観察された。さらに、塩水投与により血中浸透圧が上昇した時における遺伝子発現の変化を調べたところ、AQP1、AQP2、AQP3のタイプのみが上昇し、他のタイプは、変化が見られないか減少した。したがって、ニワトリの腎臓における水の再吸収には、AQP1、AQP2、AQP3が主に関与していることが明らかになった。
著者
駒澤 利雄
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醸造學雜誌
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.588-599, 1931-08-15

豪州産シバリー種本邦普通大麦より製造せる麦芽につき糖化及醗酵試験並に之より仕込みたる麦汁が酵母の生理的性質に及ぼす影響を見、之とゴールデンメロン種大麦より製造せる麦芽とを比較したるにエキス分生成量に於てシバリーはゴールデンメロンに劣り六角大麦は更にシバリーに劣ることを観察せし以外には殊に品種的差異としてシバリー種及普通大麦が麦酒製造上著しくゴールデンメロン種と異なるが如き所なく唯共試シバリー麦芽中醗酵やや不良のものありたれどこは品種的原因に基づくに非ずして寧ろ製麦操作上溶化(Auflosung)不良なるに歸すべく此点に注意して製麦すればシバリー種及六角普通麦よりもゴールデンメロン種と大差なき麦芽を得ることを確かめたり。但し麦酒の味、泡持又は所謂グルチン〓濁等に就ては本試験の關知せざる所とす。之に就ては別に研究施行中なり。(1931年7月日本麦酒鑛泉株式会社東京工場)終りに臨み當社松山技師長(茂助)の懇切なる御指導と大平技師(走快)及榊原友吉氏の御援助とを深謝す。
著者
渡部 真友子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.359-362, 1998-06-01

会議資料は科学技術分野において, その重要性を認識されながらも, 入手困難ないわゆる灰色文献として知られる。国立国会図書館は, まとまった会議録コレクションを持つ, 国内でも数少ない機関の1つとして, 会議資料提供サービスを行ってきた。所蔵情報は, 「国立国会図書館所蔵科学技術関係欧文会議録目録」, 「日本科学技術関係逐次刊行物総覧」および数種類のデータベースに収められ、幅広く一般に提供している。
著者
大城 善盛 鍛治 宏介
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.103-116, 1997-09-30

1997年4月現在で136を越えるインターネットOPACを, Web版OPACとtelnet版OPACに分け, 検索システム, 検索対象フィールド, 検索結果表示画面, 利用者支援機能等を遠隔利用者の立揚から調査し分析した。その結果, この2, 3年の間にWeb版OPACが急速に普及し, 数の上ではtelnet版OPACを追い越していることが分かった。また, Web版OPACおよびtelnet版OPACとも従来のOPACに比べて使いやすくはなっているものの, 主題検索機能や利用者支援機能等においてまだまだ課題を抱えていることが分かった。
著者
林 尚吾 桑島 進 HAYASHI Shogo
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

船舶においてレーダを用いる場合には雑音とみなされる海面からの反射は、それをリアルタイムに除去するための方法はまだ確立されていない。実現のためには、船舶レーダの信号に含まれる波浪の特徴を詳細に検討し、波の向き、高さなとの状況を考慮した信号処理の開発が必要となる。視点を変えれば、レーダ信号から波に関する情報が得られる可能性もある。これまでは各研究者独自に大きな労力を払って収集してきたレーダのデータを、ここでは、個々の目的に応じた信号処理に利用できるデータのセットとしてまとめた。統一フォーマットでまとめることにより、各研究者の信号処理アルゴリズムの定量的な比較・評価にも利用できるものである。観測は新潟県上下浜周辺および弥彦山周辺、静岡県御前崎周辺および駿河湾、神奈川県相模湾および東京湾、富山県新湊周辺、千葉県九十九里浜、茨城県霞ヶ浦などで行なった。さまざまな気象・海象状況において、波に対する向きおよび海面からの高さなどを変えて収集・記録した。レーダ信号の記録と同時に、気象・海象情報、波浪状況の記録も行なっている。レーダ信号は方位方向に約0.1度間隔、距離方向に15cm間隔を基本として収集したため膨大な量のデータとなったが、バイナリーデータでCR-RあるいはDVDに記録することにより比較的容易に提供可能な形式とすることができた。また一部のデータはインターネットによる公開、配布も可能である。
著者
佐藤 勝明
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋國文研究 (ISSN:02865459)
巻号頁・発行日
no.40, pp.9-18, 2005-03
著者
岡室 博之 港 徹雄 三井 逸友 安田 武彦 高橋 美樹 堀 潔 原田 信行 本庄 裕司 福川 信也 土屋 隆一郎 加藤 雅俊 濱田 康行 村上 義昭 鈴木 正明 柴山 清彦 島田 弘 池内 健太 西村 淳一
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

2007年1月以降の新設法人企業に対して、2008年11月以来4回の継続アンケート調査を実施し、特に研究開発型の新規開業企業の創業者の属性や資金調達・雇用、研究開発への取り組みと技術成果・経営成果等について独自のデータセットを構築した。それに基づいて、新規開業企業の研究開発に対する創業者の人的資本の効果(資金調達、技術連携、イノベーション成果)を計量的に分析した。さらに、政府統計の匿名個票データを入手して自営開業について統計的分析を行い、アンケート調査に基づく分析を補完した。また、知的クラスターに関するアンケート調査と訪問調査を実施し、クラスター政策と新規開業・イノベーションの関連等を考察・分析し、国際比較を交えて関連政策の評価を行った。
著者
藤本 正行 寿岳 潤
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、未だ発見されていない、われわれの宇宙の最初に形成された恒星=種族III星の探索の可能性について、理論的、観測的に検討を加えることである。これら恒星は、ビッグ・バンで合成された始原物質からなり、全く、炭素以上の重元素を含まず、また、宇宙史の極初期に形成されたので現在も核燃焼段階にあるのは、初期質量が太陽の約0.8倍以下の長寿命のものに限られる。これまで、種族IIIの低質量星は、ヘリウム燃焼が始まる段階で窒素過多の炭素星になることが知られているが、本研究では、連星系での質量交換も考慮に入れて、範囲を拡大した初期質量と初期金属量の関数として、進化の描像を求め、[Fe/H]<-2.5の超金属欠乏星は、金属量の多い若い種族と異なった、炭素星の形成機構を持つことを示した。この結果は、現存の金属欠乏星で炭素星の割合が増加することを説明する。理論的に、金属欠乏星の特性、その同定に必要な観測的な特徴を明らかにするとともに、この結果を踏まえて、これまでの観測で種族III星が発見されていないことがその不在を意味するのか否かについての批半的な検証を行った。明らかになったのは、現存の探索で用いられたカルシウムのH、K線は、種族III星の探索に効率が悪いこと、それに替わって、炭素と窒素の分子線を用いて窒素過多の炭素星の中に種族III星の侯補を探る新たな方法を提唱した。窒素と炭素の組成比を使えば、さらに、超金属欠乏星との識別も可能であることを示した。それと平行して、共同研究者と協力して、東京大学木曽観測所のシュミット望遠鏡で2KCCDを用いて試験観測を行い、それを通して、提唱した探索方法の実行可能性、優位性を証明することができた。