著者
福島 健 西口 慶一
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

D-キヌレニンという物質は、脳で神経伝達を弱めるキヌレン酸に変化し、この物質変化には統合失調症に関係することがわかってきたD-アミノ酸酸化酵素(DAAO)というタンパク質が関与していた。統合失調症のモデル動物の脳ではD-キヌレニンからキヌレン酸への物質変化が亢進しており、また、D-キヌレニンは生体内でD型トリプトファンから生成することも分かった。そして、DAAOによるD-キヌレニンからキヌレン酸の生成反応を抑制できる物質(薬)のスクリーニング法(探索・評価方法)を開発した
著者
古屋 秀隆
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

二胚動物門ニハイチュウ類は底棲の頭足類の腎嚢に片利共生する動物である。体を構成する細胞数が10-30個ときわめて少なく、体制の単純な動物である。分子系統学的解析によって、この動物はその見かけによらず原始的な動物ではないことが明らかになった。すなわち単純な体制は頭足類の腎嚢という微小環境への適応の結果であることがいえる。このような進化史をもつニハイチュウ類の分類形質がどのように適応してきたか、その道筋を明らかにするために、形態学的手法と分子系統学的手法を用いて解析を進めている。可能な限り多くの種を集め、種間の系統関係を明らかにしながら、分類形質の進化の道筋を解明している。当該年度は、日本海沿岸のウスベニコウイカ、ハクテンコウイカ、トサウデボソコウイカ、ハリイカ、およびトラフコウイカから12種の未記載のニハイチュウ類を見出すことができた。これらすべての種は分類形質を明らかにした結果、新種であることが判明した。現在、それらの新種記載の準備を進めている。同時に、これらニハイチュウ類のミトコンドリアCOI遺伝子と18SrRNAの塩基配列を解析中である。また、クモダコとツノモチダコから特異な適応形態をもつ種を発見し記載したが、一昨年イッカクダコのニハイチュウ類からも特異な適応形態をもつ種を発見し記載中である。昨年には、マダコ属未記載種の宿主から発見されたニハイチュウ類にも、特異な形態形質をもつ種を発見した。これらのニハイチュウ類に見られる特徴について、その形態を電子顕微鏡で観察した。その結果、体の前部の形を自由に変化させ、他の同種個体と手を繋ぐように接着させて群体を形成していた。それによって腎上皮の表面の生息域を大きく覆っていた。これは腎上皮の表面部を広く覆う適応である。この形質は分類上重要であるばかりでなく、ニハイチュウ類の系統の中でどのようなプロセスで生じたかが興味深い。
著者
渡辺 尚 小花 貞夫 水野 忠則 萬代 雅希 石原 進 四方 博之 渡辺 正浩
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

アンテナの指向性を利用したユビキタスインフラを開発することを目的とし、可変指向性を利用したメディアアクセス制御(MAC)、ルーティングの高度化、テストベッドの開発と実証実験等を行った。より具体的には、指向性MAC,ルーティングプロトコルの高度化としては、(1)マルチレート環境に適した指向性MACプロトコル、(2)指向性隠れ端末問題やデフネス問題を低減するルーティング、(3)複数メインローブとネットワークコーディングを利用したマルチキャスト、メインローブとヌルを同時利用するマルチレートMACなどを開発した。また、テストベッドの開発と実証実験としては、(1) UNAGIとMICA moteを用いた階層型ネットワークの構築と実験、(2)特定実験試験局免許を取得したUSRP2/GnuRadioによる実験などを行った。以上の成果を国内外の学会等で発表した。
著者
VOOINEAGU Mircea
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

2012年度は,2011年度に導入したブレドン型の同変モティヴィックコホモロジーの研究を引き続き行った。はじめに,ヴォエヴォドスキーによる移送付き前層の枠組みを,同変の場合に拡張した.ここでは同変とは$\mathbb{Z}/2$同変を意味する。このために同変ニスネヴィッチ位相を導入しなけれはならない。これは,完備正則なcd構造として与えられる。また,同変標準三つ組$(\overline{X}\xto{p}S, X_\infty, Z)$を導入した。ここで,$p$は相対次元1の固有な同変写像,$X_\infty$, $Z$は不変な部分スキームであって,$S$はスムース,$X$は正規,$X=\overline{X}\setminus X_\infty$は準アフィンかつ$S$上スムース,$Z\cap X_\infty=\emptyset$,そして$X_\infty \cup Z$は同変なアフィン近傍を持つものとする。主定理は,任意のスムースな$G$スキームは,局所的には同変標準三つ組の一部である,というものである。これはヴォエヴォドスキーの定理の同変な場合への一般化である。また,同変三つ組がホモトピー不変な同変移送付き前層について,ヴォエヴォドスキーの場合と同様の性質をもつことを示した。同変でない場合の定理の拡張として,$F$をホモトピー不変な同変移送付き前層,$W$を1次元表現とするとき,$(F_{GNis})_{(-W)}(S)=(F_{(-W)})_{GNis}(S)$が成立することを示した。ここに$S$はスムースな半局所$G$スキームである。最終的な結果として,$\mathbb{Z}$-同変簡約定理を示した。この定理は,$X,Y$をスムースな$\mathbb{Z}/2$多様体とするとき,射$Z \to Z \otimes I$により誘導される単体的可換群の準同型\[C_*c(X,Y) \to C_*c(X_+\wedge \mathbb{G}_m,Y_+\wedge \mathbb{G}_m)\]は同変ホモトピー同値であることをいう。この同変ホモトピー同値は,$G$が巡回群の場合に拡張できる。これを示すために,任意の部分群$K \subset G$に対し\[C_*c(X,Y)^K \to C_*c(X_+\wedge \mathbb{G}_m, Y_+\wedge \mathbb{G}_m)^K\]が単体的可換群のホモトピー同値であることを証明した。ここで,$c(X,Y)$は$c_{equi}(Y,O)(X)=Cor(X,Y)$を意味する。結果として,任意のスムース$G$多様体$X$に対し,\[\mathbb{H}_G^n(X; C_*c_{equi}(Y,O)^G) =\mathbb{H}_G^n(X \wedge \mathbb{G}_m; C_*c_{equi}(Y \wedge \mathbb{G}_m, O)^G) \]であることが示される。これらの結果は,フリードランダー,ヘラー,オストヴァーとの共同研究により得られた。
著者
菊池 純一 安原 主馬 田原 圭志朗
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、申請者らが独自に開発した高強度の人工細胞膜「セラソーム」の構造的特徴を活かして、その表面を金属で被覆した新規の有機-無機-金属複合ナノ材料を開発し、その特異的機能の創出を目指した。その結果、ベシクル構造やディスク構造を有する脂質二分子膜を様々な金属超薄膜で被覆した人工細胞膜の作製が可能になり、これらの人工細胞膜に賦与した分子認識能にもとづく特徴的なマニピュレーション機能が発現した。
著者
徳井 厚子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

複言語サポーターへのインタビュー調査の分析結果について論文発表及び学会報告を行った。複言語サポーターは文脈に応じて言語を使っていた。例えば相談場面で感情的な面や個人的な内容を聞く場合、具体的な説明の場合、緊急時の状況説明の場合、母語で行っていた。また、複数の言語の融合や言語スタイルの調整を行っていた。複言語サポーターは相談者と一定の距離を保ちつつ支援を行っていた。関係の相対化や、関係性の変化の重要性も挙げられた。また、複言語・複文化能力の観点から考察した結果、文脈に応じての自己の位置づけや複数の言語使用を変化させ、異文化間調整を行い、ネットワーキングを行うコンピテンシーの重要性が示唆された。
著者
尾崎 まみこ 佐倉 緑 尾崎 浩一 尾崎 浩一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

クロオオアリの全ゲノム解析と、触角(嗅覚器)の遺伝子発現解析を、カースト別に網羅的に行ない、完成度の高い嗅覚受容体遺伝子のカタログを取得した。また、バイオインフォマティクス解析により、社会行動を保証する巣仲間識別機構の中心的働きを担う、100~130個の嗅覚受容神経をもつ炭化水素感覚子で発現する121種の嗅覚受容体遺伝子とCSP遺伝子を特定、その進化的分岐点を推定し、これらの嗅覚受容体遺伝子群が社会性を持つアリ類で爆発的に進化したことを証明した。これらの嗅覚受容体遺伝子群は、女王と働きアリ(共に雌)で、発現しているが、結婚飛行時以外に巣外に出ることのない雄アリには発現していないことを確認した。
著者
北村 智 橋元 良明 是永 論 辻 大介 木村 忠正 森 康俊 小笠原 盛浩
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、現代における情報行動の変容について、加齢効果・時代効果・コーホート効果を弁別して明らかにすることを目的とした。2015年に「日本人の情報行動」調査を実施し、2005年調査および2010年調査のデータと合わせて分析を行なった。分析の結果、テレビ視聴時間に関しては、有意な年齢効果と世代効果は確認されたが、時代効果は認められなかった。インターネット利用時間においては、PCインターネット利用時間に関しては2005年から2010年にかけて増加する時代効果のみが確認された一方、モバイル・インターネット利用時間に関して世代効果と一貫して増加を示す時代効果が認められた。
著者
守屋 彰夫 佐藤 研 秦 剛平 月本 昭男 山我 哲雄
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

ヘブライ語聖書の第2 区分であるネヴィイーム(預言者)に属する 8つの書物(ヨシュア記、士師記、サムエル記、列王記、イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書、十二小預言書)の本文生成過程を、主として死海文書資料、七十人訳ギリシア語聖書との照応関係と乖離・不整合に関する比較研究を通して、紀元前 3 世紀以降、紀元後 1 世紀に亘る期間について追究し、現在の欧米の学界での成果に迫る基本的理解を得ることが出来た。
著者
川口 泰雄
出版者
生理学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

前頭皮質における遅延活動や、線条体でのTD誤差計算に使われる情報を送る可能性がある錐体細胞活動解析とその局所回路モデリングを共同研究で進めた。前頭皮質の緩徐振動は睡眠時やある種の麻酔下でも生じることが知られおり、行動中に一過性に変化したシナプス結合の固定化に関与することが提唱されている。この緩徐振動下での、前頭皮質から線条体へ投射する錐体細胞の発火時系列を解析することは、基底核が時期依存的に特異的な情報を受け取る可能性の検証に役立つと考えた。これまでに前頭皮質第5層線条体投射細胞を逆行性応答で同定して、緩徐振動中の発火時期を解析した。さらに、前頭皮質第5層の視床入力が多いサブレイヤー(5a層)と、少ないサブレイヤー(5b層)に分けて解析を進めた。サブレイヤーの同定には、小胞性グルタミン酸トランスポーター2型の蛍光免疫組織化学を用いた。その結果、線条体へ投射するサブタイプ間で発火順位が異なるだけでなく同じサブタイプであっても、5a層と5b層で発火時系列が異なっていることが分かった。皮質線条体投射時間差仮説(CSTD仮説)では、(1) 基底核内の直接路が次の行動価値を、間接路が現在の行動価値を表現することと、(2) 直接路、間接路がそれぞれ、黒質ドーパミン細胞の活動を亢進、抑圧することが、重要な仮定である。実験的に、直接路が報酬学習を、間接路が忌避学習を促進することが明らかにされている。このモデルを使って、報酬逆転学習と罰回避学習の時間経過をシミュレーションできることが分かった。
著者
生駒 忠昭 脇川 祐介
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

有機物質からなる薄膜における電気の流れやすさが外部磁場によって変化する現象を磁気伝導効果という。本研究は、磁気伝導効果を利用して有機太陽電池の中でおこる荷電キャリアが関係する反応を明らかにした。電子と正孔の再結合反応・励起子とキャリアの衝突に由来するトラップ反応・一重項励起子解裂の存在を明らかにした。本研究で開発した解析方法は、太陽電池素子を破壊せず動作条件下(室温・太陽光照射・低電圧)におけるキャリア反応を半定量的に評価できる新しいデバイス評価技術である。
著者
亀山 俊樹
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

イントロンの長さは100塩基以下のものから数十万塩基にも及ぶ巨大なものまで多様である。従ってスプライシング反応のイントロンが切出される際に生じる副産物<投縄状RNA中間体>の大きさもまた多様である。次世代シークエンサーを用いた癌細胞由来投縄状RNAスプライシング中間体の網羅的な配列決定には、様々なサイズの投縄状RNAから高品質のライブラリー作製が必須である。しかしながら特に巨大な投縄状RNAは生化学的にも物理的にも壊れやすく、高品質の投縄状RNAを精製することが非常に困難であった。様々なRNA抽出法を試した結果、ゲノムDNA抽出操作と同様全ての操作に物理的にマイルドな処理を行うことが重要であった。今回直面し解決した問題点に留意しながら現在高品質投縄状RNA中間体ライブラリーの作製を行っている。
著者
小野 美知子
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

研究期間内に実施した、ヘンリー・ソローの教育哲学に関する研究及びその成果として挙げることができるのは、子供の頃にソローが経営する学校の生徒でもあった、ルイザ・メイ・オルコットのソロー観、他の哲学者たちとの比較においてソローの自由と教育に関する見解を論じた"Thoreau and Freedom"、「成長」との関連における四季の循環の意義についての論文の三編、および2013年に音羽書房鶴見書店から出版された、ソローの教育哲学と自然観察に関する著書、Henry D. Thoreau: His Educational Philosophy and Observation of Natureである。
著者
野村 鮎子 筧 文生
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本邦には、これまで宋代総集に関する体系的な研究はなかった。宋代文学に関する研究のほとんどは、詩人とその別集(個人の詩文集)についての研究であり、宋代総集の意義は看過されてきたといっても過言ではない。本研究は、『四庫提要』の34種の総集についての解読と国内外の善本所蔵機関への調査を中心としたものである。その成果は『四庫提要宋代總集研究』(汲古書院 2013 年1月)として公開した。
著者
奥乃 博 合原 一究
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

(1)ギター演奏の手の動きとギター演奏音響信号との情報統合と,複数の追跡機構の結果統合による裏拍等に頑健なビート追跡法を開発し,音楽共演者ロボットを開発.(2)カエルの合唱でのリーダに倣ったリーダ度を設計し,実時間でリーダ度を求め,リーダ度が最も高いパートに演奏を合わせる合奏機構を開発し,音楽共演ロボットで有効性を確認.(3)2種の信号帯域に応答する音光変換装置「カエルホタル」の開発し,2種類のカエルの合唱の同時観測に日豪で成功.
著者
佐藤 伸宏 加藤 達彦 高橋 秀太郎 土屋 忍 野口 哲也 畑中 健二 森岡 卓司 山崎 義光
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「小品」とは、明治時代の後半期に成立した短小な散文テクストであり、近代長篇小説の確立の傍らで、それとは異なる脱ジャンル的で多面的な性格を備えた特異な散文として、非常な隆盛を示すことになった。この「小品」に関して、先行研究の蓄積はほとんど皆無に等しい状況であったが、本研究では、雑誌メディアを対象とした文献調査をとおして「小品」という枠組みの成立と展開を跡付けるとともに、北原白秋や水野葉舟その他が生み出した「小品」の様式的特徴を明らかにすることによって、「小品」の性格と意義を解明した。
著者
MIRANDA MARTINSANTIAGO (2014-2015) MIRANDA MARTIN SANTIAGO (2013)
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本年度は量子気体顕微鏡の技術を活用して、原子が2次元光格子中に欠陥なく並んでいる状態を生成する段階に踏み込んだ。まず、Bose-Hubbard模型で実現される超流動状態からMott絶縁状態への相転移を、飛行時間測定法を用いて観測した。超流動状態では原子の位相が揃っているため、波動関数が拡散するとともに干渉縞が現れる。ポテンシャルの深さを徐々に上げていくとMott絶縁状態が誘起され、原子の位置が確定されると同時に位相が不確定になり、干渉縞が消えていくことが確認された。実験において相転移が生じたポテンシャル深さは、理論的な予想と一致していた。Mott絶縁状態が誘起されても、系の温度が十分に低くなっていない場合、一つのサイトに2個以上の原子が入ったり、あるいは欠陥が生じたりしてしまう。私が構築した量子気体顕微鏡は、サイト内原子数が0か1かを区別することはできるが、原子数が1か2以上かを判断することはできない。そこで、光会合技術を導入することで、同一サイト中の2原子を分子に変換・排除し、原子数の偶奇を判定することにした。実際に光会合光を照射した後、量子気体顕微鏡を使って光格子中の原子分布を直接観測したところ、各サイトの原子数が予想に反して揺らいでいることが確認された。原子数のゆらぎを抑圧するためには系の温度を1nK程度まで下げる必要性がある。別途、系の加熱レートを評価したところ、30nK/sec程度であることが判明した。超流動相からMott絶縁相への相転移を誘起し、顕微鏡で観測するためには、1sec程度の時間が必要となるため、上記した超低温度下での観測は難しいと言える。光格子を生成しているレーザーを吸収・自然放出することによる不可避な加熱レートを見積もったところ、僅か50pK/secであり、測定された加熱レートが、主に、レーザーの周波数・強度ノイズや、実験系の音響振動といった技術的なノイズによるものであることが明らかとなった。
著者
田中 聡
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,高齢者を対象として仮想環境内で行う運動療法装置(VRスポーツ)を使用し,身体機能と認知面に及ぼす相乗効果について検討した.健常大学生を対象に安全性と効果的な映像コンテンツの検証を行ったのち,介護老人保健施設利用者を対象にレクリエーションとして3ヶ月間VRスポーツを行った.その結果,VRスポーツ群は下肢筋量(体重比)が平均1.1%と僅かに増加し,HDS-Rにおいては開始時18.3点から終了時20.7点と改善傾向を示したが,対照群と有意差は認めなかった.今後の課題として,高齢者では明瞭な視覚目標の設定と簡単なルール作りが重要と考え,新たな視覚映像を開発していくことが必要である.
著者
今福 恵子 川村 佐和子 深江 久代
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

静岡県内の15名のパーキンソン病療養者や7名の保健師を対象に、想定される避難所における生活障がいや必要とされる支援について半構成的面接を実施した。その内容を元に、小地域で活用できる災害支援マニュアルを作成した。災害時に予想されること、災害に備え準備すべきことなど自助実行が必要とすることが示唆された。今後もさらに改良をしていくことが必要である。
著者
千葉 智樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

生体を構成する細胞は、適切な時期にタンパク質を合成し、分解する必要がある。このタンパク質の分解は厳密に制御されており、その制御の破綻は様々な疾患(免疫疾患、神経変性疾患、メタボリックシンドロームなど)の原因となる。細胞内のタンパク質を選択的に分解するプロテアソームは、進化的に保存された複数の活性化因子によって制御されている。しかし、各活性化因子の生理的役割や機能分担は明らかではない。そこで本研究は、プロテアソームの多彩な機能を担うと考えられる活性化因子群の遺伝子欠損マウスを作製し、その表現型解析を行なうことを目的とした。