著者
門司 和彦 星 友矩 源 利文 東城 文柄
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

ラオスとカンボジアのメコン川流域で約20万人が感染しているメコン住血吸虫対策においては、集団投薬を補完する具体的な方法論が求められている。本研究計画では「メコン住血吸虫対策を事例とした地理学的なエコヘルスアプローチの方法論研究」と題して、「感染症の効果的な制御には感染リスクの高い人口集団と地理環境の両方の理解が重要」である医学地理学的な概念を、環境DNA測定・電子質問票・統計モデリング等の最新技術を駆使した「メコン住血吸虫リスク地図」の作成によって達成する。また、「地域住民の生活・文化への最小限の介入(危険水域の河川を利用しない)で持続的な感染制御への道筋をつける」ことが本研究のゴールとなる。
著者
大栗 行昭
出版者
宇都宮大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究の課題は,明治維新期に小作料がどのような経緯,方法で決定されたのかを考察し,そのような地代を収取する地主的土地所有はどう範疇規定されるべきかを展望することであった.研究代表者は,全国の町村が作成した『大正十年小作慣行調査』のうち,埼玉県と新潟県蒲原地方のものを閲覧・収集し,次のような理解を得るに至った.明治前期の小作料には,幕藩体制下の小作料をそのまま継承したものと,明治8,9年の地租改正実施の際に改定されたものとがある.埼玉では後者が多く,蒲原では両者相半ばした(明治21年の地価改定時に改定した村もあった).蒲原では,旧藩時代の小作料は収穫米の6割ないし2/3(領主1/3,地主1/3)であった.地租改正時に改定された場合についてみると,埼玉県では台帳上の収穫米高から2〜3割を控除して改定されたものが多く,蒲原では台帳上の収穫米高から1割5分〜4割(3割ないし3割3分が多い)を控除して改定された.明治初年の小作料は,幕藩体制下のそれの重みを継承し,「押付反米」と称された反収の6〜8割(中心は7割)に及ぶ高率現物小作料であった.ちなみに,地租改正「地方官心得」の地価検査例第2則における小作料率68%は,当時の慣行的な小作料水準ではないという見解があるが,本研究は「小作料率68%」が当時の実態に近いものであったと認識する.地主的土地所有の性格を規定するに当たっては,このような高率現物小作料が村落共同体的な強制力の存在のもとで決定され,維持されていた(小作料滞納に対しては,村内での小作禁止,戸長の説諭などの手法がとられた)ことに注意を払う必要があろう.
著者
高橋 達也 藤盛 啓成 山下 俊一 齋藤 寛
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1993年から1997年まで、マーシャル諸島甲状腺研究(The Marshall Islands Nationwide Thyroid DiseaseStudy)によって、現地で医学的・疫学調査が行われた。マーシャル諸島住民では、甲状腺結節性病変の有病率が高かった。甲状腺結節の最も一般的な形態は、腺腫様甲状腺腫(adenomatous goiter)であった。しかしながら、本研究で発見された腺腫様甲状腺腫の患者の多くは、医学的治療を必要としなかった。幾多の他の研究と同じように、女性では、男性と比較して甲状腺結節の有病率が高かった。また、有病率は、年齢とともに高くなり、50歳代の女性で最も高率(約50%)であった。甲状腺結節例の約半数は、触診で診断できたが、残りの半数は、超音波診断によってのみ診断し得た(触診できなかった)。甲状腺機能低下症や甲状腺亢進症(バセドウ病)の様な甲状腺機能の異常は、マーシャル諸島では、比較的まれで、有病率は他国と比較して同程度、もしくは、低かった。太平洋地域(日本を含む)などに多く見られる橋本病(自己免疫性甲状腺炎)は、マーシャル諸島では、まれであった。甲状腺癌の疑いで43人の患者が、現地のマジェロ病院において、マーシャル諸島甲状腺研究の医療チームによってなされた手術を受けた。この43人中、25人については、病理学的に癌が確認された。外科手術で重篤な合併症は、1人も発生しなかった。マーシャル諸島全体での、一般住民の甲状腺結節や甲状腺癌の頻度は、従来報告されているよりもかなり高かった。しかし、我々は、ハミルトン博士(Dr.Hamilton)の仮説、すなわち、「甲状腺結節の頻度は、ブラボー実験の時に住んでいた場所とビキニ環礁からの距離に反比例する(ビキニから遠くなると、結節は減る)」、を確認できなかった。この点に関して、ブラボー実験で被曝した住民における甲状腺癌の頻度に関する予備的な分析では、概算した甲状腺放射線被曝量と甲状腺癌有病率は正の相関(被曝量が増えると甲状腺癌も増える)が有意に示された。
著者
小泉 逸郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、顕著な表現型多型を示すサケ科魚類を用いて、回遊二型(降海型と河川残留型)の遺伝的基盤と進化的起源を明らかにした。サクラマス、アメマス合計384個体においてゲノム全域から約8,000万塩基サイトの配列を決定した。ゲノムワイド関連分析(GWAS)を行ったところ、降海型と残留型を区別できる遺伝子領域はわずか1-4遺伝子座のみであり、効果もそれほど強くなかった。候補遺伝子領域をニジマスのドラフトゲノムと比較したところ、ニジマスにおける候補領域とは異なっていた。これらのサケ科魚類は似たような回遊特性を持つが、各種で異なる遺伝的変異を用いて降海/残留の表現型多型を達成していると考えられた。
著者
熊谷 貴 大田 伸生
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アジアで流行する日本住血吸虫は、その宿主である哺乳類の門脈系の血管内に寄生し、赤血球を摂取することで生殖活動を行っている。今回、住血吸虫の免疫回避と性成熟における寄生システムについて、細胞外小胞に着目した。細胞外小胞とは、生物に広く見られる生体モバイル粒子である。今回、この細胞外小胞が日本住血吸虫より分泌していることを明らかにした。さらに、この小胞は、雌雄がペアになった時、赤血球を摂取した時に分泌が増加することも分かった。また小胞内には多量のmiRNAが含まれており、雌雄での相互遺伝子調整を行っていると考えられた。また、この小胞は宿主のTh1サイトカインを抑制する働きを持つことも見出した。
著者
小野 道之 竹内 薫 北村 豊 森川 一也 保富 康宏
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

Human Hepatitis E Virus (HEV)のカプシドタンパク質が自己会合したVirus-like particle (VLP)は、消化耐性と腸管免疫誘導活性を持つ、食べるワクチンとして注目されている。インフルエンザの共通抗原であるM2エピトープを融合したHEVのカプシドを、果実特異的なE8プロモーターの制御下で発現する遺伝子組換え栽培トマト(Solanum lycopersicum cv. マイクロトム x 愛知ファースト)を作出した。遺伝子組換え植物用の特定網室で栽培することにより、各種の動物実験に資するに十分量の果実を収穫した。
著者
丸山 和美
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

我々の行なった実験では、牛乳を成人男性、思春期前小児が摂取した際、血液中や尿中に女性ホルモンが検出された。よって、今回、女子を対象として牛乳摂取量と性成熟の関連を検討した。その結果、乳房発育に牛乳摂取量と摂取頻度が、初経発来に牛乳摂取頻度が関連していた。このことは、女性の性成熟には,BMI,母親の初経年齢以外に牛乳摂取量も関連する可能性が示唆され、多量の牛乳摂取の推奨は再検討されるべきだと考える。
著者
藤森 馨 夏目 琢史 小倉 慈司 岡野 友彦 岡田 荘司
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

昭和31年村田正志氏が調査された出雲国造北島家の古文書は、429通を精選し、『出雲国造家文書』として昭和47年に刊行されている。その中で、306通の文書が重要文化財に指定され、同時に文化庁の斡旋により表装成巻された。当初、この表装された巻子本を再度調査し、当時の技術では解読しえなかった紙背文書などを明らかにしようとして、本研究を始めた。しかし、原則当主以外立ち入りを禁じられていた蔵を、現当主北島健孝氏と共に、調べてみたところが、未調査の箪笥があることが分かった。平成30年8月23日から3同月26日かけての調査で、新出の鎌倉時代から戦国時代にかけての文書150通が発見された。平成31年3月5日から7日の調査で、更に100通の写しを含む中世文書が発見されたのである。これは想定外の事態で、村田氏が『出雲国造家文書』跋文で429通がほぼその全容である、と記されていたからである。この度発見された古文書は「六波羅下知状」などの鎌倉時代の文書から戦国時代に及ぶ。特に尼子氏の出雲支配や、その支配を継承した毛利氏関係のものが多い。出雲の中世史を一変させるのではないか、と推測されるものが多数である。尼子氏を通じての幕府関係のもの、毛利氏を通じての豊臣政権関係のものなど多岐にわたる。その特徴は、宗教関係文書というより、在地を統括する武家文書を彷彿させるものである。戦国時代後期には本願など大社造営関係の宗教者の動きを示す文書も散見するようになるが、決定的に少ない。聖教や祝詞など寺社文書を特徴づけるものは、皆無とは言えないが、今回の調査では、あまり目に触れなかった。老中奉書などでの祈祷依頼などは、むしろ近世文書に多く視られる。いずれにしても、新出の中世文書が想定外の分量で発見されたことは、今回の研究の大きな業績といえよう。
著者
遠藤 哲也 木村 治
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本でわれている養殖クロマグロの水銀汚染と有機塩素系化合物汚染を分析し、天然マグロの場合と比較した。養殖クロマグロの水銀濃度は厚生労働省の定めた基準を越えるものが少なく、一般に天然のクロマグロより低かった。一方、脂溶性の高い有機塩素系化合物濃度は天然クロマグロより高く、多食者には健康被害が心配される。地中海で行われている畜養マグロの場合の水銀および有機塩素系化合物濃度は日本国内の養殖マグロに比べて著しく高いものが多く、これは魚体の大きさを反映していると思われる。
著者
安達 登 近藤 修 角田 恒雄 神澤 秀明
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究期間中に、査読つき英文論文6編、査読つき和文論文5編を出版した。成果の中で特筆すべきものとして、江戸時代アイヌのミトコンドリアDNAについて世界初の論文を公表したことが挙げられる。この研究で、アイヌは縄文時代人の遺伝的特徴を色濃く受け継ぐ他に、シベリア先住民族および本州日本人の遺伝的影響も想像以上に大きいことが明らかとなり、日本列島人の成立を説明する二重構造モデルに一部修正が必要なことを初めて実証した。さらに、北海道船泊遺跡出土縄文後期人骨について、世界初となる現代人レベルでの高精度ゲノム解析に成功した。このデータは今後日本列島人の成立を考える上で根幹となる重要なものである。
著者
高山 佳奈子 松宮 孝明 神例 康博 辻本 典央 安達 光治 平山 幹子 品田 智史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

定例の「経済刑法研究会」を2018年9月30日、同11月11日、2019年2月17日にいずれも立命館大学朱雀校舎にて開催した。検討した内容は次のとおりである。(1)共同執筆により出版予定の書籍『新経済刑法入門(第3版)』について、特に、新たに設ける内容である、「銀行預金をめぐる犯罪」および「『独占禁止法違反の犯罪』への公正取引委員会の対応」を中心に検討を加えた。後者に関して、公正取引委員会の中里浩氏を招へいし、専門的知見の提供を得た。(2)華東政法大学と合同で開催する経済刑法シンポジウムの内容について、日本側からは「AIと刑法」「AI自動運転と緊急避難」「詐欺罪」「仮装通貨と経済犯罪」「背任罪」をテーマとすることを決定し、各報告担当者からのプレ報告を受けて討論を行った。(3)これまでの華東政法大学および武漢大学との国際シンポジウムの成果を受けて、書籍『日中経済刑法の最新動向』を出版する予定であり、その原稿の作成・検討を行った。収録予定の論文のテーマ(日本側)は、「市場競争の激化と経済犯罪の規制――証券犯罪を中心に――」「会社再建と強制執行妨害の罪」「コンピュータ関連の詐欺罪について」「悪質商法と経済犯罪――ねずみ講・マルチ商法の規制を題材に――」「食品の安全と過失論の役割」「食品の安全と刑事責任」「刑事製造物責任と組織の責任・個人の責任」「日本における過失犯論の発展」「犯罪論体系と比較法研究」「証券取引法から金融商品取引法へ」「インサイダー取引の刑事規制」「日本法における相場操縦・開示規制違反」「ネット金融と財産犯」「日本における利殖商法と組織的詐欺罪」である。
著者
高山 佳奈子 山本 雅昭 神例 康博 辻本 典央 品田 智史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

定例の研究会を3年間で全13回実施し、報告を基にした成果を法律学術雑誌に公表した。公正取引委員会から講師も招へいした。武漢大学法学院および華東政法大学法律学院との国際シンポジウムを各2回実施し、「証券犯罪」「金融犯罪」「インターネット金融犯罪」をテーマに各国の最新の立法および実務の状況を報告するとともに理論的な討論を実施した。成果は平成30年度内に論文集として刊行する。
著者
高木 駿 岩佐 宣明 品川 哲彦 青田 麻未
出版者
北九州市立大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、「態度適合理論/分析」を、感情、自然・環境、生命、文化、ジェンダー、セクシャリティの観点から改良・使用することで、多元的で多様な現代社会に対応した尊厳概念を「社会的地位/身分」ではなく「絶対的価値」として正当化し、従来のモデルを克服する尊厳理解の新たなモデルを築くとともに、尊厳概念のより正確な定義を提案する。これにより、尊厳概念に多元化・多様化・拡張化を強く求める社会の要請に十分に応答可能な概念を「尊厳学」の確立の基盤として提供する。さらに、「生きるに値する/値し ない」の優生学的線引きとして機能することのない尊厳概念を練り上げ、その射程を人間以外のさまざまな存在者にまで拡張する。
著者
高山 佳奈子 山本 雅昭 神例 康博 松原 英世 品田 智史 張 小寧 松宮 孝明 斉藤 豊治 平山 幹子 佐川 友佳子 嘉門 優 永井 善之 大下 英希 中島 洋樹 井上 宜裕 前嶋 匠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本・中国・台湾・韓国などの東アジア諸国では、従来、それぞれソビエト連邦法、ドイツ法、日本法などの影響下に独自の刑事制度を発展させてきた。経済刑法もその一部であり、個別に発生する問題に対処するための立法が多かった。しかし、経済活動の国際化に伴い、各国に共通する問題が見出されるとともに、その対策においても、相互の方法を参照する意義が高まっていることが、本研究によって明らかになった。その意義は、個別具体的な立法のみでなく、刑法総論や制裁制度論全般に及んでおり、今後研究を継続する必要性もまた示された。
著者
ハンリー シャロン 櫻木 範明 伊藤 善也 今野 良 林 由梨 岸 玲子
出版者
日本赤十字北海道看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

子宮頸癌予防HPVワクチンの接種率向上の方策を検討する為、思春期女子を持つ母親を対象とする2つの調査を実施した。ワクチンが無料なら娘に接種させるとした母親が92%だった。接種の障壁は安全性に対する不安と母親の頸がん検診受診歴だった。医師の勧奨は意思決定に前向きな影響を与え、ワクチン効果を納得することもワクチン受容度に関連した。また、頸がん受診率の低い地域では、詳細な情報提供がワクチン受容度を高めることを示した。本研究の結果により、接種率向上の要因が明らかとなった。
著者
高野 陽太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、外国語副作用foreign language side effectが外国語を使用する日常的な場面でも生じるのかどうかを実験的に調べた。外国語副作用とは、母語に比べて習熟度の低い外国語を使用している最中には、一時的に思考力(非言語的情報処理をおこなう能力)が低下するという現象である。この現象は、Takano & Noda (1993,1995)によって初めて実証的に立証され、その生起機序が理論的に説明された。本研究は、外国語を使用する日常的な場面でもこの外国語副作用が生じるかどうかを調べる研究の一環としておこなったものである。外国語を使用する日常的な場面では、思考の材料は言語的に与えられることが多く、その場合には、思考は非言語的情報処理だけでなく、言語処理も含まれる可能性がある。言い換えると、思考に内言が伴う可能性がある。この内言は、処理の容易な母語である可能性が高い。かりに、思考に母語の内言が伴うとすると、外国語副作用は生じなくなる可能性がある。同時に2つ以上の情報処理をおこなう場合、一般に、処理が互いに類似しているほど相互の干渉は大きくなることが知られている。思考に伴う内言が母語の場合、外言として母語を使用しているときの方が外国語を使用しているときよりも干渉が大きくなり、思考成績は低下することになる。これが外国語副作用を打ち消し、外国語副作用が生じなくなるという可能性が考えられるのである。この可能性を検討するため、実験1では、思考課題に定言三段論法の妥当性判断を使用し、実験2では、知能検査の中で言語性知能を測定するために用いられる問題を使用した。被験者(日本人大学生および大学院生)は、これらの思考課題を言語課題と同時に遂行した。いずれの実験においても、思考課題の成績は、言語課題を母語でおこなったときより、外国語(英語)でおこなったときの方が低下していた。すなわち、外国語副作用が生じていた。従って、これらの実験結果から、思考に内言が伴う場合の多い日常的な外国語使用場面においても、外国語副作用は生じ得ることが明らかになった。
著者
篠田 謙一 井ノ上 逸朗 飯塚 勝 斎藤 成也 富崎 松代 安達 登 神澤 秀明
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では縄文人骨43体、弥生人骨4体の合計47体のゲノム解析を行った。ミトコンドリアDNAの全配列を使った系統解析から、縄文人は遺伝的に均一な集団ではなく、地域による違いがあることが判明した。また、弥生人の遺伝的多様性は従来考えられていたより大きなものだった。そして渡来系弥生人もすでに在来の縄文人と混血していることも明らかとなった。これらの事実は従来の日本人起源論を再考する必要があることを示唆している。