文献ランキング(各10件)

著者
中山 千尋 岩佐 一 森山 信彰 高橋 秀人 安村 誠司
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-140, (Released:2021-08-25)
参考文献数
18

目的 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故から9年経った現在でも,「放射線の影響が子どもや孫など次の世代に遺伝するのではないか」という「次世代影響不安」が根強く残っている。マスメディア報道やインターネットによる情報等が,この不安に影響していると考え,その関連を明らかにして,今後の施策に繋げることを目的とした。方法 2016年8月に,20~79歳の福島県民2,000人を対象に,無記名自記式質問紙による郵送調査を実施した。福島県の会津地方,中通り地方,浜通り地方,避難地域から500人ずつ無作為抽出し,原発に近い沿岸部の浜通りと避難地域のデータを分析対象とした。目的変数は「次世代影響不安」で,その程度を4件法で尋ねた。説明変数は,放射線について信用する情報源と,利用するメディアを尋ねた。この他に属性,健康状態,放射線の知識等を尋ねた。2つの地域を合わせた全体データで,「次世代影響不安」と質問項目との間で単変量解析を行った。次に「次世代影響不安」を目的変数,単変量解析で有意差があった項目を説明変数として重回帰分析を行った。さらに,このモデルに項目「避難地域」と,「避難地域」と全説明変数との交互作用項を加えて,重回帰分析を行った。結果 有効回答は浜通り201人(40.2%),避難地域192人(38.4%)であった。重回帰分析の結果,次世代影響について,2つの地域全体では,政府省庁を信用する人,健康状態がよい人,遺伝的影響の質問に正答した人の不安が有意に低かった。また,がんの死亡確率の問題に正答した人は,不安が有意に高かった。さらに浜通りを基準にして交互作用項を投入したモデルでは,浜通り地方で,全国民放テレビを利用する人の不安が有意に高く,遺伝的影響の質問に正答した人の不安は有意に低かった。避難地域を基準にしてこのモデルを分析すると,避難地域は全体と同じ結果であった。結論 二つの地域で,情報源とメディアが次世代影響に有意に関連していた。報道者が自らセンセーショナリズムに走らないような意識が必要である。受け手は正しい情報を発信している情報源やメディアの選択が必要であり,メディアリテラシー教育の必要性が示唆された。また,健康状態の向上は,不安を下げる方策であることが示唆された。一方がんの死亡確率の知識は,伝え方に誤解を招かないような工夫を要することが示唆された。さらに,遺伝的影響の知識の普及は不安を下げる方策であることが示唆された。
著者
エヴァン P. エコノモ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.735-742, 2016 (Released:2016-12-28)

海外滞在は科学者としての人生とキャリアを成長・発展させる重要な期間となり得る。ある意味において科学者は世界中を自由に移動し活動できる存在でなくてはならない。なぜなら科学は境界を超える万国共通の探求活動だからである。しかし、アカデミアは文化と伝統に左右される人間活動で、それが移動を難しくすることがある。本論で私は、西洋アカデミアへの就職に興味があり、その座を勝ち取りたい日本人科学者に幾つかアドバイスしたい。国際的なトップジャーナルに論文掲載される素晴らしい研究を行うことは、もちろん科学者のキャリア向上のための最重要要素である。だが、対策が必要な二番目に重要な要素もある。すなわち日本の研究者にはたぶんあまり知られていない、西洋アカデミアの“暗黙の規則”である。これが日本研究者の潜在能力への足かせになっているかもしれない。ここではポジションの見つけ方、見込みのあるスーパーバイザーへのコンタクトの取り方、そして西洋アカデミア流の良い推薦状の書き方について論じる。
著者
林 東佑 鳥海 不二夫 田中 幹人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2B6GS1004, 2022 (Released:2022-07-11)

子宮頸がんを防ぐためのHPVワクチンは,ワクチンに反対する世論により2013年から積極的推奨が中止さえていたが,2021年末に再び再開された。この研究は、日本で最も利用が盛んなソーシャルメディアであるツイッターでHPVワクチンをめぐる世論がどのように変化したのかを分析した。 まず、リツイート·ネットワーク分析により、ワクチン反対グループとワクチン賛成グループが明確に二分されていることを確認した。 また、初期に少数派であったワクチン賛成グループが2016年をもって多数派となったことが示された。 さらに、両グループが主に引用する外部サイトにも違いがあることを確認した。これらに基づき我々は、右往左往したワクチン政策に関連する世論がどのように変化したか、そしてワクチンに対して異なる意見を持っていた2つのグループがどのような行動の違いを示したかを明らかにした。
著者
西田 公昭 黒田 文月
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.9-15, 2004-04-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
25
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to examine the influence of the member's life in destructive cults on the psychological problems after departing from the groups. A factor analysis was performed with the data of questionnaires toward 157 participants, and seven factors were extracted. They were (1) avoidance behavior to avoid out-groups, (2) restriction of freedom, (3) satisfaction, (4) behavior of submission, (5) compliance with rules, (6) punishment and reward, and (7) mysterious experience. Analyses of variance showed that restriction of freedom and punishment and reward are more likely to develop personal distress, whereas mysterious experiences are more likely to develop personal distress and interpersonal distress.
著者
角井 誠
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.5-8, 2022-08-25 (Released:2022-09-25)
参考文献数
5
著者
荒木 光彦 須田 信英
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.643-647, 1997-09-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
18
被引用文献数
3
著者
片野田 耕太
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.103-113, 2020-05-29 (Released:2020-06-27)
参考文献数
51

喫煙の健康影響は,日本では,2016年に厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆる「たばこ白書」)で包括的な評価が行われている.「たばこ白書」で受動喫煙との因果関係を推定するのに十分である(レベル 1 )と判定された疾患は,成人では肺がん,虚血性心疾患,および脳卒中である.これらの疾患の死亡に占める受動喫煙の寄与は,男性で 1 ~ 4 %,女性で 9 ~10%を占め,年間死亡数では約 1 万 5 千人に相当する.小児では乳幼児突然死症候群および喘息既往について受動喫煙との因果関係が十分であると判定された.受動喫煙を防止するには,屋内の公共の場所や職場を罰則付きで禁煙にする法制化が有効であり,アジアを含めて世界標準になっている.法制化後に成人,周産期,小児の健康影響が減ることについても科学的に十分な証拠がある.受動喫煙の健康影響に関する科学的証拠は,日本人が世界で初めて報告し,数十年を経て屋内禁煙という国際的な社会規範に結び付いた.科学的発見から社会制度の整備まで長い年月がかかった背景には,たばこ産業の干渉があり,そこには産業界のみならず科学界の人間が多く関与してきた.
著者
Eizo NAKAMURA Katsura KOBAYASHI Ryoji TANAKA Tak KUNIHIRO Hiroshi KITAGAWA Christian POTISZIL Tsutomu OTA Chie SAKAGUCHI Masahiro YAMANAKA Dilan M. RATNAYAKE Havishk TRIPATHI Rahul KUMAR Maya-Liliana AVRAMESCU Hidehisa TSUCHIDA Yusuke YACHI Hitoshi MIURA Masanao ABE Ryota FUKAI Shizuho FURUYA Kentaro HATAKEDA Tasuku HAYASHI Yuya HITOMI Kazuya KUMAGAI Akiko MIYAZAKI Aiko NAKATO Masahiro NISHIMURA Tatsuaki OKADA Hiromichi SOEJIMA Seiji SUGITA Ayako SUZUKI Tomohiro USUI Toru YADA Daiki YAMAMOTO Kasumi YOGATA Miwa YOSHITAKE Masahiko ARAKAWA Atsushi FUJII Masahiko HAYAKAWA Naoyuki HIRATA Naru HIRATA Rie HONDA Chikatoshi HONDA Satoshi HOSODA Yu-ichi IIJIMA Hitoshi IKEDA Masateru ISHIGURO Yoshiaki ISHIHARA Takahiro IWATA Kosuke KAWAHARA Shota KIKUCHI Kohei KITAZATO Koji MATSUMOTO Moe MATSUOKA Tatsuhiro MICHIKAMI Yuya MIMASU Akira MIURA Tomokatsu MOROTA Satoru NAKAZAWA Noriyuki NAMIKI Hirotomo NODA Rina NOGUCHI Naoko OGAWA Kazunori OGAWA Chisato OKAMOTO Go ONO Masanobu OZAKI Takanao SAIKI Naoya SAKATANI Hirotaka SAWADA Hiroki SENSHU Yuri SHIMAKI Kei SHIRAI Yuto TAKEI Hiroshi TAKEUCHI Satoshi TANAKA Eri TATSUMI Fuyuto TERUI Ryudo TSUKIZAKI Koji WADA Manabu YAMADA Tetsuya YAMADA Yukio YAMAMOTO Hajime YANO Yasuhiro YOKOTA Keisuke YOSHIHARA Makoto YOSHIKAWA Kent YOSHIKAWA Masaki FUJIMOTO Sei-ichiro WATANABE Yuichi TSUDA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.227-282, 2022-06-10 (Released:2022-06-10)
参考文献数
245
被引用文献数
1

Presented here are the observations and interpretations from a comprehensive analysis of 16 representative particles returned from the C-type asteroid Ryugu by the Hayabusa2 mission. On average Ryugu particles consist of 50% phyllosilicate matrix, 41% porosity and 9% minor phases, including organic matter. The abundances of 70 elements from the particles are in close agreement with those of CI chondrites. Bulk Ryugu particles show higher δ18O, Δ17O, and ε54Cr values than CI chondrites. As such, Ryugu sampled the most primitive and least-thermally processed protosolar nebula reservoirs. Such a finding is consistent with multi-scale H-C-N isotopic compositions that are compatible with an origin for Ryugu organic matter within both the protosolar nebula and the interstellar medium. The analytical data obtained here, suggests that complex soluble organic matter formed during aqueous alteration on the Ryugu progenitor planetesimal (several 10’s of km), <2.6 Myr after CAI formation. Subsequently, the Ryugu progenitor planetesimal was fragmented and evolved into the current asteroid Ryugu through sublimation.
著者
Manabu Mogitate
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.9761-22, (Released:2022-09-21)
参考文献数
17

Objective Considering the possibility that eosinophilic inflammation is involved in the pathogenesis of chronic epipharyngitis, this study determined whether or not the exhaled nitric oxide level of patients changed after epipharyngeal abrasive therapy (EAT). The diagnosis and follow-up of patients with chronic epipharyngitis were based on the endoscopic findings. If the exhaled nitric oxide level reflects the pathology of a patient with chronic epipharyngitis, the exhaled nitric oxide test can be performed for a follow-up examination as an objective test for chronic epipharyngitis. Methods The study period was 12 months, starting from February 2020. The age distribution and patients' median age and gender were retrospectively reviewed using medical records. Exhaled nitric oxide levels were measured before and after endoscopic EAT at the initial examination and before and after blind EAT at the follow-up examination. Patients or Materials Ninety-six new patients were included in this study. Results The study included 27 men and 69 women (median age [range], 45 [17-82] years old). When patients with chronic epipharyngitis were treated using EAT, exhaled nitric oxide levels were significantly lower after EAT than before EAT at the initial visit. Six months after EAT, the exhaled nitric oxide level was significantly lower than that at the initial visit. Conclusion During the follow-up examination of patients with chronic epipharyngitis, the exhaled nitric oxide test may be an effective objective test, along with changes in endoscopic findings.
著者
チャップマン クリス 鈴木 寛之
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.63-79, 2021 (Released:2022-09-22)
参考文献数
13

本講演録は,2019年から毎年開催されている「定性研究のためのワークショップ」におけるクリス・チャップマン教授の講演を,鈴木寛之氏の協力を得て訳出したものである。今回は,クリス・チャップマン教授による講演の一つである「リサーチ・クエスチョンの理論化(Theorising research questions)」と質疑応答をお届けする。
著者
大平 辰朗
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.226-231, 2015-05-25 (Released:2015-06-01)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

我々の生活環境には多種類の環境汚染物質が存在しており,それらが原因で引き起こされる疾病が問題になっている。そのためそれらの除去法の開発が急務となっている。これらの対策として樹木の香り成分(精油)を空気中に放散する方法が期待されている。精油にはアンモニア等の悪臭物質の除去活性の高いヒノキ葉油,環境汚染物質の一種であるホルムアルデヒドの除去機能の高いスギの葉油などが見出されている。最近の研究では二酸化窒素を極めて効果的に除去するトドマツ葉油等が見いだされ,それらの除去活性物質としてmyrcene,β-phellandrene,γ-terpineneなどが特定され,さらにはその除去機構として,粒径1000 nm以上の粒子状物質を生成し,二酸化窒素を無害化していることがわかっている。香り成分にはリラックス効果等も見出されていることから,その利用により総合的な空気質の改善が期待できる。
著者
河上 強志 小濱 とも子 酒井 信夫 高木 規峰野 高橋 夏子 大嶋 直浩 田原 麻衣子 五十嵐 良明
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

目的:感染防止対策としての家庭用マスクの重要性が認識されマスクを着用する機会が増加すると共に、皮膚の異常を訴える事例が報告されている。これらの事例の多くは摩擦や蒸れ等に起因すると考えられるものの、家庭用マスクに含まれる化学物質が皮膚炎の要因となる可能性がある。そこで、本調査ではホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOCs)、及び光感作性が報告されているベンゾフェノン系紫外線吸収剤について、家庭用マスク中の実態を調査したので報告する。方法:2020年4月~6月を中心に関東地方の小売店及びインターネットサイトで家庭用マスク及びマスク関連製品(マスクシート等)を91点購入した。その素材は、不織布、布及びポリウレタン等であった。VOCsのうちホルムアルデヒドは家庭用品規制法で用いられているアセチルアセトン法にて分析したが、不織布と抽出に使用する精製水との濡れ性を考慮し、溶出には20%(v/v)エタノール水溶液を用いた。その他のVOCsについては放散試験を実施し加熱脱着GC-MS法にてスクリーニング分析を実施した。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤についてはウレタン製マスクを対象として、LC-MS/MSにて測定した。結果:ホルムアルデヒドについて、不織布製や布製マスクのいくつかの製品から家庭用品規制法の乳幼児製品の基準値(16 μg/g)を超えるホルムアルデヒドの溶出が確認された。東京都の2011年の報告では、不織布マスクからのホルムアルデヒドの溶出を報告しており、簡易樹脂加工識別試験により、ホルムアルデヒドの由来を検討している。我々も今後、ホルムアルデヒドの由来について同様に検討する予定である。また、紫外線吸収剤については19種類の一斉分析法を構築した。ポスターでは放散試験の結果と合わせて報告する。
著者
中山 千尋 岩佐 一 森山 信彰 高橋 秀人 安村 誠司
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-140, (Released:2021-08-25)
参考文献数
18

目的 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故から9年経った現在でも,「放射線の影響が子どもや孫など次の世代に遺伝するのではないか」という「次世代影響不安」が根強く残っている。マスメディア報道やインターネットによる情報等が,この不安に影響していると考え,その関連を明らかにして,今後の施策に繋げることを目的とした。方法 2016年8月に,20~79歳の福島県民2,000人を対象に,無記名自記式質問紙による郵送調査を実施した。福島県の会津地方,中通り地方,浜通り地方,避難地域から500人ずつ無作為抽出し,原発に近い沿岸部の浜通りと避難地域のデータを分析対象とした。目的変数は「次世代影響不安」で,その程度を4件法で尋ねた。説明変数は,放射線について信用する情報源と,利用するメディアを尋ねた。この他に属性,健康状態,放射線の知識等を尋ねた。2つの地域を合わせた全体データで,「次世代影響不安」と質問項目との間で単変量解析を行った。次に「次世代影響不安」を目的変数,単変量解析で有意差があった項目を説明変数として重回帰分析を行った。さらに,このモデルに項目「避難地域」と,「避難地域」と全説明変数との交互作用項を加えて,重回帰分析を行った。結果 有効回答は浜通り201人(40.2%),避難地域192人(38.4%)であった。重回帰分析の結果,次世代影響について,2つの地域全体では,政府省庁を信用する人,健康状態がよい人,遺伝的影響の質問に正答した人の不安が有意に低かった。また,がんの死亡確率の問題に正答した人は,不安が有意に高かった。さらに浜通りを基準にして交互作用項を投入したモデルでは,浜通り地方で,全国民放テレビを利用する人の不安が有意に高く,遺伝的影響の質問に正答した人の不安は有意に低かった。避難地域を基準にしてこのモデルを分析すると,避難地域は全体と同じ結果であった。結論 二つの地域で,情報源とメディアが次世代影響に有意に関連していた。報道者が自らセンセーショナリズムに走らないような意識が必要である。受け手は正しい情報を発信している情報源やメディアの選択が必要であり,メディアリテラシー教育の必要性が示唆された。また,健康状態の向上は,不安を下げる方策であることが示唆された。一方がんの死亡確率の知識は,伝え方に誤解を招かないような工夫を要することが示唆された。さらに,遺伝的影響の知識の普及は不安を下げる方策であることが示唆された。
著者
宮本 顕二 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.186-190, 2014-08-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
8

わが国では終末期の高齢者が経口摂取困難になると経管栄養(胃ろう)や経静脈栄養などの人工栄養を行うことが多い.しかし,筆者らが現地調査したスウェーデン,オランダ,オーストラリアではそれらは行われず,アメリカ,オーストリア,スペインでもまれにしか行われていなかった.これらの国では高齢者が終末期に食べられなくなることは自然なことであり,人工栄養で延命を図ることは倫理的でないと考えられている.
著者
荒木 光彦 須田 信英
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.643-647, 1997-09-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
18
被引用文献数
3
著者
山室 真澄 鑪迫 典久
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

市販の柔軟剤4製品を最適化した方法で分析した。各社ともほぼ同じ香料を組み合わせて使用していた。同じ方法で千葉県の人工河川の河川水を使って分析したところ、標準試薬にある12成分のうち10成分の人工香料が検出された。このことから、最適化した方法で環境水中の香料成分を検出できることが分かった。環境水にマイクロカプセルの形で拡散している場合、環境水を濾過して懸濁物を接触する二枚貝がマイクロカプセルを取り込んでいる可能性がある。そこで西日本の汽水湖沼および首都圏の感潮河川で漁獲されたヤマトシジミを提供いただき分析したところ、柔軟剤から検出された香り成分と似た組み合わせで人工香料が検出された。
著者
高田 知紀 梅津 喜美夫 桑子 敏雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_167-I_174, 2012 (Released:2013-01-30)
参考文献数
32
被引用文献数
1 8 5

東日本大震災では,多くの神社が津波被害を免れたことが指摘されている.本研究では,日本の神社に祀られる祭神の多様性は,人びとの関心に応じた差異化の結果であるという仮説から,宮城県沿岸部の神社についてその祭神と空間的配置に着目しながら被害調査を行った.祭神については特に,ヤマタノオロチ退治で知られるスサノオノミコトに着目した.スサノオは無病息災の神として祀られることから,洪水や津波といった自然災害時にも大きな役割を果たすと考えられる.また,地域の治水上の要所に鎮座していることが多い.東北での調査から,スサノオを祀った神社,またスサノオがルーツであると考えられる熊野神社は,そのほとんどが津波被害を免れていることを明らかにした.この結果は,地域の歴史や文化をふまえたリスク・マネジメントのあり方について重要な知見を提供する.
著者
嵩原 広宙 田中 秀樹 岩城 達也
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00030, (Released:2018-02-09)
参考文献数
22

Emotional state before sleep affects the subsequent sleep onset. The purpose of this study was to investigate how positive/negative emotion before sleep effected hypnagogic state. The movies eliciting positive or negative emotion were presented before sleep. Hypnagogic imagery was recorded as a probe of emotional experience and EEG microstate analysis was used for finding the emotion related EEG activities. The score of emotion ratings for hypnagogic imagery indicated that positive emotion was reported in not only positive condition but also in negative condition. This implied that hypnagogic state might be accompanied by positive emotion. Comparing the appearance of maps obtained from microstate analysis between conditions, the map of right temporal activity was significantly greater in positive condition while the map of the left frontal activity was greater negative condition. These results suggested that the emotion not just in presleep but also in hypnagogic state was involved in sleep onset process.
著者
武田 宗和 名取 恵子 諸井 隆一 原田 知幸 矢口 有乃 稲垣 伸洋
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.735-739, 2013-05-31 (Released:2013-07-26)
参考文献数
10

要旨:【症例】37歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認めた。翌日,薄めたウオッカ約1L(推定アルコール濃度49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保存的治療を選択。8病日の内視鏡検査では直腸からS状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。4週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工肛門を造設することとなった。【考察】過去の報告では,アルコール注入による直腸結腸炎は保存的治療で治癒することが多いとされる。本例は高濃度のアルコールが大量に注入され広範囲に腸管が傷害された上にショック状態に陥り,腸管虚血をきたしその治癒過程で腸管狭窄を合併したものと推察された。本例における治療方針に関する問題点をふまえ文献的考察を加え報告する。
著者
近江 龍一 西原 陽子 山西 良典
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

Web上に投稿される情報の中には青少年にとって有害な情報,特に猥褻な意味を持つ言葉は直接記述されず暗喩により表現されることが多い.本研究の目的は暗喩を用いて表現されている有害な文に対してフィルタリングを行うことである.提案手法では有害表現が含まれる文をドメインごとに機械学習し有害表現の分類器を作り,有害表現をフィルタリングする.提案手法の有用性を評価する実験をR-18指定の小説を使い行った.
著者
酒向 貴子 川田 伸一郎 手塚 牧人 上杉 哲郎 明仁
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Museum of Nature and Science. Series A, Zoology = 国立科学博物館研究報告. A類, 動物学 (ISSN:18819052)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.63-75, 2008-06

The distribution of latrines of the raccoon dog, Nyctereutes procyonoides, was examined from July 2006 to December 2007 in the Imperial Palace grounds, Tokyo, Japan. The raccoon dog is accustomed to defecate at fixed locations, forming holding latrines; thus the distribution of latrines is a good indicator of their abundance. The results suggest that the latrines are widely scattered in the study site, but are more dense in the Fukiage area, where an old-growth broad-leaved forest is established. The latrine sites are used more frequently from September to December, as the number of fresh feces increased in the autumnal season. To examine the seasonal food changes of the raccoon dogs, 10 pieces of feces from some latrines were collected every month and analyzed the indigestible contents in the sampled feces. The food items identified consisted of animal, plant and man-made materials, suggesting that the raccoon dogs were highly omnivorous. The animal materials found from the feces included mammals (4% of total feces), birds (37%), reptiles (2%), amphibians (3%), insects (95%), chilopods (56%), isopods (2%) and gastropods (12%). Invertebrates were the most abundand food item throughout the year. Three coleopteran families, the Carabidae, Staphylinidae and Scarabaeidae, accounted for a large proportion of the insects and they showed seasonal fluctuations. These suggest that the raccoon dogs fed on them as major animal food resources in the study site, and perhaps the seasonality is related to the temporal changes of availability of the insects. The majority of plant materials found in the feces was a variety of seeds, suggesting that the raccoon dogs fed on berries and fleshy fruits throughout the year. The occurrence of seeds decreased from March to April, which coincided with a low availability of fruits. The seeds found in feces were categorized into three types : (1) the short-term berry type including Prunus (Cerasus) spp., Moms spp., Rubus hirsutus and Machilus thunbergii, which occurred only a short term after their fruiting periods ; (2) the long-term berry type, including Celtis sinensis, Aphananthe aspera and Swida controversa, which occurred continuously for three or more months after the fruiting periods ; (3) the acorn type, including Castanopsis spp., Quercus spp. and Ginkgo biloba, which occurred in early spring (January to April) when the other fruits are scarce. The seasonal change of the three fruit types implies that the raccoon dogs consume the available fruits in relation to the successive fruiting periods. The proportion of artificial materials found in the feces was considerably lower than in previous studies carried out in the suburbs of Tokyo, suggesting that the raccoon dogs in the study site strongly depend on natural foods. Most of the natural food items were native to Japan since the past Edo period. Thus we conclude that the preservation of biodiversity in the Imperial Palace grounds was essential for the re-colonization by the raccoon dogs of the Tokyo metropolitan area after the 1970s.
著者
松阪 崇久
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.90-106, 2018 (Released:2018-12-27)

動物ショーやテレビ番組に出演するチンパンジー・パンくんの映像作品を用いて、パンくんの感情表出についての分析を行った。映像作品でのパンくんは、着衣で二足歩行を行うことが多く、自然なチンパンジーの姿とは大きく異なっていた。テレビ番組用の映像と動物ショーの本番の映像では、それ以外の動物園などでの映像と比べて、チンパンジー本来の姿とのズレが大きく、感情表出に関しては、ポジティブな笑顔や笑いの表出よりも、恐怖・不安・不満といったネガティブな表出が多い傾向があった。とくにテレビ番組では、パンくんに試練を課し、不安やストレスを与えるシーンもしばしば見られた。このようなパンくん自身の感情表出以外に、テロップ、ナレーションや、チンパンジーの音声の追加によって、パンくんの感情を演出または改変する場面もあった。以上の結果を元に、ショーやテレビにチンパンジーが出演することの問題点について議論した。また、動物の福祉を考える上で、笑いや遊びに注目する意義について考察した。
著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
10

A large number of Photobacterium phosphoreum (6-7 log/g) was isolated from “tamagoyaki” (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced “tamagoyakis”. After the incubation at 10°C for 48 hr or at 25°C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of “tamagoyaki” was caused by contamination with and multiplication by P. phosphoreum.On the surface of “tamagoyaki”, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or “yakichikuwa” (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250μg/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.

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