著者
津田 健 久保内 昌敏
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.14-21, 1998 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

The polymeric materials, which have been generally considered to be good corrosion resistant material, are also degraded according to environments. The degradation behavior of polymeric materials can be classified into physical and chemical process. The later behavior in which molecular chain are cut chemically are called as corrosion. In this paper, the behavior, form and mechanism of corrosion of thermosetting resins used as matrix of GFRP (glass fiber reinforced plastics) under several solutions are mainly reviewed based on our experiments. The degradation behavior of GFRP are also mentioned briefly.
著者
及川 真人 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.183-186, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
13
被引用文献数
8

〔目的〕歩行パフォーマンスと生活空間の関係を明らかにすることとした.〔対象〕脳血管障害により片麻痺を呈し,当院外来に通院している138名とした.〔方法〕歩行パフォーマンス評価には10m歩行時間を生活空間評価にはLife-space Assessment(以下LSA)を用いた.両変数の相関を分析し,単回帰式を算出した.また,より適合する曲線回帰を検討した.〔結果〕LSAと10m歩行時間はr=-0.576と負の相関を示した.また,直線回帰に比べ,逆数回帰がr=-0.768とより適合した.〔結語〕10m歩行時間から生活空間を把握し,生活アドバイスを行うことは生活期リハにおいて有効であると考える.
著者
坂井 誠 濱松 晶彦 久保木 謙二 蔵本 築 黒澤 晋一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.447-455, 1994-06-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

心房細動による塞栓症の一次予防の観点から老年者心房細動40例 (固定性33例, 発作性7例, 平均年齢76歳, 基礎疾患: 弁膜症15例, 非弁膜症25例) を対象に経食道心エコー (TEE) 法による心房内血栓の検出と凝固線溶分子マーカーの動態, 血栓のワーファリン溶解効果について検討した. 凝固線溶分子マーカーとして以下の9項目を測定した. FDP-E, Thrombin-ATIII複合体 (TAT), Plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1), α2PI複合体 (PIC), D-dimer, t-PA, free tPA, tPA・PAI-1複合体, Prothrombin fragment 1+2. また, 動脈硬化性疾患を有しない洞調律21例 (平均年齢75歳) を対照として同様にこれらのマーカーを測定した.TEEにて左房内血栓は心房細動例中14例, 35% (心耳内8例, 心房内6例) に認められ, 弁膜症 (57% vs 27%), 心房内モヤモヤエコー (79% vs 42%) を血栓を認めない例に比し高頻度に有した. 左房径, 左室収縮能と血栓の有無には関連がなかった. 心房内および大動脈壁在血栓 (6例) を有する例は対照群に比しFDP-E, D-dimer, PICの有意の上昇を認め, マーカー9項目中4項目以上の異常を有する頻度が高かった. マーカーからみた心房内と大動脈血栓に対する sensitivity 90%, specificity 65%, predictive accuracy 72%. 左房内に大血栓を有する6例中4例ではワーファリン投与後, 血栓の消失と凝固線溶分子マーカーの正常化を認めたが, 血栓非溶解例でも凝固線溶分子マーカーは低下した. 血栓非溶解例のワーファリン投与前のtPA, PAI-1, tPA・PAI-1複合体値は溶解例に比べ高かった.以上より, 心房内血栓例は凝固線溶分子マーカーの異常を有し, TEEによる心房内および大動脈壁在血栓の検出と凝固線溶分子マーカー測定の組合わせは心房細動例における塞栓症発現ならびに血栓のワーファリン溶解効果を早期にスクリーニングしうる可能性がある.
著者
稲井 卓真 高林 知也 江玉 睦明 久保 雅義
出版者
一般社団法人 日本基礎理学療法学会
雑誌
基礎理学療法学 (ISSN:24366382)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.26-32, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
53

変形性股関節症は股関節痛に加え,関節可動域・下肢筋力・日常生活動作能力・生活の質の低下を伴う代表的な整形外科疾患である。しかしながら,変形性股関節症の進行を遅延させるエビデンスは十分には確立されていない。我々は,動作中の股関節の負荷の指標として股関節モーメントインパルスに着目し,歩行中の股関節内・外転モーメントインパルスと立ち上がり動作中の股関節伸展モーメントインパルスを検討した。歩行に関して,対側杖の使用により股関節内・外転モーメントインパルスが減少すること,および歩行速度の低下に伴い股関節内・外転モーメントインパルスが増加することを明らかにした。また,立ち上がり動作に関して,立ち上がり時間の減少に伴い股関節伸展モーメントインパルスが減少することを明らかにした。我々の知見は,股関節内・外転モーメントインパルスが低い(または高い)歩行パターン,および股関節伸展モーメントインパルスが低い(または高い)立ち上がり動作パターンを理解するために役立つと考える。さらに,我々の知見は変形性股関節症の進行を遅延させるために将来役立つ可能性があると考えられる。
著者
久保 桂子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.164, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 共働き世帯において、夫の職場環境が夫の家事・育児参加や、仕事が家庭生活への妨げという夫の意識に影響を及ぼすことは、これまでの研究において明らかにしてきた。本研究では、さらに、夫の職場環境が妻の仕事と家庭生活の葛藤とも関連するかを明らかにする。加えて、妻の葛藤と、妻の夫に対する家庭生活への参加要求行為(クレーム行為)との関連についても検討する。方法 2013年11月に、千葉県西部の公立保育所21保育所の保育園児の保護者を対象に行った質問紙調査の結果を用いて分析する。調査票は家族票・母親票・父親票を組にして2119世帯に配布し、回収は1118世帯分であった(回収率52.8%、有効票は1099世帯、51.9%)。平均年齢は、夫37.5歳、妻35.7歳、平均子ども数1.7人である。結果 (1) 夫の職場環境が「残業を当然とする雰囲気・残業をしないと終わらない仕事量」の得点が高い場合、妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点も高くなる傾向が認められる。一方、妻の家庭から仕事への葛藤との関連は認められない。また、育児など家族の都合を相談できない雰囲気という夫の職場環境は、妻の葛藤と関連がみられない。(2)夫の職場環境の残業関係の得点が高い場合、妻の夫へのクレームの得点も高い。しかし、実際の夫の労働時間の長さとクレーム行為との関連は弱い。(3)妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点が高い場合、妻の夫へのクレーム行為の得点も高い。
著者
小久保實編
出版者
岩田書院
巻号頁・発行日
1995
著者
渡邉 一由 大久保 泰和 田中 毅弘 藁谷 至誠 新井 幸雄 小島 和人 阪田 麻紀 仲井 章一 中村 章 秦 隆人 藤井 修二 松浦 房次郎 森 正夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成19年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1175-1178, 2007-08-24 (Released:2017-08-31)

Recently it is discussing largely that it asks such social responsibility about the treatment method and the accident and trouble for Building & building facilities. In this paper, it describes the risk management for building. So it shows the outline of CSR,the risk management methods and the regulation of law. This paper has emphasized the importance of having the risk management for building.
著者
張 世良 川口 光 久保木 孝 赤坂 勇 寺下 雄三 秋山 雅義 梶川 翔平
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.63, no.743, pp.174-179, 2022 (Released:2022-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

In the present paper, we describe a tube drawing method with diameter expansion for the effectively formation of thin-walled tubes. The proposed method makes the tube thickness easier to reduce than the conventional method, because the tube wall stretches biaxially in the axial and hoop directions. The effects of the plug half-angle on the forming limit, drawing load, thickness reduction, the precision of the inner diameter, and the strength of the formed tube were investigated by a series of experiments and finite element method (FEM) analysis. As a result, the forming limit was the highest at a plug half-angle α of 36˚, and then the maximum thickness reduction ratio γ max of 32 % was obtained by increasing the expansion ratio. In addition, the thickness reduction ratio increased with the plug half-angle owing to the increase in drawing load. On the other hand, the dimensional precision of the tube inner diameter deteriorated with the increase in plug half-angle because of an overshoot of the tube wall, indicating a gap between the tube wall and the plug. The effect of the plug half-angle on the strength was small, while elongation changed with the plug half-angle. The above results suggest that the plug half-angle should be selected appropriately to obtain the target dimension and mechanical properties.
著者
川久保 惇 小口 孝司
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.69-76, 2015 (Released:2016-01-15)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

This study examined the effects of interaction with others in vacation on subjective happiness and depression. Employees have been experiencing substantial changes in working conditions, and such changes cause an increase of stress. In such a background, the number of people with mental health disorder is rising, and it becomes a major problem in these days. Previous studies have indicated that vacation greatly influences on individual subjective happiness and stress state. However, the number and area of participants in previous studies were limited. Therefore, we conducted an Internet survey and collected participants of various ages from different areas in Japan. The total of 275 adults (109 women, 166 men) participated in this study. As a result of the analysis, the interaction with others in vacation was positively associated with subjective happiness, whereas subjective happiness was negatively associated with depression symptoms as a reaction to stress. These results suggest that reconsidering about vacation have a possibility to promote individuals’ mental health.
著者
飯田 路佳 江藤 幹 大須賀 洋祐 辻本 健彦 清野 諭 大久保 善郎 大山卞 圭悟 田中 喜代次
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.19-27, 2017 (Released:2017-05-18)
参考文献数
29

本研究の目的は,体力測定や生理・生化学的指標から得られる 「活力年齢」 に着目し,中高年女性におけるリズム系運動がどのような健康増進効果をもたらすかについて,①BMIが25kg/m2以上の対象者(以下肥満群),②BMIが25kg/m2未満で明らかな疾患がない対象者(以下一般群),③リズム系運動習慣者(以下ダンサー群)の3群間において,活力年齢およびその構成要素を比較することにより,リズム系運動習慣者の健康体力水準の違いを明らかにすることとした。活力年齡は包括的健康度の指標として,健康と体力に関連する多項目(全身持久性体力,敏捷性,バランス,血圧,血中脂質,腹囲,肺機能など)から推定される。対象は,肥満群(平均年齢62.0±3.9歳)24名,一般群(平均年齢62.4±4.8歳)28名,およびダンサー群(平均年齢63.8±5.3歳)21名であった。ダンサー群の活力年齢(54.5±7.4歳)は,肥満群(67.6±4.6歳)および一般群(62.6±8.1歳)よりも有意に良好な値を示した(P<0.05)。このことから,長年にわたり日常的に,ダンスに代表されるリズム系運動を中心とした身体活動を継続していくことの有益性が認められた。
著者
成瀬 雅人 安藤 友彦 久保田 立記 桑田 正博 田井野 徹 明連 広昭
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.174-180, 2019-05-20 (Released:2019-07-02)
参考文献数
37

This paper reports how the superconducting micro-resonators work as high-sensitivity photon detectors, from millimeter-wave signals to high-energy particles. The resonators are called microwave kinetic inductance detectors and are suitable for use in a large format array. The resonators are easily fabricated applying a few photolithographic processes, and the resonator yield is more than 90%. Hundreds of superconducting resonators can be biased with a single readout line, enabling them to be read out together with frequency multiplexing. We introduce the recent progress of scientific projects relying on this technique, and summarize our results for millimeter-wave astronomy and a high-energy particle detection system. The device was made using epitaxial aluminum on a silicon wafer and its noise was as low as the background limit, approximately 6 × 10−18 W/Hz1/2 in the millimeter-wave range. For high-energy particle detection, we investigated two materials: niobium and a hightemperature superconductor, YBa2Cu3O7-δ. The niobium-based device detected the alpha line (5.4 MeV) events. The pulse decay time was approximately 5 μs and energy resolution was approximately 1 MeV.
著者
雉子谷 佳男 高田 克彦 伊藤 哲 小川 雅子 永峰 正教 久保田 要 坪村 美代子 北原 龍士
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.340-349, 2011-11-25 (Released:2011-11-28)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

日本における造林樹種としてのslash pineの有用性を探ることを目的に,南九州で生育した46年生slash pineについて年輪形成と木材材質を明らかにした。slash pineは,スギやヒノキに比べて晩材形成期間においてより活発に細胞分裂をおこなうことがわかった。容積密度数および曲げ性能は,北米産slash pine材とほぼ同じであった。ミクロフィブリル傾角および晩材仮道管長さでは,胸高直径の大きなslash pineにおいて,未成熟材から成熟材への移行がより早い時期におこり,成熟材部での変動が小さかった。日本におけるslash pineでの木材生産は,スギに比べてより効率的に力学的な性質の優れた木材を安定して生産できると考えた。
著者
大久保 直也 西川 英彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.24-39, 2017-03-31 (Released:2020-03-17)
参考文献数
45

本研究の目的は,ユーザー・イノベーションが生まれるイノベーション・コミュニティ,なかでも共創しつつその成果を活用して競争するミニ四駆のコミュニティを対象に,共創・競争志向と,ユーザー・イノベーションとの関係を実証的に明らかにするものである。本研究の発見としては,両志向は,ユーザー・イノベーションの質・量・活用という成果に対して異なる影響を与えていたことである。競争志向は,ユーザー・イノベーション活用の成果(競技成績)に正の影響を与え,一方の共創志向は,ユーザー・イノベーションの質(機能性)に正の影響を与えていたが,ユーザー・イノベーションの量(回数および発生の有無)に影響を与えてはいなかった。競争志向が低い場合にのみ,共創志向はユーザー・イノベーションの量に正の影響を与えていた。さらに,先行研究の整理によって,イノベーション・コミュニティを,非競争・開発型,非競争・活用型,競争・開発型,競争・活用型と4類型化したことも本研究の成果である。
著者
石井 優 久保 治郎 髙野 浩司
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.145-217, 2019-02-25 (Released:2020-05-23)
参考文献数
25

海上保険実務と密接に関わる運送・海商の規律を120年ぶりに見直した改正商法が間もなく施行される。海上保険関連では,委付規定を削除した他,規律と実務の不整合を多くの箇所で解消している。保険法の告知に係る質問応答義務の規定を退け自発的申告義務を定めた意義は大きい。貨物保険の代位求償関連では,内航運送人の責任が軽減され,外航貨物の海上運送状下での荷受人の権利が規定された他,貨物損害賠償請求権に関しても,消滅時効を出訴期限とし,船舶先取特権は維持する等,実務面で意義ある改正がなされた。海難関連で,船舶衝突では1910年衝突条約の規定を選択的に採用した。海難救助では契約救助も明確に対象とし,船舶関係者が積荷等も含む救助契約を締結できると定めた他,不成功無報酬の原則を修正し環境損害防止費用の特別補償の規定を導入している。共同海損では成立要件や分担につき1994年YARとの整合が図られたが,対象となる損害・費用の範囲では,新たな規定の追加はなく現行条文の修正に止まった。