著者
北見 智恵 河内 保之 五十嵐 俊彦 牧野 成人 西村 淳 川原 聖佳子 新国 恵也 原田 憲一
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1006-1015, 2016-10-01 (Released:2016-10-20)
参考文献数
51
被引用文献数
5 4

症例は65歳の女性で,腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘された.ダイナミックCTで肝S5に18 mm大の辺縁は早期に中央は遅延造影される腫瘤を認め内部に門脈枝が貫通していた.良性疾患として経過観察されたが9か月後腫瘤が24 mmと増大し手術の方針となった.血液生化学検査所見ではCA19-9 83.7 U/mlと上昇,HBV-Ag(−),HCV-Ab(−)であった.肝S5部分切除を行った.病理学的所見は胆管上皮類似の腫瘍細胞が豊富な間質を伴いつつ管状,樹枝状に増殖,内部に既存の門脈域が埋没し,免疫組織染色検査ではCK7,CK19,NCAM陽性,Hep-Par1,AFP陰性,EMAが腺管構造の腺腔で膜状に染色され細胆管細胞癌と診断された.背景肝に慢性肝疾患の像は認めなかった.細胆管細胞癌は比較的まれな腫瘍で慢性肝障害を背景として発症することが多いとされている.正常肝に発症した1例を経験したので報告した.
著者
青野 篤子 五十嵐 靖博 滑田 明暢
出版者
心理科学研究会
雑誌
心理科学 (ISSN:03883299)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-10, 2013

What we should study is affected by the calling of time and society, and is not completely unrelated to political conditions and social policies. For example, although the studies on developmental disorders or on stress have been popular for a long time, those are not only symptomatic therapies but they also reproduce the reality. Also, the eagerness to adhere to the scientific approaches in the psychology world drives us in those studies using micro- or high-tech machines or highly advanced statistics. As a result, the situation of "psychology without society" may be produced. In this special issue, we would like to criticize the mainstream psychologies and discuss how psychology faces the real contemporary society from the view point of critical, feminist, and qualitative psychology.
著者
光本 孝次 松村 信雄 五十嵐 正
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 第1部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.606-610, 1973-01

良い資質の乳牛のイメージを得るために,一般レベルの乳牛群,ブリーダーの乳牛群と輸入乳牛群の体型7部位と乳房形質12部位を測定した。測定時期は約乾乳期と約最高泌乳期の2時期である。1)体高,体長および尻長において,輸入牛とブリーダーのそれには非常に類似した平均値が得られた。輸入牛の腰角幅と〓幅の平均値はブリーダーのそれより大きいようである。一般レベルの乳牛は相対的に小柄である。2)輸入牛の乳房は泌乳による乳房の縦の変化が少なく,横の変化が非常に大きい。3)前後乳頭間隔では輸入牛の膨張係数が低い。
著者
五十嵐 由利子 萬羽 郁子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.281, 2006

【目的】 2004年10月に発生した新潟県中越地震による住宅被害は全壊3,185棟、大規模半壊2,157棟、半壊11,546棟、一部損壊103,503棟で、多くの被災住民が応急仮設住宅に入居した。この仮設住宅建設に当たっては阪神淡路大震災での教訓を生かし、また積雪寒冷地への対応についても考慮された。このような配慮が夏季の温熱環境にどのように影響しているかを実測調査から明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】 新潟県内に建設された仮設住宅について新潟県の資料から配置計画の特徴を捉え、居室の向きの異なる住戸(2DKを中心に)を対象に調査協力を依頼し、10戸を対象として各室の温湿度を2005年6月24日から8月21日まで計測した。<BR>【結果】 仮設住宅では各戸の1室にはエアコンが設置されており、その室はほとんどの住戸で居間として使用されていた。エアコンの使用時間については被災前の住宅での使用状況が影響し、各住戸での違いが見られた。6月から居室の日最低温度が25℃以上、最高が30℃を超えているところが多く、8月の夏日が続いたころは、エアコンのない部屋の日平均温度が30℃を超えている住戸が多かった。また、東向きの居室では午前中の温度上昇が大であった。
著者
有泉 毅 五十嵐 寛昌 今立 文雄 黒沼 出 貝沼 憲男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.343-348, 1998

Shield tunnelling method has been widely applied to construction of underground structures in urban area and a demand for long distance tunnelling under high underground water pressure isgrowing recently.<BR>To deal with the demand, we have been developed a high durability new tail-end-sealing system which is made by filling up ordinary wire brush with poly urethane form. However, for more long distance tunnelling, it is necessary to have aditional technology which make able to replace damaged tail end seals with new one.<BR>We designed a new sealing system which is applied technique of preceding new tail-end-sealing system. A series of fundamental efficiency tests has been carried out.<BR>As a result, it was clarified that the new sealing system has higher sealing performance and higher durability.
著者
五十嵐 寛
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.75-79, 2020-01-15 (Released:2020-02-19)
参考文献数
9

シミュレーション教育に従事する方々を対象に,セミナーを開発する場合の最重要ポイントを,成果(アウトカム)基盤型教育とインストラクショナルデザインの観点から概説する.セミナー開発時の必須項目は,受講対象者の設定(入口)とアウトカム(出口)設定,教育効果の指標(カークパトリック・モデル),モチベーションへの配慮(ARCS動機づけモデル)などである.
著者
五十嵐 明 宇佐美 智正
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-11, 1997
参考文献数
2

直接感熱記録方式で濃度階調表現が可能な高画質フルカラープリントシステム(TA;Thermo-Autochrome system)を開発した。TAシステムでは記録紙中にイエロー、マゼンタ、シアンの発色機能を含有するTAペーパーを使用し、加熱による画像記録、それに引き続いて紫外線を照射することによる画像定着(シアン層は除く)を各色について繰り返すことによりフルカラー記録を行う。TAペーパーの開発によりインクリボンやインクカートリッジといった廃棄物が生ぜず、既存のフルカラープリントシステムに対して特徴あるシステムが完成された。
著者
石崎 廣 五十嵐 弘道 荒井 頼子 蒲地 政文 石川 洋一 齊藤 誠一
出版者
Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
雑誌
Memoirs of the Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University (ISSN:24353361)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.1-31, 2021-12

When a histogram-based method for front detection was applied to the sea surface temperature (SST) and chlorophyll-a (CHL) data by ‘Himawari’ and ‘Shikisai’ (GCOM-C) satellite, the obtained frontal patterns were scale-selective, corresponding to the window scales (W). On this basis, the optimum initial smoothing condition as the data preprocessing was searched for, that maximizes the frontal edge point detection rate to the given W. As the smoothing filter, the median filter (MF) and the Gaussian filter (GF) were used solely or co-used. As the result, it was found that the frontal edge point detection rate was maximized when the original data were smoothed until the scale of about a half of W, that is, when the disturbances with the scales less than about a half of W were removed, for the low-latitude SST data of ‘Himawari’ with the co-use of MF and GF. Namely, the optimum smoothing scale (D) that maximizes the frontal edge point detection rate is roughly proportional to W. The mean values (Rm) of the ratio of D to W (R=D/W), averaged over the practical range of W for various data and regions, fall in a range 0.3 &lt; Rm &lt; 0.5.
著者
長澤 博 宮林 茂幸 五十嵐 健蔵
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.1-10, 2004-07-01 (Released:2017-08-28)
参考文献数
20
被引用文献数
4

本稿では,バブル経済崩壊以降の構造不況下におけるリゾート開発問題の実態を解明することを目的としている。この1990年以降のリゾート開発問題とは,リゾート開発跡地における総花的な開発資本による「林地投機」の動向にほかならない。そこで,福島県会津フレッシュリゾート構想地域の市町村を対象に,林地取引に関する調査を実施した。その結果,開発資本による林地取引は,まず第一に,バブル経済全盛期(1986〜1991年)にかけて取引量が多くなり,県外者への転売が多い傾向にあった。第二には,観光資源が豊富な磐梯山周辺地域で,投機効率の高い可能性を持つ林地が取引対象になっていた。第三には,猪苗代町・北塩原村では小規模の「別荘地等」,磐梯町・河東町・会津若松市では大規模の「レジャー施設等」「資産保有」目的で林地取引を行う傾向にあった。第四には,財政規模の大きい会津若松市では「資産保有」型の林地取引が非常に多くなり,開発利益を期待した「林地投機」が実施されていた。第五には,バブル経済崩壊後,林地価格の下落により「不良債権化」した投機対象林分では,開発資本による森林の放置と管理放棄が拡大しており,森林荒廃の一要因を形成していることが明らかとなった。