著者
倉 雅晨
出版者
中国人文学会
雑誌
饕餮 (ISSN:13441485)
巻号頁・発行日
no.24, pp.2-23, 2016-09

2 0 0 0 OA 赤面する青年

著者
小倉 敏彦
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.346-361, 1999-12-30 (Released:2010-04-23)
参考文献数
28

本稿は, 明治・大正期の小説文学に頻出する「赤面する青年」という形象を焦点に, 明治中期における「恋愛」の受容と青年意識の変容について考察する試みである。文学作品の中に描写された, 女性を前にして赤面・狼狽する男たちの姿を, ここでは, 男女間の関係性および (恋愛対象としての) 女性像の変容に対応した, 変調の表象として読解していく。従来, 近代的恋愛の成立は, 近代的個人あるいは主観性の成立と相即的に論じられてきた。しかしながら, ここで読みとられた青年たちの逸脱的な様態は, 明治期における恋愛の発見と受容が, 主観性=主体性の成立の帰結というよりは, 一次的には, 新しい生活慣習と教養を身につけた女性たちとの対峙によって解発された, コミュニケーションと自己同一性の危機であったことを物語っているのである。
著者
阿部 加奈子 倉渕 隆 飯野 由香利
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.193-196, 2014 (Released:2017-11-15)

本研究では、教室の方位や階数の違いによる冷房時の室内温熱環境や児童の温冷感の実態を調査し、冷房時の設定温度の指針を示す基礎資料の収集を目的とした。その結果、階数や方位によって室内環境は異なっており、一定の温度で全ての教室を制御することは適切ではないかもしれないという結果となった。また、教室及び生徒の熱の順応性等の条件も考慮する必要があると考えられる。
著者
宮地 諒 森 健太郎 出口 美由樹 米倉 佐恵 波 拓夢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-140_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】 臨床上,自動下肢伸展挙上運動や歩行など種々の課題の中で大腿骨頭の腹側への偏移を有する症例は多く,それに対し股関節安定化運動を実施する場面はしばしばみられる.しかし,副運動の制御についての報告は少なく,股関節安定化運動時の筋活動については明らかにされていない.そのため,本研究は大腿骨頭の腹側方向への負荷に対して股関節安定化運動を行った際の筋厚を測定し,関与する筋を明らかにすることを目的とした.【方法】 対象は下肢や脊柱に関節障害などの既往がなく,日常生活に影響する疼痛がない健常成人男性10名(25.2±4.3歳)とした.測定肢位は背臥位にてベルトで骨盤と大腿骨遠位部を固定した肢位とした.大腿骨頭の腹側方向への負荷は坐骨結節より遠位の大腿部に空気の抜いたボールを挿入し,空気入れでボールに空気を入れた際に10kgfの負荷となるように調節し,負荷を与えた.被験者には負荷が加わった際に負荷に対して負けない程度に保持することを指示した.測定は腸腰筋,小殿筋前部線維,中殿筋前部線維,大腿筋膜張筋を安静時と負荷抵抗時に超音波画像診断装置(LOGIQ e,GE ヘルスケアジャパン社) のBモードにてリニアプローブ(10MHz)を使用し撮像した.腸腰筋は鼠径部中央,小殿筋前部線維・中殿筋前部線維・大腿筋膜張筋は上前腸骨棘と大転子を結んだ線上の遠位1/3部にて測定した.取得した画像から画像解析プログラムImage Jを使用して各筋の筋厚を計測した.統計解析はSPSSVer.19(日本アイ・ビーエム社)を使用し,安静時と負荷抵抗時の筋厚の比較は対応のあるt検定,各筋の筋厚変化率(安静時/負荷抵抗時)の比較は反復測定分散分析と下位検定にTukey法を行った.【結果】 安静時と負荷抵抗時の筋厚の比較では小殿筋前部線維のみ有意に低値(P<0.05)を示したが,その他の筋では有意差を認めなかった.各筋の筋厚変化率の比較では小殿筋前部線維が中殿筋前部線維・大腿筋膜張筋よりも有意に高値(P<0.05)を示した.【結論】 大腿骨頭の腹側方向への負荷に対する抵抗時には小殿筋前部線維の筋厚変化が腸腰筋,中殿筋前部線維,大腿筋膜張筋と比較して大きい.そのため,大腿骨頭の腹側偏移に対する股関節の安定化には小殿筋の関与が考えられ,小殿筋にも着目したエクササイズの検討が必要であることが示唆された.【倫理的配慮,説明と同意】被験者には事前にヘルシンキ宣言に基づいて文書と口頭にて研究の意義,方法,不利益等について十分に説明し参加の同意署名を得た上で実施した.
著者
金堀 哲也 岡本 嘉一 小倉 圭 前原 淳 島田 一志
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.217_2, 2017

<p> 成長期の野球選手における野球肘の有病率は非常に高く、野球肘の早期発見および予防の重要性が提言されている。野球肘の発症要因には酷使をはじめとして、ポジションや投球動作など、様々な要因が複雑に絡み合っている。Okamoto et al.(2016)は、学童期野球選手を対象にMRI診断を行った結果、41.9%に異常所見がみられたものの、投球数、投球頻度、ポジションとの関係性はなかったと報告している。すなわち、野球肘の発症要因において、投球動作との関連性は少なくないと考えられる。そこで本研究は、肩・肘に痛みのない学童期野球選手60名を対象に、肘関節MRI診断および投球動作の3次元動作解析を併用することで、MRI診断結果と投球動作の関係性について検討し、野球肘の発症要因となる投球動作を明らかにすることを目的とした。その結果、踏出足着地時の投球腕肩関節の外転角度においてMRI陰性群のほうが有意に小さかった。また、踏出足着地時の肩と腰の回転角度の差においてMRI陰性群のほうが有意に大きかった。以上のことから、踏出足着地時の姿勢がその後の投球腕の動作に影響を及ぼし、肘関節への過度な負荷を加えている可能性が示唆された。</p>
著者
樫野 いく子 溝上 哲也 由田 克士 上西 一弘 長谷川 祐子 斉藤 裕子 青柳 清治 倉貫 早智 中村 丁次
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.445-450, 2018 (Released:2018-07-26)
参考文献数
12

国民一人ひとりが健康的な食品を特定し、選択することは容易ではない。近年、栄養素密度に基づき食品をランク付けする栄養プロファイリングモデルが各国で開発されている。しかし、わが国ではこのような概念による食品の評価は十分に行われていない。そこで、日本食品標準成分表2015年版に掲載された食品を対象に食品のランク付けを行った。積極的な摂取が推奨される9つの栄養素と、摂取量を制限すべき3つの栄養素を用いて高栄養素食品指数9.3 Nutrient-rich food index 9.3(NRF9.3)を各食品100kcal当たりで算出した。その結果、藻類、野菜類、きのこ類、豆類の食品群順にNRF9.3が高かった。また、同食品群内でも栄養価の高い食品と栄養価の低い食品を区別することができた。食品を購入する際に、栄養価のより高い食品を選択する、あるいは同食品群内で代替食品を選択するにあたり、本指数を参照することは有用であるかもしれない。
著者
春日 教測 穴倉 学 Norihiro KASUGA Manabu SHISHIKURA
出版者
甲南大学経済学会
雑誌
甲南経済学論集 = Konan economic papers (ISSN:04524187)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3・4, pp.15-44, 2020-03-20

本稿では, ①テレビ視聴者に関するデータの利用, ②経済理論の発展と分析手法の変遷という2点に着目してスポーツ経済学の研究をとりあげ, 主として不確実性と需要者行動に関する考察を行う。本稿を通じて, データの利用可能性や経済理論の発展と呼応して, 試合結果の不確実性とスタジアム観客数との関係検証からテレビ視聴者を対象にした分析にシフトし, 最近では心理的側面を取り入れた分析へと推移してきた状況について確認した。また,スポーツの試合を対象としつつも, 製品・サービスの代替性/補完性といった産業組織上の論点を検証する研究にも触れ, 今後の発展の方向性についても展望を行った。
著者
丹治 史弥 鍋倉 賢治
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.583-594, 2018-12-10 (Released:2018-12-20)
参考文献数
38

Step parameters are associated with running economy (RE), but the relationship between these longitudinal changes remains unclear. In the present study, we aimed to clarify the relationship between changes in step parameters and RE at intensities below and above the lactate threshold (LT) in well-trained middle to long-distance runners and to acquire knowledge applicable to coaching. A total of 29 male university students training in distance running (age, 19.4 ± 1.0 yr; height, 171.3 ± 4.5 cm; body weight, 57.1 ± 3.6 kg) participated in the study. Participants performed multistage incremental treadmill tests to measure step parameters (ground contact time: CT; step length: SL; step frequency: SF; leg stiffness: kleg) and RE before and after 4 months of training. Since the LT speed of participants was 16.6 ± 1.1 km・h−1, intensities below, near, and above the LT were set at 13.8 and 15.0 km・h−1, 16.2 km・h−1, and 17.4 and 18.6 km・h−1, respectively. No significant relationships were observed between changes in RE and any of the step parameters at intensities below and near the LT. Moreover, although no significant relationship was noted between changes in RE and both SL and SF, there was a significant positive and negative relationship between changes in RE and CT and kleg, respectively, at intensities above the LT. Changes in kleg showed a strong negative correlation with CT changes at each intensity. It can be concluded from these findings that shortening the CT improves the RE for high-intensity running and that this variation is partly attributable to the improvement in kleg.
著者
鎌倉 令 山田 優子 岡村 英夫 野田 崇 相庭 武司 里見 和浩 須山 和弘 清水 渉 相原 直彦 上野 和行 鎌倉 史郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.150-157, 2011 (Released:2011-08-02)
参考文献数
11
被引用文献数
4 2

ベプリジルの至適投与量,ならびに安全かつ有効な血中濃度域を見いだすために,不整脈に対してベプリジルを投与した112例(男性80例,女性32例,年齢64.3±12.5歳)の血中濃度を測定した.測定には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用い,臨床的特徴,心電図指標などを対比し,不整脈抑制効果と副作用の発生状況を評価した.平均投与量は128±34 mg/日,平均血中濃度は751±462ng/mlであり,200mg投与群では有意に高い血中濃度(1,093±721ng/ml)を示した.平均観察期間899日で,心房頻脈性不整脈109例中14例が洞調律を維持し,57例で自覚症状が改善した.改善例の血中濃度は非改善例に比べ有意に高かった(866±541ng/ml vs. 622±329ng/ml, p=0.006).副作用としてQTc延長>0.48秒を10例に,徐脈を6例に認めたが,それらの濃度は副作用のない群に比して有意に高かった(QTc延長vs.副作用なし : 1,086±471ng/ml, p=0.005,徐脈vs.副作用なし : 1,056±522ng/ml, p=0.03).Torsade de pointesを呈した例はなかった.【結論】日本人のベプリジル至適投与量は150mg/日以下,症状を改善し,かつ副作用が出現しにくい血中濃度域は600~1,000 ng/mlと考えられた.
著者
倉石 義久
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:乙2292号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2010/10/20 ; 早大学位記番号:新5470
著者
藤高 道子 河野 一輝 上田 晴雄 川口 浩史 佐倉 伸夫 上田 一博
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.99-102, 2002-03-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
16

症例は12歳5ヶ月の喘息女児. 従来より梅雨時期に発作が増悪する傾向がありプロピオン酸ベクロメタゾンを吸入していたが, 発作が軽減したため平成11年2月に中止した. 平成11年6月, ヒマラヤ杉とカモガヤ等のイネ科植物が群生する地域の伐採現場を通った約15分後より, 上眼瞼と口唇を中心とした顔面の浮腫, 全身チアノーゼ, 喘鳴を伴う呼吸困難が出現し当院へ緊急受診した. 受診時の意識レベルはJCS III-300で血圧も触知不能であったが, 直ちにエピネフリン, メチルプレドニゾロン等の救急処置を施行し, 当院到着から1時間後に意識は清明, 顔面の浮腫と全身のチアノーゼは消失, 呼吸状態も改善した. 発症の状況と CAP-RAST の結果から, イネ科植物花粉の大量吸入によるアナフィラキシーショックが考えられた. 花粉によるアナフィラキシーショックの報告は稀であるが花粉の大量吸入は重篤なアレルギー症状を起こす可能性が示唆され, 花粉の飛散時期を考慮に入れた注意深い治療管理が必要と思われた.
著者
近藤 克則 戸倉 直実 二木 立
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.46-53, 1994-01-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

発症早期の座位で脳卒中の再発・進行頻度が増えるか否かを検討した.対象は発症後第7病日以内入院の全脳卒中患者384人.入院第14日以内の意識障害,片麻痺などの悪化を再発・進行とした.座位耐性訓練以外に,来院時・診察時・看護上の座位なども座位に含めた.その結果,入院後14日以内の死亡を含めた再発・進行は,(1)早期座位の対象となる入院第1病日の意識障害清明,または1桁の患者281人のうち42人(14.9%)でみられ,(2)入院第1日に座位にした群で21/200人(10.5%)と座位にしなかった群の21/81人(25.9%)よりむしろ低かった.(3)重症度・病型・病巣部位・全身状態の安定度などで層別化しても結果は同様で,早期座位を施行しても再発・進行は増えていなかった.
著者
細井 裕司 添田 喜治 西村 忠己 下倉 良太 松井 淑恵 中川 誠司 高木 悠哉
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

我々人間の聴覚では 20 kHz 以上の超音波領域の音は聞こえないが、超音波振動として骨導に与えると音知覚が得られる(骨導超音波)。さらにこの骨導超音波は、音が全く聞こえない最重度難聴者でも聴取可能である。この現象を利用し、我々は最重度難聴者に音知覚を与える骨導超音波補聴器の開発を行っている。本研究では(1)未だ知られていない超音波聴覚メカニズムの解明、(2)骨導超音波補聴器の実用化研究という二つの課題に取り組んできた。そしてその研究成果から、骨導超音波の末梢の知覚器官は蝸牛の基底回転に存在すること、またそれは変調された可聴音ではなく超音波自体を聴取していること、その際外有毛細胞が関与している可能性は低いことなど、聴覚路上の末梢・中枢での超音波聴覚メカニズムが明らかになってきた。また語音で変調した骨導超音波のプロソディ(抑揚)が弁別可能であること、リハビリテーションによって言葉の聞き取りが改善されることなどの実用化研究も大きく進展した。
著者
倉澤 隆平 久堀 周治郎 奥泉 宏康
出版者
日本微量元素学会
雑誌
Biomedical Research on Trace Elements (ISSN:0916717X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-12, 2010 (Released:2013-09-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1

It is well known that zinc is an essential trace element for maintaining human health. However, there is a paucity of literature describing cases of zinc deficiency, leading many physicians to believe that zinc deficiency is a rare occurrence. Nevertheless, we have found many zinc-deficient patients at our Kitamimaki-onsen clinic since 2002, and reported their symptoms at the annual meeting of this BRTE society held in 2005. Their complaints were anorexia, general fatigue, impaired sense of taste, burning mouth, various types of skin lesion, delayed wound healing, emotional instability, and others. Each of these wide ranging complaints can be induced by zinc depletion, though they do not necessarily manifest themselves simultaneously. The reasons why such a wide range of symptoms appear in cases of zinc deficiency are becoming more apparent, due to recent studies advancing our knowledge on the functions of zinc-related proteins such as zinc transporters and zincrelated metaloenzymes. In this paper, we offer possible explanations on the relationship between zinc depletion and the onset of the abovenoted symptoms, and discuss the limitations of using serum zinc levels to detect and diagnose zinc deficiency.
著者
相原 一貴 小野 武也 石倉 英樹 佐藤 勇太 松本 智博 田坂 厚志 梅井 凡子 積山 和加子 沖 貞明
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.41-44, 2016-04-30 (Released:2016-07-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1

[目的]本研究は身体の柔軟性の評価である指床間距離(Finger-Floor Distance:以下FFD)を用いて,睡眠前後でのFFD の変化を明らかにするために行った。[対象と方法]健常大学生34名(男性14名,女性20名)を対象とした。朝と夜のFFD と睡眠時間を3日間測定した。なおFFD は,①夜の入浴前と②朝の起床後に測定した。[結果]FFD の値は朝の方が夜よりも有意に高値であった。[結語]睡眠後に身体の柔軟性が低下していることが明らかとなった。